マイストピア
【まいすとぴあ】
| ジャンル | アクション |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch プレイステーション4
 Windows(Steam)
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| メディア | ダウンロード専売 | 
| 発売元 | ラタライカゲームス | 
| 開発元 | Ninja Rabbit Studio | 
| 配信開始日 | 【Switch/PS4】2020年11月20日 【PC】2022年12月17日
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| 定価 | 【Switch】500円(税込) 【PS4】502円(税込)
 【PC】580円(税込)
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| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 1箇所・オートセーブ方式 | 
| レーティング | 【Switch】IARC:3+ 【PS4】CERO:A(全年齢対象)
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| 判定 | なし | 
| ポイント | ネズミが主役のメトロイドヴァニアアクション 短いボリュームとやり込み要素の少なさ
 未完成と思われし一面を含む
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概要
スペインのインディーズスタジオであるラタライカゲームス発売、Ninja Rabbit Studio開発によるダウンロード専売ソフト。
ジャンルはメトロイドヴァニア系のアクションゲーム。かなりライトな作風で、この手のジャンルとしては目的やシステムが分かりやすいのが特徴。
ネズミの「リッチー」を操作し、舞台となる王国「マイストピア」にて、魔物にさらわれた住民を救出するため活躍するという設定。
ゲームルール
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ゲームの流れ
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リッチーを操作してマイストピア周辺にあるダンジョンを探索し、魔物にさらわれた住民を救出していく。
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ダンジョンは「洞窟」と「森」の2部構成で、先に洞窟側の攻略を要する。住民たちが暮らす「村」もあり、ダンジョン探索の下準備等ができる。
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さらわれた住民は主に「どこかのエリアで待機している」場合と、「ボスに捕らわれている」場合があり、すべての住民を救出すればエンディングとなる。
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ダンジョン内には「踏むと大ジャンプするキノコ」や「スイッチを矢で攻撃すると開かれる封鎖通路」などがあり、これらを利用しないと先に進めない。
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メトロイドヴァニアの定番として、とあるフラグを立てるとリッチーの新操作が追加される。それとは別にリッチーの強化も可能(下記)。
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ダンジョンのとあるエリアにはワープゲートがあり、一瞬で村とのワープゲートとの行き来ができる。ただし村側のワープゲートは1箇所のみ。
 
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ダンジョン内のどこかに隠された「噴水の部品」の回収を行い、壊れた噴水の修復を行う二次目的もある。
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噴水の修復は直接クリアとは関連しないものの、部品全回収後にクリアするとエンディングが変化する。部品は全部で10個あり。
 
 
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操作体系
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比較的分かりやすい操作でリッチーを操る。一部の操作はフラグを立てないと行えない。
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アナログスティック等で左右移動。ジャンプボタンでジャンプ(二段ジャンプも可)。一部地形にてスティック下とジャンプボタンの組み合わせで下に降りる。
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前転ボタンでリッチーの前進へ前転を行う(地上専用)。前転中は完全無敵で、かつ細い通路を潜れる。ただし前転中の攻撃は行えない。
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剣ボタンで近距離攻撃である剣を振る(地上・空中両対応)。一部の敵には攻撃が通じない場合あり(矢攻撃も同様)。
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弓矢ボタンで飛び道具である矢を撃つ(地上専用)。最高99発までの回数制限あり。矢を火に当てると炎の矢に変化する。
 
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MAPボタンでダンジョン内のエリア構造の確認ができる。ただし村にいる間はMAPが利用できない。
 
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アイテムとリッチーの強化について
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ダンジョン内において敵を倒したり置物を破壊すると、「秘宝石」「ハート」「矢」のアイテムが定期出現する。
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秘宝石に関しては後述。残り2つのアイテムは「ライフ1ポイント回復」「矢のストックを5発回復」の効果。何が出現するかはおそらくランダムな模様。
 
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村にいる、とある住民に話しかけると、秘宝石の消費と引き換えにリッチーの「攻撃力増強」と「最大ライフ増加」の強化ができる。
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前者は剣の攻撃力が倍増(1回のみ)、後者は最大ライフを1ポイント増やす(2回)。秘宝石は最大で999個までストック可能。
 
 
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ミス条件について
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初期3ポイントのライフ制で、敵やトラップ接触等で1ポイントダメージ。ライフ全消費でミスとなるが、その後はライフ全快で村に戻される(ゲームオーバーなし)。
 
評価点
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お手軽にプレイできる分かりやすさ
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ゲームシステムは非常に分かりやすいもので、メトロイドヴァニアの経験がなくともお手軽にプレイできやすい。
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基本は「移動とジャンプと2種類の攻撃」が中心の操作体系で、同ジャンルにありがちな操作の複雑はほぼない。操作性自体も良好で軽々とリッチーを操れる。
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謎解きや足止め的なイベントはほとんどなく、流れるようなテンポで先に進める小気味良さあり。同ジャンルとしての難易度は控えめだと推測される。
 
 
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ファンタジーな16bit風グラフィック
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16bit風のドット絵で描かれたグラフィックは非常に上質で、王道西洋ファンタジー的な外観が上手く表現されている。
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リッチーの滑らかな動きや緻密に描かれた背景といった見所もあり、グラフィックの面でいえば他の同価格帯のアクションゲームと比べても引けを取らない。
 
 
問題点
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かなり短いプレイボリューム
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探索できるダンジョンが2箇所しかなく、そのどれもが短時間で探索しつくせてしまうため、総合的なボリュームはかなり短い。
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順調に攻略を行えばクリアまでに2時間もかからないと思われしボリュームで、数あるメトロイドヴァニアの中でも小粒感を覚える内容である。
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クリア後のおまけは特になく、ボスとの再戦も行えないため、後は残った噴水の部品の回収やリッチーの強化位しかやり込める要素がない。
 
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登場する敵の種類は雑魚とボスのすべてをかき集めても10種類ちょっとしか登場せず、先に進めても同じ顔ぶれの遭遇は避けられない。
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先述の通り、ボスは1回のみで終わるため、後は同じ種類の雑魚敵しか戦える相手がおらず、様々な敵と戦えるような楽しみが失われてしまう。
 
 
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唐突すぎるエンディングの到達
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本作のクリア条件は「魔物にさらわれた住民の救出」だが、どれ程の住民を救出させればいいのかの目安が示されない。
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それ故に「いつも通りに住民を救出したら唐突にエンディングを迎えた」という突拍子のない終わり方となり、達成感というものがいまいち掴めない。
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本来こういう救出系のゲームでは「全員救出を匂わせる演出や展開」というものがありそうだが、本作にはそういった盛り上げがまるでない。
 
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この唐突なエンディングの影響で、噴水の部品回収ができないままに終わってしまうという弊害が発生する。
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エンディング後も引き続き、残った噴水の部品回収は行えるものの、エンディングは二度と発生しない。すなわち異なるエンディングが見れなくなる。
 
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住民の会話が妙に淡泊かつ話がかみ合っていない事が多く、「これは本当に住民の救出をしているのか?」という疑問を抱いてしまう一面もある。
 
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ゲームバランスのいびつさ
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基本的には低難易度な本作だが、一部の雑魚敵において地味に苦戦しやすい局面がある。
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洞窟に登場する雑魚敵は背景と同化している場合が多く、凝視しないとどこに敵がいるのかが分かりづらい。結果、移動中の敵接触ダメージが頻発しやすい。
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森に登場する「ぴょんぴょんと飛び跳ねるカエル型の敵」の攻撃や回避が行いにくく、接触ダメージの洗礼を受けやすい。ある意味作中最大の強敵といえる。
 
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ボス戦は全体的にそこまで強いものではなく、特に後発のボスはバランス調整無視といわんレベルで弱い。
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「あからさまな安全地帯がある」「矢攻撃連射でごり押し撃破」といった攻略ができる程で、むしろ先述の理由で雑魚戦の方が苦戦しやすい。
 
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初期ライフが3ポイントしかないため、操作に慣れるまではいきなりミスになりやすい。もっともワープゲートがあるため、ミス後の負担はあまりない。
 
総評
良くいえば分かりやすさ重視のメトロイドヴァニア系のアクションゲームで、安価で遊べる同ジャンルの初心者向けといえる一作。
しかしながら、ボリュームやゲームバランスなど、様々な方向で作り込みが未完成と思われし部分も目立ち、その完成度には色々と疑問符が付く。
最終更新:2023年08月05日 15:35