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*CLANNAD 【くらなど】 |ジャンル|恋愛アドベンチャー|CENTER:&amazon(B0001MMHB2)&amazon(B000EIUQL6)&amazon(B001546NNS)|CENTER:&amazon(B000W7UVZU)&amazon(B004LKSB3I)&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61la6tTZyIL.SL160.jpg)| |対応機種|Windows 95/98/XP/Vista/7&br;プレイステーション2&br;プレイステーション・ポータブル&br;Xbox360&br;プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|~| |発売・開発元|【Win】Key&br;【PS2】NECインターチャネル&br;【その他】プロトタイプ|~|~| |発売日((種類が多いので代表的なバージョンのみに留める。))|【Win】2004年4月28日&br;【PS2】2006年2月23日&br;【PSP】2008年5月29日&br;【360】2008年8月28日&br;【PS3】2011年4月21日&br;【PSV】2014年8月14日|~|~| |定価(税込)|【Win】7,500円&br;【PS2】7,560円&br;【PSP】6,090円&br;【360/PS3】6,720円&br;【PSV】5,184円|~|~| |レーティング|【Win】ソフ倫:全年齢対象&br;【PS2/PS3/PSV】CERO:C(15才以上対象)|~|~| |コンテンツアイコン|【PS2/360/PS3/PSV】恋愛、セクシャル、麻薬|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[Key作品リンク>Key作品]]''| #contents(fromhere) **概要 ADVのジャンルでは業界大手のメーカーである株式会社ビジュアルアーツのブランド「Key」の第3作となる恋愛アドベンチャーゲーム。~ 発売延期を繰り返し、最初に発表した予定(2002年)から約2年後に発売された経緯があるものの、大作であり延期をものともせず評価が高い。~ PCのADVゲームとしては珍しく、最初から全年齢対応で発売されている。~ 「家族」がテーマで、ヒロインからおじいちゃん先生までのサブキャラにいたるまで、キャラが多いにも関わらずそのほとんどにルートがあることが特徴。~ 悪友の春原 陽平が非常に目立っているのも特徴的で、メインヒロインの古河 渚より台詞量が多いことでも有名。~ また、総テキスト量が多い上に共通ルートのフラグが非常に複雑((難易度もそこそこ高くなっているが、それよりもテキストや演出を楽しむお遊び的な要素が強い))。~ 過去作以上に日常シーンに力を入れており、人によっては最初から10回やって10回とも丸々共通ルートを楽しめる様な出来になっている。~ 本作では「AFTER STORY」と呼ばれる渚EDの後日談があり、その質と量も好評を博している。本作の影響か似たような表現も割と見かけるようになった。~ そして、実質的に汐シナリオの朋也と汐の父子関係の延長線上である「僕」と「少女」が描かれた「幻想世界」パートが主に学園編で随所に挿入される。 ---- **あらすじ 主人公の岡崎 朋也((名前の変更が可能))は父親と二人で暮らしている。~ バスケに対して熱意と才能があり、特待生として高校入学が決まっていたが、入学前の父親との喧嘩の怪我が元で選手生命を断たれてしまう。~ その後はやりたいことも見つからず、他人行儀になっていく父と距離を置く為に家に居る事も避けつつ、似た境遇の春原 陽平と共に自堕落な学校生活を送っていた。~ そして三年生の4月14日、遅刻確定の時間でありながら学園前の坂道で佇んでいた古河 渚と出会ったところから物語が始まる。 ---- **キャラクター ***主人公とヒロイン #region(close,クリックで開閉) -岡崎 朋也 --本作の主人公。口は悪いが常識人であり、大半がボケ側なので基本的にはツッコミ側。~ しかし遠慮はしない方なので突拍子もないボケやいたずらをすることも多い((特に春原相手にはひときわ遠慮がなく、春原の部屋にひとり放置された場合、何事もなく終わったことはないと自分で思い返している。))。 --父親との喧嘩が元で利き手の右腕が肩から上には上がらなくなっている。 --進学校にも関わらず遅刻等を繰り返し、授業も聞き流しているので不良扱いされているが、それら以外の問題行動はあまり起こしていない。 ---ちなみに遅刻が多いのは学校への反抗心などではなく、家に居たくない為に夜遅くまで家以外の場所で過ごし、寝坊しているだけ(やる気がない)である。 ---授業に関することを除けば真面目な方だが、無気力なので春原のカツアゲを止める真似等はしない((倫理観等は人並み程度にあるので、気が向けば酷い行為を妨害したりもする))。~ 友人なら別だが他人の世話は気が向いた時に焼く程度で、積極的にはしない((共通ルートのそういった場面では大抵選択肢が出る上、途中で再度選択肢が出て放り投げる場合もある。))。 --友人は少なく、物語開始時点での友人は春原と杏ぐらいしか居ない。 --春原の部屋によく居座っているが一緒に眠るのだけは嫌らしく、滅多に泊まることはない。 -古河 渚 --学園前の坂道で佇んでいる三年生だが、病気による長期欠席で昨年度は留年している。 ---その為、復学時に踏ん切りがつかず学園に入り辛く立ち止まっていたが、朋也に励まされたのをきっかけに学園生活を送る様になる。 --真面目で自分に自信がないので気弱な性格をしているが、非常に頑固で一度これと決めたことは曲げない。 --天然で色々なことに気付かないこともあるが、決して鈍感では無く、むしろ人に気を使う事が多い。 --演劇に興味が有り、廃部になっていた演劇部を立ち上げようとする。しかし演劇を見たことすらないので経験歴は素人以下。 --だんご大家族という、昔流行った歌とマスコットがとても好き。 -藤林 杏 --隣のクラスの委員長をしている三年生で藤林 椋の双子の姉。朋也・春原とは二年の頃のクラスメートで、委員長として世話を焼いていた。 --性格は男勝りで、委員長ながらずぼらでよく遅刻しかけてる上に、たまに学園に秘密でバイク通学までしている。 ---その一方で智代程ではないが運動神経が良く、面倒見も良いので女子からの人気は高い。 --辞書などを物凄い勢いで投げることが出来、短気((ただし、朋也と春原の自業自得な場合が多い。春原に対しては短気というか理不尽だが、これは春原の日頃の行いが悪いのも影響している。))な上に怒らせると怖いので朋也と春原はよくびびっている。 -一ノ瀬 ことみ --全国でもトップレベルの秀才の三年生。進学を条件に授業の欠席を黙認((進学に必要な授業は別))されている。 ---授業時間中はよく図書室に居るが、人の来る時間になると退室している。 --臆病な性格でよく「いじめっ子?」が口癖のようになっている。 --作中でお笑いを学んでくるが、笑いのツボがどこかズレており、真顔でシュールなネタを披露する。 --頭が良く記憶力も抜群だが、幼少の頃から人と接する機会が少なかった上に不要だとも思っていた為、~ 図書室や本屋の本を無断で切り抜いたりと非常識な面が多い。 ---非常識だが精神的にはむしろ大人びている方で、子供っぽいというわけではない。 -坂上 智代 --生徒会長を目指している、この春に転校してきた二年生。 ---頭も運動神経も性格も良いので周囲から慕われている一方で、融通がきかない((風紀に厳しいのは生徒会長を目指していることも影響しているが、元来の性分が一本気。))のが玉にきず。 ---特に運動神経は作中随一であり、人間離れしている。 --転校前は非常に荒れていて、喧嘩を繰り返していた上に敵無しだった。その為、近隣の不良からは恐れられていたりお礼参りされていたりする。 ---今は女の子らしくしようと努めているので、なるべく喧嘩しない様に努めている。 --春原が彼女に蹴られる場面が複数有り、連続蹴りや他人との連携でヒット数が増える演出が有る。~ 物語に影響しないが条件によってヒット数が変わるので繋げる楽しみもある。 -伊吹 風子 --木工細工によるヒトデを渡している1年生。伊吹 公子の妹。 --一見大人しそうに見えるが、名の通り風の子と言った具合でよく動きよく喋り向こう見ず。~ 容姿性格共にかなり子供っぽいが、自身は大人らしいと思っている。 ---その一方で極度の人見知りで警戒心も強く、恐いと感じたらすぐ逃げたり喋らなかったりする。友人も居ない。 ---「最悪です」が口癖で毒舌家。しかし素直でもひねくれものでも皮肉屋でも無く、名状しがたい性格をしている。 --性格も手先も不器用でヒトデを作る際によく怪我している。 --よく自分の世界に入り込み、その際に物語には影響しないが何度もいたずらするか選択肢が出る。~ 成功し続けると最終的に豪勢な演出と共に風子マスターの称号を得られる。 #endregion ***サブキャラクター #region(close,クリックで開閉) -宮沢 有紀寧 --CG数こそ少ないが通常版のパッケージに描かれていて、テーマ曲も有り、メインヒロインに準ずる扱い。 --1年生で休憩時間は使われなくなった資料室に居ることが多い。 --優等生そのものだが多数の不良に慕われている。 ---彼女を慕っている者が学園に入ってくるので、周囲に迷惑をかけない様にする為、資料室でこっそり会っている。 ---保健の教諭とは話がついているらしく、他校の不良も治療をしてくれる。 --彼女の持っているおまじないの本は効果が抜群で、不思議なことが度々起きる。~ また、物語には関わらないものの、それまでの選択によって関わるキャラが増える。 -春原 陽平 --Key作品でも屈指のアホな子。前述の通りメインヒロインの渚より台詞数が多く((その渚も台詞数はむしろ多い。))、ボケの大半を担っている。 ---朋也の悪友で、普段はアホでバカなボケ役だが、ここぞという場面では決める。様々な面で本作に必要不可欠なキャラ。 ---余りにやられたりびびる描写が多いので「ひぃっ!」と言うことがかなり多い。 --サッカーの特待生として入学したが、1年時に暴力事件を起こしたため退部を余儀なくされる。朋也とはその頃からの付き合いで、今はクラスメートで隣の席。 ---金髪だが染めているだけなので就活時などには黒髪に戻っている。髪の色をネタにされることもある。 --朋也と違ってカツアゲなどもするが、ラグビー部員や喧嘩慣れしてる相手には全く敵わないので、むしろこらしめられている場面の方が多い。 --また、良くも悪くも顔は広く、色々な物を借りてきたり噂を知っていたり後輩を連れてきたりと謎の人脈を持っている。 --コンシューマー移植等で阪口 大助氏が声を演じているが、やり取りが面白かった為に笑いをこらえながら収録している台詞も多い((インタビューでもそう答えている))。それもまた味として概ね好演と評価されている。 -古河 秋生 --渚の父でパン屋を営んでいる。 --口が悪い上に、子供心を忘れないまま大人になったような性格をしている。また、よく店番を抜け出している。 ---しかし大人らしくも有り、特に近所では頼りにされている。 --運動神経抜群な上に柔軟な発想も出来、体を使う遊びなら智代にも負けない。 -古河 早苗 --渚の母で秋生と一緒にパン屋を営んでいる。また、副業で自宅で塾を開いている。 --かなりの天然で秋生と違う方向性で子供っぽいが、人並み外れて寛大で周囲の人から慕われている。 ---ちなみに容姿が若すぎるため、よく渚の姉と間違われる。 --料理は上手だが彼女の作るパンは基本的におかしく((よく分からない謎なパンから具体的に嫌なパンまで幅広い。))、いつも売れ残っている。 ---秋生がそのパンをけなしたり遊んだりし、早苗がそれに傷つき泣きながらどこかへ行き、秋生が早苗のパンをくわえて追いかけるというのが日課みたいになっている。 -藤林 椋 --杏の双子の妹で朋也や春原とはクラスメート。 --杏とは反対の性格で気が弱く真面目。料理なども姉とは違い苦手だが、学習能力はある。 --趣味は占いだが、トランプで何故か具体性に溢れた結果を出したりする。~ 基本的に必ず外れるが、逆に言えば裏を返すと必ず当たるので周囲からかなり信頼されている。 -伊吹 公子 --伊吹 風子の姉で芳野 祐介とは婚約者の間柄。 --3年前まで美術教師をやっていたので、在校生の中では渚だけが教師と生徒としての繋がりが有り、渚にとっては恩もある。 --穏やかで優しい性格で、渚にとっても姉のような存在。 -芳野 祐介 --伊吹 公子の婚約者。 --過去に人気を博したロックミュージシャンだったが、色々あって引退しており、今は電気工をしている。 --学園OBでもあり、在校中は問題児だったが、そこで伊吹 公子と知り合い婚約の約束を交わした。 ---相楽 美佐枝とも学生時代の知り合いだが、お互いに触れられたくないことが有る為、偶然出会っても不穏なやり取りが繰り広げられる。 --唐突に詩的な表現をすることが多く、良いことを言っている場合も多いのだが、場の空気を読まないので基本的にはギャグとして扱われている。 --朋也とは縁遠い立場だが、個別ルート以外では何かと登場することが多い。 -相楽 美佐枝 --春原の居る男子寮の寮母。よく訪れている朋也とも顔なじみ。 --姉御肌の人物で面倒見も良い為、男女問わず慕われている。 --運動神経が良い上に要領も良く、冗談でプロレス技を教えると一発でものにする。 ---学生の頃は生徒会長をしていて、全生徒一週間無遅刻無欠席を達成した。そのことを智代は尊敬しているが、現在寮母をしていることまでは知らない。 -志麻 賀津紀 --美佐枝が生徒会長をしていた頃に知り合った少年。 --美佐枝に入院していた時に優しくしてもらったお礼として、願いを何でも1つ叶えられると美佐枝に話しかけ続ける。 -春原 芽衣 --春原 陽平の妹の中学二年生。地元の学校に通っているので普段は会っていない。 --兄と違って真面目なしっかり者だがお茶目でもあり、いやみにならない程度に朋也をからかったりもする。 --兄のことは呆れながらも慕っており、よく心配している。 --芳野の熱烈なファンであり、彼のことが絡むと我を忘れるほど熱中する。 -幸村 俊夫 --古典の教師かつ生活指導担当でで演劇部の顧問もしていた。 --老齢からか受け答えが遅い上に、たまにもうろくしてる様な場面もあるものの、良い意味で食えないところがある好々爺。 --朋也と春原とも生活指導として関係が有り、公子の恩師でも有る。 --若い頃の熱血指導による武勇伝が色々あるらしく、有る場面でその名残りが見れる。 -柊 勝平 --旅をしている女っぽい青年。 --本人は男らしくありたいと思って努力している様だが、成果は上がっていない。 --世間知らずな上に自己中心的でもあり、バイトが長続きしない。 --基本的に自身以外のルートでは登場しない、影の薄いキャラでもある。ある意味では救いだが(理由は後述) -岡崎 直幸 --朋也の父。 --男手一つで朋也を育てているが、生活苦等から酒に溺れている。 --現在は朋也の肩を壊したことがきっかけで疎遠みたいな状態になり、「朋也くん」と他人行儀で呼ぶようになっている。 ---そんな状態でも生活費は工面しているらしい。~ 朋也は基本貧乏ではあるが、バイトをしなくとも飲食や小物((趣味ではなくて贈り物や何かに必要な道具など))を買うのには不自由していない。 #endregion ***AFTER STORYのみに登場するキャラクター(ネタバレがあります) #region(close,クリックで開閉) -岡崎 汐 --朋也と渚の子供。 --母に似て子供ながらに非常に芯が強い。しかしまだ幼く、打たれ強さは年齢相応なのでよく泣きそうになる。 --かなり好奇心旺盛で社交的でもある。 --幻想世界の少女の正体でもある。 -岡崎 史乃 --岡崎 直幸の母親。 --朋也自身は覚えていないが、朋也が小さい頃に会っている。 ---朋也の両親についても知っており、彼女と会うことで直幸の心境を推測出来る。 #endregion ---- **評価点 -実に密度の濃いシナリオ。 --共通ルートは多くの選択肢によって事細かに変化し、打てば響く春原の存在も相まって比類無い程充実している。その変化の多さは、熱烈なファンでも基本的に全部は見れない程。 --個別ルートも賛否両論のものや批判の多いものもあるが、概ね好評。特にキャラ数が多いにも関わらず、ほぼ全てのキャラにルートがある((一部は他キャラと共用))のは特筆物。 --AFTER STORYは質と量両方共、評価が非常に高い。それまであまり取り上げられることのなかった、後日談に当たる部分を1作のゲームにしても遜色ないほどに作りこんでいる。 ---AFTER STORYは渚エンディング時のフラグが保有されており、共通等と同様、それまでに選んだ選択肢によって一部変化がある。 --作中の合間に幻想世界と銘打たれてるシーンが度々挿入される。これは作中の謎に大きく関わっており、抽象的なものになっている。 --それまでの選択肢で内容や結果が変わる草野球ルートや、ネタ扱いだが朋也が豹変するルートも有り、遊び心に溢れた作りになっている。 -シチュエーションごとにバランス良く用意された音楽。 --BGMは、前作の『[[AIR]]』や次回作の『智代アフター』程の突き抜けたインパクトは無い((スタッフもBGMとしては良かったが、単体では少し物足りなかったという評価を後日している。))が、その分全体的なクオリティが総じて高く、粒揃いで高い評価を得ている。 --使い所と曲のイメージがよく練られており、特に「渚」(曲名)の使い方はよく反則的と評されている。 ---ギャグの為に深刻なイメージのBGMを使うこともよくあり、楽曲の多さ(サントラのCD三枚分)も相まって、『AIR』より全体的に音楽の面でも演出に拘っている。 -これまで以上によく凝られた演出。 --立ち絵が豊富な訳では無いが、印象的なところでは専用のエフェクトや効果音をよく使っており凝っている。 --『[[Kanon]]』『AIR』ではあまり立ち絵を動かしたりといったことはしなかったが、本作ではそういった面でもアクションを取り入れられている。 -時代を考えれば、システム面で特に落ち度の見られる部分はない。 --強いて言うなら、発売時の時点でADVは声付き作品の方が多かったが、本作はコンシューマ版発売までボイス無しだったことがやや残念なところだろうか。 ---- **賛否両論点 -テキスト量が多いのでクリアまでに平均60~80時間はかかると言われている。要するに一般的なフルプライス作品の2~3倍程度かかる。 --ただ、無駄に長いというわけではない((日常シーンをとても嫌ってる人や、逆にシリアスを全く望んでいない人は別として。))ので、長すぎと批判されることは少ない。 --濃厚なテキスト量の多さから、ボイス付きバージョンで全てじっくり聞こうとするとプレイ時間がさらに伸びることになる。 ---基本的に好意的に受け止められている点ではあるし、嫌なら声をOFFにしたり、さくさく読み進めれば良いだけだが、勿体無さを感じるのは当然のことだろう。 -杏ルートはラブコメじみてどろどろしていてKeyらしくなく、賛否両論。 --これは杏シナリオを担当した魁氏が、アンチKey((正しくはKeyの作風に拘らずにシナリオを書いた))を標榜していたのもあって意図的ではあるが、感動や爽快感等とは程遠く、高評価とは言い難い。 -幻想世界が日が変わる時に唐突に何度も挿入されるので、混乱したという声も聞かれる。 --世界観的に狙った演出ではあるが、いささかわかりづらく、重要なのにも関わらず読み飛ばし気味に読破してしまうプレイヤーもいた。 --登場人物である「僕」と「少女」の正体や存在している理由や幻想世界の実際のシナリオ上の時間軸がわかるのは相当な終盤にあたるため存在意義が意味不明と感じてしまうことも。 -好みの分かれるグラフィック。 --この頃になると大分上手くなっているが、原画は樋上いたる氏なのでやはり賛否両論。 --都会から外れた町なので風光明媚な背景は少ないが、塗りは『AIR』同様に良い。 -Key作品はさまざまな意味で個性的なキャラが多いが、一部キャラは個性が強すぎるのが悪い方向に働いていることも。 --がんばろうとするときに好きなパンの名前を挙げる渚((両親の仕事を考えるなら納得はいくが))、見ず知らずの人にいきなり木製のヒトデを渡す風子、旧知の仲であり、冗談とはいえ速度を落としたバイクで朋也を轢こうとする杏((いくら速度を落としているとはいえバイクで人を轢く行為が危険なことにはかわりはない))など、よくいえば個性的、悪く言えば理解しがたい行動をするキャラ設定は賛否両論である。 #region(close,ネタバレ要素。クリックで開閉) -ことみルートはライター間の相違があるとは言え、主人公の性格などが矛盾はしていないものの他ルートと違いすぎていて、もはや別人という批判もある。 --また彼女のルートでは不自然なほど春原をハブにしており、批判されることがある。 --その一方で伏線が丁寧で話を上手くまとめており、評価の高い個別ルートでもある。 -杏ルートは椋ルートも兼ねているのだが、椋エンドは杏ルートのバッドエンドである((ライターの魁氏本人もそう答えている。))。 --杏ルートの性質を考えると自然な流れではあるが、まともに椋を攻略出来るルートはないので、当然この発言はファンからの批判が多い。 --更に彼女は朋也を熱烈に振り向かせようとしていた杏エンドで、勝平らしき人物とすぐに惹かれあっているので、そこでも評判が落ちて((尻軽みたいな扱い))しまっている。 --椋が朋也と付き合うENDもあるにはあるが、上記のとおり杏ルートのバッドエンド扱いであり、実質、椋ルートはないに等しい。 --後述のように、椋が勝平というキャラと惹かれ合う展開にもなるのだが、「椋は朋也の事が好きなはずなのに、勝平と椋が付き合うことが正史エンドになるなんて納得いかない」という声もある((勝平ルートはハッピーエンドのためのフラグの1つでもあるのだが、椋エンドはフラグにカウントされない))。 -勝平ルートは基本的に評価が悪い。これは彼自身の自己中かつ我侭で横暴な発言・行動ばかりが目立っているという異色なシナリオで、多くのユーザーに受け入れられていない為。 --また、このルートでは彼と椋が付き合うことになるので、彼女のまともなシナリオが欲しかった人達からは特に評価が悪い。 ---しかも彼はある程度の事情があるとは言え、かなり無責任なことをしており様々な観点から受けが非常に悪く、&bold(){本作で最も不要なキャラ}という意見も多数あるほど((公式掲示板でも『勝平ルートいらない』等の意見がそこかしこに見られた))。 ---ちなみにTVアニメ版では4クール分の話数があったにも関わらず存在すら出ていない、少しあんまりな扱いである。 -直幸の行動や心情はかなり分かり辛く、理解出来ないと言う人も多い。 --要するに後にAFTER STORYで朋也が味わう心情そのものを、そのまま直幸も味わっているのだが、それを理解出来るのは終盤中の終盤。 --主人公が父を拒絶しているためそれまでは考察の余地もゼロではないが薄く、本当にクライマックス近いところで主人公の祖母である史乃に出会い、ようやく彼の気持ちを察することが出来る(ユーザーからしても、基本的にはここまできてようやく彼の気持ちを察することが出来る)。 ---ちなみに後述のようにこの点は劇場版でよりダイレクトに描かれており、こちらのほうが展開上わかりやすく、人間味があるという評価もある。 #endregion ---- **問題点 //「ネタバレ」と隠しコマンドに書いてあるんだから()付けする必要なし。今後ネタバレにかかわらない問題点が追記されることを考えてもネタバレにこだわる必要はない。 //あと問題点の書き出しなのに擁護に終始しようとするのはどうなのか。ファン心はわかるが考えてもらいたい。 //ASについては概要でも触れられているのでよほど核心に振れないものはここに記した。 -渚ルートは拍子抜けな終わり方をしている上に、AFTER STORYは多くのルートを終えないと出現しないこともあって、バッドエンドかと疑ってしまう人が多い。 --AFTER STORYに繋がるストーリーを辿ると特別な演出が入るのだが、それが何なのか初見ではわからないことが多い。 --逆に「これはAFTER STORYの開放のために必要なものです」と解説してしまったらせっかくの興が冷めてしまうのもまた事実。とはいえ、説明が薄いのもまた考えものである。 -大半のシナリオを攻略することでAFTER STORYが開放されるのだが、渚エンド後の話なのでそれらに繋がるシナリオ展開になっているのは少数。当然AFTER STORYに登場する学園編のキャラクターも少ない。 --本作の大テーマと登場キャラクター達の濃さを考えると、後日談にあまり登場しないのは「寂しい」「勿体無い」という声もある。 --逆に言えば、他ルートをないがしろにするようなものはないのだが。 -個別シナリオが多い弊害か、特定のシナリオになると関わりの薄いキャラが全くと言っていいほど登場しなくなるのは不自然という意見がある。これだけのキャラクターがいるのなら、キャラクターを密接に関わらせるほうが自然なのではないのか、という指摘も。 --その分、上記の勝平による被害が、勝平ルートのみになるのは救いでもあるが。 --一応補足すると基本的にはヒロインの関係者や春原は登場するので、他作品と比べても特別に違和感を覚えるものではない。本作は俗に言う主人公補正は少なめでクラスには気弱な椋以外のヒロインは居ないし自宅や近所にヒロインが住んでいる訳ではない。ヒロインとの遭遇は偶発的なものか主人公の選択によるものが基本でどこかの部に集まるわけでもなければ親しくも無いヒロインが理由もなく会いにくるような展開も無く、更に描写的に学校のシーンが不要な場合はカットされているだけの話である。 //実際、特定シナリオに入ると、主人公と特定シナリオのキャラクターだけの展開になりがちです。家族というならもう少しキャラ同士の絡みがあってもいいのでは? 消すならcoでいいので意見を述べた上でお願いします。 //第一に風子ルートは家族と密接に関わりがあること。また、最後までプレイすると分かるように本作のテーマにおける「家族」とは一般的な家族関係に限ったものではなく、恩師や友人など幅広い人間との関係を指しているもので勝平も含む他キャラもテーマからは逸れてはおらず的外れな問題点なので削除しました。 -AFTER STORYが物足りないという人は、「春原がもっと出てきてくれたら…」という声を残すこともしばしば。 --代わりに朋也・渚・秋生・芳野がコメディ部分を主に担っているが、春原ほどのテンポの良さやキレは流石にない。 --渚の死後、堕落した朋也と連絡をとった様子もほぼなく((アニメ化作品の一つである劇場版CLANNADはこの点が見直されたのか、わざわざ仕事の合間を縫って顔を見せ、さらに自分と一言も口も利いてくれなかった朋也の変貌っぷりに涙するなど、重要性が増している。))、その点は勿体無いといえる。 ---もっとも、卒業後かつての学友と疎遠になるという展開は妙にリアリティがあるのだが。 #region(close,重度のネタバレなので未プレイの方は見ないことを推奨します。) -アフターストーリーのトゥルーエンドは『ご都合主義』『難解』といわれる批判も見られる。 --渚が幼い頃に助かった要因・各エンディング時の光の玉・汐や幻想世界などと繋がっており、過去作ほど唐突な感じはないが、「奇跡」に頼った展開と言うのは否めない。 --エピローグ後のタイトル画面に出現する幻想世界の少女の意味が難解という意見も多い。 ---麻枝氏も「汐に同化して現実世界でひとりぼっちでなくなった幻想世界の少女((汐シナリオの汐))のつもりだったけどあんまり理解してもらえなかった」と発言された。 ---ここの難解さが原因で汐との和解等がなかった事にされた等の勘違い発言が比較的多くなってしまった。 --ただし、トゥルーはAIRの結末がビターエンドだった為に批判が当時は多く、そう言ったファン層の為にも最後にわかりやすいハッピーエンドに帰結したものである。 ---その反面、AIRや智代アフターからの純粋な麻枝シナリオファンから「ご都合主義」などと批判されるようになってしまったのだが…。((後作である「リトルバスターズ!」の全員生存エンドも同じような事も…。)) -朋也の行動に対しての批判。 --上記のキャラクター説明にもあるが、遅刻したりする理由などから自堕落な人間として批判を浴びる事もある。 --不幸な境遇であるのはわかるが、それをダシにして自己の正当化をする部分や、人に対する態度から、他人を利用するだけ利用する自己中心的な部分が多く見られる。 --渚は朋也と結婚した後、汐を出産するのだがその際に命を落とす。 //しかし渚は幼い頃に光に包まれて息を吹きかえして町と繋がっていたため町の変化((主に病院の建設))による体調不良での出産が危険であるということは前々から分かっていた。 //???↑幻想世界とか光とかそういった非科学的なものを作中のキャラが認識してましたか? ---しかも渚が人並み外れて頑固とは言え、ただでさえ危険なのにも関わらず自宅出産というかなり無理な形の出産となってしまっている((劇場版CLANNADではこの点は改変されて病院での出産、アニメCLANNADでは大雪によるやむをえずの自宅出産となっていて、まだマシになってはいる。))。 ---これに関しては結果論に過ぎないが、朋也は無理にでも渚を止めるべきだったのではないかと言われる場合がある((補足すると止めてはいるし悩んでも居るが、渚の意固地さに押されてしまっている。))。 --朋也と渚の娘・汐は渚と同様町と繋がっており、とうとう命に関わるほど衰弱する展開になるのだが、ここでも娘の意思に押されて無理な行動に出てしまっている。 ---朋也は汐を雪の中に連れ出し、既に目も見えなくなっているほどに弱っていた汐は遂に命を落とす。 ---ただし、この行動は朋也自身が参っていたのと、汐にこれまで楽しいことをしてやれなかったことが動機である。また、外に連れ出さなくとも同じ結果になっていた可能性は高い。((後に「Angel Beats」の7話でオマージュされた)) ---この時に明確に幻想世界と繋がり((VFBでもこの結末があってこその幻想世界と発言されている。))、本作の始まりの日へと繋がるので、いたずらに唐突な展開と言う訳では無い。 --このルートとは別に、上記の父親である直幸への態度の悪さも批判されることが多い。 ---劇中で父親のことを度々「アンタは最低だ」と批判しているが、''その最低呼ばわりしている父親の金で学校に行ったり((特待生なのでこの面でのお金の負担は少ないが。))、飲食や遊行費に使っているのは他ならない朋也である。'' ---父親にも息子からそういう態度をとられる原因は十分にあり、後の主人公の就職後も彼の人生を狂わせるなど、言われても仕方ない部分はある。また、朋也自身も独立を望んでいる節はいくらか見られるが、定期的なアルバイトは一切せず、就職も大雑把に言えば渚と同棲を始めることになってからである。 ---フォローしておくと、時折呼び方を「親父」から「父さん」に変えたり、「風邪を引かないように」と声を掛ける描写もあり、過去&現在の確執と捨てられない情を見せるなど人間臭さも描かれている。 //全般的にそうだけど消すのではなくて補足して書けば良いだけでは? #endregion ---- **総評 -『[[ONE>ONE ~輝く季節へ~]]』、『Kanon』、『AIR』から続く、期待の高さを裏切らなかった名作((『MOON.』はそれらの原点ともいえるが、作風や評価の違いなどからこの中に挙げられない事もある))。~ 「親子」については既に『[[MOON.]]』や『AIR』で描いていたが、本作では「家族」を大きなスケールで描いている。 -AFTER STORYは数年間分の「後日談」を描いている。1つの作品でここまで描写しているのは恐らく例が無かった。 -春原の存在感は大きく、ここまで突出した個性と出番を持つ男性の悪友キャラというのは稀有。 --必ずしも本作に影響されてとは限らないだろうが、本作発売後は他社ADVでも癖が強いだけでなく、出番も多い悪友キャラという立ち位置のキャラが増えた。 -内容の多さから気軽に始めてさくっとクリアとはいかないが、お勧めできる作品である。 --ただし上記のとおり無視しがたい問題点((選択肢が多くややこしい、一部キャラが不愉快など。))もある為、人によって合う合わないは『Kanon』より分かれるだろう((『AIR』は高評価だが賛否両論な作品でもあり、この点では比較しづらい))。 ---- **その後の展開 -記事冒頭の情報表にあるとおり、PC版発売以降、数多くのハードへ移植されることになった。 //智アフの記述がCLANNADの記事としては多い様に思うので少しカット -後に智代エンド後の後日談として人生((泣けるストーリーよりもファンタジー要素を排除して莫大な人生を描きたかったと麻枝氏は語っている))を描いた「[[智代アフター ~It's a Wonderful Life~]]」が発売された。 -劇場アニメ化とTVアニメ(2期の2クールずつ)化がされている。 --劇場版はかなり改変されており、「親子」の関係が特に強調されている。90分の尺を考えるとテーマに沿ってよく詰め込んである。劇場版AIR同様原作ファンが首を傾げるおかしな改変が一部あるものの、概ね好評。 ---また、直幸の事情や心情についてはかなり分かりやすくなっていて、こちらの方が良いという声も多い。 ---朋也と渚の同棲生活編においても、しばしば学園編の仲間が顔を出す((尺の都合上キャラは改変されているが、杏、智代、そして春原など。))様子が描かれるなど、より親密な友情も描かれている。 ---ちなみに出崎監督の劇場用アニメの遺作なのでそちらの方面でも有名。 --TVアニメ第一期は京アニ版の『Kanon』や『AIR』と同様に終始作画や原作再現ネタの評価は高く、途中までは脚本も好評だったが最終的には原作ファンを中心に不評となってしまった。 ---不評の原因は途中から春原のボケが智代や杏にやられるだけ&台詞が激減((台詞数が少なくなるのは仕方ないが、ボケのパターンがかなり狭まり、彼の良さが殺されている。台詞量も何故かウリボウのボタンと同等(ボタンは原作より増加)。ちなみにボタンは鳴き声が無くても問題無い上、増えた出番も無意味なものが多い。また、(主に)杏が彼や他のサブキャラの出番を奪う形になっており、キャラが薄くなっている。))、KYな改変((ある事情で目的を達成して消えたキャラをすぐに、それも執拗に再登場させる。その為、「何故消えたのか?」と疑問を抱かざるを得ない。原作でも似たような登場シーンはあるがそちらはまだ目的を達成していないし消えてもいない。))、テンプレ的なハーレムアニメ展開が続く((恐らくメインヒロイン達の出番を増やしたかったのだと思われるが、それ以上のものではない。誰得か分からない展開が長引いた上に必要性も感じられない。更に、この展開のキャラ達は原作とは似ていない(原作でも嫉妬や多少の張り合いをしてる場面はいくつかあるが、あからさまな駆引きは一度もしていないし朋也もありふれたテンプレ的なキャラになっている)。))、フラグクラッシャー岡崎((京アニ版Kanonで主人公の祐一が忙しすぎるという批判を受けてか、前述の安っぽいハーレムアニメ風のアニメオリジナル構成に変更しておきながら、話数が少なくなってきたらいきなり流れを断ち切って渚ルート原作再現に一直線。他ヒロインの熱烈なファンからの不満もだが、脚本に関しても手抜きと言われても仕方ない。))、中途半端過ぎる智代・杏・椋((特に杏と椋のアニメオリジナルの顛末については、大衆の前で二人で泣き始めるなどキャラの行動や演出がおかしい。))の話、朋也の性格が途中から最後までことみルートのそれになりボケなくなった上に後の描写との違和感も強いなど、問題多数な為。 ---放送終了時に第二期の制作が発表されたのだが、無駄を省けば共通~AFTER STORYまで詰めこむことが出来そうな内容だった為、放送当時はそこもよく批判されていた。サブキャラも登場しているが個別ルート相応の話はほぼ無い。 --TVアニメ第二期は第一期でスルーしたサブキャラの話や渚エンド~AFTER STORYまでを描いており、原作再現重視の作品として全般的に高評価。 ---批判が多かったアニメオリジナルのおちゃらけは封印し、2クール丸々使って原作再現を忠実にしている((有紀寧の話は『光見守る坂道』等の設定も反映してのオリジナル展開。))。 ---第一期で非常に前向きだった朋也の性格が、途中で急激にトーンダウンするのが違和感が強いという批判点もある。 --後に発表されたオフィシャルコミックにおいては、汐の死の次のシーンで、「光の玉」についての奇跡がわかりやすく説明されており、アニメの汐の死→トゥルーの唐突感は比較的薄くなっており麻枝氏もファンも納得いく終わり方と評価されている。 ---またアニメにおいては原作エピローグの展開を少ない時間に収まるように改変((ただし、今までの展開や原作設定との矛盾が生じないように気を使って変更されている。))したのに対してオフィシャルコミックは渚エピローグ((エピローグ前のEND。))の件がアニメ版より忠実に再現されている。 ---- **余談 -通常版は音声無し解像度640x480にも関わらず、内容の多さからインストールに約2GBもの容量が必要。 --バージョンによっていくつか違いがあるが、初回版や通常版は音声が無いので注意。 -公式SS集の『CLANNAD 光見守る坂道で』も好評で、書籍だけでなくドラマCD化やゲーム化されている。 -発売延期を繰り返した事もあって、当時は「いつまで経っても発売されないゲーム」の代名詞的存在だった。 --『マブラヴ』や『SNOW』、『LOVERS』と一緒に「延期四天王」と称されたほど。 -Sekai Projectによる英語化プロジェクトのクラウドファンディングの支援が盛況で、あっという間に目標額に到達。 --余りに好評なので三つチャレンジ目標が追加されたが、これらも余裕をもって達成。外国でも注目度の高い作品と言える。 ----
*CLANNAD 【くらなど】 |ジャンル|恋愛アドベンチャー|CENTER:&amazon(B0001MMHB2)&amazon(B000EIUQL6)&amazon(B001546NNS)|CENTER:&amazon(B000W7UVZU)&amazon(B004LKSB3I)&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61la6tTZyIL.SL160.jpg)| |対応機種|Windows 95/98/XP/Vista/7&br;プレイステーション2&br;プレイステーション・ポータブル&br;Xbox360&br;プレイステーション3&br;プレイステーション・ヴィータ|~|~| |発売・開発元|【Win】Key&br;【PS2】NECインターチャネル&br;【その他】プロトタイプ|~|~| |発売日((種類が多いので代表的なバージョンのみに留める。))|【Win】2004年4月28日&br;【PS2】2006年2月23日&br;【PSP】2008年5月29日&br;【360】2008年8月28日&br;【PS3】2011年4月21日&br;【PSV】2014年8月14日|~|~| |定価(税込)|【Win】7,500円&br;【PS2】7,560円&br;【PSP】6,090円&br;【360/PS3】6,720円&br;【PSV】5,184円|~|~| |レーティング|【Win】ソフ倫:全年齢対象&br;【PS2/PS3/PSV】CERO:C(15才以上対象)|~|~| |コンテンツアイコン|【PS2/360/PS3/PSV】恋愛、セクシャル、麻薬|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[Key作品リンク>Key作品]]''| #contents(fromhere) **概要 ADVのジャンルでは業界大手のメーカーである株式会社ビジュアルアーツのブランド「Key」の第3作となる恋愛アドベンチャーゲーム。~ 発売延期を繰り返し、最初に発表した予定(2002年)から約2年後に発売された経緯があるものの、大作であり延期をものともせず評価が高い。~ PCのADVゲームとしては珍しく、最初から全年齢対応で発売されている。~ 「家族」がテーマで、ヒロインからおじいちゃん先生までのサブキャラにいたるまで、キャラが多いにも関わらずそのほとんどにルートがあることが特徴。~ 悪友の春原 陽平が非常に目立っているのも特徴的で、メインヒロインの古河 渚より台詞量が多いことでも有名。~ また、総テキスト量が多い上に共通ルートのフラグが非常に複雑((難易度もそこそこ高くなっているが、それよりもテキストや演出を楽しむお遊び的な要素が強い))。~ 過去作以上に日常シーンに力を入れており、人によっては最初から10回やって10回とも丸々共通ルートを楽しめる様な出来になっている。~ 本作では「AFTER STORY」と呼ばれる渚EDの後日談があり、その質と量も好評を博している。本作の影響か似たような表現も割と見かけるようになった。~ そして、実質的に汐シナリオの朋也と汐の父子関係の延長線上である「僕」と「少女」が描かれた「幻想世界」パートが主に学園編で随所に挿入される。 ---- **あらすじ 主人公の岡崎 朋也((名前の変更が可能))は父親と二人で暮らしている。~ バスケに対して熱意と才能があり、特待生として高校入学が決まっていたが、入学前の父親との喧嘩の怪我が元で選手生命を断たれてしまう。~ その後はやりたいことも見つからず、他人行儀になっていく父と距離を置く為に家に居る事も避けつつ、似た境遇の春原 陽平と共に自堕落な学校生活を送っていた。~ そして三年生の4月14日、遅刻確定の時間でありながら学園前の坂道で佇んでいた古河 渚と出会ったところから物語が始まる。 ---- **キャラクター ***主人公とヒロイン #region(close,クリックで開閉) -岡崎 朋也 --本作の主人公。口は悪いが常識人であり、大半がボケ側なので基本的にはツッコミ側。~ しかし遠慮はしない方なので突拍子もないボケやいたずらをすることも多い((特に春原相手にはひときわ遠慮がなく、春原の部屋にひとり放置された場合、何事もなく終わったことはないと自分で思い返している。))。 --父親との喧嘩が元で利き手の右腕が肩から上には上がらなくなっている。 --進学校にも関わらず遅刻等を繰り返し、授業も聞き流しているので不良扱いされているが、それら以外の問題行動はあまり起こしていない。 ---ちなみに遅刻が多いのは学校への反抗心などではなく、家に居たくない為に夜遅くまで家以外の場所で過ごし、寝坊しているだけ(やる気がない)である。 ---授業に関することを除けば真面目な方だが、無気力なので春原のカツアゲを止める真似等はしない((倫理観等は人並み程度にあるので、気が向けば酷い行為を妨害したりもする))。~ 友人なら別だが他人の世話は気が向いた時に焼く程度で、積極的にはしない((共通ルートのそういった場面では大抵選択肢が出る上、途中で再度選択肢が出て放り投げる場合もある。))。 --友人は少なく、物語開始時点での友人は春原と杏ぐらいしか居ない。 --春原の部屋によく居座っているが一緒に眠るのだけは嫌らしく、滅多に泊まることはない。 -古河 渚 --学園前の坂道で佇んでいる三年生だが、病気による長期欠席で昨年度は留年している。 ---その為、復学時に踏ん切りがつかず学園に入り辛く立ち止まっていたが、朋也に励まされたのをきっかけに学園生活を送る様になる。 --真面目で自分に自信がないので気弱な性格をしているが、非常に頑固で一度これと決めたことは曲げない。 --天然で色々なことに気付かないこともあるが、決して鈍感では無く、むしろ人に気を使う事が多い。 --演劇に興味が有り、廃部になっていた演劇部を立ち上げようとする。しかし演劇を見たことすらないので経験歴は素人以下。 --だんご大家族という、昔流行った歌とマスコットがとても好き。 -藤林 杏 --隣のクラスの委員長をしている三年生で藤林 椋の双子の姉。朋也・春原とは二年の頃のクラスメートで、委員長として世話を焼いていた。 --性格は男勝りで、委員長ながらずぼらでよく遅刻しかけてる上に、たまに学園に秘密でバイク通学までしている。 ---その一方で智代程ではないが運動神経が良く、面倒見も良いので女子からの人気は高い。 --辞書などを物凄い勢いで投げることが出来、短気((ただし、朋也と春原の自業自得な場合が多い。春原に対しては短気というか理不尽だが、これは春原の日頃の行いが悪いのも影響している。))な上に怒らせると怖いので朋也と春原はよくびびっている。 -一ノ瀬 ことみ --全国でもトップレベルの秀才の三年生。進学を条件に授業の欠席を黙認((進学に必要な授業は別))されている。 ---授業時間中はよく図書室に居るが、人の来る時間になると退室している。 --臆病な性格でよく「いじめっ子?」が口癖のようになっている。 --作中でお笑いを学んでくるが、笑いのツボがどこかズレており、真顔でシュールなネタを披露する。 --頭が良く記憶力も抜群だが、幼少の頃から人と接する機会が少なかった上に不要だとも思っていた為、~ 図書室や本屋の本を無断で切り抜いたりと非常識な面が多い。 ---非常識だが精神的にはむしろ大人びている方で、子供っぽいというわけではない。 -坂上 智代 --生徒会長を目指している、この春に転校してきた二年生。 ---頭も運動神経も性格も良いので周囲から慕われている一方で、融通がきかない((風紀に厳しいのは生徒会長を目指していることも影響しているが、元来の性分が一本気。))のが玉にきず。 ---特に運動神経は作中随一であり、人間離れしている。 --転校前は非常に荒れていて、喧嘩を繰り返していた上に敵無しだった。その為、近隣の不良からは恐れられていたりお礼参りされていたりする。 ---今は女の子らしくしようと努めているので、なるべく喧嘩しない様に努めている。 --春原が彼女に蹴られる場面が複数有り、連続蹴りや他人との連携でヒット数が増える演出が有る。~ 物語に影響しないが条件によってヒット数が変わるので繋げる楽しみもある。 -伊吹 風子 --木工細工によるヒトデを渡している1年生。伊吹 公子の妹。 --一見大人しそうに見えるが、名の通り風の子と言った具合でよく動きよく喋り向こう見ず。~ 容姿性格共にかなり子供っぽいが、自身は大人らしいと思っている。 ---その一方で極度の人見知りで警戒心も強く、恐いと感じたらすぐ逃げたり喋らなかったりする。友人も居ない。 ---「最悪です」が口癖で毒舌家。しかし素直でもひねくれものでも皮肉屋でも無く、名状しがたい性格をしている。 --性格も手先も不器用でヒトデを作る際によく怪我している。 --よく自分の世界に入り込み、その際に物語には影響しないが何度もいたずらするか選択肢が出る。~ 成功し続けると最終的に豪勢な演出と共に風子マスターの称号を得られる。 #endregion ***サブキャラクター #region(close,クリックで開閉) -宮沢 有紀寧 --CG数こそ少ないが通常版のパッケージに描かれていて、テーマ曲も有り、メインヒロインに準ずる扱い。 --1年生で休憩時間は使われなくなった資料室に居ることが多い。 --優等生そのものだが多数の不良に慕われている。 ---彼女を慕っている者が学園に入ってくるので、周囲に迷惑をかけない様にする為、資料室でこっそり会っている。 ---保健の教諭とは話がついているらしく、他校の不良も治療をしてくれる。 --彼女の持っているおまじないの本は効果が抜群で、不思議なことが度々起きる。~ また、物語には関わらないものの、それまでの選択によって関わるキャラが増える。 -春原 陽平 --Key作品でも屈指のアホな子。前述の通りメインヒロインの渚より台詞数が多く((その渚も台詞数はむしろ多い。))、ボケの大半を担っている。 ---朋也の悪友で、普段はアホでバカなボケ役だが、ここぞという場面では決める。様々な面で本作に必要不可欠なキャラ。 ---余りにやられたりびびる描写が多いので「ひぃっ!」と言うことがかなり多い。 --サッカーの特待生として入学したが、1年時に暴力事件を起こしたため退部を余儀なくされる。朋也とはその頃からの付き合いで、今はクラスメートで隣の席。 ---金髪だが染めているだけなので就活時などには黒髪に戻っている。髪の色をネタにされることもある。 --朋也と違ってカツアゲなどもするが、ラグビー部員や喧嘩慣れしてる相手には全く敵わないので、むしろこらしめられている場面の方が多い。 --また、良くも悪くも顔は広く、色々な物を借りてきたり噂を知っていたり後輩を連れてきたりと謎の人脈を持っている。 --コンシューマー移植等で阪口 大助氏が声を演じているが、やり取りが面白かった為に笑いをこらえながら収録している台詞も多い((インタビューでもそう答えている))。それもまた味として概ね好演と評価されている。 -古河 秋生 --渚の父でパン屋を営んでいる。 --口が悪い上に、子供心を忘れないまま大人になったような性格をしている。また、よく店番を抜け出している。 ---しかし大人らしくも有り、特に近所では頼りにされている。 --運動神経抜群な上に柔軟な発想も出来、体を使う遊びなら智代にも負けない。 -古河 早苗 --渚の母で秋生と一緒にパン屋を営んでいる。また、副業で自宅で塾を開いている。 --かなりの天然で秋生と違う方向性で子供っぽいが、人並み外れて寛大で周囲の人から慕われている。 ---ちなみに容姿が若すぎるため、よく渚の姉と間違われる。 --料理は上手だが彼女の作るパンは基本的におかしく((よく分からない謎なパンから具体的に嫌なパンまで幅広い。))、いつも売れ残っている。 ---秋生がそのパンをけなしたり遊んだりし、早苗がそれに傷つき泣きながらどこかへ行き、秋生が早苗のパンをくわえて追いかけるというのが日課みたいになっている。 -藤林 椋 --杏の双子の妹で朋也や春原とはクラスメート。 --杏とは反対の性格で気が弱く真面目。料理なども姉とは違い苦手だが、学習能力はある。 --趣味は占いだが、トランプで何故か具体性に溢れた結果を出したりする。~ 基本的に必ず外れるが、逆に言えば裏を返すと必ず当たるので周囲からかなり信頼されている。 -伊吹 公子 --伊吹 風子の姉で芳野 祐介とは婚約者の間柄。 --3年前まで美術教師をやっていたので、在校生の中では渚だけが教師と生徒としての繋がりが有り、渚にとっては恩もある。 --穏やかで優しい性格で、渚にとっても姉のような存在。 -芳野 祐介 --伊吹 公子の婚約者。 --過去に人気を博したロックミュージシャンだったが、色々あって引退しており、今は電気工をしている。 --学園OBでもあり、在校中は問題児だったが、そこで伊吹 公子と知り合い婚約の約束を交わした。 ---相楽 美佐枝とも学生時代の知り合いだが、お互いに触れられたくないことが有る為、偶然出会っても不穏なやり取りが繰り広げられる。 --唐突に詩的な表現をすることが多く、良いことを言っている場合も多いのだが、場の空気を読まないので基本的にはギャグとして扱われている。 --朋也とは縁遠い立場だが、個別ルート以外では何かと登場することが多い。 -相楽 美佐枝 --春原の居る男子寮の寮母。よく訪れている朋也とも顔なじみ。 --姉御肌の人物で面倒見も良い為、男女問わず慕われている。 --運動神経が良い上に要領も良く、冗談でプロレス技を教えると一発でものにする。 ---学生の頃は生徒会長をしていて、全生徒一週間無遅刻無欠席を達成した。そのことを智代は尊敬しているが、現在寮母をしていることまでは知らない。 -志麻 賀津紀 --美佐枝が生徒会長をしていた頃に知り合った少年。 --美佐枝に入院していた時に優しくしてもらったお礼として、願いを何でも1つ叶えられると美佐枝に話しかけ続ける。 -春原 芽衣 --春原 陽平の妹の中学二年生。地元の学校に通っているので普段は会っていない。 --兄と違って真面目なしっかり者だがお茶目でもあり、いやみにならない程度に朋也をからかったりもする。 --兄のことは呆れながらも慕っており、よく心配している。 --芳野の熱烈なファンであり、彼のことが絡むと我を忘れるほど熱中する。 -幸村 俊夫 --古典の教師かつ生活指導担当でで演劇部の顧問もしていた。 --老齢からか受け答えが遅い上に、たまにもうろくしてる様な場面もあるものの、良い意味で食えないところがある好々爺。 --朋也と春原とも生活指導として関係が有り、公子の恩師でも有る。 --若い頃の熱血指導による武勇伝が色々あるらしく、有る場面でその名残りが見れる。 -柊 勝平 --旅をしている女っぽい青年。 --本人は男らしくありたいと思って努力している様だが、成果は上がっていない。 --世間知らずな上に自己中心的でもあり、バイトが長続きしない。 --基本的に自身以外のルートでは登場しない、影の薄いキャラでもある。ある意味では救いだが(理由は後述) -岡崎 直幸 --朋也の父。 --男手一つで朋也を育てているが、生活苦等から酒に溺れている。 --現在は朋也の肩を壊したことがきっかけで疎遠みたいな状態になり、「朋也くん」と他人行儀で呼ぶようになっている。 ---そんな状態でも生活費は工面しているらしい。~ 朋也は基本貧乏ではあるが、バイトをしなくとも飲食や小物((趣味ではなくて贈り物や何かに必要な道具など))を買うのには不自由していない。 #endregion ***AFTER STORYのみに登場するキャラクター(ネタバレがあります) #region(close,クリックで開閉) -岡崎 汐 --朋也と渚の子供。 --母に似て子供ながらに非常に芯が強い。しかしまだ幼く、打たれ強さは年齢相応なのでよく泣きそうになる。 --かなり好奇心旺盛で社交的でもある。 --幻想世界の少女の正体でもある。 -岡崎 史乃 --岡崎 直幸の母親。 --朋也自身は覚えていないが、朋也が小さい頃に会っている。 ---朋也の両親についても知っており、彼女と会うことで直幸の心境を推測出来る。 #endregion ---- **評価点 -実に密度の濃いシナリオ。 --共通ルートは多くの選択肢によって事細かに変化し、打てば響く春原の存在も相まって比類無い程充実している。その変化の多さは、熱烈なファンでも基本的に全部は見れない程。 --個別ルートも賛否両論のものや批判の多いものもあるが、概ね好評。特にキャラ数が多いにも関わらず、ほぼ全てのキャラにルートがある((一部は他キャラと共用))のは特筆物。 --AFTER STORYは質と量両方共、評価が非常に高い。それまであまり取り上げられることのなかった、後日談に当たる部分を1作のゲームにしても遜色ないほどに作りこんでいる。 ---AFTER STORYは渚エンディング時のフラグが保有されており、共通等と同様、それまでに選んだ選択肢によって一部変化がある。 --作中の合間に幻想世界と銘打たれてるシーンが度々挿入される。これは作中の謎に大きく関わっており、抽象的なものになっている。 --それまでの選択肢で内容や結果が変わる草野球ルートや、ネタ扱いだが朋也が豹変するルートも有り、遊び心に溢れた作りになっている。 -シチュエーションごとにバランス良く用意された音楽。 --BGMは、前作の『[[AIR]]』や次回作の『智代アフター』程の突き抜けたインパクトは無い((スタッフもBGMとしては良かったが、単体では少し物足りなかったという評価を後日している。))が、その分全体的なクオリティが総じて高く、粒揃いで高い評価を得ている。 --使い所と曲のイメージがよく練られており、特に「渚」(曲名)の使い方はよく反則的と評されている。 ---ギャグの為に深刻なイメージのBGMを使うこともよくあり、楽曲の多さ(サントラのCD三枚分)も相まって、『AIR』より全体的に音楽の面でも演出に拘っている。 -これまで以上によく凝られた演出。 --立ち絵が豊富な訳では無いが、印象的なところでは専用のエフェクトや効果音をよく使っており凝っている。 --『[[Kanon]]』『AIR』ではあまり立ち絵を動かしたりといったことはしなかったが、本作ではそういった面でもアクションを取り入れられている。 -時代を考えれば、システム面で特に落ち度の見られる部分はない。 --強いて言うなら、発売時の時点でADVは声付き作品の方が多かったが、本作はコンシューマ版発売までボイス無しだったことがやや残念なところだろうか。 ---- **賛否両論点 -テキスト量が多いのでクリアまでに平均60~80時間はかかると言われている。要するに一般的なフルプライス作品の2~3倍程度かかる。 --ただ、無駄に長いというわけではない((日常シーンをとても嫌ってる人や、逆にシリアスを全く望んでいない人は別として。))ので、長すぎと批判されることは少ない。 --濃厚なテキスト量の多さから、ボイス付きバージョンで全てじっくり聞こうとするとプレイ時間がさらに伸びることになる。 ---基本的に好意的に受け止められている点ではあるし、嫌なら声をOFFにしたり、さくさく読み進めれば良いだけだが、勿体無さを感じるのは当然のことだろう。 -杏ルートはラブコメじみてどろどろしていてKeyらしくなく、賛否両論。 --これは杏シナリオを担当した魁氏が、アンチKey((正しくはKeyの作風に拘らずにシナリオを書いた))を標榜していたのもあって意図的ではあるが、感動や爽快感等とは程遠く、高評価とは言い難い。 -幻想世界が日が変わる時に唐突に何度も挿入されるので、混乱したという声も聞かれる。 --世界観的に狙った演出ではあるが、いささかわかりづらく、重要なのにも関わらず読み飛ばし気味に読破してしまうプレイヤーもいた。 --登場人物である「僕」と「少女」の正体や存在している理由や幻想世界の実際のシナリオ上の時間軸がわかるのは相当な終盤にあたるため存在意義が意味不明と感じてしまうことも。 -好みの分かれるグラフィック。 --この頃になると大分上手くなっているが、原画は樋上いたる氏なのでやはり賛否両論。 --都会から外れた町なので風光明媚な背景は少ないが、塗りは『AIR』同様に良い。 -Key作品はさまざまな意味で個性的なキャラが多いが、一部キャラは個性が強すぎるのが悪い方向に働いていることも。 --がんばろうとするときに好きなパンの名前を挙げる渚((両親の仕事を考えるなら納得はいくが))、見ず知らずの人にいきなり木製のヒトデを渡す風子、旧知の仲であり、冗談とはいえ速度を落としたバイクで朋也を轢こうとする杏((いくら速度を落としているとはいえバイクで人を轢く行為が危険なことにはかわりはない))など、よくいえば個性的、悪く言えば理解しがたい行動をするキャラ設定は賛否両論である。 #region(close,ネタバレ要素。クリックで開閉) -ことみルートはライター間の相違があるとは言え、主人公の性格などが矛盾はしていないものの他ルートと違いすぎていて、もはや別人という批判もある。 --また彼女のルートでは不自然なほど春原をハブにしており、批判されることがある。 --その一方で伏線が丁寧で話を上手くまとめており、評価の高い個別ルートでもある。 -杏ルートは椋ルートも兼ねているのだが、椋エンドは杏ルートのバッドエンドである((ライターの魁氏本人もそう答えている。))。 --杏ルートの性質を考えると自然な流れではあるが、まともに椋を攻略出来るルートはないので、当然この発言はファンからの批判が多い。 --更に彼女は朋也を熱烈に振り向かせようとしていた杏エンドで、勝平らしき人物とすぐに惹かれあっているので、そこでも評判が落ちて((尻軽みたいな扱い))しまっている。 --椋が朋也と付き合うENDもあるにはあるが、上記のとおり杏ルートのバッドエンド扱いであり、実質、椋ルートはないに等しい。 --後述のように、椋が勝平というキャラと惹かれ合う展開にもなるのだが、「椋は朋也の事が好きなはずなのに、勝平と椋が付き合うことが正史エンドになるなんて納得いかない」という声もある((勝平ルートはハッピーエンドのためのフラグの1つでもあるのだが、椋エンドはフラグにカウントされない))。 -勝平ルートは基本的に評価が悪い。これは彼自身の自己中かつ我侭で横暴な発言・行動ばかりが目立っているという異色なシナリオで、多くのユーザーに受け入れられていない為。 --また、このルートでは彼と椋が付き合うことになるので、彼女のまともなシナリオが欲しかった人達からは特に評価が悪い。 ---しかも彼はある程度の事情があるとは言え、かなり無責任なことをしており様々な観点から受けが非常に悪く、&bold(){本作で最も不要なキャラ}という意見も多数あるほど((公式掲示板でも『勝平ルートいらない』等の意見がそこかしこに見られた))。 ---ちなみにTVアニメ版では4クール分の話数があったにも関わらず存在すら出ていない、少しあんまりな扱いである。 -直幸の行動や心情はかなり分かり辛く、理解出来ないと言う人も多い。 --要するに後にAFTER STORYで朋也が味わう心情そのものを、そのまま直幸も味わっているのだが、それを理解出来るのは終盤中の終盤。 --主人公が父を拒絶しているためそれまでは考察の余地もゼロではないが薄く、本当にクライマックス近いところで主人公の祖母である史乃に出会い、ようやく彼の気持ちを察することが出来る(ユーザーからしても、基本的にはここまできてようやく彼の気持ちを察することが出来る)。 ---ちなみに後述のようにこの点は劇場版でよりダイレクトに描かれており、こちらのほうが展開上わかりやすく、人間味があるという評価もある。 #endregion ---- **問題点 //「ネタバレ」と隠しコマンドに書いてあるんだから()付けする必要なし。今後ネタバレにかかわらない問題点が追記されることを考えてもネタバレにこだわる必要はない。 //あと問題点の書き出しなのに擁護に終始しようとするのはどうなのか。ファン心はわかるが考えてもらいたい。 //ASについては概要でも触れられているのでよほど核心に振れないものはここに記した。 -渚ルートは拍子抜けな終わり方をしている上に、AFTER STORYは多くのルートを終えないと出現しないこともあって、バッドエンドかと疑ってしまう人が多い。 --AFTER STORYに繋がるストーリーを辿ると特別な演出が入るのだが、それが何なのか初見ではわからないことが多い。 --逆に「これはAFTER STORYの開放のために必要なものです」と解説してしまったらせっかくの興が冷めてしまうのもまた事実。とはいえ、説明が薄いのもまた考えものである。 -大半のシナリオを攻略することでAFTER STORYが開放されるのだが、渚エンド後の話なのでそれらに繋がるシナリオ展開になっているのは少数。当然AFTER STORYに登場する学園編のキャラクターも少ない。 --本作の大テーマと登場キャラクター達の濃さを考えると、後日談にあまり登場しないのは「寂しい」「勿体無い」という声もある。 --逆に言えば、他ルートをないがしろにするようなものはないのだが。 -個別シナリオが多い弊害か、特定のシナリオになると関わりの薄いキャラが全くと言っていいほど登場しなくなるのは不自然という意見がある。これだけのキャラクターがいるのなら、キャラクターを密接に関わらせるほうが自然なのではないのか、という指摘も。 --その分、上記の勝平による被害が、勝平ルートのみになるのは救いでもあるが。 --一応補足すると基本的にはヒロインの関係者や春原は登場するので、他作品と比べても特別に違和感を覚えるものではない。本作は俗に言う主人公補正は少なめでクラスには気弱な椋以外のヒロインは居ないし自宅や近所にヒロインが住んでいる訳ではない。ヒロインとの遭遇は偶発的なものか主人公の選択によるものが基本でどこかの部に集まるわけでもなければ親しくも無いヒロインが理由もなく会いにくるような展開も無く、更に描写的に学校のシーンが不要な場合はカットされているだけの話である。 //実際、特定シナリオに入ると、主人公と特定シナリオのキャラクターだけの展開になりがちです。家族というならもう少しキャラ同士の絡みがあってもいいのでは? 消すならcoでいいので意見を述べた上でお願いします。 //第一に風子ルートは家族と密接に関わりがあること。また、最後までプレイすると分かるように本作のテーマにおける「家族」とは一般的な家族関係に限ったものではなく、恩師や友人など幅広い人間との関係を指しているもので勝平も含む他キャラもテーマからは逸れてはおらず的外れな問題点なので削除しました。 -AFTER STORYが物足りないという人は、「春原がもっと出てきてくれたら…」という声を残すこともしばしば。 --代わりに朋也・渚・秋生・芳野がコメディ部分を主に担っているが、春原ほどのテンポの良さやキレは流石にない。 --渚の死後、堕落した朋也と連絡をとった様子もほぼなく((アニメ化作品の一つである劇場版CLANNADはこの点が見直されたのか、わざわざ仕事の合間を縫って顔を見せ、さらに自分と一言も口も利いてくれなかった朋也の変貌っぷりに涙するなど、重要性が増している。))、その点は勿体無いといえる。 ---もっとも、卒業後かつての学友と疎遠になるという展開は妙にリアリティがあるのだが。 #region(close,重度のネタバレなので未プレイの方は見ないことを推奨します。) -アフターストーリーのトゥルーエンドは『ご都合主義』『難解』といわれる批判も見られる。 --渚が幼い頃に助かった要因・各エンディング時の光の玉・汐や幻想世界などと繋がっており、過去作ほど唐突な感じはないが、「奇跡」に頼った展開と言うのは否めない。 --エピローグ後のタイトル画面に出現する幻想世界の少女の意味が難解という意見も多い。 ---麻枝氏も「汐に同化して現実世界でひとりぼっちでなくなった幻想世界の少女((汐シナリオの汐))のつもりだったけどあんまり理解してもらえなかった」と発言された。 ---ここの難解さが原因で汐との和解等がなかった事にされた等の勘違い発言が比較的多くなってしまった。 --ただし、トゥルーはAIRの結末がビターエンドだった為に批判が当時は多く、そう言ったファン層の為にも最後にわかりやすいハッピーエンドに帰結したものである。 ---「Keyはキャラを死なせて奇跡で生き返らせる」という印象をプレイヤーに植え付けたのはKanonよりCLANNADによるところが大きい。 -朋也の行動に対しての批判。 --上記のキャラクター説明にもあるが、遅刻したりする理由などから自堕落な人間として批判を浴びる事もある。 --不幸な境遇であるのはわかるが、それをダシにして自己の正当化をする部分や、人に対する態度から、他人を利用するだけ利用する自己中心的な部分が多く見られる。 --渚は朋也と結婚した後、汐を出産するのだがその際に命を落とす。 //しかし渚は幼い頃に光に包まれて息を吹きかえして町と繋がっていたため町の変化((主に病院の建設))による体調不良での出産が危険であるということは前々から分かっていた。 //???↑幻想世界とか光とかそういった非科学的なものを作中のキャラが認識してましたか? ---しかも渚が人並み外れて頑固とは言え、ただでさえ危険なのにも関わらず自宅出産というかなり無理な形の出産となってしまっている((劇場版CLANNADではこの点は改変されて病院での出産、アニメCLANNADでは大雪によるやむをえずの自宅出産となっていて、まだマシになってはいる。))。 ---これに関しては結果論に過ぎないが、朋也は無理にでも渚を止めるべきだったのではないかと言われる場合がある((補足すると止めてはいるし悩んでも居るが、渚の意固地さに押されてしまっている。))。 --朋也と渚の娘・汐は渚と同様町と繋がっており、とうとう命に関わるほど衰弱する展開になるのだが、ここでも娘の意思に押されて無理な行動に出てしまっている。 ---朋也は汐を雪の中に連れ出し、既に目も見えなくなっているほどに弱っていた汐は遂に命を落とす。 ---ただし、この行動は朋也自身が参っていたのと、汐にこれまで楽しいことをしてやれなかったことが動機である。また、外に連れ出さなくとも同じ結果になっていた可能性は高い。((後に「Angel Beats」の7話でオマージュされた)) ---この時に明確に幻想世界と繋がり((VFBでもこの結末があってこその幻想世界と発言されている。))、本作の始まりの日へと繋がるので、いたずらに唐突な展開と言う訳では無い。 --このルートとは別に、上記の父親である直幸への態度の悪さも批判されることが多い。 ---劇中で父親のことを度々「アンタは最低だ」と批判しているが、''その最低呼ばわりしている父親の金で学校に行ったり((特待生なのでこの面でのお金の負担は少ないが。))、飲食や遊行費に使っているのは他ならない朋也である。'' ---父親にも息子からそういう態度をとられる原因は十分にあり、後の主人公の就職後も彼の人生を狂わせるなど、言われても仕方ない部分はある。また、朋也自身も独立を望んでいる節はいくらか見られるが、定期的なアルバイトは一切せず、就職も大雑把に言えば渚と同棲を始めることになってからである。 ---フォローしておくと、時折呼び方を「親父」から「父さん」に変えたり、「風邪を引かないように」と声を掛ける描写もあり、過去&現在の確執と捨てられない情を見せるなど人間臭さも描かれている。 //全般的にそうだけど消すのではなくて補足して書けば良いだけでは? #endregion ---- **総評 -『[[ONE>ONE ~輝く季節へ~]]』、『Kanon』、『AIR』から続く、期待の高さを裏切らなかった名作((『MOON.』はそれらの原点ともいえるが、作風や評価の違いなどからこの中に挙げられない事もある))。~ 「親子」については既に『[[MOON.]]』や『AIR』で描いていたが、本作では「家族」を大きなスケールで描いている。 -AFTER STORYは数年間分の「後日談」を描いている。1つの作品でここまで描写しているのは恐らく例が無かった。 -春原の存在感は大きく、ここまで突出した個性と出番を持つ男性の悪友キャラというのは稀有。 --必ずしも本作に影響されてとは限らないだろうが、本作発売後は他社ADVでも癖が強いだけでなく、出番も多い悪友キャラという立ち位置のキャラが増えた。 -内容の多さから気軽に始めてさくっとクリアとはいかないが、お勧めできる作品である。 --ただし上記のとおり無視しがたい問題点((選択肢が多くややこしい、一部キャラが不愉快など。))もある為、人によって合う合わないは『Kanon』より分かれるだろう((『AIR』は高評価だが賛否両論な作品でもあり、この点では比較しづらい))。 ---- **その後の展開 -記事冒頭の情報表にあるとおり、PC版発売以降、数多くのハードへ移植されることになった。 //智アフの記述がCLANNADの記事としては多い様に思うので少しカット -後に智代エンド後の後日談として人生((泣けるストーリーよりもファンタジー要素を排除して莫大な人生を描きたかったと麻枝氏は語っている))を描いた「[[智代アフター ~It's a Wonderful Life~]]」が発売された。 -劇場アニメ化とTVアニメ(2期の2クールずつ)化がされている。 --劇場版はかなり改変されており、「親子」の関係が特に強調されている。90分の尺を考えるとテーマに沿ってよく詰め込んである。劇場版AIR同様原作ファンが首を傾げるおかしな改変が一部あるものの、概ね好評。 ---また、直幸の事情や心情についてはかなり分かりやすくなっていて、こちらの方が良いという声も多い。 ---朋也と渚の同棲生活編においても、しばしば学園編の仲間が顔を出す((尺の都合上キャラは改変されているが、杏、智代、そして春原など。))様子が描かれるなど、より親密な友情も描かれている。 ---ちなみに出崎監督の劇場用アニメの遺作なのでそちらの方面でも有名。 --TVアニメ第一期は京アニ版の『Kanon』や『AIR』と同様に終始作画や原作再現ネタの評価は高く、途中までは脚本も好評だったが最終的には原作ファンを中心に不評となってしまった。 ---不評の原因は途中から春原のボケが智代や杏にやられるだけ&台詞が激減((台詞数が少なくなるのは仕方ないが、ボケのパターンがかなり狭まり、彼の良さが殺されている。台詞量も何故かウリボウのボタンと同等(ボタンは原作より増加)。ちなみにボタンは鳴き声が無くても問題無い上、増えた出番も無意味なものが多い。また、(主に)杏が彼や他のサブキャラの出番を奪う形になっており、キャラが薄くなっている。))、KYな改変((ある事情で目的を達成して消えたキャラをすぐに、それも執拗に再登場させる。その為、「何故消えたのか?」と疑問を抱かざるを得ない。原作でも似たような登場シーンはあるがそちらはまだ目的を達成していないし消えてもいない。))、テンプレ的なハーレムアニメ展開が続く((恐らくメインヒロイン達の出番を増やしたかったのだと思われるが、それ以上のものではない。誰得か分からない展開が長引いた上に必要性も感じられない。更に、この展開のキャラ達は原作とは似ていない(原作でも嫉妬や多少の張り合いをしてる場面はいくつかあるが、あからさまな駆引きは一度もしていないし朋也もありふれたテンプレ的なキャラになっている)。))、フラグクラッシャー岡崎((京アニ版Kanonで主人公の祐一が忙しすぎるという批判を受けてか、前述の安っぽいハーレムアニメ風のアニメオリジナル構成に変更しておきながら、話数が少なくなってきたらいきなり流れを断ち切って渚ルート原作再現に一直線。他ヒロインの熱烈なファンからの不満もだが、脚本に関しても手抜きと言われても仕方ない。))、中途半端過ぎる智代・杏・椋((特に杏と椋のアニメオリジナルの顛末については、大衆の前で二人で泣き始めるなどキャラの行動や演出がおかしい。))の話、朋也の性格が途中から最後までことみルートのそれになりボケなくなった上に後の描写との違和感も強いなど、問題多数な為。 ---放送終了時に第二期の制作が発表されたのだが、無駄を省けば共通~AFTER STORYまで詰めこむことが出来そうな内容だった為、放送当時はそこもよく批判されていた。サブキャラも登場しているが個別ルート相応の話はほぼ無い。 --TVアニメ第二期は第一期でスルーしたサブキャラの話や渚エンド~AFTER STORYまでを描いており、原作再現重視の作品として全般的に高評価。 ---批判が多かったアニメオリジナルのおちゃらけは封印し、2クール丸々使って原作再現を忠実にしている((有紀寧の話は『光見守る坂道』等の設定も反映してのオリジナル展開。))。 ---第一期で非常に前向きだった朋也の性格が、途中で急激にトーンダウンするのが違和感が強いという批判点もある。 --後に発表されたオフィシャルコミックにおいては、汐の死の次のシーンで、「光の玉」についての奇跡がわかりやすく説明されており、アニメの汐の死→トゥルーの唐突感は比較的薄くなっており麻枝氏もファンも納得いく終わり方と評価されている。 ---またアニメにおいては原作エピローグの展開を少ない時間に収まるように改変((ただし、今までの展開や原作設定との矛盾が生じないように気を使って変更されている。))したのに対してオフィシャルコミックは渚エピローグ((エピローグ前のEND。))の件がアニメ版より忠実に再現されている。 ---- **余談 -通常版は音声無し解像度640x480にも関わらず、内容の多さからインストールに約2GBもの容量が必要。 --バージョンによっていくつか違いがあるが、初回版や通常版は音声が無いので注意。 -公式SS集の『CLANNAD 光見守る坂道で』も好評で、書籍だけでなくドラマCD化やゲーム化されている。 -発売延期を繰り返した事もあって、当時は「いつまで経っても発売されないゲーム」の代名詞的存在だった。 --『マブラヴ』や『SNOW』、『LOVERS』と一緒に「延期四天王」と称されたほど。 -Sekai Projectによる英語化プロジェクトのクラウドファンディングの支援が盛況で、あっという間に目標額に到達。 --余りに好評なので三つチャレンジ目標が追加されたが、これらも余裕をもって達成。外国でも注目度の高い作品と言える。 ----

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