反動ダメージ技(ポケモン)

登録日:2023/01/21 Sat 00:28:10
更新日:2025/04/02 Wed 13:58:52
所要時間:約 5 分で読めます





命を懸けて 相手に突進して攻撃する。 自分もダメージを受ける。



反動ダメージ技とは、ポケットモンスターシリーズに登場する技のカテゴリであり、俗称でもある。
共通する効果は、相手にダメージを与えるが、自分もそれに応じたダメージを受けるというもの。


【特徴】

『ポケットモンスター』に数ある所謂反動技の一種だが、反動技というのは本シリーズにおいて明瞭な分類ではない。高威力と引き換えに反動によるデメリットがある技には他にも
次のターン動けなくなる」「使用後に能力が下がる」「戦闘不能になる」など多岐にわたっており、特に次のターン動けなくなる技は「はんどうで うごけない!」と表記されるため、単に反動技というとどちらのことか混乱が生じる。*1

そこでこの項目ではそのうち、威力が高い代わりに、与えたダメージのうち一定割合を「反動ダメージ」として受けるというものを扱う。
開祖である「とっしん」「すてみタックル」のイメージを引き継いでほとんどの技が敵に体当たりする技となっている。
反動ダメージの値は技によって異なり、「とっしん」等は与えたダメージの25%(1/4)、「すてみタックル」等は33%(約1/3)、「もろはのずつき」は50%(1/2)となる。
第四世代以前は与えたダメージの1/2・1/3・1/4(全て端数切り捨て)で計算していた。
当項目では読みやすさを重視し、以降は全て1/2・1/3・1/4として記載する。まあ実際それ程大きく反動ダメージが変化するわけじゃないし


強力な技が多い……が、デメリットも大きい
当然ながら、この技を使うポケモンは勝手にHPが減っていくため、耐久力が落ちる。
鈍足で低耐久のポケモンとは特に相性が悪く、後攻でこの技を出したら反動ダメージで自滅する場合も。
HPが満タンの場合のみ発動するアイテム「きあいのタスキ」や、特性「がんじょう」等との相性は最悪。
これらの欠点は回復系のきのみを持たせるなどしてカバーしてもよいが、仕方ないとして割り切って使う事も割と多い。

確かに反動ダメージは決して無視できるものではないが、一方で無反動技にはない威力もまた変え難いメリットである。
そしてデメリットの分、他の高威力技にはない安定した命中率や高めのPPもウリ。
トドメを刺しきれず返しの一撃を貰うくらいなら、反動を承知で高火力を押し付けた方が却って被害が少なくなるという考え方もできる。
旅パで使う場合、もともとフルアタかそれに近い高速アタッカーが採用されやすいため相性がよく
ポケモンではPPの回復手段が貴重であるため、戦闘の合間にHPさえ回復すれば連戦に強く命中も安定する反動技は案外使いやすい。
対戦においても、反動ダメージでお互いに全滅した場合対戦では技を出した方の勝利となる仕様であるためこれまたアタッカー型には積極的に採用される。
稀に、自主的な退場手段の代用とみなすケースも。

反動ダメージ技に関するとくせいとして、「いしあたま」「すてみ」がある。
いしあたまは反動ダメージが発生しなくなる。
すてみは反動ダメージが発生する技の威力を1.2倍にする。


【技データ】

■とっしん

技データ
英名 Take Down
初登場 第一世代
タイプ ノーマル
威力 90
命中 85
PP 20
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/4
追加効果
その他

初代から存在する由緒正しき反動技。
どの世代でも自力習得するポケモンがかなり多く、どの時代から「ポケモン」のゲームを始めた人も最初に目にする反動技はだいたい「とっしん」である。
命中率に難がある上に反動ダメージも受けるが、その分覚えるレベルの割に高威力!
……かどうかは結構怪しく、レベル30~40台くらいの妙に高レベルで覚えるポケモンが多い。その頃にはわざマシンも揃っていて、別にこの技に頼る必要はなくなっている。
故に、出現率の低い野生ポケモンが習得していると厄介なことになる。出現率も捕獲率も低いチリーンジーランスフカマルダンバルに自決されて泣いたプレイヤーは数知れず。
例外的に、『ブラック・ホワイト』の序盤ノーマルであるヨーテリーはLv15という早期に覚える。タイプ一致で威力135になるので時期的に超強力。ガンガン使おう。

習得レベルが高いと書いたが、特に初代での過大評価は凄まじく、
ジュゴンレベル50ケンタロスレベル51サイドンレベル64でようやくこの技を覚える
その割にこの技のわざマシンは中盤のタマムシデパートで3000円で買える。評価が高いのか低いのかどっちなんだ。
ただし覚えられるポケモン自体は多いため、自力でロクに攻撃技を覚えてくれないポケモンにとりあえず持たせておく技としては優秀。ストーリー攻略の上では繋ぎとしてありがたい技。
特に手足での攻撃が苦手or不可能なポケモン(=初代で似たようなポジションだった「メガトンパンチ」や「メガトンキック」を覚えられない)でもとっしんなら覚えられるため、ポケモンによっては重宝する技だった。
技マシンがいくらでも買えるため、不要になったら躊躇いなく消せる。

それから20年以上の時を経て、第九世代ではまさかまさかのわざマシントップナンバーとして復活!……したものの、現代は大体のポケモンが自前でタイプ一致の攻撃技を覚えて戦える時代、「とっしん」の需要も影もどうにも薄い。
一応材料は最序盤出現のグルトン・ヤングースの落とし物でその辺りは考慮されているのだが、そもそも現物を手に入れられるタイミングが微妙に遅い……。

対戦では「すてみタックル」や「おんがえし」や「のしかかり」辺りの方が有用なので、需要はない。
のだが、何故かタギングルだけは(「ギガインパクト」を除いて)ノーマル一致最大打点かつ「のしかかり」を覚えないので例外的に役に立つ。


■すてみタックル

技データ
英名 Double-Edge
初登場 第一世代
タイプ ノーマル
威力 100(第一世代)→120(第二世代~)
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/4(~第二世代)→1/3(第三世代~)
追加効果
その他

初代から存在する由緒正しき反動技その2。
とっしんと比べ威力が上がり、更に命中率が100%になったので信頼性が大きく上がった。
その分とっしんよりも反動ダメージの割合が増加している。

対戦では伝統的に、威力100以上の物理技がほしいノーマルポケモンの安定したメインウエポンとして採用される。
デメリットの反動ダメージは大きいものの、あばれるのように行動が制限されることもメガトンキックのように命中不安定な技でもないためだ。
第六世代のメガガルーラが「ねこだまし→すてみタックル」で大抵のポケモンを弐撃決殺していたのは語り草である。

ただし、初代では威力が今より低かった上に、相手を倒せば「はんどうで うごけない!」がなくなるというぶっ壊れ技・はかいこうせんが大暴れしていて肩身は狭かった。*2
ポケモンスタジアム2ではかいこうせんが調整され、使った場合は外しても反動で動けなくなってしまうようになったため、すてみタックルも選択肢に入る。*3
第二世代以降は最大威力102・命中100・デメリットなしのおんがえし/やつあたりに追いやられ気味だった。
しかし威力差18あれば確定数が変わるケースも多いため、1ターンでも早く相手を倒したい需要に応え、なおかつ命中100を両立している点は重宝され、時には「たべのこし」込みで使われたりもするなど、対戦環境では長い事採用された歴史がある。
第八世代ではおんがえし/やつあたりが廃止され、威力重視の選択肢やダイアタック用としてはかいこうせん/ギガインパクト共々候補となる。

アニポケでムサシコジロウから借りたチリーンに使わせたシーンが印象的な方も多いだろう。


■じごくぐるま

技データ
英名 Submission
初登場 第一世代
タイプ かくとう
威力 80
命中 80
PP 25(~第五世代)→20(第六世代~)
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/4
追加効果
その他

初代から存在する由緒正しき反動技その3。
とっしんが「ストーリーでよく見る技」、すてみタックルは「対戦でよく見る技」なら、
じごくぐるまはどっちでも全然見ない技である。

初代では一応最強クラスのかくとう技だったのだが、威力が微妙、命中率は悪い、なぜか反動を受けるというとんでもない仕様。
カイリキーが当時最強のノーマルであったケンタロスの弱点を突いても一撃で倒せず、返しの一撃で返り討ちに遭うというあたりでどれくらい弱かったか察してほしい。
ただし、初代ではわざマシンが市販されている数少ないわざであり、シナリオ攻略においてはいわタイプへの対抗手段としても有用と言える。
ニョロボンはわざマシンでこの技を習得しなければマトモな一致かくとう技がないし、ピカチュウ系列はじめん複合の多いいわタイプへの対抗手段がこれぐらいしかない。
ちなみにピカチュウはスマブラシリーズでもじごくぐるまを使っており、本編よりこっちでみる機会の方が多いかも。
第二世代以降はわざマシンからも削除され、カイリキーをはじめとするかくとうポケモンは「クロスチョップ」「インファイト」といったよりマトモなかくとう技を続々と習得。
その後も同期で同威力だったとびひざげりが第五世代で激強化された裏でも全く顧みられることなく、第六世代でなぜかPPだけ減らされた
そして、最後までこれといってフォローされないまま、第九世代で廃止された。
初代ではよく見ると「じごくぐるま 」と語末に空白が入っている。
カイロスの じごくぐるま !

スマブラではピカチュウ・ピチューの後ろ投げ技として採用された。女性ファイターに仕掛けた時のエロ写真目的も含めてこちらでの知名度の方が高いか。

元ネタは柔道漫画・ドラマ「柔道一直線」に登場する技「地獄車」。
劇中では、敵を外側・自分を内側にして巴投げの要領でなんども転がることで、敵にのみダメージを与えるという技である。なんでポケモンでは自分が反動受けるんだよ
英語版ではその辺は全く考慮されず「関節技(submission)」なる技名に。だからなんで自分が反動受けるんだよ


■ボルテッカー

技データ
英名 Volt Tackle
初登場 第三世代
タイプ でんき
威力 120
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/3
追加効果 まひ(1割)
その他

第三世代で登場した、ピカチュウ御大の専用技。
現在に至るまでピカチュウ系列しか覚えられない。攻撃自慢の電気タイプが物欲しそうな目でこちらを見ている。
ピチューの卵を作るときに、どちらかの親に「でんきだま」を持たせると生まれたピチューが覚えているという、一風変わった習得方法を持つ。
なお、この仕様は『エメラルド』で新たに追加されたものであり、同じ第三世代作品でもそれ以前の『ルビー・サファイア』、『ファイアレッド・リーフグリーン』では技データこそあるが習得方法が一切設定されていないほぼ幻の技だった。*4
この仕様の為「でんきだま」が配布限定だった第五世代では習得難易度がべらぼうに高く当時放送中のアニメシリーズでピカチュウが新たに「エレキボール」を習得した理由とも言われている……
この仕様はタマゴ孵化の鉄板である「かわらずのいし」の性格固定+「パワー〇〇」系アイテムや「あかいいと」の個体値固定も使用不可な為たいへん厳選泣かせだったが、第七世代・『ポケモンレジェンズアルセウス』ではピカチュウ専用の「ボルテッカー」技教え人が出た事で解決。
第八世代以降は再び孵化個体限定に戻ったが、後天的な性格及び特性の変更が可能になったことで実戦投入が行いやすくなったのは変わらず。

「でんきだま」をもたせたピカチュウなら中々の火力が出るが、ピカチュウはHPがかなり低いので反動ダメージが凄まじい。
ただ、どっちにせよピカチュウの耐久力では殺らなければ殺られるので、反動を気にせずガンガン突っ込むタイプが主流。
ライチュウダブルバトルでのサポーター運用が主流であり、行動保証のために「きあいのタスキ」を持つのが鉄板……だが、初動のサポーターは迅速にご退場して後続を素早く投げることも仕事なので時期によっては採用数が増える。
物理打点でありカイオーガに痛打を叩き込めるGSルールでは尚更である。
このように原種ライチュウでの需要はある一方、アローラライチュウは特攻の方が高くアタッカー運用が主体な為相性はいまいちというか、第7世代で覚えさせていないと使えないし、第8世代以降の入手難易度高いし

元ネタは『宇宙の騎士テッカマン』の必殺技「ボルテッカ」…ではなく、ポケモンと同じゲームフリーク製のゲーム『パルスマン』の必殺技「ボルテッカー」からと思われる。
でも、パルスワンは覚えられない。


■フレアドライブ

技データ
英名 Flare Blitz
初登場 第四世代
タイプ ほのお
威力 120
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/3
追加効果 やけど(1割)
その他 こおり状態でも使用できる

第四世代で登場。この世代で一気に3つも登場した、タイプ違い「すてみタックル」のひとつ。
それまでの威力120・命中100の反動技は、すてみタックルはノーマル技ゆえに弱点が突けず、ボルテッカーは使い手が限られていたが、
これらは弱点が突ける上に習得ポケモンも多く、物理炎ポケモンの火力を一気に底上げした。
「インファイト」の新登場や「げきりん」の威力アップと共に、第四世代の火力インフレを象徴する技である。

技名からは分かりづらいが、炎をまとって敵に突進する技。
そのため炎を吐けるほのおタイプなら大体覚えることができる。

ウインディをはじめ、物理系の炎ポケモンの強さを支える強力技。
これ以外となると「せいなるほのお」のような専用技やメインとしては火力不足な「ほのおのパンチ」等になってしまうので大半の物理炎アタッカーには必須となる。
第四世代ではゴウカザル、第五世代ではかそくバシャーモ、第六世代ではメガリザードンX、第七世代ではガオガエンと、多くの世代で物理・炎タイプが活躍している背景に、この技の強さがある事は間違いない。
防御がカッチカチのこおり・はがねタイプを迅速に倒すのに本当にお世話になっている。

中でも代名詞的存在と言えるのが、第五世代登場のヒヒダルマと第七世代登場のアローラガラガラ。
前者はもともと攻撃力が高いことに加え、追加効果を消す代わりに威力を1.3倍にする特性「ちからずく」により威力156で放つ事ができる。
特に天気が晴れの場合の破壊力は凄まじく、ゴリラドライブの通称で恐れられている。
でもゴリラドライブ以外にできる戦術が極端に少ないため読まれやすくあんまり環境上位には居ない

後者は夢特性で「いしあたま」を持ち、専用アイテムの「ふといホネ」と合わせることでフレドラ使い屈指の超火力をはじき出す。
通常特性「ひらいしん」と素の耐性を活かした電気受けとしても重宝され、環境上位に食い込んだ実績もある。

逆に物理系炎ポケモンなのになぜかフレドラを覚えられなかったヤツが居る事でも有名。
唯一神エンテイと、唯一王ことブースターである。
フレアドライブを覚えたエンテイは2010年の映画前売り券限定で配布された後、剣盾の技レコードで全個体に解禁された。
前者はエンテイと選択でもらえた絶対零度スイクンが圧倒的に強かったためハズレ扱いであり、その後XYでせいなるほのおを習得したため剣盾の頃にはフレドラは別に要らなくなっていた
ブースターはXYでようやくフレアドライブを習得した・・・が、あんまり強くはならなかった。

ちなみに、凍っているときに使うと氷が解けて次のターンから自由に行動できる。
この仕様が「アルセウス」にも使われ、使うとしもやけが治るようになった。


■ブレイブバード

技データ
英名 Brave Bird
初登場 第四世代
タイプ ひこう
威力 120
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/3
追加効果
その他

第四世代の色違いすてみタックル2号。ひこうタイプ担当。
それまで良くて「ドリルくちばし」、それを覚えないと「つばめがえし」か「そらをとぶ」止まりだった飛行技の火力を一気に引き上げた。

ダイヤモンド・パールのムクホークが自力習得する事で有名。
同じく自力で覚えるインファイト共々圧倒的破壊力を発揮し、ムクホークの旅パ序盤鳥最強の称号を揺るがぬものにした。

「バード」という名前なのでもっぱら鳥ポケモンだけが習得でき、飛行ポケモンでも鳥型でないものは覚えられない。
具体的には、ドラゴン型のカイリューギャラドス、飛行昆虫型のストライクビビヨン、おっさん型のトルネロス等が挙げられる。霊獣フォルムは使えても良さそうなものだが
せっかく特性「いしあたま」を持っているのに翼竜なせいで覚えられないプテラは泣いていい。
クロバットはコウモリのくせになぜか一貫して覚える。
逆に飛行タイプではなくとも鳥類モチーフのポケモンは覚えるケースがあり、バシャーモカプ・コケコウェーニバルなどが該当する。

対戦ではすてみムクホークをはじめ鳥ポケモン全般のメインウエポンとして活躍する。
だが、やはりこの技を最も使いこなしたのは第六世代のファイアローであろう。
特性「はやてのつばさ」により飛行技を先制で放てるため、威力120のタイプ一致先制技という訳のわからない性能に。
ファイアローのこだわりハチマキ+ブレイブバードに耐えられないポケモンはそれだけで採用率が激減し、環境から格闘タイプを軒並み駆逐した。
結局第七世代ではやてのつばさに「HPが満タンの時のみ先制」というブレイブバードを狙い撃ちにしたような弱体化が入り、その後のファイアローは先制おいかぜ等をウリにしたサポーターとして生きている。


■ウッドハンマー

技データ
英名 Wood Hammer
初登場 第四世代
タイプ くさ
威力 120
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/3
追加効果
その他

第四世代の色違いすてみタックル3号。くさタイプ担当。
「ウッド」で「ハンマー」する技……なのだが、説明文は「硬い胴体を相手にぶつける」である。
一応、木の幹にあたる部分を持ったポケモンの習得が多い。
ヤシの木のナッシー、樹氷のユキノオー、背中に木の生えているドダイトス、枯木のオーロットなど。こっそり遺伝限定でマラカッチも覚える。
世代が進むごとに段々判定がゆるくなっており、丸太を抱えているネッコアラはともかく、木片を持っているだけのミミッキュや、枝を持っているだけのサルノリまで撃てるようになってきた。
ウソッキーも覚える。特性いしあたまに加え、苦手な水・地面に強いので相性抜群。こういう時だけいっちょ前に草タイプ面しやがって…
「ハンマー」という名に反してデカヌチャンは覚えない。まあ、上記の通り硬い胴体をぶつける技なので仕方ないのだろう。
え?なら太い腕をぶつける「アイスハンマー」はどうして覚えるのかって?知らん

フレアドライブ・ブレイブバードに比べ、覚えるポケモンが限られるため対戦での出番も少なめ。
「御大」の愛称で親しまれたユキノオーが第4~5世代に掛けてみずタイプキラーとして暴れまわったのが主な活躍か。
なお、ウッドハンマーを覚えないくさ物理ポケモンは大体パワーウィップかリーフブレードを覚えるので、ウッドハンマー配れ問題のような事は特に起きていない。


■もろはのずつき

技データ
英名 Head Smash
初登場 第四世代
タイプ いわ
威力 150
命中 80
PP 5
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/2
追加効果
その他

第四世代で登場。すてみタックル以上の威力を誇る代わりに命中率が悪く、反動ダメージもデカいという超捨て身の大技。
やはり命中率が不安定な点が痛いが、いわ技はこれ以外もいわなだれやストーンエッジなど命中不安なものばかりなのでそういうものと割り切ってしまおう。
初登場した世代では超・攻撃偏重型ポケモンのラムパルドの決め技的な立ち位置で登場し、インパクトを刻み付けた。
いしあたま持ちの多くは遺伝技を経由しなければいけないため習得が結構面倒なのが難点。諸刃だけにギルガルドも覚えたりする。
第四世代のノズパスにもデータ上はタマゴ技として存在したものの、遺伝経路が無く実際には習得できないのはある意味有名。第9世代でタマゴグループ関係なしに横遺伝できるようになった為「早すぎた」とか言われる

反動ダメージの大きさから「いしあたま」でのケアが特に有効。
習得者が着々と増えた結果ウソッキー・ハガネールジーランスボスゴドラガチゴラスヒスイウインディの6系統がいしあたま+もろはのずつきを撃てる。
ちなみにせっかくタイプ一致かつ特性「いしあたま」を持っているプテラはブレイブバードに引き続きもろはのずつきも覚えない。
というかすてみタックルも後の世代で使えなくなったため、プテラのいしあたま対応技は使い所のないとっしんのみである。
意外にも第五世代ではアーケオスが使い手として名を馳せた。
アーケオスはHPが半分以下になると特性「よわき」で攻撃力が半減してしまうが、「やられる前にやる」「仮に半減しても威力75なので十分火力が出る」という割り切った採用である。
ポケモンバトルレボリューションでこの技を撃った時の実況のテンションが無駄に高い事で有名。
もぉろはのずつきがすぁくれつぅ!!!!!


■ワイルドボルト

技データ
英名 Wild Charge
初登場 第五世代
タイプ でんき
威力 90
命中 100
PP 20
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/4
追加効果
その他

第五世代で登場。
第四世代では汎用技が「かみなりパンチ」か「かみなりのキバ」しかなく威力不足が深刻だった物理・電気についに登場した高威力技。
…なのだが、電気版「すてみタックル」であるボルテッカーに配慮したのか、威力が「とっしん」相応にされてしまった。ピカチュウ様への忖度では?
地味にまひの追加効果もなし。ボルテッカーはもちろん、同じ電気体当たり技のスパークにもあるのに。
威力120で反動があるなら分かるが、威力90ならデメリットのない技も他タイプには無数に存在しており、この技の性能の微妙さが電気・物理ポケモンがイマイチ環境で振るわない風潮を後押ししている感は否めない。
そんな悪い意味で目立った性能から本項目より先に独立の項目が立てられている。
ワイルドボルトのイマイチ感はポケモン達も感づいているようで、これ以降の電気・物理ポケモンはゼラオラがプラズマフィスト、トゲデマルがびりびりちくちく、モルペコがオーラぐるま、パーモットがでんこうそうげき等、わざわざ電気物理の専用技・準専用技を引っ提げて来るようになってきている。
というか同じくBWから登場のゼクロムすらクロスサンダー、らいげきと専用の電気物理技を二つ引っ提げて参戦しており、ワイルドボルトを使う気は微塵も感じられない

対戦での存在感も薄い技であったが、第8世代の伝説解禁戦シングルバトルではザシアンがカイオーガを倒すために持っている事が多く、珍しくワイルドボルトがよく見られる環境となっていた。
ダブルバトルでは「まけんき」ボルトロスが環境に復帰したことで彼のメインウェポンとして採用率が上昇していた……が、ダイマックス運用がほぼ前提である為専ら撃っていたのはダイサンダーであり、ワイルドボルトを見る機会は少なかった。

第9世代では主に特性「いしあたま」のヒスイウインディのサブウェポンとして採用される。
また、「じばく」すらできなくなったバチンウニのメインウェポン兼退場手段にされる事も。

ちなみに、「アルセウス」では使うと眠気覚ましになるため、割と真面目に採用が考えられていた。
肝心のSVには逆輸入せず。どうしてこうなった・・・


■アフロブレイク

技データ
英名 Head Charge
初登場 第五世代
タイプ ノーマル
威力 120
命中 100
PP 15
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/4
追加効果
その他

バッフロン専用技。いや、本当にこういう技名なんだってば。
すてみタックルとほぼ同性能だが、自慢のアフロがクッションになるおかげで反動ダメージが1/3→1/4に減っている。
専用技の割には名前以外がちょっと地味だが、バッフロン自身との相性は抜群。


■ウェーブタックル

技データ
英名 Wave Crash
初登場 第八世代(アルセウス)
タイプ みず
威力 75(アルセウス)→120(第九世代~)
命中 100
PP 10
分類 物理
攻撃範囲 単体
直接攻撃
反動 1/3
追加効果
その他 アルセウスでは先制技に相当

Pokémon LEGENDS アルセウスで登場した反動ダメージ技。
アルセウスではこの枠としては低めな威力の代わり、従来の先制技と同様に行動順を繰り上げる効果がついていた。
第九世代にも続投、威力が上がった代わりに先制技効果は削除されみずタイプ版すてみタックルに。
ただしPPについては調整されなかったため、追加効果もないのに他のすてみタックル枠よりPPが5少ない。
覚えるポケモンは少ないが、ヘイラッシャイルカマンの主力技として早速環境で多用されている。
既存のポケモンで恩恵を受けたのがフローゼルで、天候が雨の時に素早さが2倍になる特性「すいすい」で超高速になり、タイプ一致+雨で威力270になったウェーブタックルで突っ込んでくる危険生物と化した。


【ボツ技】

■はめつのひかり

技データ
英名 Light of Ruin
初登場 第六世代
タイプ フェアリー
威力 140
命中 90
PP 5
分類 特殊
攻撃範囲 単体
直接攻撃 ×
反動 1/2
追加効果
その他

第六~七世代にデータ上にのみ存在した技。「ゆびをふる」を使っても選ばれることはない。
データ上は「えいえんのはな」の姿のフラエッテが覚える事になっているが、フラエッテ(えいえんのはな)は解禁される事なく、第八世代でフラベベ系統が未登場となると共にはめつのひかりの技データも消滅。その後の第九世代にてフラベベ系統が復帰したが、フラエッテ(えいえんのはな)のデータそのものが消されているためやはり登場ならず。

物理と特殊の技区分がタイプごとに分類されていた第三世代のボルテッカーを除くと、唯一の特殊反動ダメージ技である。
もし、解禁されてサーナイトブリムオンサケブシッポが覚えたら対戦環境は間違いなく壊れていただろう。


【類似技】

  • わるあがき
すべての技のPPを使い切るなど、出せる技がなくなった時に出る技。
第一世代では与えたダメージの1/2、第二・三世代では1/4を受ける反動技だった。
しかし「低攻撃力・高耐久・たべのこし持ちのポケモン同士がわるあがき合戦になると永遠に決着がつかない」という欠陥があったため、
第4世代から「与えたダメージに関係なく最大HPの1/4の反動」に変更された。
わるあがきの反動は「いしあたま」で無効にならないなど、内部的には他の反動技と別扱いされている。
詳細はわるあがき(ポケモン)参照。

  • ビックリヘッド/てっていこうせん/クロロブラスト
技を使うと最大HPの1/2の反動ダメージを受ける技。端数は切り上げであるため回復なしに2回使うと必ず倒れる。
こちらも「いしあたま」で無効にできず「すてみ」の効果も乗らない。
とっしん等と異なり技が外れるなど失敗しても反動ダメージが発生することに加え、
お互い最後の1匹で相討ちになった場合対人戦でも技を使った方が負けになるなど、どちらかというと自爆技に近い性質を持っている。
てっていこうせんは該当項目を、ビックリヘッドはじばく/だいばくはつ(ポケモン)を参照。

  • とびげり/とびひざげり/かかとおとし/サンダーダイブ
技を外すか無効化されるとダメージを受ける技。サンダーダイブのみでんきタイプで他はかくとうタイプ。
反動ダメージの量はいろいろと変遷したが、第五世代以後は最大HPの1/2で落ちついている。
実はこちらは端数切り捨てなので、最大HPが奇数なら2回外しても生存できる。
「すてみ」は適用されるが「いしあたま」でも反動ダメージは防げない。


【余談】

アニメ無印編の2代目オープニングテーマ『ライバル』の2番の歌詞の歌いだしは「すてみタックル」である。
また、同作の後半においてサトシはカオルコというトレーナーとポケモンリーグで対戦したが、彼女のマダツボミは当時実装されていなかった「かかとおとし」をピカチュウにお見舞いしKOするという戦績を挙げている。その後『SV』でこの技が新登場し、実に四半世紀近くの時を経てゲーム本編に逆輸入されたのだった。



追記・修正は反動ダメージを恐れないでお願いします。

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最終更新:2025年04月02日 13:58

*1 実は英語では反動ダメージはrecoil、行動不能はrechargingと区別されている。

*2 ポケモンスタジアムでは反動ダメージ技で相手を倒した時に反動ダメージが発生しないという仕様もあったが、すてみタックルの威力が物足りないので然程考慮されていない

*3 ノーマルタイプの安定した技としては3割でまひさせられるのしかかりが人気だったが、威力85では火力不足を感じる場面も多かった

*4 一応「ゆびをふる」で出る可能性はある。