ヤーの復讐

【やーのふくしゅう】

ジャンル シューティング
対応機種 ATARI 2800
発売・開発元 アタリ
発売日 1983年
プレイ人数 1~2人
判定 良作


概要

アタリ社の社員、ハワード・スコット・ウォーショウ氏が初めて手掛けたATARI2600/ATARI2800用ゲームソフト。原題は『Yars' Revenge』。


特徴

  • 「Yar」と呼ばれるハエを操作して、敵である「Qotile」を撃破することが目的。
    • Qotileの周りにはバリアがあり、Yarのショットで破壊することができる。
    • QotileそのものはYarのショットでは撃破することができず、特定条件で出現するキャノン砲で攻撃する必要がある。
      • キャノン砲の出現条件は、「Qotileに直接Yarで触れる」「Yarでバリアに触れてバリアを食べる」の2パターン。
      • キャノン砲はYarの位置を追尾するように左側に配置されており、Yarのショットを撃つのと同時に発射できる。ただし、Yarにもキャノン砲は当たってしまう。
    • 画面上には自機を追尾するミサイルがあり、それに触れてしまうとミスとなる。
    • 画面中央の虹色の帯は安全地帯となっており、そこにいる間はミサイルに触れてもミスにならない。ただし、安全地帯にいる間はショットを撃つことはできない。
    • Qotileは時折、竜巻となってYarに対して体当たりをしてくる。この竜巻は安全地帯にいても食らってしまう。

評価点

  • 少々複雑ながらも良質なゲームシステム
    • 「Qotileを倒すにはキャノン砲を使用する」「特定の手順を踏んでキャノン砲を出現させる必要がある」「安全地帯では追尾ミサイルが無効になる一方、自機もショットを撃てない」など、一見複雑なゲームシステムであるが、それらさえ飲み込んでしまえば、中々楽しめるゲームとなっている。
    • キャノン砲はYarにも当たってしまうので、Yarに当たらないようにQotileを狙う必要があるのも、ゲーム性を高めている一因となっている。
  • 派手な演出
    • 前述した安全地帯しかり、Qotileを撃破した際には画面いっぱいに虹色のノイズがかかるなど、当時のゲームとしてはかなり派手な演出を採用している。

問題点

  • ステージが2種類しかない
    • バリアの形が2種類しかなく、その二つを繰り返しプレイすることになる。
    • とはいえ、当時のROM容量は4Kbiteと非常に少なかったため、仕方ない部分はある。むしろ2パターン用意できただけでもマシと言うべきか。

総評

ATARI2800/ATARI2600のゲームの中でも、指折りの高評価を得ている良作。
限られた容量の中でも、派手な演出を用意したり、良質なゲームシステムが構築できているなど、本作がしっかりと作り込まれていることがわかる。


続編・関連作品

  • 2005年『Yars' Return』(ATARI2600)
  • 2011年『Yar's Revenge』(360/Win)
  • 2022年『Yars: Recharged』(PS4/PS5/One/Switch/Win)
  • 2024年『Yars Rising』(Switch/PS4/PS5/One/XSX)

余談

  • 本作を開発したハワード・スコット・ウォーショウ氏は後にあの『E.T. The Extra-Terrestrial』を手掛けることとなる。
    • 『E.T.』が最悪のクソゲーとしてしばしば話題になる一方で、本作『Yars' Revenge』が指折りの評価を得ていることも合わせて話題にされやすい。
  • 発売から30年が経った2013年、ニューヨーク近代美術館にてビデオゲームコレクションに選出され、展示されている。
最終更新:2024年10月14日 13:25