ボンジャック

【ぼんじゃっく】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売・開発元 テーカン
(現:コーエーテクモゲームス)
稼働開始日 1984年3月
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 【バーチャルコンソールアーケード】
(Wii)2009年8月18日/800Wiiポイント(税5%込)
【アーケードアーカイブス】
(PS4)2014年6月19日/823円(税8%込)
(Switch)2019年1月24日/823円(税8%込)
判定 なし
ポイント 完全移植が困難なワケ


概要

テーカン(現:コーエーテクモゲームス)製作の画面固定型アクションゲーム。縦画面仕様。
1レバー1ボタン式。残機即死制。

システム

  • 画面内に配置されている赤い爆弾に全て接触(取得)するとクリアとなる。
    • 爆弾は一つ取るといずれかの導火線に火がつく、導火線に火のついた爆弾は通常の爆弾よりもスコアが多くなる。導火線に火のついた爆弾を取ると別の爆弾の導火線に火がつく。
      • 基本的に隣り合った爆弾に火がつくので次にどの爆弾に火がつくのかは読みやすくなっている。
    • 1ラウンド内で一定量の導火線に火のついた爆弾を取ると、ラウンドクリア時にスペシャルボーナスが得られる。
  • 途中ランダムで敵が出現。敵は一定の法則にのっとりボンジャック(自機)に向かって接近してくる。敵に接触するとミスになる。
    • 敵は最初全てガイコツの外見をしているが、高所から落下すると別の敵に変化する。
  • 本作は背景が5種類、BGMが3種類ある。ステージごとにこれらが切り替わりループしていく。
    • BGMの1曲目はアニメ『スプーンおばさん』のエンディングテーマ「リンゴの森の子猫たち」で、2曲目はビートルズの「レディ・マドンナ」。3曲目は本作オリジナルとなっている。
    • 本作のサウンドは『スターフォース』や『アルゴスの戦士』、後の『女神転生』シリーズなどで名を馳せる増子司(現:増子津可燦)氏によるもの。
    • 本作の企画者である上田和敏氏から「JASRACを通せばどんな曲でも使える」という話を聞き、アーケード基板ゆえに出荷数が限られ、使用料もそれほどかからなかったことから実在の既存曲を使うことになったと増子氏は語っている。*1
  • 操作体系は非常にシンプルだが独特の浮遊感がある。
    • レバーで左右移動とボタンでジャンプ。空中にいるとき上を押すと滞空時間を延ばす事ができ、下を押すと高速落下できる。
    • 上を押しながらジャンプする事でより高いジャンプが可能になる。これで地上から天井まで一気に飛ぶ事ができる。
    • ジャンプ中にボタンを押す事で即座に加速を止めることが出来る。ジャンプ中の敵の回避や、方向転換、軌道の微調整に使用する。
      • 連打することでかなり長い時間滞空時間を稼ぐことも可能。
  • ある程度爆弾を取得するとアイテムが出現する。取得すると何かしらの効果を及ぼす。
    • その効果は、得点倍率UP(取得毎に×2、×3、×5)、エクストラ(残機追加)、スペシャル(クレジット追加)のいずれか。開発者がユニバーサル販売(現ユニバーサルエンターテインメント)時代に世に出したレディバグ、Mr.DO!の仕様を継承している。
    • スペシャルの出現頻度は設定により変更可能。
    • 一定量の爆弾を集めることで「P」アイテムが出現、取ることで一定時間、敵がボーナスコインに変化し、体当たりで取る(倒す)事が出来る。
      • 敵は随時追加されていくのでステージ上から完全にいなくなることはない。

評価点

  • 稼ぎ要素や独特の浮遊感、綺麗な背景と耳慣れたBGMでゲームとしての完成度は高い。
    • 単純にクリアするだけならば導火線関係なく、適当に爆弾を集めるだけでも進めるが、ハイスコアを狙うとなると針の穴を通すような緻密な操作と爆弾の取り方の計画性が必要となり、一気に面白さが増す。
    • 操作性は良好、独特のジャンプと空中制御の自由度の高さから色々と動きにアドリブが効くので、慣れると敵の攻撃をかいくぐれるようになり爽快。
  • 背景の評価は高い。
    • キャラクターなどのグラフィックはポップであるのに対し、背景はやけに力の入った描き込みがなされており、リアルな出来栄えとなっている
      • 特に「ピラミッドとスフィンクス」「夜景」が非常に印象的であり、本作を象徴するグラフィックとなっている

問題点

  • 難易度がやや高い。
    • ステージ5以降になると凄まじい勢いで自機に突っ込んでくるUFO等が大量に現れるため、速攻でクリアしないと生き延びれない。
  • ループ制ゲームなので変化が少ない。
    • いわゆる固定型画面のドットイートタイプのゲームであるので、ただ単純にクリアしていくだけでは飽きが早い。
      • スコアアタックの要素を見いだせなければ、爆弾を取るだけの単調なゲームとなってしまう。

総評

現代となっては背景やBGMの種類が少なく長期プレイには向かないのだが、十分遊べるゲームである。
当時も評価や人気が高く、システムに手を加えた続編として後にファミコン版『マイティボンジャック』が発売された。


移植版

  • SG-1000用マイカード版
    • ハード性能により、爆弾が四角い枠付(しかも着火のアニメーションもしないのでまるで爆弾の絵が描かれたボードのよう)だったりかなりグラフィックがチープで音楽も変えられているが、ゲーム性や操作性はかなり損ねず移植されている。背景画像も、少ない色数ながらちゃんと表示されている。

続編

  • マイティボンジャック
    • ファミリーコンピュータ用。スクロールアクションゲームにアレンジ移植した事実上の続編。ステージとステージの間にある非スクロールの固定画面はほぼ本作と同じルール。火のついた爆弾を1つしか取らずにクリアすると次の王家の間にワープするという裏技を使うことで、本作と似たルールで遊ぶことができるが、難易度は高い*2
  • ボンジャックツイン
    • アーケード。本作を手掛けたテーカンから独立したNMKの発売・開発により、2人同時プレイが可能な続編。ボンジャックとの違いは同時プレイができる事以外は、ステージの増加、グラフィックの向上程度しかない。元の難易度がただでさえ高いのに、さらに高い難易度に仕上がっている。元々はテクモが販売する予定だったが、販売を拒まれた挙げ句、シグマ(現:アドアーズ)販売になったという経緯がある。
    • ちなみに、「さんたるる」こと並木学のアーケードゲームサウンドデビュー作。1pボイスも担当している。

余談

  • 楽曲の著作権に絡む移植問題
    • 外部版権のBGMについては当時JASRACから正式に許諾を受けておりインストカードにもその旨が記載されているのだが、これが原因でBGMを含めた忠実移植が困難になっている。
    • PC-8801、SG-1000、Windows95/NT4.0、PS2『テクモヒットパレード』、Xbox『テクモクラシックアーケード』、Wiiバーチャルコンソールに移植されているが、PC-8801とWindows版以外は曲の差し替え(主に『マイティボンジャック』のBGMで代用)、果ては酷いケースになると無音*3と言う処置が取られている。SG-1000版は新規オリジナルBGMを使用。
    • 1984年発売のPC-8801版は日本ソフトバンク(現ソフトバンク)から発売。なんとBGMがそのまま使われている……が、当時のパソコンゲーム市場は悪い意味でルーズであり、実はJASRACに許諾を取っていない無許可収録であった。また、評価の高い背景グラフィックも発色の関係で再現しきれていない。
    • 1997年発売のWindows95/NT4.0版はマインドウェア(旧:N.M.N.ソフトウェア)が移植を手がけている。移植の出来もAC版と遜色なく、グラフィック・サウンド・ゲームバランス全てがAC版の忠実移植に肉薄したクオリティを実現している。発売当時においても評価は高かったのだが、マインドウェア代表の市川幹人氏曰く「弊社が出したPC-98移植版『JUMP BUG』と『Mr.Do!』に比べて売れなかった」と述懐している。そして、サウンド監修を古代祐三が手がけており*4、クリエイティブ製のサウンドカード「AWEgold64」に対応している旨の記述がマニュアルにある。肝心のBGMに関しては正式に許諾を受けて*5差替え・削除もされておらずAC版そのままという稀有な代物であった。
    • Wii『バーチャルコンソールアーケード』及びPS4/Switchの『アーケードアーカイブス』では『マイティ・ボンジャック』のステージのBGMのアレンジ(音源はアーケード基板準拠で鳴らしたもの)に差し替えられている。
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最終更新:2023年10月18日 08:27

*1 ちなみに増子氏はサウンド作業と並行してグラフィックも描いており、本作の冒頭に出てくる背景のピラミッドとスフィンクスは彼の手によるもの。

*2 ワープ先の王家の部屋でミスした場合、前の王家の部屋に戻される。さらに連続でワープしていた場合は最初に入った王家の部屋まで戻されるため、1面から15面までワープしてミスした場合は一気に1面に戻されることになる。

*3 PS2版『テクモヒットパレード』収録のボンジャックがこれに該当する

*4 PC-98移植版の『JUMP BUG』と『Mr.Do!』でもサウンド監修を担当している

*5 但し、パッケージや内容物にJACRACの許諾を受けている旨の類が見当たらないため確証は取れていない。