キャットメイズ 魔女の子の冒険
【きゃっとめいず まじょのこのぼうけん】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
Windows(Steam) Nintendo Switch PlayStation 5 PlayStation 4 Xbox Series X/S Xbox One
|
メディア
|
ダウンロード専売
|
発売元
|
【PC】Redblack Spade 【Switch/PS5/PS4/XSX/ONE】ラタライカゲームス
|
開発元
|
Redblack Spade
|
配信開始日
|
【PC】2018年5月24日 【Switch/PS5/PS4/XSX/ONE】2022年9月9日
|
定価
|
【PC】1010円(税込) 【Switch】1,000円(税込) 【PS5/PS4】1,100円(税込) 【XSX/ONE】1,200円(税込)
|
プレイ人数
|
1人
|
セーブデータ
|
3箇所・任意セーブ方式
|
レーティング
|
IARC:12+
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
魔女の子が主役のメトロイドヴァニアアクション 安定の面白さだがゲームバランスはあまり良くない ストーリーの状況がいまいち掴みにくい
|
概要
海外インデーズメーカーの一社、Redblack Spade開発及びPC版発売によるダウンロード専売ソフト。CS機全般はスペインのラタライカゲームスが発売。
原題は『Catmaze』でSteam版はこのタイトルで表記される。
ジャンルはメトロイドヴァニア系のアクションゲーム。ゲームタイトルが示す通り、猫の登場率が高くストーリーにおいても重要な存在となる。
勇敢なる魔女の娘「アレスタ」が病弱な母親を救うため、生と死が交差した世界の冒険に出るという設定。
ゲームルール
-
ゲームの流れ
-
一般的なメトロイドヴァニアと同じ感覚で、探索範囲を広げながらゲームを進めていく。最後の目的を達成するとエンディング。
-
ゲーム初期時では限られた範囲しか行動できないが、新たな新操作や新装備、イベントアイテム等を獲得する事で行動範囲が広がっていく。
-
世界の至る場所ではプレイを有利にしてくれる施設が複数存在(下記)。要所においてはボス戦が発生する場面もあり、当然ながら倒さないと先に進めない。
-
ストーリーの本筋とは直接関わるものではないサブイベントが複数存在し、触れておくとレアアイテム等の獲得やエンディングの変化が起きる。
+
|
施設一覧
|
噴水
|
いわゆるセーブポイント。プレイ中のデータにセーブできるほか、HP及びMPゲージを全快する効果もある。
|
聖柱
|
限界HPゲージを回復。限界HPはとある装置に触れる度に最大回復量が増加。聖柱以外で限界HPを回復させる手段はない。
|
ハーピーの巣
|
いわゆるワープポイント。他のハーピーの巣の場所へとワープできる効果がある。
|
ショップ
|
コインと引き換えに薬などの商品の購入ができる。
|
家
|
アレスタと母親の済む家。ゲーム初回時におけるスタート地点であり、ストーリーを進めると衝撃の変化が起きる。
|
村
|
様々な住民が暮らす村。ストーリー上の重要地区であると同時に、特殊なイベントも発生する。
|
|
-
操作体系
-
スタンダードな横スクロールアクションと同じ感覚でアレスタを操作していく。
-
アナログスティック等で左右移動。ジャンプボタンでジャンプ。一部地形にいる状態においてスティック等下とジャンプでそこから降りる。
-
攻撃ボタンで装備中の通常攻撃。魔法ボタンで装備中の魔法攻撃。薬使用ボタンで装備中の薬の使用。それぞれの装備切り替えボタンもあり。
-
ゲームをある程度進行させると二段ジャンプや水上走行の操作も加わる。また期間限定の特殊操作が発生する場面もある。
-
装備・ステータス・ポーズメニューについて
-
アレスタには4つの枠の装備を持っており、いつでも好きな装備品の切り替えができる。装備品はゲームを進める等で増える。各装備の総数は3~6品。
-
アレスタには様々なステータスが設定されており、レアアイテム獲得や装備変更等で数値が変動する。
-
+ボタン等でポーズをかけるとメニューを開く。装備変更やMAP確認はゲームを攻略する上での必須行動といえるため、定期的なメニュー利用が求められる。
+
|
装備・ステータス・ポーズメニュー一覧
|
装備
|
通常攻撃
|
アレスタの通常攻撃となる装備。ものによって攻撃力やリーチ等の性能が変わる。とある通路では特定の攻撃を使用しないと先に進めない。
|
魔法攻撃
|
アレスタの魔法攻撃となる装備。使用する度に一定のMPゲージを消費。通常攻撃同様、特定の魔法を使用しないと先に進めない通路あり。
|
アクセサリー
|
アレスタのステータスに変動を及ぼすアクセサリーの装備。装備の中では唯一、リアルタイムでの切り替えができない。
|
薬
|
「HP及びMP全回復」「一定時間、攻撃力及び防御力を上昇させる」等の効果を持つ薬の装備。消耗品で使用後は薬のストックが減る。
|
ステータス
|
HPゲージ 限界HPゲージ
|
アレスタの生命を示すゲージ。敵ダメージ等ですべて消耗するとゲームオーバー。必ず限界HPから消耗される。
|
MPゲージ
|
アレスタの魔力量を示すゲージ。魔法攻撃を使用する度に消耗。
|
攻撃力 防御力 機動力
|
アレスタの「敵に対する攻撃力」「ダメージに対する防御力」「移動スピードの機動力」の数値を示す。
|
通常攻撃 魔法攻撃 薬
|
今装備している通常攻撃・魔法攻撃・薬の装備状態を示す。ポーズ中もしくはリアルタイムで装備の切り替えができる。
|
レベル
|
アレスタのレベルを示す。敵ダメージ等でレベルが低下し、ステータスの悪影響を及ぼす。特定条件でレベルの上限が増える。
|
コイン
|
所持しているコインの総数を示す。コインと引き換えにショップ等の買い物で利用できる。
|
鍵
|
とある条件で入手できる鍵の総数を示す。鍵のかかった"もの"を解錠するために必要。解錠後はストック消費。
|
ポーズメニュー
|
装備
|
各種装備の変更を行う。装備に関しては上記参照の事。
|
MAP確認
|
作中の世界全域のMAPが確認できる。一度足を踏み入れた箇所には色が付くほか、噴水やハーピーの巣の位置も表示される。 進行状態によって「?」の表示され、次にどこへ進めばいいのかの目安となる。また探索範囲の進行状態がパーセンテージで表示される機能もある。
|
イベントアイテム レアアイテム
|
イベントアイテムやレアアイテムの獲得状況が確認できる。合わせて18品あり。各種アイテムは自動で効力が発揮される。
|
日記
|
特定のイベントを進めると日記に文章によるイベント状況が登録され、後に鑑賞できる。
|
|
-
アイテムについて
-
主に「敵を倒す、もしくは木箱を破壊する」等により高頻度でアイテムが出現。それとは別でイベントアイテム等の限定品が獲得できる場合もある。
+
|
アイテムー一覧
|
通常アイテム
|
HPのオーブ
|
HPゲージを少量回復。ただし限界HPゲージの回復効果はない。
|
MPのオーブ
|
MPゲージを少量回復。
|
コイン
|
コインの所持数が増える。2種類あり。
|
レベルの光
|
消耗したレベルを回復させる。1レベルを回復させるには相当量の光が必要。
|
イベントアイテム
|
特定のイベントを進めると獲得できるイベントアイテム。イベントさえ発生すれば獲得が確定するため、探索を意識する必要はない。
|
レアアイテム
|
「HP及びMPゲージの最大値を増やす」等の効果を持つレアアイテム。イベントアイテムとは違い、自力で探索しないと獲得できない。
|
その他のアイテム
|
その他にも低頻度で薬や鍵のアイテムも獲得できる場合もある。
|
|
-
ミス条件について
-
敵やその攻撃、落とし穴に転落等でHPゲージが消耗し、すべてのゲージがなくなるとゲームオーバー。ゲームオーバー後はセーブした噴水からのやり直し。
評価点
-
メトロイドヴァニアとしての安定した面白さ
-
比較的分かりやすい操作とルールでさくさくとゲームに集中でき、メトロイドヴァニアとしての面白さは常時安定している。
-
メトロイドヴァニアの王道である「イベントを進めてフラグを立てて探索範囲を広げる」という流れは本作も同じであり、良い意味で王道的な内容である。
-
基本は移動とジャンプと各種攻撃のみのオーソドックスな操作で、後は状況に応じて操作の切り替え等を行えばいいだけの分かりやすさ。
-
MAPの確認で「?」を追っていけばゲームが進行するため、何をすればいいのかが分からなく心配は薄いのも嬉しい配慮といえる。
-
ボリュームとやり込み要素はなかなか豊富
-
1,000円台の販売価格としてはボリュームは多めで、攻略のやりがいは高い部類。
-
探索できる行動範囲は広めであり、そう易々とは探索し尽せない広大さを誇る。オールクリアまでは初見で推定5時間はかかると思われる。
-
サブイベントの発生率も多めで、本格的にやり込むとなると、かなりのプレイ時間を要する。
-
サブイベントの発生は同時にステータス上昇等の二次効果に繋がる事も多く、ゲームを有利に進めたければサブイベントの消化はほぼ必須である。
-
その他にも「すべての装備とレアアイテムの獲得」「MAPの探索率100%達成」といったやり込みもあり、そう簡単にはプレイし尽せない。
-
壮大なストーリー展開
-
メトロイドヴァニアとしての面白さだけでなく、ストーリー性の面でも重視された作りである。
-
序盤は「病弱な母を救う」という一本道な目的だが、ストーリーを進行させると壮大なスケールに発展していく意外性も見所となっている。
-
アレスタと協力する者や敵対する者も多数存在し、登場キャラの顔ぶれはかなり多い。サブイベントでないと姿を見せない者も数名存在。
-
一度発生したイベントを日記で再確認できる機能が便利ではあるが、下記問題点の件もあり素直に評価し辛いのが微妙なところ。
-
16bitリスペクトの美しいグラフィック
-
グラフィックはSFCなどを彷彿とさせる16bit風で、その外観のクオリティもなかなかに高い。
-
探索箇所によっては外観が一新する場面も多く、「世界中の多種多様な空間を探索している」という雰囲気が感じられる。
問題点
-
ゲームバランスはあまり良くない
-
画面内の視野情報が快適とはいえず、見えにくい場所から敵に襲われての突発的ダメージをうけやすい。
-
「背景と同化した敵に巻き込まれる」「移動中に予兆なしの敵が出現、もしくは攻撃が発生する」といった事故に遭遇する局面が多い。
-
また一部の場面では背景と地形が同化している紛らわしさもあり、一見では地形なのか背景なのか、あるいはダメージトラップなのかが判別困難な場所もある。
-
敵の攻撃が段階的に激しくなり、さらにはダメージ量も高騰化するため、ステータスの強化が十分でないとあっという間にゲームオーバーとなる恐れあり。
-
「回避困難な地形から襲い掛かる敵」「異様に耐久度の高い敵」「雑魚による物量で攻めてくるボス」といった難関が多く、常時ピンチな環境に陥りやすい。
-
一応は「薬を買い占めての多用」という攻略法で大方の戦況は乗り越えられる。また噴水の設置頻度が高めなので、こまめな利用でやり直しの負担は抑えられる。
-
むしろステータスの強化が順調であれば苦戦する局面は少なくなり、よほどの事がない限りはゲームオーバーになりにくくなる。
-
ストーリー状況の掴みにくさ
-
海外ローカライズにありがちな事ではあるが、日本語翻訳の表現力が若干怪しい一面がある。
-
登場キャラの会話やストーリー状況が、その怪しい日本語の羅列で語られるため、アレスタ達がどういう心境で行動しているのかという理由付けが掴みにくい。
-
日記で確認できるイベント状況もすべて日本語文章のみでの表現であり、読み返してもいまいちイベントの状況が理解しにくいのも難点。
-
登場キャラが多彩なのはいいが、何の脈拍もなく登場してくる場面が多く、各キャラの位置付けが把握し辛い。
-
「それまで敵対していたキャラがイベント(ボス戦)後に突然改心し、以後まともな出番なし」という急展開も多く、登場キャラの詰め込みすぎ感は否めない。
-
登場キャラのプロフィール紹介的な機能が存在せず、登場キャラがどういう役回りなのかの確認できないのも混乱さに拍車をかける原因となっている。
総評
メトロイドヴァニアとしての安定した面白さは申し分なく、ゲームバランス的にいびつな一面はあれど、ボリュームややり込み要素も価格以上の価値がある一作といえる。
壮大なストーリー描写も見所ではあるが、怪しい日本語の羅列による事の分かり辛さや、登場キャラの詰め込みすぎ感といった問題点が目に付くのが惜しいところ。
最終更新:2023年08月12日 17:23