このページは2023年2月22日に実施されたアップデート「Fractal」を基準としています。オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。
No Man's Sky
【のーまんずすかい】
ジャンル
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アクション/アドベンチャー
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対応機種
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Windows プレイステーション4 Xbox One Xbox Series X/S プレイステーション5 Nintendo Switch
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発売元
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【DL版】Hello Games 【PS4 PKG版】ソニー・インタラクティブエンタテインメント 【PS5/Switch PKG版】バンダイナムコエンターテインメント
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開発元
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Hello Games
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発売日
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【Win】2016年8月13日 【PS4】2016年8月25日 【One】2018年7月24日 【XSX】2020年11月10日 【PS5 DL】2020年11月12日 【PS5/Switch PKG】2022年10月6日 【Switch DL】2022年10月7日
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定価
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【Win】6,500円(税込) 【PS4/PS5/Switch】6,050円(税込) 【One/XSX】7,000円(税込)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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備考
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【Win】各種VR機器対応 【PS4】PSVR対応 【PS5】PSVR2対応
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判定
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良作
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ポイント
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広大な宇宙が舞台のサンドボックスゲーム 1844京6744兆個を超える天文学的な数の惑星を探索できる 発売当初の初期Verは酷評の嵐 現在は継続的なアップデートで良作に 初心者に対して厳しい一面あり プレイヤーが目標を見出さなければ長続きしないゲーム性
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概要
イギリスのインディースタジオ「Hello Games」が開発・リリースした宇宙を舞台としたオープンワールドのアクションアドベンチャーゲーム。
ジャンルとしては、『Minecraft』のようなサンドボックスに近い。
特徴・評価点
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膨大な規模の探索空間。
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宇宙には無数の「星系」があり、それぞれの星系が複数個の惑星を有する。惑星から星系内宇宙空間までは宇宙船でシームレスに移動でき、他の星系へ移動したい場合はワープを用いる。
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1800京を超える膨大な数の惑星を探索可能。惑星はすべて自動生成によって作られ、様々な固有の環境を持つ。その大きさや気温、毒性や放射線といった有害環境、空や地面や海の色、生息している動植物や採取できる鉱物まで千差万別である。
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まさしく星の数ほど星があるため、人によっては好みの惑星を探すだけでもエンドコンテンツ足りうるボリュームを誇る。
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宇宙船に乗って、惑星の地形や構造がわかる高度や速度で飛行したとして惑星を一周するのに1時間では足りない。惑星と惑星の間の宇宙空間をワープ航法を使わず通常飛行で渡ろうとするならもっと長時間かかる。
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老衰するまで遊んだとしても全ての惑星どころか1/10000すら見て回るのは無理だろう。
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惑星だけではなく、プレイヤーが搭乗できる宇宙船や、手にする武器(兼ツール)の種類も豊富。お気に入りを見つけようとするならば、やはり相当な時間がかかることだろう。
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宇宙を舞台にした冒険・探索の雰囲気。
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本作一番の魅力を端的に伝えるならば、「宇宙旅行や惑星探索ができるゲーム」であることだろう。
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宇宙を舞台に未知の物質や生物を調べ、惑星間を宇宙船で移動できる……といった具合に、SFマニアにはたまらない内容。
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プレイヤーは星から星へ旅をしながら、資金と資源を集め、好みの惑星に基地を建設したり、新しい武器や宇宙船を手に入れてそれらをアップグレードしたりと、思い思いの活動に精を出す。
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各星系に1つずつある宇宙ステーションではランダム生成のミッションを受注する事もできる。指定の惑星へ赴いての写真撮影や動物の調査、討伐、宇宙海賊の始末など内容も様々。
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他のオープンワールド・フリーシナリオのRPGのように、メインストーリーと言えるミッションも存在するので、もちろんこれを進行してもよい。
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序盤は機能開放も兼ねているため、メインミッションを優先してクリアしていくのが推奨される。
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雰囲気抜群のVRモード。
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Win/PS4/PS5版は各種VR機器にも対応。VRでプレイすることで、宇宙探検の雰囲気を存分に味わうことが可能。
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宇宙船はコックピットでレバーを動かして操縦するため、気分はさながらパイロットである。
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発売当初から続く精力的なアップデート
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本作の発売当初は、後述するように惑星のあまりの膨大さによる他プレイヤーとのつながりの薄さや、単調でコンテンツ量の乏しいゲームプレイなどが大きく酷評されていた。Steamでのユーザーレビューは賛否両論で、お世辞にも高く評価されていたとは言い難い状況だったのである。
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しかし、本作は発売後から現在にかけて大型のアップデートを定期的に配信し続けた。その結果、発売当初に指摘されていたような不満点は大幅に改善されることとなり、現在でのユーザーレビューはやや好評にまで上昇した。
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そのため、本作の作品としての質は発売当初とは正に雲泥の差であるため、過去のレビューを鵜呑みにするのは控えた方が良いだろう。
賛否両論点
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目標が無いと長続きしない。
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この手のサンドボックスタイプのゲーム全般に言えることだが、プレイヤー自身が明確な目的を持たないと、ゲームが長続きせず、飽きやすい。
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そのため、「地球にそっくりな惑星を探す」「かっこいい宇宙船を見つける」などの目的をプレイヤー自身が作り出す必要がある。
問題点
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少々乱暴なチュートリアル。
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ゲームを開始するとチュートリアルが始まるのだが、この間でも普通にゲームオーバーになるので、初心者を突き放している感がある。
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例えば右も左もわからない最序盤の内に、地形の熱でやられたり、敵であるセ77ンチネルに攻撃を受けてゲームオーバーになることも珍しくないだろう。
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最初に配置される惑星はランダムで、初期状態のキャラでは30秒も耐えられず死ぬような過酷な惑星…は対象外になるが、毒の嵐が吹き荒れて適切にチュートリアルを読んで対処しないと死ぬような惑星に当たることもある。
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そこから何とか生き抜いて宇宙船を手に入れてマシな環境の惑星に移るまでに嫌気が指すことはあり得る。
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地球のような、つまり酷寒も灼熱も毒や強酸の嵐もなくて美しい海があるような惑星はそれを探すために数十時間かけないといけないレベルで少なく、そこから開始される確率は宝くじの高額当選のように少ない。
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VRモードでは一部操作性に難がある。
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特に指摘されやすいのが、宇宙船の操作。前述した通りコックピットに搭乗してレバーで操作するため、宇宙船で敵と戦闘する際には、かなりもどかしくなる。雰囲気はとても良いのだが。
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永続しない要素
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惑星の地面は自由に穴を掘ったり山を盛ったりできるのだが、プレイヤーの手による地形変化は時間経過等の要因で元に戻されることがある。『Minecraft』のように地形から自由なクラフトはできない。
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このため地形を掘るのは地下資源を採掘したり戦闘で一時的に有利な地形や待避場所を作るというような一時的な利用のために使われて、「掘った地形はいつかは復旧する」という前提の用法になる。
改善された問題点
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惑星のバリエーションが少ない。
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自動生成された1800京以上の惑星があることは前述した通りだが、その惑星のバリエーションが少なく、発売当初は似たり寄ったりの星しか見つからなかった。
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やれることが極端に少ない。
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特徴に記したプレイヤーができることの内、建築は発売当初は実装されていなかった。
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そのため、資源を収集したところでできることが何もなく、ゲームプレイが単調なものとなっていた。
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その他、フリーズやアプリケーションエラーが発生することもあった。
総評
宇宙を舞台としたサンドボックスゲームという、ありそうでなかった特徴が魅力な本作。
発売当初こそ、「未完成」と言われても致し方ないほど抜けている部分が多く、イギリスの広告規制局から誇大広告を疑われるほどだった(参照1・参照2)。
当然ながらユーザーからは酷評の嵐であったが、継続的なアップデートによって良作へと持ち直した。
真に評価されるべきは、数年にかけて継続的なアップデートを繰り返し、汚名返上を果たすことに成功した、開発陣かもしれない。
最終更新:2023年11月24日 21:17