EYERESH for ニンテンドー3DS 眼のストレッチ&トレーニング

【あいれっしゅ ふぉー にんてんどーすりーでぃーえす めのすとれっちあんどとれーにんぐ】

ジャンル アイケア・見るチカラアプリ
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア ダウンロード専売
発売元 リメディア
開発元 エムシーエフ
発売日 2016年8月31日
定価 800円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:教育・データベース
セーブデータ 5個
判定 良作
ポイント 画面から大きく飛び出す映像
コツコツプレイできる


概要

スポーツ視覚学の第一人者、石垣尚男教授監修のもと、眼の筋肉をストレッチすることを狙った実用ソフト。
12種類のトレーニング(ミニゲーム)、9つのアイケア立体映像が収録されている。


システム

  • セーブデータについて
    • プレイヤーの名前・性別・年齢を設定したアカウントをつくり(最大5個まで可)、各アカウント内部でそれぞれゲームを進捗させていくこととなる。
    • オートセーブ形式をとっている。セーブデータを一部ほかアカウントに割譲したりはできない。
  • ベースは、トレーニング、アイケア映像、石垣教授の「見るチカラ」講座(コラム)から成る。
  • トレーニングの記録を閲覧したり、チャレンジモードで選抜された4種類のトレーニングをやりこんだりできる。

トレーニング

  • 全12種類。
  • 大きく分けて、眼と手の協応動作、眼球運動、動体視力、周辺視野、瞬間視の5つのジャンルに分かれている。
  • 3DS上画面に表示される3D画像を見て、下画面に対してタッチペン操作をアウトプットする形式で回答していく。
  • 初級・中級・上級の3つの難易度がある。プレイヤー側は好きに選ぶことが可能。
  • 初回はかならずルール説明を見ることになる。
  • 最初は一部のゲームしか遊べないが、アイケア映像(後述)の視聴状況で、新しいトレーニングが開放されていく。
  • 各種、トレーニングは終了すると成績を100点満点で採点してくれる。正答率だけで採点する場合もあったり、クリアまでのタイム、お手つきの可否も考慮する場合がある。
+ 詳細
  • タッチ!4
    • 画面中央の十字線により4つに区切られた上画面を舞台とするゲーム。
    • 4区画にランダムに「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」の数字が配置される。
    • 1から順に目で探し当て、4つの区画と対応した場所を3DS下画面タッチで順番にタッチしていく。
    • 難易度が上がると、数字が上下反転していたり左右に移動していたりするようになる。
    • 全5問。クリアするまでのタイムがカウントされている。ミスタッチすると多少減点がある模様。
  • 漢字探し
    • 上画面に四字熟語が表示され、下画面にの5×4=20個ある漢字リストが表示される。
    • 四字熟語の左から読んでいき、それと同じ漢字を下の漢字リストからひとつずつ選んで順にタッチしていく。
    • 全5問。クリアまでの時間をもとに100点満点で採点される。ミスタッチすると多少減点がある模様。
  • 動体視力
    • まず3DS上画面にランドルト環*1、あるいは「○」が一瞬だけ流れて消滅する。そのあと、画面に流れてきた記号がどんなだったか3択から選ぶ。
    • 難易度が上がるとランドルト環か「○」が表示される時間が短くなっていく。
    • 全10問、正答率から採点される。
  • 周辺視
    • 3DSの上画面と下画面の縁に「○」「△」が時計の文字盤の要領で配置される。
    • 時計の針がどれか2つの図形をランダムで指している画像が一瞬だけ表示されるので、画像を見終わった後2つの針が指していた図形が「同じ」か「違う」*2かを2択でこたえる。
    • 全10問。正答数のみが記録される。
  • 瞬間・漢字
    • 3DS上画面・下画面にそれぞれ4マス×5マスの空欄が表示される。
    • 上下画面ともに一瞬だけ1~3文字の漢字がマスの上に表示されて消滅する。その後上と下画面とで違う字を表示していたマスをタッチで選んで解答する。
    • 全10問。1問につき複数個所を解答しなくてはならないこともある。部分点はもらえず正解した問題の数をもとに採点される。
  • 瞬間・図形
    • 3DS上画面に縦2行、横2~4列に図形が一瞬だけ表示される。
    • 図形を見終わった後、上下の図形が異なった「列」を回答する。間違っている列は複数ある場合もある。
    • 全10問。部分点はもらえず正解した問題の数をもとに採点される。
  • カラーナンバー
    • 「1」と書かれた白色パネル1枚、「2」「3」「4」「5」の4つの数字が書かれたパネルが4枚ある。
      • 数字とパネルはそれぞれ赤・黄・緑・青のどれかに着色されている。
      • まず「1」の色を認識して、それと同じ色のパネルにある「2」を見て「2」の色を認識して、今度はその2と同じ色のパネルを見て3を探し…という順で進めて、最終的に「5」の色を回答する。
    • 全5問。1問はそれぞれ最高20点で、クリアに要したタイムも加味される。間違えるとその問題は0点。
  • 仲間はずれ
    • 一瞬だけ、3DSの上画面下画面をつかって「○」が4つ表示される。それの大きさが1つだけ異なる場合がある。
    • 見終わった後3択(「大きいものが仲間はずれ」「小さいものが仲間はずれ」「仲間はずれがいない」)から回答する。
    • 難易度が上がると、「○」の表示時間が短くなっていく。
    • 全10問。正答数のみが記録される。
  • シルエットあて
    • 3DS下画面に選択肢として4つのシルエットが表示される。
    • そのあと、3DS上画面に上記4つのシルエットのうち2つが任意に選ばれて、流れ星のように出現。
    • どのシルエットが出現したかを選択肢から選ぶ。
    • 上級に至るにつれて、シルエットが複雑になってくる。
    • 全10問。1問につき2つのシルエットを的中させると10点、1つだけ的中させると3点くれる。
  • タッチ!LR
    • 3DS上画面に階段が表示される。また各段に黒い粒が置かれている。
    • 最下段にある黒い粒が画面の半分から左側にあれば「左側」をタッチ、右側にあれば「右側」をタッチする。
    • 正しくタッチすると最下段の黒い粒がひとつ消滅し、上段にある黒い粒が順繰りに降りてくる。黒い粒を100個さばききるとクリア。
    • 高難易度ほど、黒い粒が蛇行するように配置され、瞬時には左右のどちらにあるか判別しづらくなる。
    • クリアまでのタイムを参考に採点される。ミスタッチすると減点がある。
  • カラーボール
    • 3DS上画面に「青」「緑」「橙」「赤」のボールが15~70個程度表示される。
    • 上画面を見つつ、どの色のボールが一番多いかを4つの選択肢から選んで回答する。
    • なお各問10秒の制限時間あり。高難易度ほど、表示されるボールの数が増える。
    • 全10問。クリアまでの時間を参考に採点される。
  • 瞬間・ドット
    • 3DS上画面に3×3~5×5の正方形型のエリアが表示され「白」と「黒」のドット絵が瞬間的にランダムに表示される。
    • 上画面のドット絵が消えたら、下画面にさっきと同じドット絵を作って解答する必要がある。
    • 全10問。正解した問題数のみが採点の参考にされ、部分点はもらえない。

その他

  • アイケア画像
    • 3DSの上画面で立体視を活用した1分~3分程度の動画を視聴する。テイストとしてはいずれも静かにリラックスような類。
    • ツアーを実行した日数が一定に達していくと、アイケア映像のバリエーションが増えていく。
      • なお1日に何度もツアーを実行しても良いが、アイケア画像は増えない。
    • 一部、石垣教授のコラムを読破することで解放される。
    • 動画は一時停止することはできるが、巻き戻すことはできない。(もっとも、短い動画なので巻き戻し出来なくてもあまり困ることは無いが。)
  • 「見るチカラ」ツアー
    • ゲーム側が任意に選択したトレーニングを2つ、その後にアイケア映像を1本視聴する流れ。トレーニングの難易度はプレイヤー側が常に選べる。
    • なおトレーニング実施中に3DSをスリープ状態にすると、最初からやり直しになるので注意。
  • 石垣教授の「見るチカラ」講座
    • スポーツ視覚学の観点からの、視力、みるチカラについての定義のお話や、眼の構造、年齢・職業・民俗ごとの視力の推移、人間以外の生物の視力についてを好きなときに読める。
    • 最初からすべてのコラムが読めるわけではなく、一部はトレーニングの「タッチ!LR」をプレイすることで解禁される。
  • チャレンジ
    • 「仲間はずれ」「シルエットあて」「カラーボール」「瞬間・ドット」の4種類のトレーニングをエンドレスに行えるモードである。全トレーニングを1回でも遊ぶと解放される。
    • いずれも最初は簡単だが、徐々に難しくなっていき、一回でも誤答すると終了。何問正解できたかが記録される。

評価点

  • 3DSの機能をよく生かしている
    • 一般的な3DSソフトの立体視では、奥にへこむように見えるようなパターンが多いものの、本作では画面から思い切り飛び出してくるのでインパクトはある。
    • 特に「アイケア映像」はポリゴンのカクツキなど殆ど確認できず、さらには飛び出してくる迫力も抜群。
    • トレーニングも原則、立体視対応。タッチ!4、タッチ!LR、カラーボールでは、かなり細かく立体視が設計されている。
    • タッチ・ボタンの両方での操作が可能。Aボタンで決定、Bボタンで一つ前の画面に戻る機能も搭載されている。
  • データベースとしての性能
    • 日々こなすソフトとして、最低限必要と思われる機能は備えている。
    • 何時何分単位で行動履歴も記録してくれる。いつツアーを完了したか、いつ好きなトレーニングをしたかなども参照可能。
    • 各種トレーニングの成績・ハイスコア、また経時的な成績変化(過去300回分まで)がきちんと記録される。
    • 各種トレーニングの中でも、設問がどのような状態のときに正解率がいくらになるか、など多少細かい集計も行ってくれる。
    • 眼と手の協応動作、眼球運動、動体視力、周辺視野、瞬間視の5つのジャンルごとの、トレーニング実施状況や得点(いままでの平均点)も参照できる。
      • 具体的には、問題もどこで間違えたか分かるようになっている。苦手分野も分かるかもしれない。
      • なお問題点とはいえないかもしれないが、特定のトレーニングや特定の時期の記録だけ狙って消すことはできない。
  • 「見るチカラ」ツアー
    • トレーニング、アイケア映像を毎回選出してくるが、特に偏りが発生しない。
    • 2種類選ばれるトレーニングについても、プレイヤー側がめいめい難易度を指定することが可能で自由度は高い。
    • また特定のトレーニングをするよう強制されることもない。あまり推奨されるプレイではないかもしれないが、苦手なトレーニングをあてがわれた場合は、ツアーを中断することで別のミニゲームを引き当てることも可能。
  • 石垣教授の「見るチカラ」講座(コラム)はそれなりに勉強になる
    • 情報としては、日常生活には関係があるのだがあまり知られていないような比較的マイナーな情報を選出している。
    • 文量こそあまりないが読みやすい文章であり、文字が大きめに表示されるため目が疲れたりはしにくい。

賛否両論点

  • 継続性について
    • 最短14日で、すべてのトレーニング、アイケア映像を解放できるつくり。全部の要素を解放してしまうと、ゲームにこれといった変化が現れなくなる。
    • ゲーム内で課すノルマは特に無いので、プレイヤー側がプレイを継続するモチベーションをつくっていく必要はある。
    • 幸い特にプレイヤーを長く拘束するようなシステムは特に無いので、気がついたときに数十分ほど遊んだりするようなスタイルであれば、長期間のプレイがさほど苦痛にはならないと思われる。
      • ゲーム中でも1日のあいだに長期間ディスプレイにはりつくようなことを推奨していない。
    • 仮に継続的に楽しめるのであれば、かなりコスパはいいソフトと考えて良いかもしれない。

問題点

  • 一部解説をスキップできない
    • 「見るチカラ」ツアーを選択した際、毎回ツアーの概要の説明文を読まなくてはならない。Aボタンや下画面連続タッチで擬似的なスキップは可能だが、若干わずらわしい。
    • 各種トレーニングのルール解説は、初回のみ強制で2回目以降は任意で見ることになる仕様なので、こちらにあわせてもよかったのではないか。
  • トレーニング時の「けってい」ボタンの配置方法
    • タッチペンで回答を完成させたのち「けってい」で正式に回答するタイプのトレーニングがある。
    • 特に「瞬間・漢字」「瞬間・ドット」だと、プレイヤーが操作しなくてはならないエリアと「けってい」ボタンが隣接している。正解の状況になっていないのに間違って「けってい」ボタンを押してしまいやすい。
      • そもそもの話、「けってい」ボタンの範囲が狭い。
  • トレーニング・アイケア映像の解放条件
    • ニューゲーム時、トレーニングとアイケア映像がすべて使えるわけではない。またいずれもゲーム中で何をすればいいか説明がなされない。特にアイケア映像の解放条件が一部わかりづらい。
    • ハイスコアを出せば何かしら解放されるのでは?と判断して、無駄にトレーニングにいそしむ可能性は十分に考えられる。
      • 特に「Ocean BLUE」というアイケア映像のみ、教授のコラム全読破が解放条件となっている。他のアイケア映像は、日々のプレイ状況に応じて解放されていく*3ので大方条件が推定はつくだろうが。
  • その他
    • 当然といえば当然なのだが、視力そのものを回復させる目的のツールではないので注意。どちらかといえば、視力に関係する筋肉の疲れや思考力をリフレッシュさせる趣が強い。

総評

安価ゆえ小粒ではあるものの、3DSとしての立体視機能を存分に生かしたグラフィックや、見る力の回復を図るという実用性、データベース性など、ひとつのソフトとしてのオリジナリティは高いといえるだろう。 長期間プレイするにはプレイヤー側のモチベーションも必要になってくるが、1日あたりの拘束時間も短く、疲れたときの息抜きにはもってこいではある。

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最終更新:2022年05月28日 22:07

*1 視力検査に使う「C」型の記号

*2 針が○と△を指していたら「違う」、それ以外の条件だったら「同じ」

*3 プレイヤー側にも○日ツアーを実行したので解放されたという旨のアナウンスはある。