Nintendo Switch 2 のひみつ展
【にんてんどー すいっち つー のひみつてん】
ジャンル
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ミニゲーム集
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対応機種
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Nintendo Switch 2
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発売・開発元
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任天堂
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発売日
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2025年6月5日
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定価
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990円(税10%込)
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判定
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なし
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ポイント
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Switch 2の機能をゲームで紹介 一部コンテンツは周辺機器必須 同じようなミニゲームが多い
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概要
Nintendo Switch 2(以下「Switch 2」)と同時発売されたローンチタイトル。ダウンロード専売。
新機能の体験に主眼が置かれている点は『はじめてのWii』の系譜に連なるが、本作は内部構造の解説にも踏み込んでNintendo Switchとの違いを学べるようになっている。
特徴
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「ひみつ展」とある通り、巨大なSwitch 2本体やJoy-Con 2、ドックなどが配置された展示施設を歩き回りながらコンテンツを楽しんでいく形式になっている。
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各展示は「ひみつ」と呼ばれ、Switch 2各部の構造やデザインについての解説が見られる。一通り閲覧した後は「ひみつクイズ」に挑戦することもできる。
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ボタンやセンサーなどの近くにはスタンプ台が隠れており、そのエリアのスタンプを全て集めると次のエリアに進める。
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場内には、実際に遊べるコーナーとして「ミニゲーム」と「テックデモ」が用意されている。
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ミニゲームでは目標スコアをクリアすることでクリアメダルを入手でき、一定数のメダルを入手すると上級難易度や新しいミニゲームが解禁されていく。
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テックデモはミニゲームよりも簡易的ながら、より技術面に注目したゲーム。こちらも体験するとクリアメダルを貰える。
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なお、一部のミニゲームにはUSBカメラなど周辺機器が必須となっており、接続していない場合はプレイできない。
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ミニゲーム一覧
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1:トゲトゲよけ
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マウス操作でUFOを動かし、上部から襲ってくるトゲトゲを避け続け、どれだけ長く生き残れるかを競う。段々トゲの速度が上がったり、こちらを狙ってくるトゲが混ざる。
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パート2ではトゲと一緒に降ってくるスターを集め、パート3では両手で2つのUFOを操作するようになる。パート4はそれらを複合した最高難易度モード。
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2:強振動探し
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マウス操作でカーソルを動かし、振動がもっとも強い場所を探す。パート1は左右のみ、パート2は画面全体、パート3ではあちこちにダミー振動が発生するようになる。
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3:フレームレートクイズ
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2種類の映像を連続で見てフレームレートを見極める。パート1は120fpsの映像がどちらかを当て、パート2では微妙なfps差でどちらが滑らかかを当てる。
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4:タッチ10
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携帯モード専用。10本の指を使って遊ぶツイスターゲームのような内容で、指定された色に指を置いていく。一度タッチした指がズレてしまうとゲームオーバー。
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パート1は規則正しく並んだ4色、パート2は4色がランダム配置され、パート3では7色になる。
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5:角度感覚
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携帯モード専用。本体のスタンドを使って指示された角度に調整する。パート1では画面にリアルタイムの角度が表示されるが、パート2では完全に自分の感覚で角度を調整する必要がある。
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6:スピード迷路
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マウス操作で遊ぶいわゆるイライラ棒でクリアタイムを競う。パート4まで存在し、段々と迷路が複雑化したり、狭い隙間を通り抜ける必要がある。
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7:スピードゴルフ
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マウス操作でパットゴルフを遊び、クリアタイムを競う。打数は関係なく、とにかく早くクリアすれば良い。Joy-Con 2の傾きで打つ方向を調整できる。パート4まで存在し、段々難しいコースになっていく。
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8:スピードクリック
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マウス操作でスタート位置から素早くカーソルを動かして的をクリックするタイムを競う。パート4まで存在し、クリックする目標が増えて難しくなっていく。
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9:4Kピクセル探し
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TVモード専用。4K画面の中の1ピクセルを探し当てるタイムを競う。パート1は静止した4つのピクセルを探し、パート2では移動する5つのピクセルを探す。
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10:顔まね
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USBカメラを使ってお手本の顔を真似る。顔の角度、目の角度、口の角度などを高精度顔認識で判定し、お手本に近いほど高得点となる。
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11:感触かたち当て
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マウス操作と感覚フィードバックを使ったミニゲーム。輪郭に触れると返って来る振動をヒントに形を当てていき、クリアタイムを競う。パート1は四角や三角といった単純な形状、パート2ではアルファベットを当てていく。
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12:マーカーペン
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マウス操作で指定された範囲を正確に塗りつぶす。クリアタイムを競うが、少しでもはみ出るとミスになる。パート4まで存在し、段々難しい図形になっていく。
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13:振動神経衰弱
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マウス操作と振動を使って遊ぶ神経衰弱。6種類の振動をヒントにペアを当てていく。全てのペアを当てるまでの手数を競う。
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14:バルーンハント
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マウス操作で遊ぶFPS。迷路内に配置されたバルーンを全て割るまでのタイムを競う。パート3まで存在し、より正確なエイム操作が必要になっていく。
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15:液晶ピクセル探し
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携帯モード専用。マウス操作で本体液晶画面の光っているピクセルを3つ探すタイムを競う。パート2ではピクセルがゆっくり移動していく。
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16:スクレーバー
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マウス操作でスクレーバーを動かし、汚れを素早くこすり落とすタイムを競う。パート2は最初の汚れの下から手形の汚れが出てくる。
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17:GLGRロック解除
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Proコントローラー / 充電グリップ専用。GLGRボタンにAボタンとBボタン操作を設定して指示されたボタンを押したり離したりするクリアタイムを競う。
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パート1では操作数が少なく、パート2では多くなり、パート3ではシャッフルされるため難易度が上がっていく。
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18:片輪走行カー
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マウス操作とジャイロセンサーを使ってミニカーを操作し、障害物を回避しながらゴールまでのタイムを競う。Joy-Con 2を左右に移動すると移動し、傾けると片輪走行する。片輪走行中はスピードが上がるが左右に移動できなくなる。
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コースにはタイヤが乗るとスピードが低下する丸太や当たると止まってしまうカベ、片輪走行で触れるとブーストするオイル缶などが配置されている。パート2では踏むと障害物が移動するスイッチが追加される。
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19:平泳ぎ イライラフラフラ
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左右Joy-Con 2を同時にマウス操作する高難度ゲーム。マウス操作で左右の手を動かし、平泳ぎをしてゴールまでタイムを競う。
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20:型ハメパズル
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マウス操作で4つのピースを型にはめていく。型にはめる際はジャイロセンサーで傾きを調整する必要がある。パート2は型自体がふらふら揺れ動く高難度モード。
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評価点
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Switch 2の新機能を、視覚的にわかりやすく学べる。
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各所の展示でSwitchからの進化、内部設計の工夫といった部分まで詳しく解説されており、ハードに使われる技術やスペックを学べる。
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本体やJoy-Con 2は内部エリアも用意され、通常は見る機会のない内部構造をじっくり見られる。
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一方で単純な紹介や宣伝にとどまっているわけではなく、体験型のコンテンツでも楽しむことができる。
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次のエリアに進むために必要なスタンプ台が隠されている場所は、すなわち新機能が隠れている部位となっている。ヒントがプレイヤー自身の手元にあるので、じっくり眺めまわしてボタンやセンサーの場所を覚えられるのも面白い。
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テックデモはそれほど高いゲーム性があるわけではないが、技術面ですごいと思わせる演出が楽しく、Switch 2で何ができるようになったのかが分かりやすい。
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特に『スーパーマリオブラザーズ』の1-1を4K画面で遊ぶデモは、ファミコンと違って画面スクロールを必要とせず、ステージ全体が画面内に収まることで解像度がどれだけ進化したかが分かるものになっており、SNSでも話題になった。
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ミニゲームも値段の割に多彩で、ミニゲーム集としても普通に楽しめる。
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特に新要素のマウス操作を使ったミニゲームが多く、定番のイライラ棒を遊べる「スピード迷路」といったものから、HD振動2を使って遊ぶ神経衰弱や形当て、2種類の映像を見比べてどちらが高フレームレートか当てるクイズ、さらにはマウス操作で風船割りを遊ぶFPSなども用意されている。
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最初はマウスを自由に動かして遊ぶが、徐々に正確性や素早さが求められるゲームが登場するため、少しずつマウス操作に慣れていくことができる。練習にも最適。
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スコアが記録されるので、気に入ったミニゲームでスコアアタックを楽しむことも可能。
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ローンチとはいえ、操作性は上々。どうすれば良いのかわからないことはまずない。
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広大なエリアを移動するため、好きな展示の前までワープできる機能もある。
賛否両論点
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前述のマリオデモなど一部は4Kモニターや周辺機器のProコントローラー(または充電グリップ)、USBカメラがないと遊べない。
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ちなみにUSBカメラについては、一部のスマートフォンを接続することでも代用が可能。
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また、ミニゲームの1つ「4Kピクセル探し」などはモニターのドット抜け・色ムラ等の影響を受けやすく、高得点を目指す場合はそれなりに品質が高いものが必要になる。
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プレイできない場合の救済として「クリアしたことにする」を選べば銀メダルを貰えるため、解禁に必要なメダル数に足りなくなることはないが、完全コンプリートにはならない。
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あくまで周辺機器の機能を体験するのが目的のデモであるため、対応した機器が必要になるのは当たり前だし、完全体での機能を体験しきれるという点ではむしろ評価できる点である。
だが全て遊ぶためのハードルは金銭的にも高く、機器を持っていなければ絶対にコンプリートができない点への戸惑いは多く見られた。
問題点
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ミニゲームによってコントローラーや本体の持ち替えが頻繁に発生する。
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Joy-Con 2を外して両手に持った状態で遊ぶミニゲームが多いが、本体のスタンドを使うミニゲームもあったりと、ミニゲームごとにコントローラーや本体を持ち替えねばならず、煩わしい。操作方法ごとにある程度展示を分けるべきではないか。
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ミニゲームはマウスとHD振動2を使ったものばかりで、似たり寄ったりなものが多い。
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マウス操作ゲームのほとんどがクリアタイムを競うものばかりなのも拍車をかけている。パットゴルフを打数関係なくクリアタイムで競う「スピードゴルフ」など、あえてタイム制に改変しているミニゲームもある。
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クリアメダルのコンプリートを目指す場合は高難度。
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1つのミニゲームにつき一定スコアを満たすごとに最大3枚のクリアメダルが貰えるが、3枚目のメダルの条件となる目標スコアが非常に高く設定されているため、コンプリートにはかなりのやりこみを必要とする。
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例えばHD振動2を使って最も強い振動の場所を探る「強振動探し」は全てのメダルを入手するのに正解位置から誤差3ドット以内という厳しい条件。パート1は左右だけなのでまだ何とかなるが、パート2は画面全体、パート3に至っては各所にダミーの振動が発生するため正解を探し当てるのは非常に難しい。
総評
ミニゲームを遊びながらNintendo Switch 2の構造や技術を学べるのは、入門用ソフトとしては面白い試みである。
収録されているミニゲームの多くはマウス操作を使うものが多く、「ジャイロセンサーを組み合わせる」「両手で扱う」などSwitch 2特有のマウス操作を体験するには最適と言えるだろう。
ただし、ミニゲームに似たようなものが多い点と、遊びきるためには安くない周辺機器が必須となる点は遊ぶ上でネックとなりそうだ。
余談
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Switch 2で初の「WQHD+120FPS+HDR」対応ソフト。同年7月31日に『イースX -Proud NORDICS-』が発売されるまで、Switch 2で唯一の対応ソフトだった。
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なお「WQHD+120FPS+HDR」に対応しているのは「フレームレートクイズ」のみ。そのためTVモードでフレームレートクイズを起動すると、モニター設定が一時的に変更されることがある。
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「タッチ10」はツイスターゲームを元にしていると思われるが、1967年にツイスターゲームの販売権を日本で初めて獲得したのが任天堂である。ある意味、任天堂の原点に回帰した遊びとも言える。
最終更新:2025年09月18日 16:42