Q REMASTERED

【きゅー りますたーど】

ジャンル 物理演算パズル
対応機種 Nintendo Switch
Windows(Steam)
発売元・開発元 株式会社リイカ
発売日 【Switch】2022年07月28日
【Steam】2023年05月02日
定価 999円
プレイ人数 1人
セーブデータ 1個
レーティング IARC:3+
判定 スルメゲー
ポイント スマホ版の大半の問題がそのまま移植
高難易度の新問題が追加
決まった解法はなく解き方は自由
非常に多い問題数
Steam版にはIQが測れるモードが追加
Qシリーズ
One版 / 3DS版 / REMASTERED / Q2 HUMANITY

概要

2015年にリリースされたスマホ向け物理演算パズルゲーム「Q」を、Nintendo Switch及びSteam向けに移植した作品。

本作はスマホ版に収録されているほとんどの問題と、新問題の計 1400問 (Steam版は 1340問 )を遊ぶことができる。

またSteam版限定で、問題を解くことで自分のIQを測ることができる「IQ TEST」というモードが存在する。

ルール

基本的なルールは3DS版のルールと同一のため、一部引用しています。

通常モード

  • 問題ごとに目標が設定されており、その目標を達成することでステージクリアとなる。達成した瞬間クリアとなるもの、達成している状態を3カウント維持すればクリアとなるものの2種類がある。
    • 目標は「ボールを赤いエリアに触れさせる」「ボールを箱から出せ」などのように視覚的にも分かりやすくなっている。
      • 一部、「察しろ」「あれをあれして」という投げっぱなしの目標もある。
  • プレイヤーは画面内の黒いエリアであれば自由に線を引くことができる。直線だけではなく、曲線を描いたり、ボール状にしたりといったことも可能。
    • 線を引く方法はマウスの他に、コントローラーでのスティック操作、Switch版のみタッチ操作とジャイロ操作も選べる。
    • 線を引き終わると描いたものは重力に従って落下する。逆に言うと離すまでの間は空中に留まる。
      • 重力の方向は基本的に下方向だが、一部の問題では違う方向に働いている。
      • プレイヤーが取れる手段は、落下・重力加速・てこの原理・タッチしっぱなしによる固定など、多岐に渡る。
      • 描いたものの重さは描いた量によって変化する。同じボール状であっても中までしっかりと埋めたものは重くなる。
    • 最初から描かれているオブジェクトやすでに描いたものに重ねることはできない。
    • 問題によっては黄色いオブジェクトが配置されている場合もあり、描いたものが触れると重力の法則に従って動き出す。
    • その他にも、物体同士が連動して伸び縮みする「ゴムひも」、重力に逆らう「風船」、触れると小さくなる「水色のオブジェクト」など、様々なギミックが存在する。
    • 青いエリアには描くこと自体できない。
    • 一度描いたものを消すことは不可能。そのため、場合によっては描いたものによって妨害されてしまいクリアできなくなるという事態もありえる。
      • 壁がないステージであれば、壁の外に押し出してやれば消すことはできる。
    • プレイヤーができる行動としてはこれだけであり、描いたものを使って問題の目標クリアを目指す。
  • リトライマーク、もしくはYボタンを押すとその問題を最初からやりなおせる。またBボタンを押すとクリアを諦め、ステージ選択画面に戻る。
  • チュートリアル終了後から選べるステージはごくわずか。
  • 1ステージは20面で構成されており、最初は1~10面が選択可能。このうち7問をクリアすると11面~20面が解放される。
    そして、そのステージで計14問クリアすることで次のステージが解放される。
  • 問題をクリアすると、最短手数(クリアするまでに描いたものの個数)が自動的に記録される。
    • 1手でクリアするとクリアメッセージ "YOU DID IT!!" が虹色に変化する。

「IQ TEST」(Steam版限定)

  • 一問を解くごとに画面上に大きく「IQ 100」のように表示される。
    • IQの判断基準は、「IQ TEST」は手数が少ないほど点数が高く、最高130点。
      「IQ TEST HERO」は手数の少なさで50点、またそれぞれの問題で一定の条件を満たすことでさらに50点、最高で計100点。
  • ステージ選択画面の右上の「iQ」マークから、20問平均のIQが表示され、それに応じた評価が表示される。

評価点

自由度の高いパズル要素

  • 本作は決まった解法がなく、プレイヤー次第で解法が変わる。
    • 地道に目標クリアを目指すか、半分運頼みの一発クリアを目指すか、といったこともプレイヤーに委ねられている。
    • 一部のステージではあるが、明らかにゴリ押しとしか言えないパズル要素0の解き方をすることも可能。
  • 自由度の高さゆえに、色々と試行錯誤した結果クリアできたときの達成感はひとしおである。

大ボリュームの問題数

  • スマホ版に収録されている問題のうち、コラボ問題以外を全て移植した上に、さらに新規問題140問も収録したため、 計1400問 という大ボリュームになった。
    • Steam版では2点タッチが必要な問題が削除され、 計1340問 となったが、それでも大ボリューム。
      • IQ TESTはこれとは別に40問存在する。

スマホ版でプレイするよりも非常に安く済む問題がある

  • 移植された問題の中には、スマホ版の課金ステージも含まれる。
    • スマホ版でこれらの問題をプレイしようとすると約4000円かかってしまうが、Switch版だと4分の1で済む。

Switchとの相性の良さ

  • もともとスマホのタッチパネルで描くゲームだったので、Switchのタッチ操作とは非常に相性がいい。
    • 公式もSwitchではタッチ操作を推奨している。

ロード時間がほぼない

  • プレイ中はロード時間がほぼない。何度もやりなおすことが多いゲームだけに、ロード時間がないのはかなり大きな評価点と言えるだろう。

スマホ版から操作感が向上している

  • スマホ版では「描いている先に物体があった場合、その描いている物体が描き終わる」という仕様があったが、今作ではこの仕様が廃止された。
  • その他、物理演算エンジンがアップデートしており、スマホ版から操作感がかなり向上している。

賛否両論点

非常に高い難易度

  • 公式サイトでも「激ムズ」と謳われているが、実際パズルゲームとしての難易度は非常に高い。
    • ひらめきも重要となるゲーム性であるため、すぐにひらめけば数分でクリアできる場合もあり、逆に何時間やってもクリアできない場合もある。
    • しかしながら、この高い難易度が達成感・中毒性を生み出しているのは間違いないので、一概に問題点とは言えない。
  • 問題を一定数解かないと新しい問題が解放されないので、どこかでつまずくと新しい問題に挑戦できなくなってしまう可能性がある。
  • 今作の新要素として、「史上最凶難易度」と謳う新ステージ「HELL」が追加された。
    • このステージ自体はチュートリアルを終えると開放される。
  • また、Steam版では高難易度の実績がいくつか追加された。
    • それらの中には、「 特定のステージを全て一手で攻略しろ 」といったものも含まれている。
      • その実績解除に必要な20問一手クリアのうち、1問は 正攻法では一手クリアが不可能 であり、攻略動画等で一手クリアの方法を知らないと思いつくはずがないものである。おまけにその方法での一手クリアは全く安定しない運ゲーである。

自由度の高さゆえのシビアな判定

  • 物理演算を利用していることもあってか、同じようなものを描いたとしても結果が大きく変わるという事態がしばしば発生する。
    • ちょっとしたズレで大きく結果が変わる上、一手ごとのやりなおしは不可能。問題によっては解法が分かっても、事実上運良く成功することを祈るのみ…といった場合もある。
    • 微妙な差異でも物理法則の影響を受け、摩擦があまり考慮されていないこともあって何もしていないのに真っ平らな場所でボールが少しずつ転がるということもある。
    • 常に場の状況が変化しているようなステージだと、再開するたびにオブジェクトの挙動が微妙に異なっている。
  • 本作の問題は(解法をひらめくまでの時間、または前述の「運良く成功する」ことを求めて試行回数を稼ぐ時間を除けば)クリアするまでに極端に時間がかかるものは存在せず*1、最初からのやりなおしもボタン一つでテンポ良くできる。あるいは、これも一つのシステムと言えるかもしれない。

問題点

ヒントがない

  • 難易度が高い一方で、ゲーム内でのヒントは一切なし。
    • チュートリアル的なものも存在し、基本的な攻略方法は分かるようになっているが、残念ながらそれだけでは後の問題を攻略するには不十分と言わざるを得ない。大半の問題は、どうしても解法を導き出すためのひらめき・発想力が必要となってくる。
    • 描けるものに制約が存在せず、発想力が及ばないと何を描けばクリアできるか、という目算さえできない。このためクリアは非常に難しい。

総評

シンプルなルールではあるが、公式が謳うようにかなりの高難易度である「Q」。
スマホ版の大半の問題と、史上最凶難易度のステージなどを収録した結果、
約1400問の大ボリュームを楽しめるようになった。

このようなシンプルさゆえに中毒性も秘めており、気づけば一つの問題に長時間没頭しているということもあるだろう。
一方でヒントのないストイックさゆえに、軽い気持ちで手を出すと結局クリアできないまま放置してしまいやすく、どうしても人を選ぶ面は否定できない。

高難易度のパズルゲームを探している人は、本作に挑んでみてはいかがだろうか。

余談

  • 発売直後はそれほど話題に上がらなかったが、2023年3月ごろからにじさんじやホロライブといったVtuber達に配信で取り上げられるようになり、人気が再熱した。
    公式もこの動きに乗っかり、
    • 動画やサムネイルなど、自由に使える画像素材を配布する
    • Q REMASTEREDの生配信を行うユーザー(VTuberかどうか問わず)の配信告知をする
    • 果ては 公式アカウントとしてスーパーチャットを送る
  • など、プレイヤーや配信者に寄り添った姿勢を見せている。

その後の展開

  • 2023年8月30日、Steamにて完全新作となる『Q2 HUMANITY』がアーリーアクセス版として発売され、2024年8月28日にはSwitch版も発売。
    その後、2024年12月18日にSteam版、12月26日にSwitchパッケージ版(後述)、2025年1月16日にSwitch版が正式リリースした。
  • 2024年11月14日には『Q2 HUMANITY』とセットになり、Steam版でしか遊べなかった「IQ TEST」も遊べるSwitchパッケージ版『QとQ2 物理エディション』が発売された。

タグ:

PZL
最終更新:2025年03月20日 06:57

*1 ただしシステムの性質上、解法は必ずしもひとつとは限らないため、見出したのが遠回りな手段だった場合は大いにかかってしまうこともある。