リバーシブルフェイス ~尾行2~
【りばーしぶるふぇいす びこうつー】
| ジャンル | リアルタイム尾行SIM |  
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| 対応機種 | Windows 95/98/Me | 
| 発売・開発元 | ILLUSION | 
| 発売日 | 2001年1月12日 | 
| 定価 | 8,800円(税別) | 
| レーティング | アダルトゲーム | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 3Dエロゲー専門ブランド・ILLUSIONの出世作 PS1レベルのグラでも当時のエロゲーとしてはすごかった
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概要
2001年当時既に3Dエロゲー専門のブランドと化していた「ILLUSION」から放たれた一作。
ただし発売当時のILLUSIONの知名度はそれほど高いものではなく、まだまだ泡末のブランドのひとつに過ぎなかった。
その知名度を高めるきっかけとなったのが今作である。
ゲーム内容など
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ゲーム内容はタイトルにあるとおり尾行をし、最終的にはそういうことをするゲームである。
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最初にADVパートがあり、各キャラのEDに必要なアイテムを得る形でフラグを立てる。
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そしてADVパートが終わると尾行パートに入る。そこでは実際に男キャラを実際に操り、女の子を尾行する。見つかったり、女の子を見失えば当然ゲームオーバー。
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女の子を見失うかどうかはゲーム画面に表示される「尾行ゲージ」によって管理されており、女の子と一定以上距離が離れるとゲージが減り、これが全てなくなると見失ったことになる。
 
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尾行の舞台となるステージは各キャラ10マップ程度用意されており、ゲームオーバーになった場合は各マップの最初からのチャレンジなのでそのあたりは親切設計。
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各キャラに設定されたマップを全てクリアすると最後にお目当てのHシーンとなる。
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Hシーンは純愛、陵辱の2パターン用意されており、ADVパートでの獲得アイテムと尾行シーンクリア後の選択肢によってEDが決定する。
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ちなみに陵辱の場合のEDはどれも暗め。
 
 
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攻略キャラクターは5人
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各キャラごとにシナリオが独立したオムニバス形式になっており、キャラ間での横のつながりはなく、攻略キャラによって主人公の立場さえ変わる。
 
    
    
        | + | 攻略キャラクターは以下の通り | 
上杉麗緒奈
主人公がよく行くレンタルビデオ店のアルバイト。ポニーテールの似合う娘で、自分の胸が小さいことに悩んでいる。
篠原皐月
主人公がたまたま入ったコンビニで見かけた万引き常習犯の女子高生。
飯島里香
バイト先へと向かう電車で乗り合わせた女子高生。気が強く、潔癖症。
松沢裕子
主人公の同僚。会社内で産業スパイの疑いをかけられている。
竹田弥生
マラソンランナーの女の子。夜の公園で自主トレしていたところ主人公と出会い、追いかけっこをすることになる。ちなみにこの娘だけ、ステージが尾行ではなく追いかけっこになる。
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評価点
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結構がんばっている女の子のモデリング
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女の子のグラフィックは総じてPS1ぐらいモデリングでありなかなか可愛い。そういうのが好きなひとならば発売から10年以上が経った今でも実用レベルだろう。
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攻略キャラの選択時に各キャラのダンスシーンが見られるが、スカートを着ているキャラならそこで視点変更をするとパンツを拝めることができ、そちらも結構書き込まれている。
 
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360°見回せるHシーン
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2Dのエロゲーのはない3Dエロゲーの特権で、Hシーンを360°好きな角度から見回せるため、Hシーンでの臨場感がある。
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そのためキャラの全体像を遠めからみることもできる。モザイクの具合もよく、裸の女の子を見回せるのはなかなかエロい。
 
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それにキャラも非常に動く。これも2Dエロゲーにはない特権である。
 
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美麗なムービーシーン
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いわゆるフィニッシュのときのムービーにはハイクオリティ動画エンジンの『BOXERNC』が使用されており、非常にきれい。これもPS1レベルは十分にある。
 
問題点
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オープニング
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オープニングでは上述のダンスだが、このとき
マウスを右上に当てないといつまでもダンス
をしてしまうので、10分待ったのにゲームが始まらないというケースもある。
 
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独特すぎる操作性
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尾行シーンでの操作方法がかなり独特で、「マウスを動かすと画面内のアイコンの形が矢印に変化し、その状態でクリックすると矢印の方向へキャラが動く」というものでなれるまでが大変。
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また壁や電柱といった場所に隣接すると「壁張り付き」という特殊な行動をとるのだが、少しでも壁に近づいただけで発生するため「歩こうと思ったら壁張り付きに化けた」というミスが非常に多く、そのせいで女の子を見失ってゲームオーバーとなることも多々。
 
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慣れるまでがしんどい難易度
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尾行ゲージの減りが結構早く、女の子の一定範囲内にいないと回復しない。その範囲も狭めなので、酷いときには視界内に女の子がいるのに見失うということも。
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女の子は視野は狭いが視力はいいという風な調整がなされており、尾行ゲージを回復しようと近づいたら女の子に振り向かれてゲームオーバーとなることも多く、実際やるとどのくらいの距離を維持すればいいかがわかりにくい。
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左右を見回す警戒動作に入ると女の子の正面180°は間違いなくアウト。警戒動作が入ると近づくこともままならず、尾行ゲージがゴリゴリ減って行く。
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また男キャラの主観視点というのがなかったため、女の子との距離を測りにくいということもあった。
 
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他にも蹴ってしまうと音が鳴り、女の子の警戒度があがる空き缶、近づくと吼えられ女の子との距離によっては即アウトな犬、目の前の走ると呼び止められてゲームオーバーのなる警備員などのトラップが配置されていることも。
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そのため、ある程度ステージ構成や安地、女の子の行動を熟知していないとクリアには遠い。
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これは完全な筆者の主観になるのだが、警戒行動やフェイントの少ない麗緒奈、追いかけっこという形になるため発見の心配がない弥生が簡単なのでその二人のステージで操作性や尾行のやり方になれないと後の三人がきつい。
 
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ちなみに各ステージごとに何回か失敗すると自動でクリアして次のステージに進めるようになっている。これを救済措置と取るかバランス調整の放棄ととるかはその人次第である。
 
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エンディング回収の煩わしさ
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全CGを開放するためにはHシーンのないバッドエンドも回収する必要がある。しかしどのEDに向かうかはADVパートが終了した時点で持っているフラグアイテムで決定される。
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各キャラのEDはそれぞれ4個で、その条件が「フラグアイテムを持っている状態で最終選択肢を選ぶ」「フラグアイテムを持っていない状態で最終選択肢を選ぶ」というものなので、最低でも2回は尾行シーンを攻略する必要がある。操作性や難易度の問題もあるので面倒くさい。
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それに尾行開始時点で行けるEDが確定しているため、攻略情報を知っていないとHシーンにたどり着けないということも。
 
 
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見ているだけのHシーン
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Hシーンでの男キャラの操作は出来ず、オートでそういうことをやっており、後のイリュージョンのゲームに見られる「自分でキャラを動かして女の子を感じさせる」という要素はない。
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恐らく当時の技術ではそういうことができなかったのだろう。
 
 
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ゲーム内容の薄さ
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Hシーンは純愛、陵辱それぞれ一回ずつ、尾行になれていれば各キャラ1時間程度で全EDを回収可能。しかもストーリー性も非常に低い。
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これはILLUSIONのゲーム全般に言えることでもある。3Dゲームゆえに容量がキツイということもあるのだろう。
 
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残念な男のモデリング
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女キャラはがんばっている反面、男はかなり残念。服を着ている状態だとわからないが、脱ぐと非常にしょぼい。そのため、男も裸になる純愛Hシーンは人によっては萎えてしまうかもしれない。
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またこの時代は男キャラを消すということもできなかった。
 
 
総評
当時としては非常に画期的なゲームであり、高い売上を記録した。
2001年年明けすぐの発売ということもあり、当時のエロゲーユーザーに「21世紀のエロゲーはこれだ」という強いインパクトを与えたに違いないだろう。
現在のILLUSIONのエロゲーと比べればグラフィックの粗さやシステムの悪さも目立つが、今から10年以上前のゲームなので現在の技術を比べるのは酷な話だろう。
この作品の成功によりILLUSIONは大きな知名度を獲得し、その技術力を向上していくこととなる。
グラフィックは結構綺麗で今でも十分に実用性はあるので、見かけたら手に取ってみてもいいだろう。3D属性持ちなら損はしないはずである。
余談
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DVD-PG版も発売されており、新規で手に入れるならこちらの方が楽。
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しかしDVD-PGの性質上尾行シーンは大幅に簡略化されており、Hシーンの視点にも大きな制限がある。本気でこのゲームを堪能したいのであれば多少値は張ってでもPC版の入手をお勧めしたい。
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ちなみに2014年現在ではDVD-PGもロットアップしたようで、入手は中古オンリーとなっている。幸い流通数は多いので、そこまで入手難度は高くないだろう。
 
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攻略キャラ5人のうち麗緒奈と里香の2人は、後に発売された『Sexyビーチ2』にて、他のILLUSIONヒロインと共に客演を果たしている。
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今作の発売より3年後の2004年に、この作品のコンセプトを受け継いだ正統後継作である『尾行3』が発売された。
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尾行パート限定ではあるがUSBゲームパッドでの操作が可能となり、今作での問題点である操作性の悪さや難易度面が大幅に改善されている。
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それに今作ではPS1レベルだったグラフィックがPS2レベルにまで進化しており、まさに「変態に技術を与えた結果がこれだよ!」と叫びたくなるくらいの正統進化を遂げている。やり比べてみて「わずか3年でここまで進化したのか…」と、ILLUSIONの技術レベルの高さに驚いてみるのもいいだろう。
 
最終更新:2024年11月28日 15:40