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*YAIBA NINJA GAIDEN Z 【やいばにんじゃがいでんぜっと】 |ジャンル|スラッシュアクション|CENTER:&amazon(B00DBRW3S6)&br()&amazon(B00DBRWFES)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360&br;Windows|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|comcept&br;Spark Unlimited|~| |発売日|2014年3月27日|~| |定価|【PS3/360】各7,800円&br;【PS3・DL/Win】6,762円&br()【360・DL】6,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |備考|限定グッズ同梱の限定版<スペシャルゾンビパック>が存在|~| |ポイント|とにかく下品でおバカな世界観&br;高難度と問題点は本家譲り&br;本家ニンジャガイデンシリーズとの繋がりは薄め|~| |>|>|CENTER:''[[忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズリンク>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]''| ---- **概要 忍者×ゾンビというコンセプトの元、主人公カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビアウトブレイクの真っ只中を暴れ回るスラッシュアクション。~ ニンジャガイデンシリーズと共通する世界観を、徹底して外道なアンチヒーローからの視点で追った“NINJA GAIDEN 外伝”とでも言った位置付けだろうか。~ 昨今の『ニンジャスレイヤー』等のブームにも伴い、単体のゲームとしての素材、世界観、キャラクター像などのコンセプトは決して悪くは無かったのだが・・・ ---- **ストーリー >忍者一門、神風一族に生まれたカミカゼ・ヤイバ。 彼は非常に短気な性格で、ある日の修行中に同門の修行仲間のユキにからかわれただけで逆上し、~ あろう事か彼女を斬り伏せて致命傷を負わせてしまう。~ 我に返ったヤイバは一族に伝わる秘伝の巻物を用いてユキを死の淵から蘇らせようとするが、~ 二人の父親達は「死は定めだ、名誉を汚してはならない」と言い、~ ヤイバが巻物を取りに行っている間にユキの首を切断して完全に亡き者としてしまった。~ またもや逆上したヤイバはその場に居合わせた父親達全員をユキを切り伏せたのと同じく殺害し、~ 巻物を用いて蘇らせた後「自決してもらおうか、名誉を汚されたんだからな」と言い放つ。~ 外道と罵られつつも「とっくに踏み外している」と切り捨て里を後にしたヤイバは、それ以来多くの組織を始末屋として渡り歩いていく。 > >ヘマをした同業の忍者を白昼堂々と公の場で無残に殺す彼の業の深さに、彼は何時しか『ニンジャキラー』の異名を持つに至っていた。~ ヤイバが愛用する刀『虚心』は古きに渡る時代からの名刀であり、ハヤブサ一族はそんな業物が『悪用』されている事を知り、~ リュウ・ハヤブサはヤイバの行方を追っていた。~ > >時が経ち、同業者のリークにてハヤブサに居場所を突き止められたヤイバ。~ 相見える凄腕忍者二人。暫しの激しい斬り合いの後、勝敗はハヤブサに軍配が上がる。~ ヤイバは右肩から袈裟斬りに真っ二つにされ、高笑いの中で絶命する__ > >しかし、とある目的のためにハヤブサを始末しようとする者が、『利害関係の一致』という名目でサイボーグ技術を施し、彼を蘇らせたのだった。 >目覚めた場所はゾンビアウトブレイク真っ只中の東欧の地、ウクライナ。だが、そんな事は彼にとって些細な事ですらなかった。~ 最早ヤイバの生き甲斐はただひとつ、ハヤブサと再び対峙し、彼を殺す__~ それだけであり、手駒として使われる事を余儀なくされた自らの置かれた境遇にもまるで興味はなかった。~ 虚心__改め、刀身の折れた刀“ハートレスブレード”と並外れた体術、サイボーグ技術、そして不屈の精神力を武器に、~ ヤイバはゾンビの群れを『斬り』開いていく。 ---- **ゲームシステム ***基本システム -主人公となるサイボーグ忍者、カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビがひしめく街を様々な技で攻略していく、戦闘メインのアクションが主体。 --全7ステージ。1ステージにつき数チャプター~10数チャプターの戦闘シーン及び仕掛け解除シーンが存在。敵を殲滅するか、全ての仕掛けを解除する事で次チャプターへのフラグが立つ。ステージ毎の最終チャプターにはボスとの戦闘が待ち受ける。 ---チャプター間の移動シーンの中には、足場から飛び移る際に攻撃ボタンを押す事を繰り返す、連続QTE(ゲーム内用語で「トラバース」)も多少含まれる。 ---一度クリアしたステージはタイトル画面のメニュー内の項目から何度でも挑戦可能。クリアが難しいステージに挑む前に、慣れたステージでレベルアップして強化を施してから挑むという事も出来る。 -難易度は初期状態ではイージー、ノーマル、ハードの3種類。ハードクリアで更に上の難度「ナイトメア」、ナイトメアクリアで鬼畜仕様の「ヘル」も解禁される。 --難易度自体はそこそこ数があるものの、実際の所、変更箇所は敵の攻撃力の増加(或いは操作キャラの体力の減少)が大多数を占める。ヘルの場合、体力を最大限強化しても大半の攻撃が即死となるため、回復が全くと言っていい程意味を成さない凶悪仕様。 ***その他 -ヤイバは一定数の敵を倒す事でレベルアップする。 --最大レベルは25だが、スムーズに進めていっても最大レベルに達するのは最終戦手前となるのでレベルカンスト後のプレイは周回前提、或いは同ステージを繰り返す作業プレイが必要。 --レベルアップと言っても体力の最大値や攻撃力・防御力・移動速度といったパラメータには何ら影響を及ぼさず、「アップグレードツリー」の項目をアンロックするポイントが1つ貰えるのみとなる。 -「アップグレードツリー」は、レベルアップで入手したポイントを消費して様々なシステム強化を施す事が出来る。ゲーム中のポーズメニュー及びステージクリア時のリザルト画面からいつでも強化可能。 --基本コンボの増強、中ボス系ゾンビから入手したゾンビ武器の攻撃方法&耐久力の増加、カウンターの追加効果の時間の延長、無敵モードの発動時間延長など長所を上乗せするものが多く、培った戦術から大きく逸脱しない範囲で増強出来るので、ゲーム的にはさして影響しないもののあれば便利といった形となっている。 -ステージ道中にはピースアイテム&ストーリーファイルが随所に設置されている。 --ピースアイテムはライフピース(体力)、各エレメントへの耐性ピース3種類(炎、電気、毒液)が存在。体力ピースは4つ集めてはじめて体力の最大値が増える形となり、最大3段階の補強が出来る。耐性ピースは1つで10%、最大で40%の耐性効果を齎す。 --ストーリーファイルは第三者視点での読み物。傍聴チームのメモ、ゾンビアウトブレイクの原因となる薬を作った科学者の書き置きなど、より深い視点でストーリーラインを追うのに一役買っている。口の悪い砕けた文章で語られる別視点での出来事は、大半が悲惨な結末ながらもある意味で緊張感をほぐすスパイスにもなる。 -ステージの全チャプター終了後、デモを挟んでリザルト画面となり、ステージ評価が表示される。 --ステージ内のピースアイテム&ストーリーファイルの収集率に加え、全チャプターのランク、クリアまでの所要時間&コンティニュー回数のランク、それらを統合した総合ランクが存在。 ---クリアランクはそれぞれ、銅<銀<金<プラチナの4種類。 -各難易度のゲームクリア特典として、コスチュームが追加される。 --通常コスチュームの「ヤイバ」に、「歌舞伎」「JK(水色のぱっつんヘア&セーラー服&ミニスカ)」「レイジ(上半身裸。フードも無し)」から選択可能。静止画デモには反映されないのが残念な所。 -ちなみにヤイバは忍術の類は一切使えない。「俺ほどになると忍法なんて必要ない」とは彼の弁だが、果たして真相は・・・。 --ついでに本家シリーズにあるジャンプも戦闘中は使えず、トラバース中のみの演出に留まっている。 **アクション ()内表記は技のコマンド。PS3/Xbox360の順で表記。 ''攻撃(□,△,○/X,Y,B) '' -スラッシュ(□/X) --攻撃動作が俊敏で隙が少なく近接戦に強い。リーチの短さは他の技との組み合わせでカバーしたい。 -パンチ(△/Y) --動作が重く隙が大きい分一発のダメージが高い。移動を伴う派生コンボが多く、中距離から攻撃しつつ敵の懐に潜り込むのに向いている。集団を相手にした場合の近距離では使い難く、単体向けの攻撃。 --一部の派生コンボは敵のガードを崩す効果を持ち、強引にダメージを上乗せしていく事も可能。 -フレイル(○/B) --リーチの長い範囲攻撃。あらゆる局面で万能に使える分、単体威力は基本攻撃中最低となる。一部の敵はこの攻撃に対するアーマー効果を持つ。 --電気エレメントの敵が纏う電磁シールドを打ち消す効果を持つ唯一の基本攻撃。 ''ダッシュ(×/A) '' -正面に向かって一定距離を高速移動する。 --終わり際に割と大きな硬直時間があり、この時は完全に無防備となるために非常に危険。あえてガードに徹した方が結果的に被害が少なかったという事もままある。 ---移動距離や角度にも微調整が効かないため、実はかなりクセのある性能。 ---炎エレメントの攻撃を受けて炎上した際にダッシュを数回行う事で、火を消す事が出来る。 ''ブロック(R1/RB) '' -ハートレスブレードで敵の攻撃を防御し、ダメージを無効化出来るガード行動。 --ガード状態持続中はたとえ背後からの攻撃であろうと完全に無効化出来るので、乱戦でも落ち着いてガードすればそうそうダメージを喰らい続けるという事はない。 --安定はするが勿論万能ではなく、ガード不能の攻撃もいくつか存在する。 ''カウンター(特定の攻撃が当たる直前にR1/RB) '' -カウンターが発動すると、発動させた敵の攻撃によって幾つかの効果が現れる。 --打撃系の攻撃は、さばき返し攻撃でよろめかせたりダウンを奪う事が出来る。飛び道具系の攻撃は、キャッチした後にそのまま反動を付けて放った敵へ向けて投げ返す。 ---飛び道具へのカウンターに関しては、実際には当たる直前ではなく数刻前段階のタイミングとなるため、安定してカウンターを成立させるには若干慣れが必要。その分、安定すると画面の表示よりも敵が飛び道具を放つ際の『音』でタイミングが分かる様にもなる。 ---カウンター成立時は長い無敵時間が添付されるため、攻防一体の強力な攻略手段となりうる。RDUの6連同時ミサイルなど、場所によっては回避が不可能な攻撃に対しても唯一の反撃法となる。 --発動時に発揮される後述のオーバークロック効果が非常に有用となるため、カウンターを狙って発動出来る様になると攻略が格段に楽になる。飛び道具へのカウンターは是非ともモノにしたい。 ''デクノボウ(R2/RT) '' -雑魚タイプの属性を持たないゾンビ(スティッフ、グラント)に限り、直接掴んで引きずる事でフレイルの代わりの打撃武器として使う事が出来る。同ボタン入力でそのまま投げつけて飛び道具にする事も可能。 --フレイル同様に電磁シールドを打ち消すことが可能。ボタン連打で最大6連続で叩き付け攻撃を繰り出せる。フレイルより圧倒的に高い攻撃力で、エグゼキュート時のライフピースのドロップを気にしないのであればガンガン使っていける。 --グラントは初期状態では掴めず、アップグレードツリーから項目をアンロックする必要がある。それまでに最低でも4ポイントを消費して別の項目もアンロックしなければならないのがネック。 ''サイバービジョン(L1/LB) '' -サイボーグとして網膜に備え付けられた暗視機能を用いて、フィールド上に隠された何らかのフラグを識別するための視界を展開する。 --一部の敵から喰らった毒液で画面が染まった際に、視界を見分けやすくするための効果も兼用。どちらかというとほぼこのリカバリー効果のためのシステム。 ---あくまで見分けやすくする程度なので、瞬時に視界を回復するには至らない。無くてもそこまで差が出る機能ではないので、ほぼ空気化している。 ''エグゼキュート(L2/LT) '' -一連の『通常コンボ』で敵の体力を一定段階まで減らし、敵の頭上に「!」マークが出現した際に発動出来る処刑技。専用の演出で敵ゾンビを粉砕する。 --確実に敵を倒せる事に加え、エグゼキュートで倒した敵からは必ずライフピース(体力回復アイテム)が出現するので、積極的に狙う事で攻略の手助けにもなる。 ---エグゼキュート以外での体力回復方法は設けられていないので、このシステムで敵を倒さない限り体力の調整は出来ない。また、通常コンボ以外の武器ではそもそもエグゼキュート条件を満たせないので発動条件も絞られてしまうのが痛い所。 --中ボス系ゾンビはボタン連打イベントが導入される。雑魚系ゾンビと比べてテンポは遅くなるものの、ドロップするライフピースの量は多い。また、ゾンビ武器を入手するにはエグゼキュートが必須となる。 ''ブラッドラスト(L3+R3同時押し込み/LS+RS同時押し込み) '' -ステージ2の特定のチャプターにおいて解禁されるパワーアップモード。敵を倒す毎に画面左上に表示される『風』ゲージが一定量蓄積され、メーターが最大値まで溜まると発動可能になる。 --発動中はリアルタイムでゲージが消費され、全て尽きるまで攻撃力、攻撃速度、移動速度が過剰に増強される事に加えて敵の全ての攻撃に対して無敵状態となる。モード終了後はゲージは空となる。 --攻撃力の増強はゾンビ武器にも適応されるので、元々高い攻撃力を誇るヌンチャクルや弱点エレメントでの攻撃を当てると、耐久力の高い中ボスクラスの敵も2~3発程度で倒す事ができる。まさしく切り札と言えよう。 --アップグレードツリーで補強すると発動時間の延長が可能。最大で2倍まで補強出来るので、終盤の戦闘で使う際は大きく影響が出る事になる。 ***テクニック ''コンボ'' -スラッシュ、パンチ、フレイルの其々の通常攻撃は、特定のルートでの攻撃ボタンの追加入力で、様々な派生コンボを繰り出す事が出来る。 --画面右上の敵を倒した際に加算されるスコアの下に、派生ルートが入力と同期して表示されていく。フィニッシュまで入力し、敵にヒットしていた場合に限り、トータルダメージも表示される。 ---これらの情報を踏まえ、一連の動きの隙、フィニッシュ技の性能、トータルダメージなどを考慮して繰り出すコンボ技を選ぶのが攻略の鍵となる。フィニッシュ技を出さずに途中で止める事も大事。 --一連のコンボのフィニッシュ技がエグゼキュート発動条件(一部例外あり)。スティッフ系の雑魚ゾンビを出来る限りコンボで倒していく事で、体力回復手段がそれだけ増える事になる。 --スラッシュからの派生コンボは初期状態で使用出来るが、パンチとフレイルに関してはアップグレードツリーから其々の項目をアンロックする必要がある。 ''オーバークロック'' -カウンター成立時に自動発動する、時間の流れが一定時間遅くなるモード。 --発動中はヤイバ自身の動きも同様に低速化するが、周囲の動きに対する咄嗟の判断力、次の行動への猶予時間が伸びる点は非常に大きい。 --カウンター成立が発動条件なので、必然的にカウンターされた側の敵に対して接近しやすくなるという恩恵が得られる事も見逃せないメリット。 ''連続エグゼキュート'' -通常コンボで同時にエグゼキュート可能となった雑魚系ゾンビを、最大10体まで連続でエグゼキュート出来る。 --エグゼキュート時のスロー演出中に同ボタンの追加入力で、次のエグゼキュートが発動。タイミングを誤るとその時点で後続に続かなくなり、残りのエグゼキュート可能な敵はそのまま倒れる。 ---当然ながらライフピースはそれまでエグゼキュートした敵の分しか出現しないので、可能な限り連続で成立させる事が体力維持の常套手段となる。 --エグゼキュート演出は完全に無敵となるため、タイミングを合わせる事で敵の攻撃の回避にも役立つ。 --使用にはアップグレードツリーから該当する項目をアンロックする必要がある。 ''ゾンビ武器'' -中ボス系ゾンビをエグゼキュートする事で、身体の一部をもぎ取ってそのまま武器として扱う事が可能となる。 --デクノボウと同様、フレイルの代用という形で使用する事となる。各ゾンビ武器の性能差は大きいものの、どれも有用な性能を発揮する。 ---後述のエレメント効果を意図的に使うとなるとゾンビ武器が必要不可欠。『パンチドランク』から入手出来るナムチャク、『サイドスプリッター』から入手出来るヌンチャクルにはエレメント効果が無いが、双方に幅広い活用法がある。 --一定回数の使用でゾンビ武器は消滅する。残り使用回数は数値ではなく、画面右下に武器耐久値の減少という形で表示される。 ''エレメント効果'' -ピースアイテムの説明にある通り、敵ゾンビには炎、電気、毒の3種類から1つのエレメントを持ったものが半数を占める割合で存在する。 --中ボス系ゾンビの過半数からエレメント効果付属のゾンビ武器が入手出来るほか、敵からの飛び道具をカウンターする事でも結果的にエレメント攻撃を使う事が可能。 ---どのエレメント効果もスティッフ系の雑魚ゾンビにはほぼ一撃必殺の威力を誇るので、エグゼキュートを除外した戦略において存在価値は高い。 --この属性を用いて、エレメント持ちゾンビに対してゾンビ武器の別エレメント効果の2つを複合、或いは特定条件下でエレメント攻撃全てを組み合わせる事で其々異なる複合エレメント効果が発動する。 ---炎+電気は喰らった敵が火柱を登らせる程激しく燃え盛り、周囲に絶え間なく落雷を降らせる広範囲ランダム攻撃の『電磁ストーム』。 ---炎+毒は対象に高速で持続ダメージを与え続ける『持続燃焼』。対象がランダムで走り回る行動パターンに変化し、その際に触れた他の敵に対しても炎エレメント効果を感染させる効果がある。 ---電気+毒は化学反応で対象を全身クリスタル漬けにする『結晶化』。発動した敵は完全に行動不能状態で硬直しっぱなしになり、パンチを1~2回当てれば粉々に粉砕して瞬殺出来る。 ---全てのエレメントが複合発動すると『疫病の雲』が出現し、画面の大部分をスモークと落雷で埋め尽くして広範囲に一斉に飛び道具が見舞われる。狙って発動するのは難しいが、その光景はド派手で呆然とする事ウケ合い。 --つまる所、別のエレメントを複合すれば何かしら有用な効果が発動するという事である。後半ステージはほぼエレメント持ちゾンビのみとなるので、使える複合効果は積極的に使っていくのが望ましい。 ''リカバリー'' -エレメント効果は敵だけでなく、ヤイバ自身にもしっかりと発動する。 --炎エレメントを断続して喰らえば持続燃焼するし、毒液で視界が染まっている時に電気エレメント攻撃を喰らえばしっかりと結晶化する。さすがに結晶化中に敵の攻撃で無条件即死する事は無いが。 --リカバリーはこれらを解除する方法で、エレメントによって解除の仕方は異なる。持続燃焼はダッシュ数回、毒液はサイバービジョンで効果軽減、結晶化はボタン連打で復帰となる。 ---それ以外のエレメントの電界発生状態及び電磁ストームは解除方法が存在しないため、持続状態が終わるまで待つしかない。後者は理不尽に体力が減らされるために非常に厄介。自らに対する発動条件が殆ど成立しないのが救いか。 ---- **評価点 ''エロ・グロ・ナンセンスを地で行く世界観'' -CERO:Z故に自重の欠片も無く、そういった『コンセプト』という意味では王道と呼べる。 -吹き出物だらけの娼婦ゾンビ『ブリスターシスター』や双頭のジャイアントベイビーゾンビ『テリブルツー』など、生理的嫌悪感を齎す敵も目立つ。主人公ヤイバの外道な性格も合わせ、二重の意味で汚い。 --無論これらは狙ってそういう作風にしてあるわけで、プレイヤーにとって下劣で汚く頭の悪さを覚えさせる事こそが開発側にとっての正解なのである。 -敵がゾンビである事を考慮しても、ゴア表現満載でやりたい放題。首が飛んだり、上半身と下半身が別々に襲ってきたり、爆発四散するのが通常進行。その割に生々しさが感じられないので意外とすぐ慣れる。 --ゾンビ武器も、腕ヌンチャクだの電撃を発する背骨だの火の着いた頭蓋骨を放つ巨大頭だのゲロを噴射する内臓だの巨大な肩甲骨そのものだの、悪趣味なものが満載。まともな武器はロケットランチャーくらい。 -comceptのCEOである稲船敬二氏が関わっているためか、氏がカプコン在籍時代に手掛けた同じゾンビゲームとして有名な『デッドライジング』シリーズに通じる舞台設定も見受けられる。 --舞台設定とは裏腹に、本作のバカゲー的なノリが災い(?)し、こちらはゾンビゲーとしてのシリアスさには程遠い砕けたノリである。主人公サイドの登場人物全員が本家シリーズ(ハヤブサ視点)から見るとダークサイドのポジションであるため、会話のやりとりも正義感や事態の収束に向けての内容は皆無。ゾンビアウトブレイクとヤイバを利用する事を隠そうともしないラテン系の雇い主、デル・ゴンゾ&ビッチ系エンジニアの美女、ミス・マンデーとの会話における主人公サイドの外道ぶりは、最早清々しささえ感じる程。 ''操作キャラクターの視点'' -主人公ヤイバの行動原理は、ただ只管にリュウ・ハヤブサへのリベンジのみであり、自らの境遇や自分を利用しようとする同業者の思惑などは微塵も気にかけていない。 --清清しいまでのハヤブサに対する執着ぶりは、ある意味ヤンデレとも取れる程。実際、ハヤブサに殺された事自体は素直に認めているどころか、ゲーム中で何度死んでコンティニューしようが、その度に軽口(『死ぬのは慣れてる』など)を叩いて蘇ってくるしぶとさを持つ。そんな緩い死生観の持ち主なので、冒頭でのハヤブサとの1度目の決着では高笑いしながら逝ったり、ストーリーの最大の見所では自らの事を顧みずに同業者の策略を斥け、『これでようやく眠れる』と迷う事無く自ら死を選ぶ描写さえも。 ---「死ぬのは慣れてる」発言はシリーズの例に漏れず難易度の高いこのタイトル、ひいては高難易度の死にゲーアクションに対するある種のメタ発言とも言えるが、ハヤブサに対する愚直かつ直向きな執着心から来る諦めの悪さは、ダークサイドからの視点という意味でも王道とはまた違った魅力がある。とにかくヤイバというキャラは殺してもケロリと復活するしぶとさがウリなのだ。 ''敵を撃破する爽快感'' -操作キャラクターは忍ぶことはおろか忍術を一切使う事のないニンジャキラー、敵は好き勝手に暴れるゾンビという要素で只管に敵を倒す事が目的となるゲーム性は、単調な様でいて奥深い戦闘システムに基づいた中毒性の高いもの。 -通常コンボからのエグゼキュート、連続エグゼキュートで次々と雑魚ゾンビを派手に葬りさる流れは、否が応でも『殺しの高揚感』を味わわせてくれる危険なシロモノ。 -ゾンビ武器の多くはエレメント効果や高い攻撃力を備えており、何も考えずに連打するだけで大半の敵を倒せるため、スティッフ系の雑魚ゾンビとの乱戦はストレス解消にはもってこい。難が無いわけではないが。 -カウンターからオーバークロック効果で敵に接近し、高火力のコンボやゾンビ武器で畳み掛けるといった一連の流れがスムーズに出来る様になれ ば、サクサクとチャプターが進むのでテンポは格段に上がる。 ''エレメントを用いた戦略'' -各種エレメント効果を利用する事で、敵の同士打ちを狙ったり、次のチャプターにゾンビ武器を持っていく事で難易度を緩和した状態で戦闘に突入出来たりと、有利にも不利にも働く要素が戦闘の展開を左右するものとしていいスパイスになっている。 --ただ闇雲に使うだけでなく、必要に応じて適切に利用すれば相乗効果で有効活用出来るというもの。ブリスターシスターの吐瀉物レーザーなどは発射方向を誘導しやすく、敵同士の複合エレメント効果の誘発を狙える。 --『結晶化』は発動させた敵を長時間破壊可能な物言わぬオブジェにするため、丸腰では厄介な電気&毒系ゾンビを相手にする時はこれらのエレメント効果が非常に役立つ。 ---- **賛否両論点 ''グラフィック'' -アメコミ風の原色が濃く浮き出たタッチで、本家シリーズとは一線を画する。 --本家シリーズに拘らなければ、『外人が勘違いどころか開き直って自由にアレンジしたNINJAゲー』というゲームデザインとして上手く合致している。無論、そういった需要を良しととるかどうかで好みがはっきりと分かれる作風ではあるが。 --ゲームとしての空気も徹底的にアメコミを意識しており、ステージ間デモもアメコミ風の静止画(カメラを回して視点が変わる演出も一部にはある)のみで構成されている。 ''技名'' -主人公ヤイバが使う一連のコンボ技は、全てがスタイリッシュな横文字の技名となっている。曲がりなりにも忍者なのだが、漢字を使った技名は一切無い。作風には合っているのだが・・・ --例を挙げると、「デス・スパイラル」「ドウーメラン」「ライド・ザ・スネーク」「カミカゼ・ドロップ」等。これらはまだシンプルで動きと合致したもので分かりやすい方。 ---更に挙げると「ワーリングスカーミッシュ」「タリーワッカースマッカー」「エクセッシブ・ガッシュ・ペイン」「ディド・アイ・スタッター?」etc・・・ いよいよもって動きが想像出来ないものばかりである。 ''一部の敵の動き'' -ストーリーファイルの説明によると、このゲームのゾンビはゾンビ化する薬の本来の影響により筋力が異常発達しているとの事で、ゾンビもののイメージとしてテンプレである『愚鈍で反応の鈍い』敵は皆無。この辺りはゲームとしての仕様を抜きにして見た場合、ゾンビのセオリーとして好みが分かれるだろう。 -特徴のない通常のスティッフからしてかなり積極的に動いてこちらに攻撃を仕掛けてくる。グラントはジャンプしてハンマーパンチを出してくるし、フレイルに対するアーマー効果を持ち合わせる。ブリスターシスターや上半身のみのトルソーは、相当離れた位置からでも驚異のジャンプ力で間合いを詰めてくる。 -自爆ゾンビのグレネディアに関しては、なんとヤイバの移動速度を上回る速さで特攻を仕掛けてくる。ダッシュで振り切ることは可能だが、ダッシュの性能自体が万能ではないために壁際でグレネードのピンを抜かれた際は非常に手強い存在となる。 --稲舟氏は過去にデッドライジングシリーズのインタビューにおいて「ゾンビが走るのは絶対にダメ」と公言していたのだが・・・別会社のタイトル故に押し通せなかったのか、単に気が変わったのかは不明。 -無属性ゾンビの中には、唐突に「お尻ペンペン」で挑発してくるものもいる。このゲームは難しく考える事もないバカゲーだという暗喩だろうか。おかげでアウトブレイクに巻き込まれたという設定ながら倒す事に微塵も罪悪感を感じないが・・・ ''ゾンビ武器で敵を倒した際の仕様'' -エグゼキュートの項目で示した通り、ゾンビ武器で敵を倒した時はライフピースが出現しない。ライフピースは、あくまで『エグゼキュート時のボーナス』なのである。 --この仕様のおかげで、リカバリーを意識して戦闘を進めるとなると必然的にゾンビ武器を封印する必要が出てくるため、有用となる攻略要素が長い目で見るとかなり使いどころを選ぶものとなってしまう。 --ゾンビ武器である程度体力を削り、トドメに通常のコンボからエグゼキュートという戦い方も可能だが、ゾンビ武器自体がかなり高性能で高い火力を持つために微調整が難しく、結局割り切ってゾンビ武器で殲滅するという結果になりがち。 --体力の回復と状況打破を天秤にかけてどちらを取るかという戦略かと思われるが、このゲームのライフピースは自動取得なので・・・(後述の問題点に明記)。 ---- **問題点 ''ロードが長い'' -ステージデータを一括で読み込んでいるのか、ステージ開始やコンティニュー時に平均して20秒にのぼる長いロード時間を伴う。 --本家シリーズ同様にこのタイトルも元々難易度が高く、慣れない内は終盤のチャプターは何度もコンティニューする事になる。その度にこの長いロードを味わう事になるので、非常にテンポが悪い。 ''カメラワーク、カメラ設定諸々の悪さ'' -カメラ設定『ワイド』で顕著。フィールド広範囲を移すために引いた状態のカメラとなるのだが、大型の敵が密集していたり攻撃のエフェクトが過剰に表示されるおかげで操作キャラクターが完全に隠されて現在位置が把握不可能となる事もままある。 --毒液を喰らった時以外は飛び道具エフェクトに透過処理が施されていないため、狭いフィールドで電磁ストームの火柱やスモークで画面が覆い尽くされると、ほぼ確実に操作キャラクターを見失ってしまう。 --『クローズアップ』はかなりカメラがズームした状態となるので、敵の攻撃を更に把握しにくくなるという弊害もある。つまり、引き過ぎor寄り過ぎの二択。ワイドでもまだマシな方なのである。 ''敵の攻撃が理不尽'' -ワイド設定でも、画面外からの見えない速度の飛び道具、画面外からの高速突進、電磁シールド状態で真正面にワープして突撃は当たり前。 --ゾンビからの飛び道具は漏れなくエレメント効果が付いてくるため断続ダメージを喰らう事も多い。 --電磁シールド状態の敵はフレイル以外の通常攻撃を当てると弾かれて電界状態となり、一定時間パンチとフレイルが使用不能となるため非常に厄介。しかもこの手の電気属性に限って集団で出てくる始末。 ''コンボ攻撃の性能の偏り'' -派生~フィニッシュまでの隙やトータルダメージを考慮していくと、必然的に高性能なコンボへと使用頻度は傾いてしまう。 --特に「コフィンノッカー」の万能ぶりは特筆もの。3段でフィニッシュまで出せる速さ、リーチの長さ、ダメージの高さ、それに加えてフィニッシュの後半動作をエグゼキュートの『失敗モーション』でキャンセル可能という万能ぶり。 ---失敗モーションでなくともエグゼキュート出来る状態ならそちらに移行するので、キャンセルは常に入力しても全く問題が無い。ステージ2のボスであるRDUもこれだけでノーダメージ撃破可能。全ステージから見た観点でも、序盤から終盤に至るまで大体この攻撃で何とかなるレベル。 --敵の攻撃も激しいおかげで、使えないコンボはとことん無用の産物。多彩なコンボを使い分けるという狙いからは大分遠のいてしまっている。 --全体的にスラッシュ+フレイルの組み合わせの派生コンボがクセがなく使いやすい反面、パンチ主体の派生コンボは1発の隙が大きい割にフィニッシュまでのトータルダメージに難があるものが多い。 ''打撃攻撃に対するカウンターの仕様'' -打撃攻撃へのカウンターのタイミングがほんの一瞬しか設定されておらず、飛び道具へのカウンターと比べて異常な程に成立させ難い。 --打撃攻撃の場合、カウンターを取れたとしてもその後のメリットが薄いため、最初から距離を置いて近付かない様に立ち回れば全く問題とならないというのも拍車をかける。 ''武器を手放す際の仕様'' -武器を手放そうとしてボタンを入力した際、無属性のスティッフ系ゾンビがフィールド上の掴める範囲にいた場合はデクノボウが優先的に強制発動してしまう。 --フレイルを使いたいので素手の状態になろうとしても、勝手に発動してしまうので非常に不便。また、デクノボウ状態から直接武器を拾う事も出来ない(投げ捨てる動作を経由して一度素手になる必要があるため)。 -武器持ち状態から別の武器を拾う事は可能だが、その際手放した武器が異様に遠い位置に設置される事がある。ひどい時には6~7キャラ分規模の距離にもなる。 --さらに、手放した際にフィールドの壁に阻まれて''再度拾う事が不可能な位置に設置されてしまう事まである。'' ''ライフピースの保管が出来ない'' -エグゼキュートで出現したライフピースは、触れるどころか接近しただけで自動入手となるので、体力の調整を図ろうとすればフィールド上の移動範囲が狭まってしまうという影響を及ぼす。 --全体的に敵の攻撃力の高さと理不尽なカメラ要素のせいでダメージを負う機会が多いため、この仕様は辛い。何らかのボタンによる任意取得であれば、難易度は大分軽減されたはずである。 ''ライフが僅かになった際のモノクロ画面への移行'' -光源処理が均一化されるおかげで、炎系の飛び道具の認識が非常に難しくなる。ただでさえライフが残り僅かで危機的状況であるにも関わらず、視界が更に悪いものとなるのである。 ''敵の少なさ'' -全体から見ても有機体の敵のほぼ全てを占めるゾンビ系は13種類、うち一般的な無属性雑魚ゾンビは4種類。無機物の敵もボスとして2機存在するが、使い回されまくるor出番が殆ど無い、のどちらか。 --ステージ6の後半は属性持ち中ボス系ゾンビを大量に使い回した安易な配置のチャプターが目立つ(「踏みつけ注意!」のチャプターで顕著)。歯応えはあるものの水増し感は否めない。 ''ステージ4最終チャプター前の移動シーン'' -一言で言えば運ゲー。パイプから吹き出る回転式の火炎放射地帯をトラバースで進んでいくのだが、炎と炎の間隔が非常に狭いくせに何度も何度も同じ事の繰り返しの上、当たれば直前のポイントからのリトライとなる。 --中盤にもパイプから吹き出る熱蒸気を回避しながら進むトラバース移動地帯があるが、最終チャプター前の移動よりは大分マシである。それでも慣れない内は結構なリトライが必要だが・・・ ''トータルでのボリューム不足'' -戦闘が主体のこのゲームで全7ステージというのは、スムーズに進める様になればそれだけ全体を通じてのプレイ時間が少なくなるという点も踏まえて短いと言わざるを得ない。 --敵の少なさも災いし、ステージ4に突入した辺りからはほぼ全てのチャプターで今まで出演した敵で構成されたマイナーチェンジ版のチャプターという有様となる。裏を返せばそこまでに培った戦術だけで以後も通じるという事でもあるが。 --クリア後に解禁されるおまけゲームの『忍者外伝Z』も含めてもそれなり程度のボリュームである事に変わりはない。 ''様々なバグ'' -ゲームを進める上で、決して影響が小さくない不具合が結構な数見受けられる。以下はその一例。探せばまだ出てくる。 --フィールド上の壁をすり抜けて本来進行不能となる箇所に移動する(大半は進行箇所に戻れなくなるのでリセットするしかない)。 --ハグパイプがボタンを押さずとも自動噴出&残弾制限無しで撃ち放題になる。 --エグゼキュート時やカウンター時のグラフィックが合致していない。通称エア処刑&なんちゃってカウンター。 --敵が全く攻撃の届かない場所に出現してしまい倒せずに進行不可になる。 --ミス時のスロー演出中のパンチドランクが不自然な挙動をする(超高速で振り向きを繰り返したり、微動だにしないままスィーッと流れるように移動したり)。 ''紅葉について'' -今回も龍の巫女である紅葉がハヤブサのパートナーとして出現するのだが、声が皆口裕子氏ではなく柿沼紫乃氏が担当している。 --しかし似てない、演技が微妙といった否よりの意見が多く、今回の紅葉は本物ではなくドッペルゲンガーと揶揄されてしまった。 ''シナリオ'' #region(''ネタバレ注意'') -ハヤブサとの死闘の結末は、結局双方決着を付ける事なく、ヤイバ側は雇い主のデル・ゴンゾの謀略を私怨込み(むしろハヤブサとの決戦以後はそれが主な行動理由)で打ち砕きに行く事となる。 -ゾンビアウトブレイクは収拾に向かうどころか、ミス・マンデーの提案で『疫病を沈静化させる手段は(サイボーグ技術で)ヤイバの頭に記録してあるから、''数ヶ月出し惜しみすれば大きな価値が出る''』として放置されたまま。外道にも程がある。 -肝心のハヤブサはと言うと、ヤイバとの死闘後にヤイバが復活するまでの3週間、特に成果を上げるわけでもなく、事態は一向に引き伸ばされたままである。''お前何してた。'' #endregion ---- **総評 コンセプトは悪くないが、如何せん様々な仕様が尽く悪い方向に複合して働いていること、ニンジャガイデンの名を連ねていながら本家シリーズとは全くと言っていいほど関わりのない世界観などが本作の評価を著しく貶めてしまった事は否定しようのない事実だろう。~ 戦闘システムも慣れを要するものが多く敷居が高い割には全体のボリュームが少なめで、そこに本家シリーズ譲りの高い難易度が足を引っ張り、光る要素を様々に兼ね備えていながらアラだらけの完成度の低い一本となってしまった。~ 戦闘システムそのものは慣れれば爽快であり、世界観や戦闘の演出、ヤイバのキャラクター自体は好きという声もそれなりにあるため、改善すべき点をきちんとブラッシュアップすれば少なくとも凡作にはなれたであろう、惜しいタイトルである。 ---- **余談 スペシャルゾンビパックには、本タイトルのサウンドトラックや壁紙が同梱されたゾンビ型USB(上半身と下半身が分断する仕様)、コスチュームのダウンロードシリアル、カレンダー、ストーリー開始以前のヤイバの『忍者としての修行時代からの軌跡』を描いたアメコミ等が付属されている。 -コスチュームに関しては、スペシャルゾンビパック以外にも初回封入特典として、DLCにて『ソルジャー』の他、『Mighty №9』&『ヌイグルマーZ』とコラボしたものが存在した(シリアルコードの期限が過ぎたため、現在はDL不可)。 --また、『DOA5 ULTIMATE』においても、ハヤブサ&紅葉に本作のコラボコスチュームが存在する。 -アメコミに関しては公式サイトでも一部を読む事が出来る(尻切れとんぼ感はあるが…) -本来であれば本作でも攻略本が発売される予定であったが、公式サイトによると諸般の事情で発売未定となっている。 --このために紙媒体での攻略情報は皆無、ネット周りでの情報も非常に少なく、ゲーム内容も認知度が低い。 ---- *NINJA GAIDEN Z/忍者外伝Z 【にんじゃがいでんぜっと】 **概要 本編クリア後に解禁されるおまけゲーム。~ 斜め見下ろし型のベルトスクロールアクション風にアレンジされた、昔懐かしのゲーム性。~ BGMも往年のものを採用しており、単純なゲーム性ながら本編に勝るとも劣らない内容となっている。~ しかし、本編をクリアする腕前が前提で調整されているのを考慮しても、その難易度の凶悪ぶりは枚挙に暇がないものであった。 ---- **ストーリー サイボーグ忍者ヤイバの手元から名酒『邪鬼王』が消えた。ヤイバは邪鬼王を取り戻すため、よっぱらい(ゾンビ)の群れを突き進んでいく。 ---- **ゲームシステム -残機&ライフ性のシンプルなアクション。 --基本システムは本編に準えているため、アレンジされた部分&独自要素のみ記載。ちなみにこのアレンジされた仕様は公式で一切説明がないため、初見では相当戸惑う事だろう。 ''エグゼキュートが使えない'' -最大の変更点。この仕様によりライフピースのドロップもなくなったため、体力回復手段が最低限のものしか存在しなくなり、リカバリーが非常に効き難くなった。 --コフィンノッカーの万能ぶりも大分抑えられた(エグゼキュート失敗動作でのキャンセルが出来ない)ため、的確にコンボを使い分ける必要がある。もっとも、本編で強過ぎただけとも言えるが。 --ライフ回復を気にする必要が無くなったため、中ボス系の敵がゾンビ武器を落とす事もなくなった事も含め、相対的にデクノボウの使用価値が本編とは比較にならない程に増している。 ''ブラッドラストが専用アイテムを消費する'' -特定の箇所に設置された「風」アイテムを消費する事で発動するものへと切り替わった。何度も敵を倒して少しずつ風ゲージを蓄積させていくという行動が必要なくなったため、使い勝手は大幅に増している。 ''ステージ間でゾンビ武器を引き継ぐ'' -ステージボスを倒した際にゾンビ武器の耐久値が残っていた場合、その武器を所持した状態で次ステージが開始する。特にステージ3からステージ4に移行する際に高い恩恵を得られる。 ''ステージの特定の箇所に『金のゾンビ』が出現'' -スティッフより耐久力が高い黄金のゾンビで、攻撃手段は持たずに高速でフィールド内を駆け回るだけの存在。 --倒すと大量の得点アイテムとゾンビ武器をドロップする。このおまけゲームではこの方法でしかゾンビ武器を入手出来ないので、是が非でも倒したい所。確実に倒すならばデクノボウ推奨。 --ドロップするゾンビ武器は2~5つ、種類はランダム。攻撃力が底上げされているため、耐久力のあるナムチャクの需要が高い。これがダブればかなり「アタリ」である。 ''残機アップアイテムが追加'' -有限コンティニューであるためか、特定の箇所に残機アップアイテムが設けられた。ステージを進めていくと割合容易く入手出来るが、難易度的にはこれでもかなりシビアな数である。 **その他 -プレイヤー、敵共に攻撃力が底上げされた。本編ではあまりダメージを稼げなかったコンボも、このおまけゲームでは十分に使い物になるレベル。 --その代わりに敵からのダメージも本編の難易度ナイトメアを軽く上回る規模。最序盤のグレネディアの自爆を食らうと、最大値からミリ残し状態(あと一撃で死ぬ)まで一気に持っていかれる。 ---上記の通り体力回復手段が限られたおかげで、一度窮地に陥ると何もできないままミスとなる事が殆ど。最初から最後まで殺しに来ていると言っても過言ではない。 -体力回復アイテムは道中に少量設置されている他、特定のオブジェを壊すと入手出来る。 --だが、肝心の回復量が最大値の1/3程度しかなく、敵の攻撃は全般、あっさりと半分以上持っていくので気休め程度のもの。 ---- **評価点 ''ゲーム性がシンプルになった'' -攻撃力の底上げによって、少しのコンボでもスティッフ系の雑魚敵はサクサクと倒せるようになった。デクノボウの需要も増したため、中ボス系の敵に対してもいささかダメージを通しやすくなっている。 --難しいコンボを意識せずとも多少は融通が効くという事である。勿論、ルートが複雑だが高性能な派生コンボも立ち回りが上手ければ出番は多い。 ''BGMチョイス'' -龍剣伝シリーズのBGMを採用しており、知っているプレイヤーには懐かしいチョイス。 ''ストーリーがいい意味でしょうもない'' -酒のために超難度のステージを進んでいくヤイバの行動原理はとてもバカバカしく、清々しい。 --ステージ3終了後のデモでは龍剣伝の有名なセリフのパロディで''「お れ の 邪 鬼 王 !」''と宣う。最早脱力級のギャグである。 ---- **問題点 ''難易度が極悪'' -体力回復手段が少ない、回復できたとしても回復量自体が少ない、敵の攻撃力は異常、道中のオブジェは8割が罠、金のゾンビは運ゲー。 --そして極めつけに有限コンティニュー・・・アーケード基盤で出たとすれば、満場一致でクソゲーの評価を受けたであろう。 ---残機アップアイテムを全て入手して、何とかギリギリクリア出来るかというレベルの難しさである。おまけゲーム・・・? ---- **総評 しょうもないストーリーとは裏腹に難易度は極悪そのもの。本編の最大難易度をクリア出来る実力があってもなお厳しいというゲームバランスは、ある意味でニンジャガイデンシリーズを象徴するものとも言える。~ 本編とは全くの別ゲーとして懐かしのゲーム性で構成された全容は、ストイックと言えばそうであるし、時代錯誤と言われてもそうであると言える。~ おまけゲームとしては結構なボリュームがあり、死に覚えゲーとしてシビアな歯応えを望むオールドゲーマー向けの内容が好きならば、それなりに楽しめる一本だろう。
*YAIBA NINJA GAIDEN Z 【やいばにんじゃがいでんぜっと】 |ジャンル|スラッシュアクション|CENTER:&amazon(B00DBRW3S6)&br()&amazon(B00DBRWFES)| |対応機種|プレイステーション3&br;Xbox360&br;Windows|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|comcept&br;Spark Unlimited|~| |発売日|2014年3月27日|~| |定価|【PS3/360】各7,800円&br;【PS3・DL/Win】6,762円&br()【360・DL】6,800円|~| |レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上対象)}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''黒歴史''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |備考|限定グッズ同梱の限定版<スペシャルゾンビパック>が存在|~| |ポイント|とにかく下品でおバカな世界観&br;高難度と問題点は本家譲り&br;本家ニンジャガイデンシリーズとの繋がりは薄め|~| |>|>|CENTER:''[[忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズリンク>忍者龍剣伝/NINJA GAIDENシリーズ]]''| ---- **概要 忍者×ゾンビというコンセプトの元、主人公カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビアウトブレイクの真っ只中を暴れ回るスラッシュアクション。~ ニンジャガイデンシリーズと共通する世界観を、徹底して外道なアンチヒーローからの視点で追った“NINJA GAIDEN 外伝”とでも言った位置付けだろうか。~ 昨今の『ニンジャスレイヤー』等のブームにも伴い、単体のゲームとしての素材、世界観、キャラクター像などのコンセプトは決して悪くは無かったのだが・・・ ---- **ストーリー >忍者一門、神風一族に生まれたカミカゼ・ヤイバ。~ 彼は非常に短気な性格で、ある日の修行中に同門の修行仲間のユキにからかわれただけで逆上し、~ あろう事か彼女を斬り伏せて致命傷を負わせてしまう。~ 我に返ったヤイバは一族に伝わる秘伝の巻物を用いてユキを死の淵から蘇らせようとするが、~ 二人の父親達は「死は定めだ、名誉を汚してはならない」と言い、~ ヤイバが巻物を取りに行っている間にユキの首を切断して完全に亡き者としてしまった。~ またもや逆上したヤイバはその場に居合わせた父親達全員をユキを切り伏せたのと同じく殺害し、~ 巻物を用いて蘇らせた後「自決してもらおうか、名誉を汚されたんだからな」と言い放つ。~ 外道と罵られつつも「とっくに踏み外している」と切り捨て里を後にしたヤイバは、それ以来多くの組織を始末屋として渡り歩いていく。 > >ヘマをした同業の忍者を白昼堂々と公の場で無残に殺す彼の業の深さに、彼は何時しか『ニンジャキラー』の異名を持つに至っていた。~ ヤイバが愛用する刀『虚心』は古きに渡る時代からの名刀であり、ハヤブサ一族はそんな業物が『悪用』されている事を知り、~ リュウ・ハヤブサはヤイバの行方を追っていた。~ > >時が経ち、同業者のリークにてハヤブサに居場所を突き止められたヤイバ。~ 相見える凄腕忍者二人。暫しの激しい斬り合いの後、勝敗はハヤブサに軍配が上がる。~ ヤイバは右肩から袈裟斬りに真っ二つにされ、高笑いの中で絶命する__ > >しかし、とある目的のためにハヤブサを始末しようとする者が、『利害関係の一致』という名目でサイボーグ技術を施し、彼を蘇らせたのだった。 >目覚めた場所はゾンビアウトブレイク真っ只中の東欧の地、ウクライナ。だが、そんな事は彼にとって些細な事ですらなかった。~ 最早ヤイバの生き甲斐はただひとつ、ハヤブサと再び対峙し、彼を殺す__~ それだけであり、手駒として使われる事を余儀なくされた自らの置かれた境遇にもまるで興味はなかった。~ 虚心__改め、刀身の折れた刀“ハートレスブレード”と並外れた体術、サイボーグ技術、そして不屈の精神力を武器に、~ ヤイバはゾンビの群れを『斬り』開いていく。 ---- **ゲームシステム ***基本システム -主人公となるサイボーグ忍者、カミカゼ・ヤイバを操作してゾンビがひしめく街を様々な技で攻略していく、戦闘メインのアクションが主体。 --全7ステージ。1ステージにつき数チャプター~10数チャプターの戦闘シーン及び仕掛け解除シーンが存在。敵を殲滅するか、全ての仕掛けを解除する事で次チャプターへのフラグが立つ。ステージ毎の最終チャプターにはボスとの戦闘が待ち受ける。 ---チャプター間の移動シーンの中には、足場から飛び移る際に攻撃ボタンを押す事を繰り返す、連続QTE(ゲーム内用語で「トラバース」)も多少含まれる。 ---一度クリアしたステージはタイトル画面のメニュー内の項目から何度でも挑戦可能。クリアが難しいステージに挑む前に、慣れたステージでレベルアップして強化を施してから挑むという事も出来る。 -難易度は初期状態ではイージー、ノーマル、ハードの3種類。ハードクリアで更に上の難度「ナイトメア」、ナイトメアクリアで鬼畜仕様の「ヘル」も解禁される。 --難易度自体はそこそこ数があるものの、実際の所、変更箇所は敵の攻撃力の増加(或いは操作キャラの体力の減少)が大多数を占める。ヘルの場合、体力を最大限強化しても大半の攻撃が即死となるため、回復が全くと言っていい程意味を成さない凶悪仕様。 ***その他 -ヤイバは一定数の敵を倒す事でレベルアップする。 --最大レベルは25だが、スムーズに進めていっても最大レベルに達するのは最終戦手前となるのでレベルカンスト後のプレイは周回前提、或いは同ステージを繰り返す作業プレイが必要。 --レベルアップと言っても体力の最大値や攻撃力・防御力・移動速度といったパラメータには何ら影響を及ぼさず、「アップグレードツリー」の項目をアンロックするポイントが1つ貰えるのみとなる。 -「アップグレードツリー」は、レベルアップで入手したポイントを消費して様々なシステム強化を施す事が出来る。ゲーム中のポーズメニュー及びステージクリア時のリザルト画面からいつでも強化可能。 --基本コンボの増強、中ボス系ゾンビから入手したゾンビ武器の攻撃方法&耐久力の増加、カウンターの追加効果の時間の延長、無敵モードの発動時間延長など長所を上乗せするものが多く、培った戦術から大きく逸脱しない範囲で増強出来るので、ゲーム的にはさして影響しないもののあれば便利といった形となっている。 -ステージ道中にはピースアイテム&ストーリーファイルが随所に設置されている。 --ピースアイテムはライフピース(体力)、各エレメントへの耐性ピース3種類(炎、電気、毒液)が存在。体力ピースは4つ集めてはじめて体力の最大値が増える形となり、最大3段階の補強が出来る。耐性ピースは1つで10%、最大で40%の耐性効果を齎す。 --ストーリーファイルは第三者視点での読み物。傍聴チームのメモ、ゾンビアウトブレイクの原因となる薬を作った科学者の書き置きなど、より深い視点でストーリーラインを追うのに一役買っている。口の悪い砕けた文章で語られる別視点での出来事は、大半が悲惨な結末ながらもある意味で緊張感をほぐすスパイスにもなる。 -ステージの全チャプター終了後、デモを挟んでリザルト画面となり、ステージ評価が表示される。 --ステージ内のピースアイテム&ストーリーファイルの収集率に加え、全チャプターのランク、クリアまでの所要時間&コンティニュー回数のランク、それらを統合した総合ランクが存在。 ---クリアランクはそれぞれ、銅<銀<金<プラチナの4種類。 -各難易度のゲームクリア特典として、コスチュームが追加される。 --通常コスチュームの「ヤイバ」に、「歌舞伎」「JK(水色のぱっつんヘア&セーラー服&ミニスカ)」「レイジ(上半身裸。フードも無し)」から選択可能。静止画デモには反映されないのが残念な所。 -ちなみにヤイバは忍術の類は一切使えない。「俺ほどになると忍法なんて必要ない」とは彼の弁だが、果たして真相は・・・。 --ついでに本家シリーズにあるジャンプも戦闘中は使えず、トラバース中のみの演出に留まっている。 **アクション ()内表記は技のコマンド。PS3/Xbox360の順で表記。 ''攻撃(□,△,○/X,Y,B) '' -スラッシュ(□/X) --攻撃動作が俊敏で隙が少なく近接戦に強い。リーチの短さは他の技との組み合わせでカバーしたい。 -パンチ(△/Y) --動作が重く隙が大きい分一発のダメージが高い。移動を伴う派生コンボが多く、中距離から攻撃しつつ敵の懐に潜り込むのに向いている。集団を相手にした場合の近距離では使い難く、単体向けの攻撃。 --一部の派生コンボは敵のガードを崩す効果を持ち、強引にダメージを上乗せしていく事も可能。 -フレイル(○/B) --リーチの長い範囲攻撃。あらゆる局面で万能に使える分、単体威力は基本攻撃中最低となる。一部の敵はこの攻撃に対するアーマー効果を持つ。 --電気エレメントの敵が纏う電磁シールドを打ち消す効果を持つ唯一の基本攻撃。 ''ダッシュ(×/A) '' -正面に向かって一定距離を高速移動する。 --終わり際に割と大きな硬直時間があり、この時は完全に無防備となるために非常に危険。あえてガードに徹した方が結果的に被害が少なかったという事もままある。 ---移動距離や角度にも微調整が効かないため、実はかなりクセのある性能。 ---炎エレメントの攻撃を受けて炎上した際にダッシュを数回行う事で、火を消す事が出来る。 ''ブロック(R1/RB) '' -ハートレスブレードで敵の攻撃を防御し、ダメージを無効化出来るガード行動。 --ガード状態持続中はたとえ背後からの攻撃であろうと完全に無効化出来るので、乱戦でも落ち着いてガードすればそうそうダメージを喰らい続けるという事はない。 --安定はするが勿論万能ではなく、ガード不能の攻撃もいくつか存在する。 ''カウンター(特定の攻撃が当たる直前にR1/RB) '' -カウンターが発動すると、発動させた敵の攻撃によって幾つかの効果が現れる。 --打撃系の攻撃は、さばき返し攻撃でよろめかせたりダウンを奪う事が出来る。飛び道具系の攻撃は、キャッチした後にそのまま反動を付けて放った敵へ向けて投げ返す。 ---飛び道具へのカウンターに関しては、実際には当たる直前ではなく数刻前段階のタイミングとなるため、安定してカウンターを成立させるには若干慣れが必要。その分、安定すると画面の表示よりも敵が飛び道具を放つ際の『音』でタイミングが分かる様にもなる。 ---カウンター成立時は長い無敵時間が添付されるため、攻防一体の強力な攻略手段となりうる。RDUの6連同時ミサイルなど、場所によっては回避が不可能な攻撃に対しても唯一の反撃法となる。 --発動時に発揮される後述のオーバークロック効果が非常に有用となるため、カウンターを狙って発動出来る様になると攻略が格段に楽になる。飛び道具へのカウンターは是非ともモノにしたい。 ''デクノボウ(R2/RT) '' -雑魚タイプの属性を持たないゾンビ(スティッフ、グラント)に限り、直接掴んで引きずる事でフレイルの代わりの打撃武器として使う事が出来る。同ボタン入力でそのまま投げつけて飛び道具にする事も可能。 --フレイル同様に電磁シールドを打ち消すことが可能。ボタン連打で最大6連続で叩き付け攻撃を繰り出せる。フレイルより圧倒的に高い攻撃力で、エグゼキュート時のライフピースのドロップを気にしないのであればガンガン使っていける。 --グラントは初期状態では掴めず、アップグレードツリーから項目をアンロックする必要がある。それまでに最低でも4ポイントを消費して別の項目もアンロックしなければならないのがネック。 ''サイバービジョン(L1/LB) '' -サイボーグとして網膜に備え付けられた暗視機能を用いて、フィールド上に隠された何らかのフラグを識別するための視界を展開する。 --一部の敵から喰らった毒液で画面が染まった際に、視界を見分けやすくするための効果も兼用。どちらかというとほぼこのリカバリー効果のためのシステム。 ---あくまで見分けやすくする程度なので、瞬時に視界を回復するには至らない。無くてもそこまで差が出る機能ではないので、ほぼ空気化している。 ''エグゼキュート(L2/LT) '' -一連の『通常コンボ』で敵の体力を一定段階まで減らし、敵の頭上に「!」マークが出現した際に発動出来る処刑技。専用の演出で敵ゾンビを粉砕する。 --確実に敵を倒せる事に加え、エグゼキュートで倒した敵からは必ずライフピース(体力回復アイテム)が出現するので、積極的に狙う事で攻略の手助けにもなる。 ---エグゼキュート以外での体力回復方法は設けられていないので、このシステムで敵を倒さない限り体力の調整は出来ない。また、通常コンボ以外の武器ではそもそもエグゼキュート条件を満たせないので発動条件も絞られてしまうのが痛い所。 --中ボス系ゾンビはボタン連打イベントが導入される。雑魚系ゾンビと比べてテンポは遅くなるものの、ドロップするライフピースの量は多い。また、ゾンビ武器を入手するにはエグゼキュートが必須となる。 ''ブラッドラスト(L3+R3同時押し込み/LS+RS同時押し込み) '' -ステージ2の特定のチャプターにおいて解禁されるパワーアップモード。敵を倒す毎に画面左上に表示される『風』ゲージが一定量蓄積され、メーターが最大値まで溜まると発動可能になる。 --発動中はリアルタイムでゲージが消費され、全て尽きるまで攻撃力、攻撃速度、移動速度が過剰に増強される事に加えて敵の全ての攻撃に対して無敵状態となる。モード終了後はゲージは空となる。 --攻撃力の増強はゾンビ武器にも適応されるので、元々高い攻撃力を誇るヌンチャクルや弱点エレメントでの攻撃を当てると、耐久力の高い中ボスクラスの敵も2~3発程度で倒す事ができる。まさしく切り札と言えよう。 --アップグレードツリーで補強すると発動時間の延長が可能。最大で2倍まで補強出来るので、終盤の戦闘で使う際は大きく影響が出る事になる。 ***テクニック ''コンボ'' -スラッシュ、パンチ、フレイルの其々の通常攻撃は、特定のルートでの攻撃ボタンの追加入力で、様々な派生コンボを繰り出す事が出来る。 --画面右上の敵を倒した際に加算されるスコアの下に、派生ルートが入力と同期して表示されていく。フィニッシュまで入力し、敵にヒットしていた場合に限り、トータルダメージも表示される。 ---これらの情報を踏まえ、一連の動きの隙、フィニッシュ技の性能、トータルダメージなどを考慮して繰り出すコンボ技を選ぶのが攻略の鍵となる。フィニッシュ技を出さずに途中で止める事も大事。 --一連のコンボのフィニッシュ技がエグゼキュート発動条件(一部例外あり)。スティッフ系の雑魚ゾンビを出来る限りコンボで倒していく事で、体力回復手段がそれだけ増える事になる。 --スラッシュからの派生コンボは初期状態で使用出来るが、パンチとフレイルに関してはアップグレードツリーから其々の項目をアンロックする必要がある。 ''オーバークロック'' -カウンター成立時に自動発動する、時間の流れが一定時間遅くなるモード。 --発動中はヤイバ自身の動きも同様に低速化するが、周囲の動きに対する咄嗟の判断力、次の行動への猶予時間が伸びる点は非常に大きい。 --カウンター成立が発動条件なので、必然的にカウンターされた側の敵に対して接近しやすくなるという恩恵が得られる事も見逃せないメリット。 ''連続エグゼキュート'' -通常コンボで同時にエグゼキュート可能となった雑魚系ゾンビを、最大10体まで連続でエグゼキュート出来る。 --エグゼキュート時のスロー演出中に同ボタンの追加入力で、次のエグゼキュートが発動。タイミングを誤るとその時点で後続に続かなくなり、残りのエグゼキュート可能な敵はそのまま倒れる。 ---当然ながらライフピースはそれまでエグゼキュートした敵の分しか出現しないので、可能な限り連続で成立させる事が体力維持の常套手段となる。 --エグゼキュート演出は完全に無敵となるため、タイミングを合わせる事で敵の攻撃の回避にも役立つ。 --使用にはアップグレードツリーから該当する項目をアンロックする必要がある。 ''ゾンビ武器'' -中ボス系ゾンビをエグゼキュートする事で、身体の一部をもぎ取ってそのまま武器として扱う事が可能となる。 --デクノボウと同様、フレイルの代用という形で使用する事となる。各ゾンビ武器の性能差は大きいものの、どれも有用な性能を発揮する。 ---後述のエレメント効果を意図的に使うとなるとゾンビ武器が必要不可欠。『パンチドランク』から入手出来るナムチャク、『サイドスプリッター』から入手出来るヌンチャクルにはエレメント効果が無いが、双方に幅広い活用法がある。 --一定回数の使用でゾンビ武器は消滅する。残り使用回数は数値ではなく、画面右下に武器耐久値の減少という形で表示される。 ''エレメント効果'' -ピースアイテムの説明にある通り、敵ゾンビには炎、電気、毒の3種類から1つのエレメントを持ったものが半数を占める割合で存在する。 --中ボス系ゾンビの過半数からエレメント効果付属のゾンビ武器が入手出来るほか、敵からの飛び道具をカウンターする事でも結果的にエレメント攻撃を使う事が可能。 ---どのエレメント効果もスティッフ系の雑魚ゾンビにはほぼ一撃必殺の威力を誇るので、エグゼキュートを除外した戦略において存在価値は高い。 --この属性を用いて、エレメント持ちゾンビに対してゾンビ武器の別エレメント効果の2つを複合、或いは特定条件下でエレメント攻撃全てを組み合わせる事で其々異なる複合エレメント効果が発動する。 ---炎+電気は喰らった敵が火柱を登らせる程激しく燃え盛り、周囲に絶え間なく落雷を降らせる広範囲ランダム攻撃の『電磁ストーム』。 ---炎+毒は対象に高速で持続ダメージを与え続ける『持続燃焼』。対象がランダムで走り回る行動パターンに変化し、その際に触れた他の敵に対しても炎エレメント効果を感染させる効果がある。 ---電気+毒は化学反応で対象を全身クリスタル漬けにする『結晶化』。発動した敵は完全に行動不能状態で硬直しっぱなしになり、パンチを1~2回当てれば粉々に粉砕して瞬殺出来る。 ---全てのエレメントが複合発動すると『疫病の雲』が出現し、画面の大部分をスモークと落雷で埋め尽くして広範囲に一斉に飛び道具が見舞われる。狙って発動するのは難しいが、その光景はド派手で呆然とする事ウケ合い。 --つまる所、別のエレメントを複合すれば何かしら有用な効果が発動するという事である。後半ステージはほぼエレメント持ちゾンビのみとなるので、使える複合効果は積極的に使っていくのが望ましい。 ''リカバリー'' -エレメント効果は敵だけでなく、ヤイバ自身にもしっかりと発動する。 --炎エレメントを断続して喰らえば持続燃焼するし、毒液で視界が染まっている時に電気エレメント攻撃を喰らえばしっかりと結晶化する。さすがに結晶化中に敵の攻撃で無条件即死する事は無いが。 --リカバリーはこれらを解除する方法で、エレメントによって解除の仕方は異なる。持続燃焼はダッシュ数回、毒液はサイバービジョンで効果軽減、結晶化はボタン連打で復帰となる。 ---それ以外のエレメントの電界発生状態及び電磁ストームは解除方法が存在しないため、持続状態が終わるまで待つしかない。後者は理不尽に体力が減らされるために非常に厄介。自らに対する発動条件が殆ど成立しないのが救いか。 ---- **評価点 ''エロ・グロ・ナンセンスを地で行く世界観'' -CERO:Z故に自重の欠片も無く、そういった『コンセプト』という意味では王道と呼べる。 -吹き出物だらけの娼婦ゾンビ『ブリスターシスター』や双頭のジャイアントベイビーゾンビ『テリブルツー』など、生理的嫌悪感を齎す敵も目立つ。主人公ヤイバの外道な性格も合わせ、二重の意味で汚い。 --無論これらは狙ってそういう作風にしてあるわけで、プレイヤーにとって下劣で汚く頭の悪さを覚えさせる事こそが開発側にとっての正解なのである。 -敵がゾンビである事を考慮しても、ゴア表現満載でやりたい放題。首が飛んだり、上半身と下半身が別々に襲ってきたり、爆発四散するのが通常進行。その割に生々しさが感じられないので意外とすぐ慣れる。 --ゾンビ武器も、腕ヌンチャクだの電撃を発する背骨だの火の着いた頭蓋骨を放つ巨大頭だのゲロを噴射する内臓だの巨大な肩甲骨そのものだの、悪趣味なものが満載。まともな武器はロケットランチャーくらい。 -comceptのCEOである稲船敬二氏が関わっているためか、氏がカプコン在籍時代に手掛けた同じゾンビゲームとして有名な『デッドライジング』シリーズに通じる舞台設定も見受けられる。 --舞台設定とは裏腹に、本作のバカゲー的なノリが災い(?)し、こちらはゾンビゲーとしてのシリアスさには程遠い砕けたノリである。主人公サイドの登場人物全員が本家シリーズ(ハヤブサ視点)から見るとダークサイドのポジションであるため、会話のやりとりも正義感や事態の収束に向けての内容は皆無。ゾンビアウトブレイクとヤイバを利用する事を隠そうともしないラテン系の雇い主、デル・ゴンゾ&ビッチ系エンジニアの美女、ミス・マンデーとの会話における主人公サイドの外道ぶりは、最早清々しささえ感じる程。 ''操作キャラクターの視点'' -主人公ヤイバの行動原理は、ただ只管にリュウ・ハヤブサへのリベンジのみであり、自らの境遇や自分を利用しようとする同業者の思惑などは微塵も気にかけていない。 --清清しいまでのハヤブサに対する執着ぶりは、ある意味ヤンデレとも取れる程。実際、ハヤブサに殺された事自体は素直に認めているどころか、ゲーム中で何度死んでコンティニューしようが、その度に軽口(『死ぬのは慣れてる』など)を叩いて蘇ってくるしぶとさを持つ。そんな緩い死生観の持ち主なので、冒頭でのハヤブサとの1度目の決着では高笑いしながら逝ったり、ストーリーの最大の見所では自らの事を顧みずに同業者の策略を斥け、『これでようやく眠れる』と迷う事無く自ら死を選ぶ描写さえも。 ---「死ぬのは慣れてる」発言はシリーズの例に漏れず難易度の高いこのタイトル、ひいては高難易度の死にゲーアクションに対するある種のメタ発言とも言えるが、ハヤブサに対する愚直かつ直向きな執着心から来る諦めの悪さは、ダークサイドからの視点という意味でも王道とはまた違った魅力がある。とにかくヤイバというキャラは殺してもケロリと復活するしぶとさがウリなのだ。 ''敵を撃破する爽快感'' -操作キャラクターは忍ぶことはおろか忍術を一切使う事のないニンジャキラー、敵は好き勝手に暴れるゾンビという要素で只管に敵を倒す事が目的となるゲーム性は、単調な様でいて奥深い戦闘システムに基づいた中毒性の高いもの。 -通常コンボからのエグゼキュート、連続エグゼキュートで次々と雑魚ゾンビを派手に葬りさる流れは、否が応でも『殺しの高揚感』を味わわせてくれる危険なシロモノ。 -ゾンビ武器の多くはエレメント効果や高い攻撃力を備えており、何も考えずに連打するだけで大半の敵を倒せるため、スティッフ系の雑魚ゾンビとの乱戦はストレス解消にはもってこい。難が無いわけではないが。 -カウンターからオーバークロック効果で敵に接近し、高火力のコンボやゾンビ武器で畳み掛けるといった一連の流れがスムーズに出来る様になれ ば、サクサクとチャプターが進むのでテンポは格段に上がる。 ''エレメントを用いた戦略'' -各種エレメント効果を利用する事で、敵の同士打ちを狙ったり、次のチャプターにゾンビ武器を持っていく事で難易度を緩和した状態で戦闘に突入出来たりと、有利にも不利にも働く要素が戦闘の展開を左右するものとしていいスパイスになっている。 --ただ闇雲に使うだけでなく、必要に応じて適切に利用すれば相乗効果で有効活用出来るというもの。ブリスターシスターの吐瀉物レーザーなどは発射方向を誘導しやすく、敵同士の複合エレメント効果の誘発を狙える。 --『結晶化』は発動させた敵を長時間破壊可能な物言わぬオブジェにするため、丸腰では厄介な電気&毒系ゾンビを相手にする時はこれらのエレメント効果が非常に役立つ。 ---- **賛否両論点 ''グラフィック'' -アメコミ風の原色が濃く浮き出たタッチで、本家シリーズとは一線を画する。 --本家シリーズに拘らなければ、『外人が勘違いどころか開き直って自由にアレンジしたNINJAゲー』というゲームデザインとして上手く合致している。無論、そういった需要を良しととるかどうかで好みがはっきりと分かれる作風ではあるが。 --ゲームとしての空気も徹底的にアメコミを意識しており、ステージ間デモもアメコミ風の静止画(カメラを回して視点が変わる演出も一部にはある)のみで構成されている。 ''技名'' -主人公ヤイバが使う一連のコンボ技は、全てがスタイリッシュな横文字の技名となっている。曲がりなりにも忍者なのだが、漢字を使った技名は一切無い。作風には合っているのだが・・・ --例を挙げると、「デス・スパイラル」「ドウーメラン」「ライド・ザ・スネーク」「カミカゼ・ドロップ」等。これらはまだシンプルで動きと合致したもので分かりやすい方。 ---更に挙げると「ワーリングスカーミッシュ」「タリーワッカースマッカー」「エクセッシブ・ガッシュ・ペイン」「ディド・アイ・スタッター?」etc・・・ いよいよもって動きが想像出来ないものばかりである。 ''一部の敵の動き'' -ストーリーファイルの説明によると、このゲームのゾンビはゾンビ化する薬の本来の影響により筋力が異常発達しているとの事で、ゾンビもののイメージとしてテンプレである『愚鈍で反応の鈍い』敵は皆無。この辺りはゲームとしての仕様を抜きにして見た場合、ゾンビのセオリーとして好みが分かれるだろう。 -特徴のない通常のスティッフからしてかなり積極的に動いてこちらに攻撃を仕掛けてくる。グラントはジャンプしてハンマーパンチを出してくるし、フレイルに対するアーマー効果を持ち合わせる。ブリスターシスターや上半身のみのトルソーは、相当離れた位置からでも驚異のジャンプ力で間合いを詰めてくる。 -自爆ゾンビのグレネディアに関しては、なんとヤイバの移動速度を上回る速さで特攻を仕掛けてくる。ダッシュで振り切ることは可能だが、ダッシュの性能自体が万能ではないために壁際でグレネードのピンを抜かれた際は非常に手強い存在となる。 --稲舟氏は過去にデッドライジングシリーズのインタビューにおいて「ゾンビが走るのは絶対にダメ」と公言していたのだが・・・別会社のタイトル故に押し通せなかったのか、単に気が変わったのかは不明。 -無属性ゾンビの中には、唐突に「お尻ペンペン」で挑発してくるものもいる。このゲームは難しく考える事もないバカゲーだという暗喩だろうか。おかげでアウトブレイクに巻き込まれたという設定ながら倒す事に微塵も罪悪感を感じないが・・・ ''ゾンビ武器で敵を倒した際の仕様'' -エグゼキュートの項目で示した通り、ゾンビ武器で敵を倒した時はライフピースが出現しない。ライフピースは、あくまで『エグゼキュート時のボーナス』なのである。 --この仕様のおかげで、リカバリーを意識して戦闘を進めるとなると必然的にゾンビ武器を封印する必要が出てくるため、有用となる攻略要素が長い目で見るとかなり使いどころを選ぶものとなってしまう。 --ゾンビ武器である程度体力を削り、トドメに通常のコンボからエグゼキュートという戦い方も可能だが、ゾンビ武器自体がかなり高性能で高い火力を持つために微調整が難しく、結局割り切ってゾンビ武器で殲滅するという結果になりがち。 --体力の回復と状況打破を天秤にかけてどちらを取るかという戦略かと思われるが、このゲームのライフピースは自動取得なので・・・(後述の問題点に明記)。 ---- **問題点 ''ロードが長い'' -ステージデータを一括で読み込んでいるのか、ステージ開始やコンティニュー時に平均して20秒にのぼる長いロード時間を伴う。 --本家シリーズ同様にこのタイトルも元々難易度が高く、慣れない内は終盤のチャプターは何度もコンティニューする事になる。その度にこの長いロードを味わう事になるので、非常にテンポが悪い。 ''カメラワーク、カメラ設定諸々の悪さ'' -カメラ設定『ワイド』で顕著。フィールド広範囲を移すために引いた状態のカメラとなるのだが、大型の敵が密集していたり攻撃のエフェクトが過剰に表示されるおかげで操作キャラクターが完全に隠されて現在位置が把握不可能となる事もままある。 --毒液を喰らった時以外は飛び道具エフェクトに透過処理が施されていないため、狭いフィールドで電磁ストームの火柱やスモークで画面が覆い尽くされると、ほぼ確実に操作キャラクターを見失ってしまう。 --『クローズアップ』はかなりカメラがズームした状態となるので、敵の攻撃を更に把握しにくくなるという弊害もある。つまり、引き過ぎor寄り過ぎの二択。ワイドでもまだマシな方なのである。 ''敵の攻撃が理不尽'' -ワイド設定でも、画面外からの見えない速度の飛び道具、画面外からの高速突進、電磁シールド状態で真正面にワープして突撃は当たり前。 --ゾンビからの飛び道具は漏れなくエレメント効果が付いてくるため断続ダメージを喰らう事も多い。 --電磁シールド状態の敵はフレイル以外の通常攻撃を当てると弾かれて電界状態となり、一定時間パンチとフレイルが使用不能となるため非常に厄介。しかもこの手の電気属性に限って集団で出てくる始末。 ''コンボ攻撃の性能の偏り'' -派生~フィニッシュまでの隙やトータルダメージを考慮していくと、必然的に高性能なコンボへと使用頻度は傾いてしまう。 --特に「コフィンノッカー」の万能ぶりは特筆もの。3段でフィニッシュまで出せる速さ、リーチの長さ、ダメージの高さ、それに加えてフィニッシュの後半動作をエグゼキュートの『失敗モーション』でキャンセル可能という万能ぶり。 ---失敗モーションでなくともエグゼキュート出来る状態ならそちらに移行するので、キャンセルは常に入力しても全く問題が無い。ステージ2のボスであるRDUもこれだけでノーダメージ撃破可能。全ステージから見た観点でも、序盤から終盤に至るまで大体この攻撃で何とかなるレベル。 --敵の攻撃も激しいおかげで、使えないコンボはとことん無用の産物。多彩なコンボを使い分けるという狙いからは大分遠のいてしまっている。 --全体的にスラッシュ+フレイルの組み合わせの派生コンボがクセがなく使いやすい反面、パンチ主体の派生コンボは1発の隙が大きい割にフィニッシュまでのトータルダメージに難があるものが多い。 ''打撃攻撃に対するカウンターの仕様'' -打撃攻撃へのカウンターのタイミングがほんの一瞬しか設定されておらず、飛び道具へのカウンターと比べて異常な程に成立させ難い。 --打撃攻撃の場合、カウンターを取れたとしてもその後のメリットが薄いため、最初から距離を置いて近付かない様に立ち回れば全く問題とならないというのも拍車をかける。 ''武器を手放す際の仕様'' -武器を手放そうとしてボタンを入力した際、無属性のスティッフ系ゾンビがフィールド上の掴める範囲にいた場合はデクノボウが優先的に強制発動してしまう。 --フレイルを使いたいので素手の状態になろうとしても、勝手に発動してしまうので非常に不便。また、デクノボウ状態から直接武器を拾う事も出来ない(投げ捨てる動作を経由して一度素手になる必要があるため)。 -武器持ち状態から別の武器を拾う事は可能だが、その際手放した武器が異様に遠い位置に設置される事がある。ひどい時には6~7キャラ分規模の距離にもなる。 --さらに、手放した際にフィールドの壁に阻まれて''再度拾う事が不可能な位置に設置されてしまう事まである。'' ''ライフピースの保管が出来ない'' -エグゼキュートで出現したライフピースは、触れるどころか接近しただけで自動入手となるので、体力の調整を図ろうとすればフィールド上の移動範囲が狭まってしまうという影響を及ぼす。 --全体的に敵の攻撃力の高さと理不尽なカメラ要素のせいでダメージを負う機会が多いため、この仕様は辛い。何らかのボタンによる任意取得であれば、難易度は大分軽減されたはずである。 ''ライフが僅かになった際のモノクロ画面への移行'' -光源処理が均一化されるおかげで、炎系の飛び道具の認識が非常に難しくなる。ただでさえライフが残り僅かで危機的状況であるにも関わらず、視界が更に悪いものとなるのである。 ''敵の少なさ'' -全体から見ても有機体の敵のほぼ全てを占めるゾンビ系は13種類、うち一般的な無属性雑魚ゾンビは4種類。無機物の敵もボスとして2機存在するが、使い回されまくるor出番が殆ど無い、のどちらか。 --ステージ6の後半は属性持ち中ボス系ゾンビを大量に使い回した安易な配置のチャプターが目立つ(「踏みつけ注意!」のチャプターで顕著)。歯応えはあるものの水増し感は否めない。 ''ステージ4最終チャプター前の移動シーン'' -一言で言えば運ゲー。パイプから吹き出る回転式の火炎放射地帯をトラバースで進んでいくのだが、炎と炎の間隔が非常に狭いくせに何度も何度も同じ事の繰り返しの上、当たれば直前のポイントからのリトライとなる。 --中盤にもパイプから吹き出る熱蒸気を回避しながら進むトラバース移動地帯があるが、最終チャプター前の移動よりは大分マシである。それでも慣れない内は結構なリトライが必要だが・・・ ''トータルでのボリューム不足'' -戦闘が主体のこのゲームで全7ステージというのは、スムーズに進める様になればそれだけ全体を通じてのプレイ時間が少なくなるという点も踏まえて短いと言わざるを得ない。 --敵の少なさも災いし、ステージ4に突入した辺りからはほぼ全てのチャプターで今まで出演した敵で構成されたマイナーチェンジ版のチャプターという有様となる。裏を返せばそこまでに培った戦術だけで以後も通じるという事でもあるが。 --クリア後に解禁されるおまけゲームの『忍者外伝Z』も含めてもそれなり程度のボリュームである事に変わりはない。 ''様々なバグ'' -ゲームを進める上で、決して影響が小さくない不具合が結構な数見受けられる。以下はその一例。探せばまだ出てくる。 --フィールド上の壁をすり抜けて本来進行不能となる箇所に移動する(大半は進行箇所に戻れなくなるのでリセットするしかない)。 --ハグパイプがボタンを押さずとも自動噴出&残弾制限無しで撃ち放題になる。 --エグゼキュート時やカウンター時のグラフィックが合致していない。通称エア処刑&なんちゃってカウンター。 --敵が全く攻撃の届かない場所に出現してしまい倒せずに進行不可になる。 --ミス時のスロー演出中のパンチドランクが不自然な挙動をする(超高速で振り向きを繰り返したり、微動だにしないままスィーッと流れるように移動したり)。 ''紅葉について'' -今回も龍の巫女である紅葉がハヤブサのパートナーとして出現するのだが、声が皆口裕子氏ではなく柿沼紫乃氏が担当している。 --しかし似てない、演技が微妙といった否よりの意見が多く、今回の紅葉は本物ではなくドッペルゲンガーと揶揄されてしまった。 ''シナリオ'' #region(''ネタバレ注意'') -ハヤブサとの死闘の結末は、結局双方決着を付ける事なく、ヤイバ側は雇い主のデル・ゴンゾの謀略を私怨込み(むしろハヤブサとの決戦以後はそれが主な行動理由)で打ち砕きに行く事となる。 -ゾンビアウトブレイクは収拾に向かうどころか、ミス・マンデーの提案で『疫病を沈静化させる手段は(サイボーグ技術で)ヤイバの頭に記録してあるから、''数ヶ月出し惜しみすれば大きな価値が出る''』として放置されたまま。外道にも程がある。 -肝心のハヤブサはと言うと、ヤイバとの死闘後にヤイバが復活するまでの3週間、特に成果を上げるわけでもなく、事態は一向に引き伸ばされたままである。''お前何してた。'' #endregion ---- **総評 コンセプトは悪くないが、如何せん様々な仕様が尽く悪い方向に複合して働いていること、ニンジャガイデンの名を連ねていながら本家シリーズとは全くと言っていいほど関わりのない世界観などが本作の評価を著しく貶めてしまった事は否定しようのない事実だろう。~ 戦闘システムも慣れを要するものが多く敷居が高い割には全体のボリュームが少なめで、そこに本家シリーズ譲りの高い難易度が足を引っ張り、光る要素を様々に兼ね備えていながらアラだらけの完成度の低い一本となってしまった。~ 戦闘システムそのものは慣れれば爽快であり、世界観や戦闘の演出、ヤイバのキャラクター自体は好きという声もそれなりにあるため、改善すべき点をきちんとブラッシュアップすれば少なくとも凡作にはなれたであろう、惜しいタイトルである。 ---- **余談 スペシャルゾンビパックには、本タイトルのサウンドトラックや壁紙が同梱されたゾンビ型USB(上半身と下半身が分断する仕様)、コスチュームのダウンロードシリアル、カレンダー、ストーリー開始以前のヤイバの『忍者としての修行時代からの軌跡』を描いたアメコミ等が付属されている。 -コスチュームに関しては、スペシャルゾンビパック以外にも初回封入特典として、DLCにて『ソルジャー』の他、『Mighty №9』&『ヌイグルマーZ』とコラボしたものが存在した(シリアルコードの期限が過ぎたため、現在はDL不可)。 --また、『DOA5 ULTIMATE』においても、ハヤブサ&紅葉に本作のコラボコスチュームが存在する。 -アメコミに関しては公式サイトでも一部を読む事が出来る(尻切れとんぼ感はあるが…) -本来であれば本作でも攻略本が発売される予定であったが、公式サイトによると諸般の事情で発売未定となっている。 --このために紙媒体での攻略情報は皆無、ネット周りでの情報も非常に少なく、ゲーム内容も認知度が低い。 ---- *NINJA GAIDEN Z/忍者外伝Z 【にんじゃがいでんぜっと】 **概要 本編クリア後に解禁されるおまけゲーム。~ 斜め見下ろし型のベルトスクロールアクション風にアレンジされた、昔懐かしのゲーム性。~ BGMも往年のものを採用しており、単純なゲーム性ながら本編に勝るとも劣らない内容となっている。~ しかし、本編をクリアする腕前が前提で調整されているのを考慮しても、その難易度の凶悪ぶりは枚挙に暇がないものであった。 ---- **ストーリー サイボーグ忍者ヤイバの手元から名酒『邪鬼王』が消えた。ヤイバは邪鬼王を取り戻すため、よっぱらい(ゾンビ)の群れを突き進んでいく。 ---- **ゲームシステム -残機&ライフ性のシンプルなアクション。 --基本システムは本編に準えているため、アレンジされた部分&独自要素のみ記載。ちなみにこのアレンジされた仕様は公式で一切説明がないため、初見では相当戸惑う事だろう。 ''エグゼキュートが使えない'' -最大の変更点。この仕様によりライフピースのドロップもなくなったため、体力回復手段が最低限のものしか存在しなくなり、リカバリーが非常に効き難くなった。 --コフィンノッカーの万能ぶりも大分抑えられた(エグゼキュート失敗動作でのキャンセルが出来ない)ため、的確にコンボを使い分ける必要がある。もっとも、本編で強過ぎただけとも言えるが。 --ライフ回復を気にする必要が無くなったため、中ボス系の敵がゾンビ武器を落とす事もなくなった事も含め、相対的にデクノボウの使用価値が本編とは比較にならない程に増している。 ''ブラッドラストが専用アイテムを消費する'' -特定の箇所に設置された「風」アイテムを消費する事で発動するものへと切り替わった。何度も敵を倒して少しずつ風ゲージを蓄積させていくという行動が必要なくなったため、使い勝手は大幅に増している。 ''ステージ間でゾンビ武器を引き継ぐ'' -ステージボスを倒した際にゾンビ武器の耐久値が残っていた場合、その武器を所持した状態で次ステージが開始する。特にステージ3からステージ4に移行する際に高い恩恵を得られる。 ''ステージの特定の箇所に『金のゾンビ』が出現'' -スティッフより耐久力が高い黄金のゾンビで、攻撃手段は持たずに高速でフィールド内を駆け回るだけの存在。 --倒すと大量の得点アイテムとゾンビ武器をドロップする。このおまけゲームではこの方法でしかゾンビ武器を入手出来ないので、是が非でも倒したい所。確実に倒すならばデクノボウ推奨。 --ドロップするゾンビ武器は2~5つ、種類はランダム。攻撃力が底上げされているため、耐久力のあるナムチャクの需要が高い。これがダブればかなり「アタリ」である。 ''残機アップアイテムが追加'' -有限コンティニューであるためか、特定の箇所に残機アップアイテムが設けられた。ステージを進めていくと割合容易く入手出来るが、難易度的にはこれでもかなりシビアな数である。 **その他 -プレイヤー、敵共に攻撃力が底上げされた。本編ではあまりダメージを稼げなかったコンボも、このおまけゲームでは十分に使い物になるレベル。 --その代わりに敵からのダメージも本編の難易度ナイトメアを軽く上回る規模。最序盤のグレネディアの自爆を食らうと、最大値からミリ残し状態(あと一撃で死ぬ)まで一気に持っていかれる。 ---上記の通り体力回復手段が限られたおかげで、一度窮地に陥ると何もできないままミスとなる事が殆ど。最初から最後まで殺しに来ていると言っても過言ではない。 -体力回復アイテムは道中に少量設置されている他、特定のオブジェを壊すと入手出来る。 --だが、肝心の回復量が最大値の1/3程度しかなく、敵の攻撃は全般、あっさりと半分以上持っていくので気休め程度のもの。 ---- **評価点 ''ゲーム性がシンプルになった'' -攻撃力の底上げによって、少しのコンボでもスティッフ系の雑魚敵はサクサクと倒せるようになった。デクノボウの需要も増したため、中ボス系の敵に対してもいささかダメージを通しやすくなっている。 --難しいコンボを意識せずとも多少は融通が効くという事である。勿論、ルートが複雑だが高性能な派生コンボも立ち回りが上手ければ出番は多い。 ''BGMチョイス'' -龍剣伝シリーズのBGMを採用しており、知っているプレイヤーには懐かしいチョイス。 ''ストーリーがいい意味でしょうもない'' -酒のために超難度のステージを進んでいくヤイバの行動原理はとてもバカバカしく、清々しい。 --ステージ3終了後のデモでは龍剣伝の有名なセリフのパロディで''「お れ の 邪 鬼 王 !」''と宣う。最早脱力級のギャグである。 ---- **問題点 ''難易度が極悪'' -体力回復手段が少ない、回復できたとしても回復量自体が少ない、敵の攻撃力は異常、道中のオブジェは8割が罠、金のゾンビは運ゲー。 --そして極めつけに有限コンティニュー・・・アーケード基盤で出たとすれば、満場一致でクソゲーの評価を受けたであろう。 ---残機アップアイテムを全て入手して、何とかギリギリクリア出来るかというレベルの難しさである。おまけゲーム・・・? ---- **総評 しょうもないストーリーとは裏腹に難易度は極悪そのもの。本編の最大難易度をクリア出来る実力があってもなお厳しいというゲームバランスは、ある意味でニンジャガイデンシリーズを象徴するものとも言える。~ 本編とは全くの別ゲーとして懐かしのゲーム性で構成された全容は、ストイックと言えばそうであるし、時代錯誤と言われてもそうであると言える。~ おまけゲームとしては結構なボリュームがあり、死に覚えゲーとしてシビアな歯応えを望むオールドゲーマー向けの内容が好きならば、それなりに楽しめる一本だろう。

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