【ぐのーしあ】
ジャンル | SF人狼系シミュレーションアドベンチャーRPG | |
対応機種 |
プレイステーション・ヴィータ Nintendo Switch Windows(Steam/Microsoft Store) プレイステーション4 プレイステーション5 Xbox One |
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発売元 |
【PSV】メビウス 【Switch】プチデポット 【Win/PS4/PS5/One】PLAYISM |
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開発元 | プチデポット | |
発売日 |
【PSV】2019年6月20日 【Switch・DL版】2020年4月30日 【Switch・パッケージ版】2020年12月17日 【Win(Steam)】2022年1月23日 【Win(MS Store)/PS4/PS5/One】2023年12月14日 |
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定価 |
【PSV】2,526円(税込) 【Switch・DL版/Win/PS4/PS5/One】2,750円(税込) 【Switch・パッケージ版】5,280円(*1)(税込) |
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プレイ人数 | 1人 | |
レーティング | CERO:B (12歳以上対象) | |
判定 | 良作 | |
ポイント |
一人で楽しめる人狼ゲーム 魅力的で個性的な登場人物たち 高品質なループ物 システムは若干不備あり |
グノーシアは、嘘をつく。
アパート経営/モンスター生活/タワーディフェンスを融合させたSLG『メゾン・ド・魔王』を手掛けた、名古屋を拠点に活動しているインディーゲームメーカーのプチデポットが贈るADVゲーム。
発売したのがPSVの生産終了後の最末期だったこともあり、事前の注目度はさほど高くなかったのだが、発売後は評価が一変。
その作り込みの高さは多くの称賛をもって迎えられた。
翌年以降発売された各種移植版は一部機能の追加やグラフィックとサウンドのクオリティアップが行われており実質的な完全版と言えるが、シナリオそのものに変更点はないため本項では合わせて解説をする。
とある星間航行船内にて―――
その船には人智の及ばぬ人を襲う生命体「グノーシア」が潜んでいた。乗員たちはこの危機を脱するがため議論を始める。
対「グノーシア」プログラム―――それは評議を通して偽証を看破し、最も疑わしき乗員にコールドスリープ処置を施していき、
最終的に船内に潜伏した全てのグノーシアを活動停止させることを目的とする物であった。
そして、議論の末に決着がついたのもつかの間、時は討議の開始前へと巻き戻り乗員たちの顔ぶれも変わっていた。
なぜループが起こっているのか? グノーシアとは何か?
謎は宇宙の闇の中、またしても生き残りをかけた論戦は始まるのであった。
勢力 | 役職名 | 「人狼」の役職 | 説明 |
人間 | 乗員 | 村人 | 特別な能力を持たない人間たち。 |
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エンジニア | 占い師 | 1日の終わりに、指定した1人がグノーシアかどうか知ることができる。 | |
ドクター | 霊能者 | 1日の終わりに、その日コールドスリープしたキャラがグノーシアかどうか知ることができる。 | |
守護天使 | 狩人(騎士) |
指定した1人のキャラをグノーシアの襲撃から守り、消滅を防ぐことができる。 この役では定番のルールだが、自身を守ることはできない。同じ人物を二度続けて守れないルールは無し。 |
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留守番 | 共有者 |
前回の寄港時に船外に出なかった者。必ず2人ペアで設定される。 固有の能力はないが、2人の留守番とも議論に参加している場合のみ一緒に名乗り出ることができる。 留守番ではない者が自分は留守番だと偽証することはできないため、自ら留守番だと名乗り出たキャラは人間確定となる。 これは設定上、LeViが留守番をしている人物を記録しているため、絶対に偽証が不可能という理由づけがなされている。 |
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グノーシア | グノーシア | 人狼 |
乗員たちにとっての敵。宇宙船の空間転移のたびに人間を一人消滅させることができる。 グノーシア同士は初めからどの個体がグノーシアか認識した状態でゲームがスタートする。 |
AC主義者 | 狂人(裏切り者) |
ACは「アンチ・コズミック」の略。現在の宇宙を否定しており、人間ながらグノーシアに与する者。 エンジニア、ドクターが確認しても結果は「人間」であるが、グノーシア陣営が勝利することで自らも勝利となる。 |
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バグ | バグ | 狐(妖狐) |
人間ともグノーシアとも異なる第三勢力ポジション。 人間かグノーシアが勝利条件を満たした際に生き残っていれば、そちらの勝利を無効にして自分の勝利となる。 エンジニアにチェックされると消滅する代わりに、グノーシアのターゲットになっても消滅することはない。 エンジニアおよびドクターの調査時は人間判定。 消滅した際のメッセージはグノーシアが人間を消滅させた場合と同じなので、メッセージによる区別はできない。 |
+ | ネタバレ注意 |
+ | Switch移植版で改善 |
「育成要素のあるADV」「SF」「人狼」「ループ」とそれぞれの要素を持つ作品自体は既にありふれてはいるが、これらを複雑化しない程度に融合させ一本の作品としてまとめあげたのは実にお見事。
各キャラクターの造形も魅力的であり、本作がゲームであることを最大限生かした他のメディアではできない演出方法の数々にも感服さぜるを得ない。
謎に満ちた世界をループするたびに少しずつ紐解いていくストーリー構成も、ゲームと現実の境界を曖昧にさせ、プレーヤーを強く心酔させる効果を挙げている。
作品として要素の過不足が無いよう丹念に磨き上げられた本作は、まさしく彗星のごとく現れた名作と言えるだろう。
*1 初回生産特典として各キャラクター仕様リバーシブルジャケット7枚、特製イヤホン、セツのヘアピン二個セット付き。
*2 対象がグノーシアであるか否か+偽エンジニアであれば調査対象も選択
*3 通称「水そうめん」。主人公がゲームのルールを守らなかったせいで議論に矛盾が起こってしまうと発生する。
*4 一度役職を明かした後に撤回して別の役職であると宣誓する行為。
*5 本来の役割持ちが偽物相手に名乗り出ず、役職のない村人のふりをする戦略。厳密に言うと一時的にはできるが、イベントが起こって強制終了してしまう。
*6 本家人狼の場合、吊られそうになった人狼が自身が騎士だと偽証することで村人たちの投票先を戸惑わせるテクニックがある。
*7 対抗エンジニアの報告内容を受けて変更することができず、選択したとおりに報告しなければならないということ。バグがいる配役で一度に2人が消滅した(=人間&バグ)場合、偽エンジニアはバグを調査対象にしていなかった時点で論理破綻が確定する。
*8 この場合、本来の人狼ではありえないグノーシア欠けの可能性まである
*9 AC主義者が配役上いないorすでに退場が確定している状況で、本物のエンジニアに人間判定を出し、かつその相手が生存しているなどのケース
*10 本家「人狼」の用語で、どちらが人狼サイドの味方である偽物か分からない状態で人狼側が狩ること。
*11 特に留守番になった場合は、最もグノーシアに狙われやすいポジションであるにもかかわらず、消滅対象からは外される(もう片方の留守番のみが襲われる)ことが多い。
*12 作中世界に存在する第三の性で、後天的に男女としての機能を取り除いた人間のこと。