Maneater

【まんいーたー】

ジャンル ShaRkPG (シャークピージー)


対応機種 プレイステーション5
プレイステーション4
Nintendo Switch
発売元 【PS5/PS4】Tripwire Interactive
【Switch】PLAYON
発売日 【PS5/PS4】2020年12月17日
【Switch】2021年5月27日
定価 5,478円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 なし
ポイント サメ版『GTA』
成長するほど魔物と化す主人公
ゲームバランスは大味


概要

E3 2018で発表され、サメ好きのゲーマーを大いに沸かせたサメ版『GTA』風オープンワールドゲーム。

このゲームの世界には『Shark Hunters vs Maneaters』と呼ばれる、サメと人間の戦いを描く架空のリアリティショーがある。
番組に出演しているのは巨大ザメに父親を殺された経験から、復讐に燃えているスター漁師・スケイリー・ピート。
ピートによって母親のお腹から引き裂かれて生まれたオオメジロザメが主人公となり、ヒトとサメの復讐をテーマにしたストーリーが幕を開ける。

本作はBlindside Interactiveと、『Killing Floor』シリーズや『Red Orchestra』シリーズで知られるTripwire Interactiveとの共同開発により作られた1作。

システム

  • プレイヤーはありとあらゆる生物を捕食しながらレベルを上げて成長していき、そのエリアの頂点捕食者やバウンティハンターを倒して新天地にある洞窟を目指し、そこを拠点にして再び成長……という流れを繰り返しながら、ラスボスであるピートへの復讐を果たすというのが本作の目的となる。
    • なお、一度見つけた洞くつはマップ画面からファストトラベルが可能になる*1
    • レベルが一定の値まで上がった状態で洞くつに戻ると次の進化段階へと移行し、体格が一回り大きくなる。
    • 体力や攻撃力はもちろん、移動速度やジャンプ力、陸上での活動可能時間*2なども強化され、最終進化まで行けば本当にサメかと疑いたくなるほどの長時間、陸上で暴れまわることも可能になる。
  • 主人公であるサメが対象を捕食すると、経験値の他に体力回復、3種類からなる「栄養」を得るといった恩恵を受ける。
    • 栄養は装備やスキルの強化に使用するため、進行方向で生き物を見かけた場合は積極的に捕食していくプレイスタイルがメインとなる。
      • また、エリア各地に点在している栄養のたまり場である宝箱を開けることでも入手できる。
  • エリア内のストーリーミッションをクリアしたり、人間を襲ったりして悪名ランクを高めていくと某ゲームの参戦ムービーを彷彿とさせる演出と共にバウンティハンターや頂点捕食者が出現する。
    • それらとの戦いに勝利することで新しい装備を手に入れたり、新天地に行くために必要な成長に至るための助けになる大量の経験値を得ることができる。
    • また、装備はエリア各地のランドマークを全て攻撃してコンプリートすることでも入手でき、同じ系統の組み合わせで統一するとステータスにボーナス補正が掛かる。
  • また、本作ではある程度までゲームを進めていくと本作の世界にある架空の番組『Shark Hunters vs Maneaters』の番組が進行し、ピート側の描写が行われる他、プレイ中はことあるごとにサメの生態についての解説が流れる。

評価点

  • サメ側からの視点から見たシナリオ
    • 主人公のサメの側から見れば、海を汚し、母を殺した人間は動植物や環境に悪影響を与える害悪生物であり、ありきたりながらも考えさせられる構成である。
  • ピート側の描写
    • 母親を殺害しサメに危害を加える悪党として登場するスケイリー・ピートだが、息子とうまくいっていなかったりと、人間臭い部分もきちんと描かれる。
    • 宿敵の様子がシナリオを通して描かれるため、本作のシナリオを通して復讐について考えさせられるという感想も少なくない。
  • オリジナリティあるゲームデザイン
    • サメという動物を主人公にして成長する様は、『TOKYO JUNGLE』を彷彿する弱肉強食の自然界を表した作品である。
    • さらに、水中世界の「生存競争」や「弱肉強食」などを体験できるという意味でも貴重なゲームとなっている。
  • 主人公の種族のチョイス
    • メジャーどころのサメと違って、オオメジロザメは海水と淡水の両方の環境で活動できる種であるため、川や下水なども問題なく移動することができる。実際の生態に則した形でフィールドの幅を広げるという点に一役買っている。
  • 美麗な海中のグラフィック
    • 血塗れな戦闘ばかりのイメージが残りがちな本作だが、海中の表現も美しい。
    • 各エリアにはランドマークと呼ばれる収集要素を兼ねたオブジェクトが複数存在。
    • 後述する進化装備の解放条件になっている他、海外作品の小ネタなどが多数存在しており、知っている人ならクスッとなるようなオブジェも中にはある。

賛否両論点

  • 大味なゲームバランス
    • 本作のゲームバランスはざっくり言うと「序盤がきつく、終盤になるにつれてどんどん難易度が下がっていく」というもの。
    • 攻撃対象を楽に捕食できるか、並びに人間の乗っている船舶を楽に沈められるかどうかはプレイヤーの体格の大きさ次第であるため、レベルが上がるほど本作の難易度は低下していく。
    • しかし、本作の主人公の目的やリアルのサメの恐ろしさを考えると許容できるという声もある。
  • どんどんサメ離れしていく主人公
    • 主人公は成長するにしたがって骨を纏って肉弾戦に強くなったり、毒弾を発射できるようになったり、電気を纏ったりと、およそサメとしてはあり得ない能力を開花させていく。
    • ゲームとして楽しませる作りにするという意味では問題ないのだが、毒以外の装備セットは外見が「サメ型の魔物」とでも形容すべき容姿に変化するため、本作をバカゲーと割り切れるか否かで賛否が分かれる。

問題点

  • 全体的なボリューム不足感
    • マップの広さに対し、発生するミッションが各エリアごとに「少し強めのボス討伐」「大量の雑魚を一定数食らう」「人間を一定数食らう」という種類しかなく、単調に感じやすい。
    • メインクエストも新エリアに到達 → そのエリアの拠点を探す → 数個の汎用ミッションクリア → エリアボス討伐 → ピートの様子を見るの繰り返し。エリアボスも各エリアの捕食者の強化版といったところで新鮮味はない。
    • サメハンターも強化されはするものの、基本的に回避と体当たりを連打してゴリ押しでなんとかなり、終盤登場する電撃を放つ船も対処方法がわかればそれほど脅威ではない。
  • 人間側のリアクション
    • 襲われると周囲の人間が悲鳴を上げたりはするものの、何故かその場から頑なに移動しようとしない。水中に投げ出されたハンターも陸に向かって泳ぎはするものの、ほぼ無抵抗状態。
    • また、本作ではNPCのHPと部位欠損が連動している都合、上記のシャドウ装備の毒を陸上で受けた人間はこちらが一切関わらなくてもその場で悲鳴を上げながら、両脚が消滅して最終的には両手両足が欠損して死ぬというシュールな光景が見える。

総評

ゲームバランスの大味さは否めないが、「強くなって人間に復讐を果たすという目標のための自身の成長を実感できる」と捉えられるのならその大味さも許容範囲内であると言える。
水中での生存競争・弱肉強食も再現されており、動物ゲーの側面も評価できる。
ボリューム満点ではないが、人食いザメになって大暴れしたい人にはお勧めできる作品である。

余談

  • もともと本作は海外専売であったがその頃から多言語仕様となっており、日本語も収録されていた。
    • ところがその日本語はあまりにも誤訳が多く、一時はこちらの方も有名に。
      • タメ口と丁寧語が混在するのは序の口で、ヨットが「世っと」に、アザラシが「密閉*3」に、シャチが「オクラ*4」になっているなどキリがなかった。
    • これらはPS4での日本版の発売時に大半が修正され、以前から配信されていたXbox・PC版にもアップデートで対応が行われた。
      • …のだが、「戻る」が一部で「後方」になっているなど、少しではあるが日本版にも誤訳や表記揺れが残っている。

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最終更新:2024年02月20日 19:47

*1 攻撃的な生物との戦闘中は使用不可。自身に攻撃的かどうかはその敵の体力ゲージが赤色かどうかで判別可能。

*2 陸に上がると「逆酸素ゲージ」が減少していき、このゲージが尽きると水中に戻るまでスリップダメージを受けることになる。

*3 英語でアザラシは「seal」であるが、「密閉する」という動詞としての意味も持つため混同されたと思われる。

*4 シャチを指す「orca」のスペル順ミスと思われる。