棺桶(武器)

登録日:2020/01/16 Thu 00:51:50
更新日:2025/03/26 Wed 21:00:51
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棺桶とは亡くなった人を埋葬する厳粛な道具であり、死者の永遠の安らぎの場である。

そんなもんを武器にする人がいるのだろうか?
そもそもどう見ても持ち歩きに向いてないじゃないか、不謹慎で不吉だし、鈍器にするにも不適だし、いくらフィクション界隈と言ってもそんなもん使う人はいないんじゃないの?
……と思われるかもしれない。

しかしなぜかこんな趣味の悪い代物で戦うキャラも一定数いるのである

そもそもが、人間が振り回すことなど微塵も想定していない道具であるため、わざわざこんなもんを武器にするキャラクターは一癖も二癖もある連中が多い。
吸血鬼の寝床」というイメージから吸血鬼的な要素や、ネクロマンシーと関係があったりなど。
いずれにせよ、闇属性っぽいイメージが付いて回る。

なお、ガンダムシリーズに登場する「ボール」のように比喩として「棺桶」呼ばわりされる「戦う棺桶」もそこそこ存在するが、流石にこれは項目の趣旨から外れるため動く棺桶(兵器)にて紹介する。
別に棺桶として作られているわけではないし。

棺桶使いのキャラクターたち

なぜか棺を模した武器が時々登場している。
いずれも禍々しいデザインであり、どことなく不穏。

ギギネブラ素材で作られた狩猟笛 クロノヒツギ 系統は、名前の通り真っ黒な棺桶が何重にも巻かれた鎖で 厳重に封印されている
中身が何なのかは 全くの不明 。なんで加工屋はこんな代物を渡してくるのだろうか……。
こんな見た目でも一応狩猟笛なので演奏可能。鳴らすと、 亡者の悲鳴の如きか細い音色が鳴り響く と同時に 棺桶の蓋がガタガタと揺れる
どう見てもヤバすぎる何かが収まっているとしか思えない。
なお、性能は毒属性 を持った貴重な狩猟笛であり、また見た目に反して回復に特化した旋律を備えている。使いどころさえ間違えなければそこそこ有用。
亜種素材で作られた「ブラッドコフィン」系統は、真っ赤に染まり属性も麻痺に変わっている。

ゴグマジオス素材で作られたチャージアックス 代償のネイディア は、棺桶を模したが収まるデザイン。
どう見てもヤバイ何かが封印されているクロノヒツギ系統と比べれば、単に「模している」だけなのでそれなりに大人しいデザイン。
ただ、変形させる時の外見が髑髏に見えなくもない……。

大型の二丁拳銃「ケルベロス」と機関銃ミサイルなどを内蔵した棺桶「デス・ホーラー」で戦う。
……公称は棺桶だが、ゴテゴテと様々な機械類が満載されたそのデザインは どこからどう見ても棺桶ではない
言われなきゃ棺桶じゃないし言われても棺桶ではない。
辛うじて髑髏が覗いているのがそれっぽいところ。
棺桶を引きずる点は続・荒野の用心棒のジャンゴ、「宗教系の道具から重火器が飛び出す」という点は「トライガン」のパニッシャーからの影響*1が指摘されている。

重火器内蔵の巨大な棺桶で戦うおじさん。
上記のグレイブよりは棺桶っぽいデザインではあるが、こちらも機関銃が飛び出したりミサイルが飛び出したりとやはり無茶苦茶。
こちらもパニッシャーとデス・ホーラーが元ネタとよく言われる。
ちなみに、いかにも生前との絡みで何かありそうなデザインであるが、実は彼本来の真名とはほとんど関係ない武器である。
武器に付けられた銘出しちゃうと正体ばれるけどね。

おっとり系お姉さんで、普段は盾とショットガンで戦う。
……が、頭の天使の輪に触れられると激昂し、盾とショットガンを捨てて重火器内蔵の棺桶で戦う。重火器棺桶多いな。

武器が「棺」であり、ランクアップしていくと色々な棺に変化していく。装備しなくても死霊術そのものは可能だが、当然攻撃技の威力は落ちる。
ゲーム的にはネクロマンサー専用の魔法の杖と言うべき性能。代わりにネクロマンサーは一般的な杖を装備できない。
なお、通常攻撃は近接壊属性。振り回しているとしか思えない。

珍しいタイプの棺として、「カメ棺」などフィクション世界ではあまり見られない棺も使用する。まぁ使用方法は全て同じだが。
番外として、ネクロマンサーは装備できないが、素材の棺桶に頭と手足を出すための穴を空けただけの重鎧「棺の鎧」が登場する。
装備で見た目が変わる訳ではない世界樹ではあまり気にならないが、棺を着て街中を歩く冒険者はなかなか珍妙で不気味である。

最後の切りふだ「グランドクロス」は前方に巨大な棺桶を出現させ、これで拘束した相手に十字架型のオーラを叩きつけてとどめを刺す大技。
棺桶部分が外れるとその後に派生することができないことと、棺桶部分の射程が短いことに留意する必要がある。

  • 納棺師(第五人格)
棺桶を使って味方をサポートするサバイバー。拘束された味方を救助することを得意とする。
最大の特徴は、離れていても救助ができるという圧倒的な射程距離。ただし、事前に一度その味方に会っておく必要がある。
また、棺桶は消耗品であるため、使うタイミングも重要。自分自身の救助にも使えるので誰に棺桶を使うかの判断が問われる。

  • ラティオ・アストルム(魔法使いと黒猫のウィズ)
「秘儀糸」という魔術を得意とするアストルム家の御曹司で背中に棺を背負っている。
この棺は他者の思念をその内に納めた魔力の増幅装置であり、本気を出す時だけ棺の中からさらに棺を取り出し、合計6基の棺を展開する。
ただし、体質的に非常に体が弱くさらに魔力そのものに対してアレルギーのようなものを示してしまうため、本気を出せば出すほど戦える時間も短くなるという弱点を抱えており、普段の戦闘では棺は使わない。
なお、初出の際は「捕食大魔術」という「パーティー内の他の精霊の正解数を消費して強烈な一撃を叩き込む」という新しいスキルを所持していた。明確にキャラクター設定に則った所持スキルであり、なかなかの良デザインと好評。

貯金箱を兼ねた背中の棺桶がトレードマークのバンカー。
メインの戦法は髪を飛ばす「赤き閃光」であるが、ゲーム版などでは棺桶から髑髏を出したり振り回したり棘が生えたりとこちらを使う技が実装されてたりする。
なお、この棺桶の重さはマンモスの10倍という凄まじい重量であるため、鈍器として以外にも自身へのリミッターとしても使われている。

「最後の領地」と称する棺桶を所持しているが、この棺桶、なんと手足が生えて動き回ることがある。
リップヴァーンを外伝「The Dawn」において単独でボコボコにするほど強い。
武器…?

  • ジャンゴ(続・荒野の用心棒)
「荒野の用心棒」の続編ではない西部劇の主人公。
棺桶を引きずりながら現れる姿が印象的だが、その中に機関銃を保管している。
武器というか武器庫。

こちらはきちんと「ボクらの太陽」の続編であり続投する西部劇風ファンタジーの主人公。
棺桶を常に持ち歩き、主に不死身のヴァンパイアを一時的に打倒してから完全に消滅させるまでの間に封印するために使用する。
「続」では敵に噛まれてヴァンパイアになってしまったため中で眠って回復なんかもするほか、一番武器らしいものとして中に入ると太陽ショットを放てる棺桶(型生物のエレファン)が存在する。
おかげでただでさえ影の薄いジャンゴ本来の武器、太陽銃ガン・デル・ソルが本格的にいらない子になってしまったのはご愛嬌である。

  • チャイカ(棺姫(ひつぎ)のチャイカ)
ガズ帝国の死せる皇帝、アルトゥール・ガズの遺体を集める、自身よりも大きな棺を背負う少女たち。
この棺は武器庫も兼ねており、主人公の白チャイカは機杖(ガンド)*2を、紅チャイカは蛇咬剣を保管している。

  • アナカリス(ヴァンパイア)
必殺技の「棺の舞」で、相手の頭上に棺を落とす。

夜のいきものと呼ばれるいきものを生み出している一族の当主。
自身も棺桶を依代とした夜のいきものと契約を結んでいる。棺桶の中から巨大な手が現れ触れたものの生気を奪い取る。

シャドーライン所属のシャドー怪人。
十字が刻まれた「クロス系棺桶」という闇装備を持っており、名前の由来でもある全身の鎖で捕縛した相手をこの中にある異空間に閉じ込める事で闇を生み出そうとした。
不気味な歌を歌いながら棺桶を引きずり歩くというニチアサらしからぬガチのホラー演出や、巨大戦でロボご立派様に貫かれるなど色んな意味で伝説を残した挙句、一般怪人なのにキャラソンCDに歌が収録されたすごいやつ。

  • ダンテ(ルパン三世Y)
マフィアが敵対者の死体を集めた地下墓地の墓守。
自在に地面から棺桶を出現させ、その中から飛び出るフックで相手を引き込み埋葬する。

  • ボダッハ(叛逆性ミリオンアーサー)
錬金アーサーのパートナーの妖精で、相手を棺桶に吸い込む「異空間モード」という技を使う。
アニメ版第2話では見事に失敗して自分が棺桶にハマってしまい、終盤まで掘り出されることはなかった。

アマクダリ・セクト所属のニンジャイタミニンジャ・クランのソウル憑依者。巨漢。
背中に担いだカンオケ内部にシュレッダーめいた機構が備わっており、鎖付きフックで捕らえた相手をこれに放り込むことでネギトロへと変える。
更に、他者に与えた苦痛で回復する特殊イタミ・ジツで、犠牲者の苦痛を糧とする。(本来は自身への苦痛を回復力と快感に変えるジツ。Twitter版では、連動してディスエイブラー自身にも苦痛を与えるギミックが搭載されていた。ちなみに自傷では回復しない繊細なジツ。)
なお、作中ではこのカンオケでカラテドレイン能力を持つゾンビーニンジャのスペクター=サンを携行していた。\キョムー/

  • ヘル=グリード(デビルメイクライ3)
7Hellsの一種で、強欲の罪を犯して地獄に落ちた人間を責め続ける。
ゲーム中では、手に持った巨大な棺桶を武器にする。
振り回して打撃武器にもするが、真の恐ろしさは別にある。
この棺桶からはヘル=プライド、ヘル=スロース、ヘル=グラトニー、ヘル=ラストの何れかが呼び出され、襲い掛かってくる。
つまりこいつを倒さなければ際限なく敵に攻撃され続けることになるのだ。
更に厄介なことに、このヘル=グリードは痛みを一切感じない、つまり常時スーパーアーマー状態で、倒すこと以外では行動の阻止が一切できない。
コンボを稼ごうと攻撃し過ぎた所に手痛い反撃を受けることもしばしば。

ゴリラ型の大型ゾイド。
背中に棺桶のような「ヘルズボックス」を装備している。ここからバトルアクスやメイス、サイスといった武器を取り出すだけでなく、ボックス側面からアームを伸ばして格闘を行える。
実は内部に節足動物(ムカデ)型ゾイドが潜んでおり、コングを乗せて移動することが可能。また、コング側のコアが破壊されてもボックス側のコアでコングを再起動させることもできる。

アンデッド系の雑魚敵。ゲートケストは赤いローブを着て木棺を背負い、強化版のコフィンマスターは青いローブを着て石棺を背負っている。
棺桶に魔物が潜んで(或いは異空間に繋がって)いるらしく、棺桶から魔物の手、足、尾を召喚して攻撃する。

作中内のアメリカで現役軍人兼国防長官を勤めるUMA好きな巨漢。…だが幽霊や宇宙人といった話題には淡白な反応を見せる。
発売当初はストーリーモードの登場のみだったが、追加DLCのキャラとして、プレイアブルキャラクターに参戦。
鎖に繋がれた棺桶を豪快に振り回す。その他にもガトリングや衛星レーザー等での兵器を使用する。

雑魚敵。チタン製の棺桶に収まったミイラで、棺桶の蓋を開くと同時にワリオにぶつけて攻撃してくる。
棺桶を武器にするキャラは少なくないが、自分が棺桶に収まったまま闘うキャラはそういないだろう。
ちなみにシャイな性分らしく、攻撃の後は恥ずかしげな仕草をしてすぐに蓋を閉める。また、チタンの棺桶に入っているくせに防御性能は並。

名の通り(?)、宮型霊柩車の形をした雑魚敵。
テールをこちらに向けており、攻撃の際には後方のドアを開いて 棺桶を発射 するという、実にメタルな敵である。
他には中身だけ射出して頭数を増やした挙句、自分は逃走することも。尻向けてるわけだわ。

常に持ち歩いている棺桶の中には3基のガトリング砲を仕込んでおり、これと手持ちのガトリングを合わせて凄まじい弾幕を張る保護機(要は盾役)。保護とは…?
一応ガトリングを展開しないときは棺桶を盾として主人を守るために使っている。ガトリングの弾切れ時は棺桶を振り回して近接戦闘も出来るらしい。
全身に髑髏やハートの意匠があしらわれており不気味さを感じる姿をしているが、こんなんでも人類滅亡前は「ゆりかごから墓場まで」を体現するメイドさんであった。
…ご主人様が亡くなったらこの棺桶にご主人様と一緒に入って運命を共にするというなかなかにやべー奴だが。
武器系棺桶で最終的にちゃんと棺桶として本来の用途で使うのが想定されているのは珍しいかもしれない。



関連項目


追記・修正は棺に納められないようにお願いします。

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最終更新:2025年03月26日 21:00

*1 トライガンもガングレイヴも考案してるのは内藤泰弘だが

*2 要するにアンチマテリアルライフルである。