TOKYOナンパストリート

【とうきょうなんぱすとりーと】

ジャンル ADV
対応機種 PC-8801、PC-9801、FM-7、X1、MSX
発売・開発元 エニックス
発売日 1985年4月
定価 5,280円
備考 18歳未満禁止ソフト相応
判定 良作


概要

  • エニックスによる「第3回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」優秀プログラム賞受賞作を製品化したもの。
  • いわゆるナンパゲームであり、今でいう恋愛シミュレーションの始祖とも位置付けられている。

システム

  • ゲームの進行としてはナンパ → デート → エッチの順に進行していき、各パートで女の子との会話や行動でご機嫌を取りながら進行していく。
    • ナンパする女の子にはトラップとして補導員やオカマ、プロが混じっているため一筋縄ではいかない。
    • こちらのアクションもリアルタイムで行う必要があるため、的確なタイミングでアクションを取ることが重要。
  • ナンパに成功したら会話モードに移行。女の子の気分に合わせて的確に会話していくことでご機嫌を取っていく。
  • パラメータはFT(やる気)とEX(経験値)、所持金と現在時刻が提示される。
    • FT値が高いほど積極性が高くなり女の子の好感度を上げやすくでき、エッチシーンの際にいろいろな行動がとれる。
    • EX値が高いほどナンパの成功率や女の子の好感度を上げやすくできる。
  • 開始時にパスワードを入力することで前回のパラメータを引き継いでゲーム開始可能。
    • パラメータで引き継がれるのは経験値と所持金、後述の遭遇したくない女の子の人数が対象となる。
  • また、デートモードも存在し、好みの女性をメイキングしてデートを楽しむことも可能。

評価点

  • 女の子のバリエーションの豊富さ
    • 登録されている女の子の総数は55人と当時の作品のみならず今の作品のレベルでも十分多い部類。
      • 年齢や性格もちゃんと設定されており、それに伴う会話パターンも当時としては十分多い。
  • システム面でもこの当時にしてはかなり快適な部類。
    • 入力については一部の箇所以外ではテンキーしか使わないという徹底ぶり。操作のストレスに悩まされることも少ない。
    • また、再開時には遭遇したくない女の子を指定することができるので、トラップの女の子の回避や攻略済みの女の子をやり直すという手間も省けているのも好印象。
  • デートモードの存在
    • 好みの女性をメイキングしてデートを行えるというのも画期的。

問題点

  • 時代的には仕方がないとはいえ、やはり女の子の外見については登録されている数に比べるとそこまで豊富とはいいがたい。
    • いくつかのパターンを使いまわすケースで水増ししているため、あまり変わり映えはしないのは厳しい。

総評

恋愛シミュレーションとしては元祖の作品ながら、女の子のバリエーションや会話シーンの豊富さ、軽快な操作性で高い完成度を誇った傑作。
当時の技術的・容量的な問題による限界はあれど、それをものともしない魅力が本作には存在していたのもまた事実である。
現状ではメーカーの状況から復刻やリメイクは絶望的ではあるが、本作が後世に残した影響は非常に大きく、ゲームの歴史には欠かせない作品であるともいえる。

余談

  • 本作を開発した漫画家の関野ひかる氏は『ドラゴンクエスト』を作った堀井雄二氏*1と同じ早稲田大学の漫画研究会に所属していた。
    • また、同期の中では最初に漫画家としてプロデビューを果たしていた。
  • 本作は当時かなりの大ヒットした作品ではあったが、本作が大ヒットしたがゆえに関野氏は当時急成長していたファミコンソフトの開発に移れなかったという悲劇もあった。
  • 本作は当時のソフトとしては珍しく、プログラムのコアとなる本体には基本的に機種依存性がなく、簡易的なOS上で動作している作品である。
最終更新:2024年02月09日 00:18

*1 なお、堀井氏は本作のスタッフクレジットに開発協力としてクレジットされている。また、他の著名人としては漫画家の国友やすゆき氏も音楽・効果音担当でクレジットされている。