※バージョンによってタイトルが異なるため、共通部である『~THE テーブルゲーム』までを記事タイトルとしています。
SIMPLEシリーズ for Nintendo Switch Vol.1 THE テーブルゲーム ~麻雀・囲碁・将棋・詰将棋・オセロ・カード・花札~
【しんぷるしりーず ふぉー にんてんどー すいっち ぼりゅーむわん ざ てーぶるげーむ まーじゃん・いご・しょうぎ・つめしょうぎ・おせろ・かーど・はなふだ】
SIMPLEシリーズ for Nintendo Switch Vol.1 THE テーブルゲーム Deluxe Pack ~麻雀・囲碁・将棋・詰将棋・オセロ・カード・花札・二角取り~
【しんぷるしりーず ふぉー にんてんどー すいっち ぼりゅーむわん ざ てーぶるげーむ でらっくす ぱっく まーじゃん・いご・しょうぎ・つめしょうぎ・おせろ・かーど・はなふだ・にかくどり】
ジャンル
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テーブルゲーム集
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対応機種
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Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード専売 ※通常版のみ
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発売元
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D3パブリッシャー
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発売日
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2022年2月17日
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定価
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2,000円(税別) Deluxeアップグレードキット:500円(税別) Deluxe版:2,500円(税別)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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『SIMPLEシリーズ』定番のテーブルゲーム集 ローカル麻雀や1000問以上の詰め将棋を収録 無料アップデートでゲーム2種を追加 だが同系統の有名作と比べると収録総数は少なめ
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SIMPLEシリーズ for Nintendo Switch
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概要
D3パブリッシャーの低価格ブランド『SIMPLEシリーズ』のSwitch版第1弾であり、定番作であるテーブルゲーム作品。
将棋・囲碁・麻雀などを中心としたゲームが収録されている。オフラインでの2人対戦機能あり。
2000円の通常版と2500円のDeluxe版が存在する(通常版はダウンロード販売のみ)。
通常版には12種のテーブルゲームを収録、Deluxe版はそれに加えてゲームが12→15種のプラス3種、「詰将棋」の問題が約2倍に追加されている。
差額分をダウンロード購入することで、通常版をDeluxe版にアップグレードすることも可能。
Switch発売後本作までの約5年間、D3はSwitchでSIMPLEシリーズを出していなかった。
『THE 麻雀』『THE 密室からの脱出』といった、過去にはSIMPLEシリーズとして発売されていた作品も、タイトルに「THE」を付けるというSIMPLEシリーズの特徴は守ったものの、SIMPLEシリーズ名義では3DSで2016年に発売された『@SIMPLE DLシリーズ Vol.40 THE 密室からの脱出 ~大不自然キャンプ場編~』を最後に新作は出されていなかった。
本作はそんな中、沈黙を破ってSIMPLEシリーズとして発売された形になる。
発売約8ヶ月後の10月20日に無料アップデートが行われ、「チェス」「バックギャモン」のゲームが追加された。
これにより、ゲーム収録数は10種(通常)→15種(Deluxe)から、12種→15種に増加した。
また、この更新に伴ってゲーム作中でのタイトル名には収録ゲームの列挙部分に「チェス・バックギャモン」が追加されている。
特徴
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上記の通り、通常版は12種、Deluxe版は15種のゲームを収録。
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通常版の収録ゲームは「二人麻雀」「四人麻雀」「将棋」「詰め将棋」「オセロ」「囲碁」「ブラックジャック」「ファイブドローポーカー」「テキサスホールデム」「花札 こいこい」「チェス」「バックギャモン」。
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Deluxe版にはこれに「三人麻雀」「二角取り」「花札 花合わせ」の3種と、「詰め将棋」の問題が600問→1250問のプラス650問追加される。
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いずれのゲームも後から解放される形ではなく、最初から全て遊べる。
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各ゲームは、主に「フリープレイ」「対戦」「チャレンジ」「エクストラチャレンジ」に分かれる。
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「フリープレイ」はルール、対戦の長さ、CPUの強さなど、条件を自由に設定してプレイができる。
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「チャレンジ」はルールや対戦形式などが固定されており、指定の条件で勝利することでクリアとなる面クリア形式のモード。
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「エクストラチャレンジ」は「チャレンジ」と同様に特定の条件でプレイするモードだが、「チャレンジ」をある程度遊ばないと解放されない。
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「将棋」「オセロ」「囲碁」「チェス」「バックギャモン」の5つについては、2人プレイヤーでの対戦が可能。
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Joy-Conを各プレイヤーそれぞれで持ってのおすそわけ対戦と、画面をタッチしての対戦が選択できる。
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ゲームごとに個別の実績を持っており、チャレンジ面のクリアや特定の条件達成で解放できる。
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実績の開放度に応じて、各ゲームで「素人」~「○段」~「名人」の段位が認定される。
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各ゲームそれぞれについて個別に、BGMや画面のデザイン等をカスタマイズできる。
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BGMのほか、プレイ中の背景、麻雀牌やトランプの裏面、麻雀卓や囲碁盤・将棋盤の表面などが選択できる。
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万人向けの定番テーブルゲーム作ということで、模様に派手なものやキャラ物はなく、色替えやシンプルな模様ばかりである。
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カスタマイズ要素は、前述の実績を解放した際の特典として徐々に追加される。
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各ゲームの簡単なルール説明も収録されている。対戦中でも見ることが可能。
各ゲーム個別の特徴
各ゲームのゲームとしてのルールは基本的に省略。
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麻雀(二人麻雀/三人麻雀/四人麻雀)
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三人麻雀のみ、通常の麻雀の他に、ローカルルールの「関西麻雀」「京都麻雀」を選べる。
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専門の麻雀ソフトでもしばしば見られるが、「萬子の2-8牌なし」「七対子四枚使いあり」等の「関西麻雀」、「字牌がない」「得点計算が大幅に異なる」等の「京都麻雀」のルールは中々に強烈。
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二角取り
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このゲームにはフリープレイがなく、15~20面1セットのチャレンジモードのみが用意されている。
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その他、ゲームオーバーになるまで連続で面をプレイし続けるエンドレスモードも存在する。
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将棋
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駒落ちは「香落ち」「角落ち」など7種類設定可能。
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「待った」が使用でき、1手だけ前に戻すことができる。
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詰め将棋
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通常版では1手詰めの問題を500問、3手詰めの問題を100問収録。Deluxe版ではさらに1手詰め500問と3手詰め150問が追加される。
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各問で動かす駒を1手でも間違えた場合は、相手の手を待たず即座に「GAME OVER」と表示されやり直しとなる。
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囲碁
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手合(ハンデ)は互先・定先と二子~九子の置石を選択可能。
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盤面は9路盤・13路盤・19路盤を選べる。
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トランプ(ブラックジャック/ポーカー/テキサスホールダム)
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ゲームを始めた時点でコインが各プレイヤーに配られ、それを賭けて進行する。最初に持っているコイン数と規定ゲーム数、1ゲーム当たりの規定BET数を設定できる。
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規定ゲーム数が終わる前にコインが無くなったプレイヤーはゲームから脱落。操作しているプレイヤーが脱落した場合はその時点で終了(チャレンジモードの場合は失敗)となる。
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「テキサスホールダム」のみ日本では比較的マイナーなゲームなので簡単に紹介すると、一般的なポーカーのように各プレイヤーが手札5枚を入れ替えて役を作るのではなく、場に全プレイヤー共有のカードがあり、その共有カードと各プレイヤー2枚ずつの手札を合わせてポーカーの役を作るゲームである。
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チェス
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将棋と同様に「待った」が可能。
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チャレンジモードでは「○○手以内に勝利」という手数制限が設けられている。手数制限内の残り手数がハイスコアとして記録される。
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バックギャモン
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目標得点を1~25点の間の奇数いずれかで設定してゲーム開始する。各ゲームの勝利得点の合計が目標得点に早く達した側が勝利となる。
評価点
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各ゲームのルール設定は一通り揃っている。
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将棋は振り駒や主な駒落ちを網羅、囲碁は手合のほか9路盤・13路盤・19路盤を選択可、花札は雨流れや雨四光のあり無しを設定可、バックギャモンはダブルに関してクロフォードルールの有無を設定可など。ランダム設定もできる。
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特に麻雀は焼き鳥や喰いタンといった基本的なローカルルールのほか、関西麻雀や京都麻雀を収録、CPUについても強さ弱さ以外に手役の傾向設定(ランダムも設定可)もあったりと、麻雀だけでも3つ収録しているだけに、この辺りはそこそこしっかりしている。
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BGMも、初期状態の8曲以外は実績の解放が必要ではあるが、23曲とまあまあの数。
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詰め将棋の問題数は多い。
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後述の問題はあるが、1250問という問題数は評価すべきだろう。
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実績は無理のない範囲に収まっている。
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この手の作品だと実績が適当で、機械的に実績を設定したため作業、運ゲーじみた実績が多数並ぶものもしばしば見られるが、そういった問題はない。
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ポーカーの実績を例に挙げれば、ワンペアやツーペアは10回達成の実績があるが、滅多に揃わないストレートフラッシュやロイヤルストレートフラッシュは1回達成すれば終わりだったりと配慮はされている。
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リバーシが「オセロ」名義で収録されている。
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「オセロ」はメガハウス(旧・ツクダオリジナル)の登録商標であり、任天堂の『世界のアソビ大全51』等も含め、多くのゲームが一般名称の「リバーシ」で収録しているが、本作はメガハウスの商標を得て「オセロ」として収録している。
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SIMPLEシリーズへの「オセロ」名義での収録としては、3DSの『@SIMPLE DLシリーズ Vol.17 THE オセロ』以来。
問題点
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収録ゲーム数が少なめで、かつ対戦機能も少ない。
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2000~2500円のロープライス作ではあるが、それでもテーブルゲーム12~15種は率直に言ってやや少ない。「二人麻雀」「三人麻雀」「四人麻雀」はあくまで1つの「麻雀」であるだけに余計にである。
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オンライン対戦不可に加え、麻雀やこいこいと言った2人対戦用のゲームの一部に対人戦が付いていないものもある。
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特に、1年半近く前に約4000円で『世界のアソビ大全51』が出ており、否応なくそちらと比較せざるを得ない。
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ローカル麻雀・囲碁・詰め将棋といったあちらに無くてこちらにあるゲームも存在する、ある程度細かいルール設定ができるなど何から何まで負けているという訳ではないが、50作近くが収録されておりオンライン対戦もできる同作にはボリューム感でかなり後れを取っている。
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チャレンジモードをクリアしていけばプレイ時間自体は長く遊べるが、なにぶん同じゲームを細かいルールだけ変えて何度も遊ぶだけのモードなのでボリュームがあるとは言い難いところ。
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PS2時代に発売された、『SIMPLEシリーズ』初の『THE テーブルゲーム』も2000円で11種だったが、そちらはストーリーモードがあったり、ハード発売1年ほどで発売されていたりと本作とはやや事情が異なる。
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ゲーム操作部分にアナログスティック非対応のものがある。
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将棋など、メニューまではアナログスティックで選べるのだが、個別のゲームでの盤面の操作などは方向キーでないと反応しなくなる。
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画面タッチにも対応しているとは言え、単純に不便。
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各ゲームのルール説明の精度に差がある。
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役の概念がある麻雀や花札はイラストの説明があり独自の用語集を付けているなど比較的ちゃんと説明されているが、他のゲームはかなり説明が雑。
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囲碁を例に取れば、石の置き方や勝敗の決め方だけで陣地の決め方が書いていないなど、肝心のものが丸っきり抜けている。重要なルールについても2、3行で説明してあり、これで未経験者がルールを理解するのは無理だろう。
総評
SIMPLEシリーズ定番のテーブルゲーム集から良くも悪くも逸脱していない出来。
基本的なテーブルゲームをいずれも問題なく楽しむことができる。
だが、やや少な目のボリュームはやはり気になる。
アップデートで2種類追加されたことで改善がなされ、他にもローカル麻雀の収録など、見るべきところも感じられなくはないのだが、独自の魅力に乏しいこともあってフォローとしてはまだ不足。
せめてSwitch黎明期であれば役割もあったのだろうが、発売時期的にも遅きに失した感があり厳しい。
ここに来て『SIMPLEシリーズ』のブランドを再度投入した以上、今後の作品で巻き返しが欲しいところである。
その後の展開
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2023年1月26日にOneで、同年5月25日にはPS5/PS4でさらなる移植版『THE テーブルゲーム Deluxe Pack ~麻雀・囲碁・将棋・詰将棋・オセロ・カード・花札・二角取り・チェス・バックギャモン~』がダウンロード専用タイトルとして発売された。
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PS5/PS4版は『THE 麻雀』以来9年ぶりとなる『SIMPLEシリーズG4U』からの発売となる。内容としては、新たにチェスとバックギャモンが追加されている。
最終更新:2023年07月28日 14:50