【ねおぼんばーまん】
ジャンル | アクション |
対応機種 | アーケード(MVS) |
メディア | 138MbitROMカートリッジ |
発売元 | ハドソン |
開発元 |
プロデュース、ADS サウンド: ナウプロダクション |
稼動開始日 | 1997年5月1日 |
プレイ人数 | 1~2人 |
判定 | なし |
ポイント |
ある意味で初心者向けの作り (プレイ時間的意味で)ゲーセン泣かせ |
ボンバーマンシリーズリンク |
ハドソンからMVS向けに発売したアクションゲームで、アーケードのアクション版ボンバーマンとしては5年ぶりのリリースとなった。
全5ステージをクリアして、敵に捕らわれたキャラクター達を救出に向かうノーマルモードと、個性豊かなキャラクター達を用いてバトルに勝ち抜くことが目的となるバトルモードが存在している。
本作は『スーパーボンバーマン(スパボン)』及び『スーパーボンバーマン4(スパボン4)』とシステム面での共通点が多く見られるものとなっている。
1Pは白ボン、2Pは黒ボンを操作し、敵を倒して全5ステージ(*1)をクリアしていくモード。
本作では残機は1Pと2Pとで個別に振り分けられており、ストック数は2で固定されている(*2)。また2人プレイ時はステージ毎に出現するアイテムが1人プレイ時よりも多くなる反面、一部敵の耐久力が増している。
さらにプレイヤーのどちらかが残機が無くなってゲームオーバー、コンティニューをした場合、救済処置としてボムアップ、ファイヤーアップ、スピードアップが出現する。
ステージによっては敵に捕らわれたキャラクターが入っている牢が置いてあることがあり、それに爆風を当てて破壊することでそのキャラクターを救出したことになり、救出したキャラクターはそのステージ限定で仲間として協力してくれる(*3)。
仲間となったキャラクターはリモコンボムを使用し、更に爆風や敵に触れてもダメージを受けることがないが、仲間の爆弾の爆風にプレイヤーが触れた場合は勿論ミスとなる。
また、一部の敵を倒すと卵に変化することがあり、それに触れることでその敵を乗り物として利用することが出来る。
卵の形状は2種類あり、卵の形状が同じであれば中の乗り物が違っても最大2個ストックすることが可能となっているが、プレイヤーの動きに後ろから追従する形となるために、卵に爆風があたってしまうとその卵は消滅してしまう。
なお『スパボン4』とは違いストックしている卵を他のプレイヤーに奪われることはなくなったが、乗っている乗り物が消滅するとストックしている卵に乗る操作は自分で行わなければならなくなった(『スパボン4』では自動的に次のストックしている卵に乗る)。
乗り物には乗っているだけで効果を発揮するものや特定の操作で効果を発揮するものがあるが、乗っていれば敵や爆風に1回触れても身代わりになってくれる所は共通となっている。
一部の乗り物は今乗っているものを犠牲にすることで効果を発揮するものがあり、その場合は効果を発揮すると乗り物を失ってしまう。
任意のキャラクターを選んで2ポイント先取(*4)のバトルをするモード。
マップは全部で4つあり、1つのマップにつき5パターンの対戦相手がいるため、トータルで20勝することでクリアということになる。
ボンバーマン以外のキャラクターカラーは1P、2P、CPUでそれぞれ専用に固定されており、自由に選ぶ事は出来ない。
ステージ(*5) | 対戦相手 |
○-1 | 白ボン(プレイヤーが白ボンの場合は黒ボン) |
○-2 | ハヤテボンバー・フェイクボンバー |
○-3 | ハニー・キャットボンバー |
○-4 | 小鉄・ゴールデンボンバー・ラバーボンバー |
○-5 | ハニー・小鉄・アトミックボンバー |
このモードでも乗り物が登場するが、当然敵は出現しないのでブロックを破壊したときにランダムで出現するようになっている。
それ以外はノーマルモードと卵の運用ルールは同じで、このモードでしか登場しない乗り物も存在している。
シリーズではおなじみとなっている「ドクロ」もあるが、本作では2つ以上出現し、相手に移しても自分の病気が治らず、時間経過を待つしかない(これは『スパボン』と同様)。
なお、病気を移されたキャラクターの効果時間は移したキャラクターの病気の時間に依存するため、移したキャラクターの病気が治る直前に移された場合は移された側がすぐに治ってしまうこともある。
本作には『スパボン』シリーズではおなじみとなりつつあった「みそボン(みそっかすボンバー)(*6)」は採用されていない。
また、このモードではプレイヤー2人で対戦することも出来るが、その場合はコンピューターが混ざらないタイマン形式でのバトルとなり、初期配置もコンピューター戦とは異なる。
ボンバーマン(白黒赤青の4色)
ハヤテボンバー
フェイクボンバー
ハニー
キャットボンバー
小鉄
ゴールデンボンバー
ラバーボンバー
アトミックボンバー
全体的にシンプルで解りやすく纏まっている
個性豊かなキャラクター達
初心者でも楽しめる難易度
ノーマルモードの一部のボスの扱い
ノーマルモードの難易度の推移が歪
コンピューターが全体的におバカ
特殊能力のバランスが取れていない
乗り物の当たり外れも強烈
1プレイが長丁場になりがち
バトルモードに関して言えば、コンピューターの頭が悪いためにそれまでのシリーズをやり込んできたプレイヤーには非常に物足りないものとなっている。
その反面、初心者がプレイする分には程良い強さとも言えるので十分楽しめるし、やり込んだプレイヤーでも割り切ってプレイする分にはそれなりには楽しめる。
問題点に上げた特殊能力も常時効果が発動するものではなく、コマンド入力を経る必要があるので使用を封じてプレイする分にはどのキャラクターでプレイしても差が無いということも出来、そういう意味では個性の強いキャラクターというのは魅力的であるとも言える。
ノーマルモードのステージも所謂初見殺しになるような要素は見受けられず、シンプルな内容でまとめられており、気軽に楽しめる内容となっている。
しかし、マップの仕掛けも上では無個性・無味乾燥という訳ではないとは書いたが、乏しい点は否定出来ないために繰り返しプレイに耐えられるかとなると少々苦しい所も事実。
バトルモードのバランスの悪さやノーマルモードの繰り返しプレイが苦しい点などを踏まえると良作と言うには少々粗が目立つもののそれなりの完成度を誇るため、良作に近い凡作・佳作というのが適切であろう。
本作は何故かネオジオにも移植されていない。
ちなみに本作の発売前にMVSで稼働していた『ボンバーマン ぱにっくボンバー』もやはりネオジオに発売されていなかったりする。
しかし、『ぱにっくボンバー』はPCエンジン版とプレイステーション・ポータブル版が存在しているが、本作は別ハードにも移植は為されていない。
バトルモード中、パワーグローブで爆弾を相手に向かって投げつけた際、相手が正面以外を向いていると爆弾が当たって怯ませる上にアイテムを引っぺがす効果がある(*16)。
しかし、投げつけられた側は正面を向いていた時はその爆弾をキャッチして投げ返す事が出来る。ただし、キャッチした際はいくらか今向いている方向に対して後ろの方に押し込まれるようになっている。
本作のパワーグローブは投げた軸上の最も近い敵及び障害物をサーチして投げるようになっている。また他の作品に比べて投げる勢いがかなり凄まじく、投擲上で何も無ければ、画面端から画面端(*17)にも平気で届くほどとなっている。
また、キャッチして投げ返すのにはいくらか時間がかかるので、少なくともコンピューター相手であればある程度の火力と爆弾を持っている状態であれば、爆弾を投げ、キャッチした相手に投げ返される前に新しい爆弾を持ち上げておき、投げ返されたらすぐに新しい爆弾を投げつけ、また投げ返される前に新しい爆弾を…の繰り返しで相手をはめる事も可能となっている。
アーケード版ボンバーマンはヒット作の少なさから本作で幕を閉じてしまう事になったが、本作稼働から約20年後の2018年にハドソン作品の版権を取得したコナミによる最新作『ボンバーガール』が稼動した。
*1 そこから更に小マップ(1-1、1-2といった案配)が存在しており、マップ数としては全37ステージ。
*2 本作にはボンバーマンの残機を増やすアイテムが登場しないが、スコアが40万に達すると専用の効果音と共に残機が増える。ただ、稼ぎを意識せず普通にプレーしてスコアが40万に達する事はまずない。
*3 『スパボン4』でいうおたすけボンバーに相当する。
*4 デフォルト設定。サービスモード内の設定で必要ポイント数の変更可能。
*5 ○の中には選んだマップの数字が入る。つまり、マップ1を選んでいれば1ー1ということ。
*6 早々とやられてしまったプレイヤーが場外から爆弾を投げ入れて生き残っている他のプレイヤーを妨害することが出来るというもので、一度に投げ入れることが出来る爆弾は1個のみとなっている。後の作品ではこの爆弾で他のプレイヤーを撃破出来れば、そのプレイヤーと入れ替わりで復活することが出来る「みそボンドッジシステム」が採用された作品もある。
*7 『サターンボンバーマン』に登場したヒゲヒゲ団戦闘員とは恐らく関連性はない。
*8 小さいハエの「ブンチョ」と分裂する「コイン」の分裂後の2種類のみプレイヤーに反応しない。バクチャも爆弾を食べた後はこちらを追ってくるようになる。
*9 脱出不可能な状態で特殊能力を使用するものの、タイミングが早すぎて爆弾が爆発する前に無敵が切れてしまう。
*10 実はノーマルモードの4面ボスとして登場する際のAIと同じ。こちらでは耐久力の関係で即死にはならないが、結果的に1回ダメージを受ける事になる為製作側の調整ミスと言える。
*11 移動に合わせて爆弾を出せるだけ勝手に出してしまう。
*12 先に上げたオンブー、ダチョンのいずれも生物系。
*13 チョウチンアンコウ型の「チャージ」クラゲ型の「ヌチャ」が該当。生物を模したロボット或いはサイボーグ、という解釈も出来ない事はないが…。
*14 永久パターン防止の処置と思われる。
*15 特に特殊能力の性能もあり、小鉄が出るステージでは大抵プレイヤーがやられると小鉄が勝利を持っていき、2回プレイヤーがやられてしまえばほぼ小鉄のストレート勝ちで決着がつく。
*16 ただし、パワーグローブで爆弾を持ち上げている状態のキャラクターには効果がない。
*17 この場合は画面外に投げてのループという意味ではない。