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*ソウルキャリバーV 【そうるきゃりばーふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|&amazon(B006GZOMBQ)|&amazon(B006GKQ5Z2)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox360|~|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~|~| |発売日|2012年2月2日|~|~| |定価|8,380円|~|~| |判定|BGCOLOR(khaki):黒歴史|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソウルキャリバーシリーズリンク>ソウルシリーズ]]''| **概要 『ソウルキャリバー』シリーズナンバリング第5作。世界観をIVの17年後に移し、システム・キャラクターなどに大きく変更を加えている。~ ゲストキャラクターとして『Assassin's Creed』シリーズのエツィオ・アウディトーレ(本作では『ブラザーフッド』準拠の見た目)、ゲスト流派として[[鉄拳シリーズ]]からデビル仁流派が登場している。(デビル仁本人は未登場。) **ゲームシステム 縦斬り・横斬りと8Way-RUNといったシリーズの骨子となる操作システムはそのままだが、本作では2D格ゲー的なパワーゲージである''クリティカルゲージ''が追加され、新たな駆け引きの要となっている。以下は新システムについて記述。 -ブレイブエッジ --各キャラごとに決められた技を出した時にA+B+Kと追加入力することで、追加攻撃を出したり技を強化したりできる。クリティカルゲージを0.5本消費する。 -クリティカルエッジ --全キャラ共通のコマンド(236236A+B+K。波動コマンド二回)で出せる超必殺技。各キャラによって投げ属性だったりガードインパクト属性があったり性能は異なるが、全体的に発生は早く威力も高い。クリティカルゲージを1本消費する。 -ガードインパクト --レバーを後ろ側に倒してA+B+Kと押すと、相手の打撃を弾いて隙を作り出すことができる。過去のシリーズにあった同名のシステムと比べ、上中下段全ての攻撃を弾くことができるため強力だが、クリティカルゲージを0.5本消費するため多用は出来ない。また、ガードインパクトを受けてもゲージがあればガードインパクト返しも従来通り可能。 -ジャストガード --攻撃を防ぐ瞬間にタイミングよくガードボタンを一瞬押して''離す''ことにより、ガード硬直を軽減させることができる。全体的にビギナー向けにシステムが作られている本作だが、このジャストガードは上級者のやりこみに応えるためのシステム。従来のガードインパクト(弾き・捌き)は今作からゲージ消費行動になってしまい頻繁に使うことは出来なくなってしまったが、それらの代わりとも言える新たな防御行動。 -ガードバースト --ガードし続けていると強制的にガードが解けて隙を晒してしまう、いわゆるガードクラッシュ。ガードバーストを起こした後は大きな硬直時間が生じ、さらに硬直中はカウンターヒット扱いとなりカウンター始動の高威力連続技が入るため、ガードバーストのリスクは大きく、ガード後の確反だけでなく相手の攻撃をスカすのがより重要となった。 --内部的には各技ごとにガードバースト値が設定され、限界まで達するとバーストが起こるが、画面上では体力周囲が黄→赤と色が変わって警告してくる。 **評価点 -対戦ゲームとしての出来映えは良好。 --調整のコンセプトとして「これをやってれば勝てる」というものがあるようで、ブレイブエッジなどを始めとした強力な技で攻めを仕掛けていけば格上が相手でも勢いで勝ちやすいように作られている。その一方で、ジャストガードなどを含めればそれら強力な技にも対処は可能なため、腕の差の影響が特別薄いわけではない。キャラ性能はよく調整されており、明らかに壊れている技やバランスを崩しているキャラクターは少ない。 --IVに比べて全キャラとも技数が大きく減少しているなどシリーズ非経験者に配慮した部分も見られる。また、根性値補正が大きかったり、2本取られるとクリティカルゲージが与えられたりと逆転要素も強め。 --トレーニングモードもそれぞれのキャラの複数の主要技の説明(立ち会い方、その技の特徴、欠点などまで)や、基礎的なコンボの紹介、オンライン対戦時を想定した入力ラグのon/off、CPUの行動をコマンド記録し複数パターンをランダム再生する事も可能など、かなり親切な作りになっている。 -ネット対戦の出来(そのもの)についても評価は高い。ラグの酷かったIVと比べてオンライン対戦でも違和感なく操作することができる。 --ランクマッチ・プレイヤーマッチに加え、グローバルコロッセオという多人数対戦用モードもある。各国・各地域ごとに数十人用の部屋が複数あり、各部屋に入って室内のプレイヤー達とランダムマッチングで対戦をしたり、任意の相手と連戦をしたり、チャットでコミュニケーションを取ることが可能。 ((ざっくり例えると、ブレイブルーやP4U等におけるロビーマッチのようなもの。グローバルコロッセオは流石にあれらよりは各種利便性で劣るが、SC5の発売日はアークゲーにロビーが初搭載されたBBCPの1年8ヶ月前である事を考えると、十分に便利なモードだったと言える)) -キャラクタークリエイションの設定可能項目がさらに広がり、より凝ったキャラクターを作れるようになった。 --パーツごとにカラーだけでなく柄物テクスチャを設定したり、拡大縮小や回転可能なステッカーを任意の位置に貼ったり、サイズ調整・変形可能なEXパーツを好きな座標に置いたり等々。 --キャラクリについて調べてみれば、本作でどのようなキャラクターが作られたか、その完成度や発想の広さに驚愕することであろう。 -IVからの使い回しと思われる部分も多いが、グラフィックやBGMなどの映像面でも水準以上のクオリティを保っている。 --本作のBGMはバンナム内製ではなく、CIAという音楽制作集団が担当。海外のコンポーザーが多く参加しているため従来に比べて重厚なBGMが多いが、中には『聖剣伝説2』の菊田裕樹も参加している。 **賛否両論点 -世代交代によるキャラの入れ替えなどについては賛否両論。 --世代交代により元キャラと入れ替わる形で新登場したキャラは、元キャラとほとんど変わらないレイシャ(←シャンファ)についても、元キャラから大幅な変化のあったナツ(←タキ)やシバ(←キリク)についても、やはり元キャラの人気が付き纏い好評を得たとは言い難い。 ---なお新主人公のパトロクロスについては、「''よーし、お前は死ね!''」という台詞に象徴される主人公らしからぬ傲慢かつヘタレな個性付け([[この動画>http://www.youtube.com/watch?v=uzRIyLTWOgw]]を参照のこと)がされており、''圧倒的主人公''としてプレイヤーからネタ扱いされている。 ---ちなみにパトロクロスは設定や流派などは母親であるソフィーティアのモノを引き継いでいるが、初の男性剣盾キャラのためか、モーションや性能は新規キャラといって差し支えない。 --また、アイヴィー、マキシ、ラファエル、ティラ、アイオーン(リザードマン)といった続投組14名は17年後という設定にも関わらずその大半が(人外となっている、邪剣の影響、トカゲなので解りづらい、などの理由で)見た目そのままで登場している。実際に17年の年月を感じさせる変化があったのは御剣とジークフリート、ヒルダの3名のみ。 --吉光やナイトメア、アスタロスは代替わりしたが外見も声も口調も性格も先代と大差ない((ナイトメアは狡猾になっているが)) ---この中途半端さから、本当に世代交代させる意味があったのかという声も見られる。 --ソフィーティア(と一部カサンドラ)の技を受け継いだヒロインのピュラは、設定やストーリーでなよなよとした気弱な少女として描かれていて、モーションにもその影響が見える。 ---クリエーションで流派を設定すると''なよなよした気弱な少女の動き''までトレースしてしまうため、ソフィーティアやカサンドラのような凛とした女剣士(例えば[[ワルキューレ>ワルキューレの伝説]]等)を作ろうとするとかなり違和感が生じる。 ---カサンドラをベースにした別キャラとして「ピュラΩ」というキャラもいるが、こちらは設定上''性格・モーションが凶暴化している''ので、こちらもクリエーションで使おうとすると本来のピュラ以上に極端なキャラ付けになってしまいがちである。 ---同じく今作からの新キャラであるシバ((野生児という設定なので猿のようなモーションで動く))などもそうだが、モーション自体にキャラの性格を大きく反映させている事はキャラの個性付けとしては優れているのだが、SC3以降クリエーションモードにも力を入れておりオリジナルキャラも作れるこのシリーズにおいては一長一短と言えるだろう。 //ピュラについてはかなり個人的意見を含むので、不必要だと思ったらCOお願いします。 --また、世代交代ということで参戦が期待されていたロックの息子バングーが未登場なのも一部ファンを落胆させた。 -新キャラクターのツヴァイとヴィオラについて --過去にもアイヴィーの蛇腹剣といったファンタジー要素はあったものの、基本的には剣戟格闘として武器を振り回して戦うゲームとして見られていた本シリーズだが、本作の新キャラであるこの二人については武器がそれぞれ「''狼型の幻体''」「''魔法''(のような力)''で動かしている水晶玉''」と明らかに武器格闘からかけ離れている戦闘スタイル((補足すると、主として使う武器は刃物である。ツヴァイはトンファー的に扱うやや独特な形状の剣を、ヴィオラは鉤爪を使用。))だったことから、武器格闘としてのソウルキャリバーを好んでいたプレイヤーから批判が相次いだ。 ---IVでもアルゴルという飛び道具を発射するキャラクターが登場しており、こちらもすこぶる不評だった((流石に今作では、前作での強烈すぎたSTG性能・逃げ性能などはかなり落ち着いているが…))にも関わらず、本作に登場している。 --さらにヴィオラに関しては性能面でも不評な面が強い。 ---水晶玉を所持している時と手放している時とで二つのモードがあり、この二つのモードを使い分けるテクニカルキャラ…と思われていたが、実際は常に手放している状態が望ましく、また接近戦での本体と水晶玉の波状攻撃による一方的な攻め、そこから高リターンの技で相手を崩してからのコンボなどが非常に強いという超接近戦仕様のキャラとなっている。 ---水晶玉を交えたコンボは空中制御が不可能であり基本連続技で十数ヒットは普通にするというソウルキャリバーらしからぬコンボゲーぶり。研究によりさらにコンボダメージは高くなり、ワンチャンスから大きなダメージを奪っていく。((ただし、水晶玉を飛ばしての遠距離攻撃も可能ではあるがやはり接近戦主体のキャラであることや、ソウルキャリバーは8WAYRUNにより間合いや位置の調整がしやすいこと、武器格闘対戦であるがゆえに3D格ゲーにしてはリーチの差が激しいこと等から、特に長い武器を持っているキャラ相手にはいくらか不利になったりもする。それらを踏まえても強力なキャラの一人ではあるのだが)) ---なお、もう一方のツヴァイについてはキャラランクで最弱候補の一人とも言われている。技が全体的にリーチが短く、発生も遅めで、技後硬直も大きいためガードされると反撃確定な技が多く、幻体を絡めた一部のコンボやゲージを消費するコンボ以外では火力も低め、さらに移動速度も遅めという五重苦。ついでに言えば差し合いで重要な長くて速めの中段横斬り技もほぼ無い。攻めた場合も崩しに向いた優秀な中下段技がほとんど無く、リスクの大きな絡め手を使わなければ相手を崩せないという点が痛い。幻体との同時・波状攻撃が可能ゆえにほとんどの技に何かしら大きな穴がある…という一見バランスの取れた性能が仇となった。((しかし後にプレイヤーの研究によって、幻体を設置してからの見えづらい中下択起き攻めで一気に大ダメージを奪う事が可能な起き攻めワンチャンキャラになったりもしている。ソウルキャリバーは起き攻めへの対策として、しばらくダウンしたまま=寝っぱなしで被ダメージを最小に抑えるというのがセオリーの一つなのだが、この幻体起き攻めは中下択だけでなく寝っぱ狩り択からコンボに行く事すら可能なので爆発力は高い。それでも差し合いの弱さはどうにもならないが…)) -IIIをはじめ充実していた一人用モードのボリュームが少ないのを問題とする声も多い。 --本作の開発期間は非常に短かったらしく、リソースを対戦部分に割いた結果であると開発者は話している。それは対戦格闘ゲームとして正しい選択であると言えるし、それによって本作は対戦部分において高い評価を得ているため、この点を一概に問題点と断ずることはできないだろう。 --本作の一人用モードとしては、ストーリーモードと純粋にCPUと戦うだけのモードがいくつかあるのみ(アーケードモード、『Broken Destiny』と同様のクイックマッチ、レジェンダリーソウルズという高難易度モード)。 -技モーションやレスポンスがオンラインを前提に遅延を吸収する様に調整されている。これ自体はオン対戦((特に確定反撃を狙う時など))では評価出来る点だが、結果的にもっさりと言われる。オン対戦しない人にはこの様な調整は邪魔でしかない。 **問題点 -日本の定価が過去最高の値段設定になっている。 --それだけならまだいいのだが、先行販売された北米の定価が19.99$と半額以下どころではない格差。発売当時は円高最高潮だった。そのおかげか、北米での評価はそこまで悪くない。 --なおどちらも日本語環境では日本語で、英語環境では英語で動作する。つまり全く同じものを3~4倍で売られていたわけで…北米版は後にDL版が半額セールされたり(PS+加入で4分の1の5ドル)、価格格差がすさまじい。 -ストーリーモードの圧倒的ボリューム不足。 --IIIやIVのように各キャラごとにストーリーがあるといったものではなく、20回ほど決められたキャラで対戦したらストーリーモードの全てが終わってしまう。さらに主人公のパトロクロスとヒロインのピュラ(ソフィーティアの子供である姉弟)+αのみを重視して描写されており、多くの新キャラや過去キャラはちょい役である。御剣やセルバンテスなど登場''さえ''しないキャラも何人かいる。((パトロとピュラ、キャラ二人分のストーリーモードとして見れば、テキストの量やストーリーの長さなど、過去作のストーリーモード一人辺りよりボリュームは格段に多いとは言える。が、例えばSC4ではキャラは約30人居てそれぞれにストーリーモードがあったことを考えると、やはりストーリーのボリュームの総量が大きく減ってしまったのは事実)) --演出的にも(手抜きと疑われるような)デッサン風のイラストによる紙芝居が多くの場面を占めており、十分な力が入っているとは言いがたい。 --ストーリー自体は多少駆け足気味ながら、主人公である姉弟の物語に限れば起承転結はしっかり作られているが、謎や伏線が張られたまま未回収のままとされた部分も多い。特に新キャラのツヴァイとヴィオラ。 //この状況で個別エンディングがないのは問題点にならないかな?今まではちゃんとあって作品によってはマルチエンドまであったんだし #region(ストーリーについてのおおまかなあらすじと突っ込みどころ。ネタバレ注意。) パトロクロスは前作までに登場したソフィーティアの子供であり、ソウルエッジにより家族を引き裂かれた過去を持つ。邪剣を人一倍憎みつつ、生き別れの姉であるピュラを探しているという設定。なのだが、 -邪剣に侵された人間は悪という因縁をつけ、正義の名の下に無実の人間を一方的に虐殺。プレイヤーに最悪の第一印象を与えた。 --その虐殺はよりによってソウルエッジの分身であるナイトメアに騙されて行ったもの。 --ピュラのほうも無実の人間を殺害するようソウルエッジの眷族であるティラに仕向けられている。「戦わなきゃ殺される」と赦しを請いながら罪を犯していく姿に不快感を催したプレイヤーも多い。((ピュラが過剰に気弱で自虐的になってしまったのは、幼少時にティラに誘拐されて以降も親しくなった人や優しくしてくれた人をティラが次々(当然ピュラにはティラが殺したと気付かせず証拠も残さず、客観的には微妙にピュラに疑いがかかるような殺し方で)殺していくという、非常に残忍かつ陰湿な人格矯正を受け続けていたため。これが分かればプレイヤーもピュラの性格に納得したり同情しやすいと思うのだが、後述するパトロの過去も含め、残念ながらゲーム中ではその辺は説明されない)) ---不本意にせよ過ちを犯してしまい、その後贖罪を誓う…というのはジークフリートやキリクといった過去の主人公に共通する点であり((ジークフリートに至っては、ソウルエッジに支配される前の時点で「退屈しのぎで盗賊団を作り略奪を繰り返した挙げ句に、敗戦から帰還する騎士の隊列に襲いかかり、騎士達の一人である父親を(顔が判別しづらい闇夜だったとはいえ)自らの手で殺してしまう」というかなり強烈な過ちを犯している))、本作もそれに則っていると言える。なお、この姉弟には1作目のオマージュと言えるような掛け合いが用意されている。 --ストーリーが進むとパトロは姉であるピュラと再会するが、ピュラが邪剣の影響によりイヴィル化すると、助けを求めるピュラを置き去りにして逃亡。これが原因で更なる惨劇を引き起こすことに。 -そんな圧倒的ヘタレぶりから立ち直るため心を入れ替え、別人のように出来た人間になるのだが、その際「自分の本来得意とする剣術」として突然前作の雪華と酷似した動きの抜刀術使いになる。 --資料集や小説版にてその経緯が説明されている。ちなみに前作から本作にかけてゲーム中では描かれなかったソフィーティアの結末についても資料集や小説版で補完されている。こうなった理由は単にストーリーモードにかける時間が無かったためと思われる。 --雪華との縁もそうだが、特にパトロクロスが傲慢で歪んだ性格になってしまった理由である地味に悲惨な家庭環境など((資料集で説得力ある原因が細かく語られている))だけでも、せめてSC4まではあったようなゲーム中のキャラプロフィール確認モードを入れておいてそこで読めるようにしておけば、主人公への悪評もいくらか減ったのではと思うが…今さら後の祭りである。 //改心してからもあっさりとエリュシオンに洗脳されて「一片の悔いもなかった」→洗脳が解けてから「これで良かったのか?」という迷走ぶりは多くのプレイヤーをずっこけさせた。 //これはソウルキャリバーが善であるわけではないという演出のため。本作のストーリー上のラスボスのエリュシオンはソウルキャリバーそのものである。 //↑の「改心してからも~ずっこけさせた」に関してですが、過去作においてもソウルエッジやその破片に洗脳されたキャラは多数居ること、SC4でソウルキャリバーはソウルエッジの一部を元にして作られた武器という設定が追加されたこと、長い戦いを経て作中でも高い精神力を持っているであろうジークフリートさえSC5のOPムービーで一時的にソウルキャリバーに支配される演出があったこと等を考えると、一旦洗脳された事や解けたあとの苦悩は別におかしくないと思います。そもそも姉を救いたいと願っていただけなのにそれを歪められ洗脳されて結果として一度ピュラを殺してしまったわけですから、パトロが疑問を感じるのは当然かと。というわけで一旦COします。 #endregion -IVまでに登場した一部キャラの代替キャラがいない。 --該当キャラはソン・ミナ、ロック、タリム、ユンスン、ザサラメール、エイミの6名。 --特に問題とされたのはタリムとザサラメールの性能を受け継いだキャラがいないこと。 ---既存キャラのコンパチキャラであるソン・ミナやロックは、似た性能のシバやアスタロスがいるとしても、タリム(叉刃拐)とザサラメール(大鎌)の性能を持つキャラがいないのは疑問視された。 --タリムや同じく代替キャラのいないソンミナ、ロックなどは衣装だけDL販売されているが武器がないので再現できない。 --エイミに関しては、外見や声優からヴィオラに変わったと思われる。 --余談だが、旧作にコンパチキャラとして登場していたファンはクイックマッチの対戦相手としてそれらしき人物がいる…が何故か''デビル仁流派''。その上声にもかなりエフェクトがかかっている。どうしてこうなった!! -そのくせ無駄に3人もいる木人キャラ。 --それぞれ「全キャラの中から毎ラウンドごとに性能が選ばれる」「男キャラの中から(ry」「女キャラの中から(ry」とだからどうしたと言わんばかりの差別化がされており、こんなのを出すくらいなら削除されたキャラを出せという声が相次いだ。 --特筆すべきは男木人キャラのキリク。女木人キャラのエリュシオンと違ってストーリーには一切登場せず、専用技も特定の流派を引いたときにしか使えないため、メリットも薄い。『ソウルキャリバー』の主人公格キャラだったにも関わらず、本作では何のために登場したかさっぱりわからない誰得キャラとなってしまっている。''出せばいいというものではない'' --エリュシオンの方も同じく「特定流派になると仕様が独自のものになる」という仕様があり、ストーリーで敵対するときはこの流派固定になる。そんなややこしい仕様にするのなら最初から差別化して1キャラとして出すべきではないのだろうか? --また、キリクは勿論として、エリュシオンも外見はソフィーティアそのものなので((衣装破壊演出後は仮面が破壊され素顔が露わになる))、モデリングがあるなら木人ではなく普通に使わせてくれという声も少なくなかった。 -大技でKOされた時の衣装破壊演出のON/OFF設定ができない。 --衣装破壊されたキャラは見映えが悪くなる。特にクリエイトキャラで衣装破壊が起こるとほぼ台無しになってしまう。((それを見越してネタを仕込む(衣装破壊後は別のキャラに見えるように作る等)こともできるが、そういう仕込みが可能なキャラクリは限られる上に難しい))一応衣装破壊により下着一丁にされてしまう前作からは改善されているが、これは単に下着に加えてボトムスだけが残る、というだけ。 ---衣装破壊が締まらない、見栄えが悪いという自覚はあるようでメインキャラたちは衣装破壊されてもほとんど見栄えが変わらない。 -すぐに天井に達してしまうランクマッチ。 --A~Eの5段階、さらに各ランクが1~5に細分化され全25段階存在するランクだが、上がり幅に比べて下がり幅が非常に狭いため、段位戦による緊張感が少なく、また高ランクに達してそれっきりでランクマッチをやめてしまうプレイヤーが続出。 //オンライン絡みのトロフィー/実績があるにも関わらずゲストキャラのエツィオは冷遇されている。 //↑これはちょっと具体的に何が冷遇なのかよく分からないのでCOしました。SC4のヨーダみたいに極端な弱キャラというわけでもないし… -相変わらず格ゲーではタブーである死体蹴りへの対処がされていない。悪質プレイヤーは徹底的にやるので注意。とはいえ殆どの3D格ゲーではする・されるのが当たり前とされがち((鉄拳シリーズで有名な原田Pなども「アンケートを取った結果「死体蹴りはあった方が良い」という意見の方が格段に多い(特に海外においては圧倒的に多い)」という旨の発言をしている))で、ソウルキャリバーに限らず特に対処はされていないが。((2016年7月に鉄拳7FRで死体蹴りを拒否できるアイテムがやっと実装された程度)) //気にしすぎかもですが、念の為補足を。↑の「当たり前とされがち」云々を追記した私自身は死体蹴り許容・賛成派ではなく、むしろ完全否定・反対派です。対処はキャリバーに限らずずっとされてなかったし、されたのも最近になってやっとだよ、というのを補足したかったので **総評 対戦部分に特化しただけあって、基礎システムに若干の変化が生じつつも、良好なゲームバランスに優れた環境面と、対戦ツールとしては優れた作品と言える。対人戦やキャラクリに魅力を感じるプレイヤーであれば、腕や相手次第でかなり楽しむことができるだろう。((実際に、発売年のEVOのメイントーナメントだけでなくサイドトーナメントにも複数回選ばれたり、欧米で何度か世界大会が行われたりもしている。また、問題点の項目にもあったランクマッチの難点を憂いた国内の有志が、『段位戦』という明確なルールを制定した非公式オンラインマッチを専用サイトまで作り3年間に渡って運営したりもした))~ 一方で『ソウルキャリバー』というタイトルとしては、初期から登場する人気キャラの削除や一人用のボリュームといったシリーズの魅力・長所を削ぎ落としてしまったことに批判は集中し、本作を評価しないプレイヤーも数多い。~ このシリーズはソウルエッジの時代からキャリバー3に至るまで、家庭用は名作と評価され大きな売り上げを出しつつもアーケードの対戦は常に閑古鳥が泣いていた歴史を持つ。~ 対戦を重視しない一人用を楽しむ客層、他の格闘ゲームの複雑さから逃れてきた層に支えられてきた側面があり、そこを見誤った感が拭えないところである。 ----
*ソウルキャリバーV 【そうるきゃりばーふぁいぶ】 |ジャンル|対戦格闘アクション|CENTER:&amazon(B006GZOMBQ)&amazon(B006GKQ5Z2)| |対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360|~| |発売・開発元|バンダイナムコゲームス|~| |発売日|2012年2月2日|~| |定価|8,380円|~| |判定|なし|~| |ポイント|キャラの世代交代&リストラ&br;1人用モード削減&brオンライン前提の調整&br;『BD』のパーツ配置システム逆輸入&brクリエイションの柄添付機能追加&br国外のみ非常に安い価格設定&br;全体的にボリューム不足&br;''圧倒的主人公''|~| |>|>|CENTER:''[[ソウルシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ソウルキャリバー』シリーズナンバリング第5作。世界観を『IV』の17年後に移し、システム・キャラクターなどに大きく変更を加えている。~ ゲストキャラクターとして『[[ASSASSIN'S CREED>ASSASSIN'S CREEDシリーズ]]』シリーズのエツィオ・アウディトーレ((本作では『BROTHERHOOD』準拠の見た目となっている。))、ゲスト流派として『[[鉄拳>鉄拳シリーズ]]』シリーズからデビル仁流派が登場している((デビル仁本人は未登場。))。 ---- **ゲームシステム 縦斬り・横斬りと8Way-RUNといったシリーズの骨子となる操作システムはそのままだが、本作では2D格ゲー的なパワーゲージである''クリティカルゲージ''(最大でゲージ2本まで溜められる)が追加され、新たな駆け引きの要となっている。以下は新システムについて記述。 -ブレイブエッジ --各キャラごとに決められた技を出した時にA+B+Kと追加入力することで、技の性能が強化されたり、追加攻撃が出たりする。クリティカルゲージを0.5本消費する。ストリートファイター等のEX必殺技をイメージすると分かりやすい。 -クリティカルエッジ --全キャラ共通のコマンド(236236A+B+K。波動コマンド二回)で出せる超必殺技。クリティカルゲージを1本消費する。 ---各キャラによって投げ属性だったりガードインパクト属性があったり性能は異なるが、全体的に発生は早めで威力も高い。モーション途中から無敵が付いてるものも多く、俗に言う「ぶっぱなし」も可能。とはいえ当然、適当に出せばゲージを無駄にしたりガード・空振り後に反撃を受けたりもするが。 --なお、「クリティカルエッジ」はシリーズの原点作である『[[ソウルエッジ]]』に搭載されていたシステムである。 -ガードインパクト --レバーを後ろ側に倒してA+B+Kと押すと、相手の打撃を弾いて隙を作り出すことができる。過去のシリーズにあった同名のシステムと比べて相手に与える硬直時間が長めで、さらに上中下段全ての攻撃を弾くことができるため強力だが、クリティカルゲージを0.5本消費するため多用は出来ない。また、ガードインパクトを受けてもゲージがあればガードインパクト返しも従来通り可能。 -ジャストガード --攻撃を防ぐ瞬間にタイミングよくガードボタンを一瞬押して''離す''ことにより、ガード硬直を軽減させることができる。全体的にビギナー向けにシステムが作られている本作だが、このジャストガードは上級者のやりこみに応えるためのシステム。従来のガードインパクト(弾き・捌き)は今作からゲージ消費行動になってしまい頻繁に使うことは出来なくなってしまったが、それらの代わりとも言える新たな防御行動。 -ガードバースト --ガードし続けていると強制的にガードが解けて隙を晒してしまう、いわゆるガードクラッシュ。ガードバーストを起こした後は大きな硬直時間が生じ、さらに硬直中はカウンターヒット扱いとなりカウンター始動の高威力連続技が入るため、ガードバーストのリスクは大きく、ガード後の確反だけでなく相手の攻撃をスカすのがより重要となった。 --内部的には各技ごとにガードバースト値が設定され、限界まで達するとバーストが起こるが、画面上では体力周囲が黄 ⇒ 赤と色が変わって警告してくる。 ---- **評価点 -対戦ゲームとしての出来映えは良好。 --例えば新システムのブレイブエッジはゲージを消費する分「当たればコンボに行ける + ガードされても硬直差で有利 + 発生が早め + 攻撃範囲も広め」など複数の長所を備えた明確に高性能な技が多く、溜めたゲージを用いて連続で使い畳み掛ければ格上が相手でも勢いで勝ちやすいように作られている。その一方で、適切な8Way-RUNやしゃがみ、ジャストガードなどを含めればそれら強力な技にも対処は可能なため、腕の差の影響が特別薄いわけではない。キャラ性能はよく調整されており、明らかに壊れている技やバランスを崩しているキャラクターは少ない。 --『IV』に比べて全キャラとも技数が大きく減少しているなど、初級者やシリーズ非経験者に配慮した部分も見られる。また、俗に言う根性値補正が大きかったり、相手がマッチポイントになった時に自分のクリティカルゲージが1本増えたりと((例えば3ラウンド先取制の試合で、相手に2ラウンド取られた時など。))逆転要素も強め。 --トレーニングモードもそれぞれのキャラの複数の主要技の説明(立ち会い方、その技の特徴、欠点などまで)や、基礎的なコンボの紹介、オンライン対戦時を想定した入力ラグのON/OFF、ダミーの行動をコマンド記録し複数パターンをランダム再生する事も可能など、当時としてはかなり親切な作りになっている。 -ネット対戦の出来(そのもの)についても評価は高い。ラグが目立ったIVと比べて、オンライン対戦でもほぼ違和感なく操作することができる。 --ランクマッチ・プレイヤーマッチに加え、グローバルコロッセオという多人数対戦用モードもある。各国・各地域ごとに数十人用の部屋が複数あり、各部屋に入って室内のプレイヤー達とランダムマッチングで対戦をしたり、任意の相手と連戦をしたり、チャットでコミュニケーションを取ることが可能。 ---グローバルコロッセオの類似システムとしては、ブレイブルーやP4Uなどのアークシステムワークス製の格闘ゲームに搭載されているロビーマッチがある。グローバルコロッセオは流石にあれらよりは各種利便性で劣るが、SCVの発売日はアークゲーにロビーが初搭載されたBBCPの1年8ヶ月前である事を考えると、十分に便利なモードだったと言える。 -キャラクタークリエイションの設定可能項目がさらに広がり、より凝ったキャラクターを作れるようになった。 --身長を5段階で設定できたり、全身の各部位ごとに細かく体格を調整したり。パーツの装備可能部位も増加している。 --パーツごとにカラーだけでなく柄物テクスチャを設定したり、拡大縮小や回転可能なステッカーを任意の位置に貼ったり、サイズ調整・変形可能なEXパーツを好きな座標に置いたり等々。Vの追加要素の中でも、特にこれら3種の要素を使いこなすとキャラクリの幅は格段に広がる。 --今作のキャラクリについて調べてみれば、本作でどのようなキャラクターが作られたか、その完成度や発想の広さに驚愕することであろう。 --ただし難点や欠点も無いわけではない。詳しくは問題点の項目で後述。 -IVからの使い回しと思われる部分も多いが、グラフィックやBGMなどの映像面でも水準以上のクオリティを保っている。 --Vでシェーダーやライティングのシステムを一新したとの事で、使い回されていると思われるモデルでも見た目の印象はIVとは結構異なる。 --本作のBGMはバンナム内製ではなく、CIAという音楽制作集団が担当。海外のコンポーザーが多く参加しているため従来に比べて重厚なBGMが多いが、中には『聖剣伝説2』の菊田裕樹も参加している。 ---- **賛否両論点 -世代交代によるキャラの入れ替えなどについては賛否両論。 --世代交代により元キャラと入れ替わる形で新登場したキャラは、元キャラとほとんど変わらないレイシャ(←シャンファ)についても、元キャラから大幅な変化のあったナツ(←タキ)やシバ(←キリク)についても、やはり元キャラの人気が付き纏い好評を得たとは言い難い。 ---なお、新主人公のパトロクロスについては、「''よーし、お前は死ね!''」という台詞に象徴される主人公らしからぬ傲慢かつヘタレな個性付けがされており、''圧倒的主人公''としてプレイヤーからネタ扱いされている。 ---ちなみにパトロクロスは設定や流派などは母親であるソフィーティアのものを引き継いでいるが、初の男性剣盾キャラのためかモーションや性能は新規キャラといって差し支えない((どちらかと言えば若干だがカサンドラ寄りの性能))。 --また、アイヴィー・マキシ・ラファエル・ティラ・アイオーン(リザードマン)といった続投組14名は17年後という設定にも拘らずその大半が(人外となっている、邪剣の影響、トカゲなので解りづらい、などの理由で)見た目そのままで登場している。実際に17年の年月を感じさせる変化があったのは御剣とジークフリート、ヒルダの3名のみ。 --吉光やナイトメア、アスタロスは代替わりしたが外見も声も口調も性格もほぼ先代と大差ない((ナイトメアは狡猾な性格になっている。とはいえ対戦中の台詞などは概ね同じ。))。 ---この中途半端さから、本当に世代交代させる意味があったのかという声も見られる。 --今作のクリエイションモードでは多彩なキャラを作れるのだが、設定として非常に気弱な少女であるためにモーションも基本的になよなよとした動きが多いピュラ((ピュラΩという同じ武器の別verキャラも居るが、設定として性格が凶暴化しているため、これはこれでモーションの癖は強い))や、野生児という設定なので猿のようなモーションが多いシバ等々、アクの強い動きをするキャラ=流派がより増えた((モーション自体にもキャラの性格を大きく反映させる事は、キャラクターの個性付けとして見れば優れているため、これ自体は一概に難点とは言えない。))ため、オリジナルキャラを作る際にキャライメージと実際のモーションの乖離などで苦労する事もある。その一方で、パトロクロスの登場により、男性の剣盾キャラを作りやすくなったというメリットもある。 ---そもそも、変態的なモーションのヴォルド、マッチョイズム全開なモーションのアスタロス、基本的にスタンダードな動きをしつつも幸せ投げやヒップアタックも使うソフィーティア・カサンドラ((例えば剣盾使いの真面目な男キャラを作っても、対戦中にこれらの技を使うと途端にオカマキャラめいてしまう。))など、アクの強いモーションを含むキャラクター=流派は以前からずっと存在していたので、クリエイションモードが搭載されたIII以降、必然的に抱えている苦労・賛否両論要素ではある((ただIIIの時は、メインキャラクターの流派とは別に、クリエイションキャラ専用の武器種・流派があり、それらはメインキャラ流派に比べて性能が微妙でガチ対戦には不向きなものの、モーションに従来の流派とは異なる個性付けがされていたり、または良くも悪くも没個性的だったりと、オリジナルキャラ制作の際の選択肢を広げてくれていた。))。 // ((しかし現在は、開発費の規模が大きくなった上に、オンライン対戦の存在が当たり前となりそちらへの開発リソースも必要なため、『III』の頃のような『キャラクリ専用流派も多数用意する』という方法は、残念ながら今となっては費用対効果も薄く非現実的な方法と思われる。)) // ↑格ゲーでこそないものの、クリエイション機能があるゲームとして非常に著名な「真三國無双」シリーズでも固有キャラ以外の汎用武器はあるのでコメントアウトしました(あちらはエディットに使わなくても雑魚キャラにも使われていますが…)。 //ピュラについてはかなり個人的意見を含むので、不必要だと思ったらCOお願いします。 //ピュラについての見解は一理あると思いますが、突き詰めるとクリエイションモード自体が抱える難点であり今作特有の賛否両論点ではないと思うので、他の冗長すぎた部分を含めて一纏めにしました。 #region(圧倒的主人公の様子) &youtube(https://www.youtube.com/watch?v=uzRIyLTWOgw) #endregion -また、世代交代ということで参戦が期待されていたロックの息子バングーが未登場なのも一部ファンを落胆させた。 -新キャラクターのツヴァイとヴィオラについて --過去にもアイヴィーの蛇腹剣といったファンタジー要素はあったものの、基本的には剣戟格闘として武器を振り回して戦うゲームとして見られていた本シリーズだが、本作の新キャラであるこの二人については武器がそれぞれ「''狼型の幻体''」「''魔法''(のような力)''で動かしている水晶玉''」と明らかに武器格闘からかけ離れている戦闘スタイル((補足すると、2人とも主として使う武器はあくまで刃物。ツヴァイはトンファー的にも扱える十字架に近い形状の片手剣を、ヴィオラは鉤爪を使用。))だったことから、武器格闘としてのソウルキャリバーを好んでいたプレイヤーから批判が相次いだ。 ---IVでもアルゴルという飛び道具を発射するキャラクターが登場しており、こちらも(主に異質すぎた性能面が理由で)不評の声も多かったのだが、今作にも登場している((流石に今作では、前作での強烈すぎたSTG性能・逃げ性能などはかなり落ち着いている。))。 --さらにヴィオラに関しては性能面でも不評な面が強い。 ---水晶玉を所持している時と手放している時とで2つのモードがあり、この二つのモードを使い分けるテクニカルキャラ…と思われていたが、実際は常に手放している状態が望ましく、また接近戦での本体と水晶玉の波状攻撃による一方的な攻めが展開できた。本体の技後の隙を水晶玉の時間差攻撃で中継・カバーする事により、発生の速い低威力な単発崩し技でもヒットしたら高火力コンボへ行けたり、本体の技がガードされても反撃を受けなかったりターン継続したりと、超接近戦仕様のキャラとなっている。 ---水晶玉を交えたコンボは空中制御が不可能であり、基本連続技で十数ヒットは普通にするという『ソウルキャリバー』らしからぬコンボゲーぶり。コンボダメージも高い方で、ワンチャンスから大きなダメージを奪っていく、上位クラスのキャラの一人となった。 ---ただし、水晶玉を飛ばしての遠距離攻撃も可能ではあるがやはり超接近戦主体のキャラであることや、『ソウルキャリバー』は8WAYRUNにより間合いや位置の調整がしやすいこと、武器格闘対戦であるがゆえに3D格ゲーにしてはリーチの差が激しいこと等から、リーチが長いキャラ相手にはいくらか不利になったりもする。それらを踏まえても強力なキャラの一人ではあるが。 ---なお、『ソウルキャリバー』において異質な強みを多数持つものの、ヴィオラは突出した壊れキャラというわけではない。実際EVO等を含む各種世界大会や、総評で注釈している段位戦などでも、優勝したり上位に入るのは他のキャラがほとんどである。 --もう一方のツヴァイについてはキャラランクで最弱候補の一人とも言われている。技は全体的にリーチが短く、発生も遅め、技後硬直も大きいためガードされると反撃確定な技が多く、幻体を絡めた一部のコンボやゲージを消費するコンボ以外では火力も低め、さらに移動速度も遅めという''五重苦''。 ---後にプレイヤーの研究で幻体を設置してからの見えにくい中下択や起き攻めで一気に大ダメージを奪う事が可能な起き攻めワンチャンキャラとなった((『ソウルキャリバー』シリーズは起き攻め対策のセオリーの1つとして「寝っぱ(ダウンしたまま)」というものがある。これは「ダウンさせられた後にすぐ起き上がろうとせず、あえて一旦寝っぱなしで相手の中下択攻撃を一撃だけ喰らうか空振らせるかしてから起き上がることで、中下択始動の強烈なコンボを確実に回避し、結果的に被ダメージを少なく抑える」という対策なのだが、ツヴァイの幻体起き攻めは中下択だけでなく寝っぱ狩り択からコンボに行く事すら可能なので、爆発力は非常に高い。))が、そこの状況を作るまでの肝心の差し合いの弱さはどうにもならず位置づけはあまり変わらず。 -特に『III』で非常に充実していた一人用モードのボリュームが少ないのを問題とする声も多い(『IV』も『III』に比べるとボリューム不足ではあったが、それでも『V』よりは充実していた)。 --本作の開発期間は非常に短かったらしく、リソースを対戦部分に割いた結果であると開発者は話している。それは対戦格闘ゲームとして正しい選択であると言えるし、それによって本作は対戦部分において高い評価を得ているため、この点を一概に問題点と断ずることはできないだろう。 --本作の1人用モードとしては、ストーリーモードと純粋にCPUと戦うだけのモードがいくつかあるのみ((アーケードモード、『Broken Destiny』と同様のクイックマッチ、レジェンダリーソウルズという高難易度モード。))。 -技モーションやレスポンスがオンラインを前提に遅延を吸収する様に調整されている。これ自体はオン対戦(特に確定反撃を狙う時など)では評価出来る点だが、結果的にもっさりと言われる。オン対戦しない人にはこの様な調整は邪魔でしかない。 ---- **問題点 -日本の定価が過去最高の値段設定になっている。 --それだけならまだいいのだが、先行販売された北米の定価が19.99$と半額以下どころではない格差。発売当時は円高最高潮だった。そのおかげか、北米での評価はそこまで悪くない。 --なおどちらも日本語環境では日本語で、英語環境では英語で動作する。つまり全く同じものを3~4倍で売られていたわけで…北米版は後にDL版が半額セールされたり(PS+加入で4分の1の5ドル)、価格格差がすさまじい。 -ストーリーモードの圧倒的ボリューム不足。 --『III』や『IV』のように各キャラごとにストーリーがあるといったものではなく、20回ほど決められたキャラで対戦したらストーリーモードの全てが終わってしまう。さらに主人公のパトロクロスとヒロインのピュラ(ソフィーティアの子供である姉弟) + αのみを重視して描写されており、多くの新キャラや過去キャラはちょい役である。御剣やセルバンテスなど登場''さえ''しないキャラも何人かいる。 ---パトロとピュラ、キャラ2人分のストーリーモードとして見れば、フルボイスのテキスト量やストーリーの長さなど、過去作のストーリーモード2人分に比べボリュームは格段に多い。が、例えば『IV』ではキャラは約30人居てそれぞれにストーリーモードがあったことを考えると、やはりストーリーモードのボリュームの総量が大きく減ってしまったのは事実。 --演出的にも、要所ではきちんとした3DCGムービーが入るが、ほとんどの場面では、手抜きと疑われるようなほぼモノクロかつラフ気味のイラストによる2D紙芝居となっており、十分な力が入っているとは言いがたい。 ---ただ、紙芝居的演出自体は、ほとんどのシーンで行われつつ各シーンごとに全て個別絵なので、イラスト数自体は実は膨大。さらに一部は簡素とはいえ背景も含めて描かれている。モノクロラフ絵とはいえ担当したイラストレーターの労苦は想像に難くない。 --ストーリー自体は、少々駆け足気味な部分もありつつも、主人公である姉弟の物語に限れば起承転結はしっかり作られている。だが謎や伏線が張られたまま未回収のままとされた部分も多い((特に新キャラ。ツヴァイとナイトメアの因縁は何だったのか、エイミはなぜ記憶を失いヴィオラという名と姿になったのか、など。シバやレイシャの過去も作中では特に説明されず、ツヴァイに敗れたナイトメアがその後どうなったか不明等々、曖昧な部分はとても多い。))。 //この状況で個別エンディングがないのは問題点にならないかな? 今まではちゃんとあって作品によってはマルチエンドまであったんだし #region(ストーリーについてのおおまかなあらすじと難点や問題点。ネタバレ注意) パトロクロスは前作までに登場したソフィーティアの子供であり、ソウルエッジとの因縁により家族を引き裂かれた過去を持つ。母を殺し姉を攫ったイヴィルを人一倍憎みつつ、生き別れの姉であるピュラを探しているという設定なのだが… -邪剣に侵された人間──イヴィルは悪と断ずる、という所までは良いとしても、ストーリーの最序盤で『少しでも怪しいと思った相手に「お前はイヴィルだな?」と因縁をつけ、正義の名の下に無実の人間を一方的に虐殺する』という、プレイヤーに最悪の第一印象を与えた。 --その虐殺、イヴィル狩りはよりによってソウルエッジの分身であるナイトメアに騙されて行ったもの。ただ今作のナイトメアはデュマという人物になりきり、ローマ皇帝に取り入って伯爵位を得て正式にハンガリーを支配する立場となり、イヴィル狩りという名目で部下を派遣し虐殺させて魂を集めるという方法を採っている。パトロクロスが騙されてしまうのもある程度は仕方ないと言えよう((過去作の物語上で大暴れしたナイトメアらしからぬ迂遠な策略だが、これは今作のナイトメアはラファエルを宿主としている(過去作でもジークフリートを宿主としていた時、ジークの人格は多少残っておりナイトメアの行動に影響していた)ため。元々貴族の当主だったラファエルはこういった陰謀や搦め手に長けているのだろう。))。 --ピュラの方も無実の人間を殺害するようソウルエッジの眷族であるティラに仕向けられている。ただパトロとは異なり『ティラが暗躍し騒動を起こし、兵士などがピュラを疑い襲いかかってくるという状況を作り出し、ピュラは自衛のために止む無く相手を殺す』という形。しかし赦しを請いながらも多くの人を殺し罪を犯していく姿に不快感を催したプレイヤーも少なくはない。 ---不本意にせよ過ちを犯してしまい、その後贖罪を誓う…というのはジークフリートやキリクといった過去の主人公に共通する点であり((ジークフリートに至っては、ソウルエッジに支配されナイトメアと化す以前の時点で『過酷な国内情勢ゆえに母親から満足に育てて貰えなくなっていき、そんな中で生き抜くためとはいえ、盗賊団(コソ泥集団などではなく、殺して奪うタイプの集団)まで作り略奪を繰り返した挙げ句に、遠征先で敗戦し撤退してきた自国の騎士団の隊列にも襲いかかり虐殺。さらに騎士達の一人である自分の父親を(顔が判別しづらい闇夜だったとはいえ)自らの手で殺してしまうが、親殺しという事実を受け入れられず現実逃避し狂ってしまう』という、パトロに負けず劣らずな強烈な過ちを犯している。))、本作もそれに則っていると言える。なお、この姉弟には1作目のオマージュと言えるような掛け合いが用意されている。 --ストーリーが進むとパトロは姉であるピュラと再会するが、ピュラが邪剣の影響によりイヴィル化((目は赤黒くなり右腕は異形化するというショッキングな姿に。))してしまうが、そんなピュラを受け入れられず置き去りにして逃亡。これが原因で更なる惨劇を引き起こすことに。 -そんな圧倒的ヘタレぶり((ただ、彼の人生においてイヴィルとは自分の家族を滅茶苦茶にした邪悪な存在そのものなので、最愛の姉がそのイヴィルになっていたと突然判明したら激しく混乱するのは仕方なくはある。とはいえ姉の「私達、家族だよね?」という懇願に対し、剣を突き付けてまで拒み逃げ出す姿はかなり情けないものだったが…。))から、ツヴァイからの説得もあって立ち直るため心を入れ替え、別人のように出来た人間になるのだが、その際「自分の本来得意とする剣術」として突然前作の雪華と酷似した動きの抜刀術使いになる。 --資料集や小説版にてその経緯が説明されている。ちなみに前作から本作にかけてゲーム中では描かれなかったソフィーティアの結末やアレクサンドル一家の経緯についても資料集や小説版で補完されている。こうなった理由は単にストーリーモードにかける時間が無かったためと思われる。 -その後、弟に拒否された絶望から新たなソウルエッジの使い手として覚醒してしまったピュラを、ソウルキャリバーに支配・洗脳されたパトロが一度殺してしまう((これはソウルキャリバーが単なる善性の存在ではない、という演出のため。今作のストーリー上のラスボスのエリュシオンは、ソウルキャリバーそのものである。))。しかしその後、アストラルカオス(心象世界)の中で「本当にこれで良かったのか?」と自問自答したパトロが、キャリバーの支配・封印を破りアストラルカオスから脱出。時を遡って、ピュラを殺す為ではなく救う為に再び戦う。最終的には、姉弟それぞれエッジ・キャリバーの支配から脱し、2本の剣を相殺させ破壊して、邪剣に翻弄された人生にピリオドを打ち、イヴィルと化した姉を家族として受け入れ、今度こそ二人で歩みだす──というオチ。 -今作の主人公であるアレクサンドル姉弟は、どちらも癖の強めな性格設定でありつつも、"ソウルエッジに人生を狂わされたキャラ"としてはシリーズ歴代でも最上位クラスに入ると言っていい程なのだが((邪剣に関係なく極めて悲惨な生い立ちや人生のキャラもいるし、邪剣に関わったせいで人生が狂ったり悲惨になってしまったキャラは他にも色々いるが「"邪剣のせいで"生まれた時点・物心ついた時点で既に人生が狂っていて、まとも・幸せに過ごせた時期が全く無い」となるとこの姉弟くらいである。パトロはまだしもピュラは特に悲惨。今後に希望のあるEDだったのが救いではあるが…。))、いかんせんそういった''重く悲惨な背景をゲーム中でほとんど見せていないのは致命的''である。悲惨な過去があればこその性格も、肝心の過去が分からなければ癖の強さだけが気になってしまうのではないだろうか? --ソウルシリーズは各キャラクターごとに細かく重厚な過去設定があることも特徴や魅力の一つだったのは間違いない。しかし雪華との縁などもそうだが、特にパトロが傲慢で歪んだ性格になってしまった理由である地味に悲惨かつ歪な家庭環境などだけでも、せめて『IV』までにはあったミュージアムモード((全キャラの詳しい設定やストーリー開始前のバックストーリーを読む事ができた。))を入れておいてそこで読めるようにしておけば、主人公への悪評も随分減ったのではと思うが…今さら後の祭りである。そういう部分をゲーム内で見せられなかったのはストーリー上の大きな難点と言えるだろう。 #region(補足。アレクサンドル姉弟の裏設定について) -パトロクロスが傲慢な性格になったのは「父親の溺愛によるもの」である。 --アテネ一番の鍛冶師だった父親ロティオンは、邪険破壊の旅に出たソフィーティアとカサンドラが行方不明になりピュラも誘拐された事から、アテネ市民から「誰も守れぬ腰抜け」と陰口を叩かれるようになり、武器職人としては廃業を余儀なくされ工具作りで糊口をしのぐようになる。義弟とも険悪になり、周囲に嘲笑される苦い生活や妻と娘と義妹を失った自責などから、唯一残された息子であるパトロに過剰な愛情と期待を注ぐようになっていく。この際にロティオンは段々と美化されていく妻の記憶を繰り返しパトロに聞かせていた為、パトロは母のことを偉大な聖戦士として過剰に崇敬・神格化してしまう((雪華に抜刀術を教わっておきながら剣と盾で戦うことに固執していたのも、ストーリー後半でエリュシオンがソフィーティアの姿形で現れたのもそのせい。彼にとっての偶像の姿で現れる事で、エッジ破壊の命令を信じさせやすくするため。))。また最愛の娘と孫娘をいっぺんに失った祖母も、残った孫であるパトロを溺愛するようになってしまった。イヴィルへの過剰な憎悪や、甘やかされたが故の傲慢な性格はこの頃に構築されていったと思われる。そしてパトロが旅に出る5年前には祖母が、2年前には父親がそれぞれ病死している。 -ピュラが過剰にティラに依存しており、非常に気弱で自虐的な割に自衛の為とはいえ殺人をあまり躊躇わないのは、ティラにそうなるように仕向けられていたため。 --『IV』のストーリー終了後のピュラは孤児としてあちこちを転々としていくが、その間に出会った数少ない友人や養父母などをティラが次々と暗殺していき((あの娘に関わると謎の死を遂げる…と噂されるようになり、ピュラは孤独と絶望感を強めていった。))、最終的には奴隷の身にまで堕ちてしまう。そんなピュラを侍女として雇いつつ求婚までしてくれた貴族の御曹司をも、ピュラが容疑者として疑われる状況で惨殺。当然ピュラは投獄されるのだが、ここまでした上でティラは初めてピュラの前に姿を現し「私だけは貴女の味方だ」とうそぶき、「貴女は悪くない、殺さなきゃ殺されるよ」と殺人をそそのかす…。 ---ソウルエッジの最強最悪の使い手として相応しく育てる為に、絶望を与え続けて心を深く濁らせ、前述のような状況を何度も作り多くの人を殺させ魂を吸わせて強くする。そんな歪んだ人生を、ピュラはティラにずっと歩まされていたのである。 #endregion //改心してからもあっさりとエリュシオンに洗脳されて「一片の悔いもなかった」→洗脳が解けてから「これで良かったのか?」という迷走ぶりは多くのプレイヤーをずっこけさせた。 //↑の一文に関してですが、過去作においてもソウルエッジやその破片にあっさり洗脳されたキャラは多数居ること、IVでソウルキャリバーはソウルエッジの一部を元にして作られた武器という設定が追加されたこと、長い戦いを経て作中でも高い精神力を持っているであろうジークフリートさえVのOPムービーで一時的にソウルキャリバーに支配される演出があったこと等を考えると、一旦洗脳された事や解けたあとの苦悩は別におかしくないと思います。そもそも姉を救いたいと願っていただけなのにそれを歪められ洗脳されて、結果として一度ピュラを殺してしまったわけですから、パトロが疑問を感じるのは当然かと。というわけで一旦COします。 #endregion -『IV』までに登場した一部キャラの代替キャラがいない。 --該当キャラはソン・ミナ、ロック、タリム、ユンスン、ザサラメール、エイミの6名。 --特に問題とされたのはタリムとザサラメールの性能を受け継いだキャラがいないこと。 ---既存キャラのコンパチキャラであるソン・ミナやロックは、似た性能のシバやアスタロスがいるとしても、タリム(叉刃拐)とザサラメール(大鎌)の性能を持つキャラがいないのは疑問視された。 --タリムや同じく代替キャラのいないソンミナ、ロックなどは衣装だけDL販売されているが武器がないので再現できない。 --エイミに関しては、外見や声優からヴィオラに変わったと思われる。 --余談だが、旧作にコンパチキャラとして登場していたファンはクイックマッチの対戦相手としてそれらしき人物がいる…が何故か''デビル仁流派。''その上声にもかなりエフェクトがかかっている。どうしてこうなった? -そのくせ無駄に3人もいる木人キャラ。 --それぞれ「全キャラの中から毎ラウンドごとに性能が選ばれる」「男キャラの中から(ry」「女キャラの中から(ry」と、だからどうしたと言わんばかりの差別化がされており、こんなのを出すくらいなら削除されたキャラを出せという声が相次いだ。 --特筆すべきは男木人キャラのキリク。女木人キャラのエリュシオンと違ってストーリーには一切登場せず、専用技も特定の流派を引いたときにしか使えないため、メリットも薄い。『ソウルキャリバー』の主人公格キャラだったにも拘らず、本作では何のために登場したかさっぱりわからない誰得キャラとなってしまっている。''出せばいいというものではない'' --エリュシオンの方も同じく「特定流派の時のみ独自仕様に」となっており、ストーリーで敵対するときはこの流派固定になる。そんなややこしい仕様にするのなら最初から差別化して1キャラとして出すべきではないのだろうか? --また、キリクは勿論として、エリュシオンも外見はソフィーティアそのものなので((衣装破壊演出後は仮面が破壊され素顔が露わになる。))、モデリングがあるなら木人ではなく普通に使わせてくれという声も少なくなかった。 -大技でKOされた時の衣装破壊演出のON/OFF設定ができない。 --衣装破壊されたキャラは見映えが悪くなる。特にクリエイトキャラで衣装破壊が起こるとほぼ台無しになってしまう((それを見越してネタを仕込む(衣装破壊後は別のキャラに見えるように作る等)こともできるが、そういう仕込みが可能なキャラクリは限られる上に難しい。))。一応衣装破壊により下着一丁にされてしまう前作からは改善されているが、これは単に下着に加えてボトムスや靴下の部位のみ残る、というだけ。 ---衣装破壊が締まらない、見栄えが悪いという自覚はあるようで、メインキャラたちは衣装破壊されてもほとんど見栄えが変わらない((破損後のパーツが別に用意されている。))。 ---次回作では逆に悪化してしまう((基本下着と靴下のみになる。女性キャラが装備できる一部のパーツはアップデートで破壊不可の仕様になったが…。))。 ---後にアップデートで選ぶことができるようになった((ただし、内部的には『IV』の頃の防具のように上中下で分かれているようで、それらを個別に指定できる。逆に言えばズボンだけなどの指定はできないので、例えば鎧(胸当て)とTシャツを重ね着した場合下(Tシャツ)まで吹き飛ぶ場合がある(下着扱いの物は破損しないが。))。また、一部のズボンが破損しないなど、最初から破損しない設定のパーツはどうやっても破損しない)。因みに破損後の状態は鑑賞画面で確認できる。 -IVに続き、なぜかクリエイションキャラの流派に使えないアルゴル。 --賛否両論あるキャラクターとはいえ、非常に個性的・超人的なモーションで戦える貴重な流派ではあるのだが、アルゴル本人を衣装カスタマイズする事はできてもクリエイションキャラでアルゴル流派を選ぶことはできない((『IV』に至っては、クリキャラの流派に選べないだけではなく、アルゴルをカスタマイズする事すらできなかった。))。 ---肋骨や翼を模した刃を身体から出現させる、腕を刃状に変形させて斬りつける、砲身状に変形させて光弾を撃つ…等々、かなり独特なモーションで戦うので、クリキャラでそれを行うと見た目の違和感が強いからでは?といった予想がされたりもしたが、クリキャラであっても吉光流派では手首が回転して空を飛ぶし、アイオーン流派では背中から翼が生えて口から火を吐くし、デビル仁流派ではレーザーを撃って黒い翼が出る。アルゴルだけNGな理由は特にない筈なのだが…。 -エツィオもクリエイションキャラの流派に使う事が出来ず、衣装を着せ替える事もできない。 --次回作『VI』でもゲラルトだけは着せ替えできないので、洋ゲーゆえの版権の厳しさが原因だろうか。 -すぐに天井に達してしまうランクマッチ。 --A~Eの5段階、さらに各ランクが1~5に細分化され全25段階存在するランクだが、上がり幅に比べて下がり幅が非常に狭いため、段位戦による緊張感が少なく、また高ランクに達してそれっきりでランクマッチをやめてしまうプレイヤーが続出した。 -キャラクリエイションパーツの干渉等の作り込みの甘さ。 --例えば胴体へ各種パーツを装備する場合、衣類パーツの上に上着パーツを装備すると衣類のポリゴンが上着を貫通してしまう、というようなケースが結構多い。当然これは胴体部分以外のパーツでも起こる。 ---こういう貫通やめり込みといった現象はIVでも多少はあった…が、今作はやけに多い。 ---貫通が必ず起こるならある意味諦めもつくのだが、パーツによってはなぜか貫通しない事もあり、基準が曖昧((例えば金属の大きな飾りが付いた胸当ての上に、身体のラインが出るようなTシャツを着ても、この場合は飾り部分は全く貫通しない。))。 --上着パーツのカテゴリには鎧系装備の大半も含まれるのだが、上着・鎧パーツのみを装備した時に比べて、衣類パーツと上着・鎧パーツを両方装備した時は妙に着膨れしてしまう(特に鎧で顕著)。リアリティと言えなくもないが、鎧パーツ自体が身体に対して若干隙間・余裕を持たせた大きさな上に、そこからさらに一回り膨れるのでキャラのシルエットが大柄になりがち。 ---一方で、袖がゆったりとした衣服を装備しつつ篭手系のパーツを装備した場合は、袖は篭手に合わせ絞られて細くなるので、篭手のサイズはそのままとなる。衣服と鎧の方でもこうなってくれれば良かったのだが…。 --パーツの組み合わせによっては「同時に装備できないパーツ」というものもあるのだが((例えば大きめの腰鎧とコートなど、明らかに干渉・めり込んでしまうような組み合わせ。この場合は腰鎧とコートはどちらかしか装備できない。))、前述したように組み合わせ不可ではないパーツ同士でも割とポリゴンの貫通やめり込みは起こるので、イマイチ整合性は感じられない。 ---また、主にデフォキャラのコスチュームを流用したDLCパーツや、後半追加されたコスプレ系のDLCパーツ等は、明らかに貫通やめり込みが起こらないであろう他パーツと組み合わせて装備しようとしても、なぜか「同時に装備できないパーツです」と表示されてしまう事が多い。本来の同時装備不可パーツと相まって、パーツの組み合わせの選択肢を狭められている状態に。 ---DLC後半のコスプレ系DLCパーツに至っては、頭部用パーツを除けば全身ほぼ一式のパーツとしてしか装備できず((他の多くの部位が同時装備不可扱いになってしまう。))、組み合わせをほとんど楽しめない事すら多かった。初期~中期のDLCパーツは、きちんと全身各部位でパーツが分かれていたのだが…。恐らく、開発リソースが相当逼迫していたのだろう。 --以上のように、単純に各パーツごとの貫通・干渉の基準や、同時装備の可・不可の設定が統一されていないようだ。一人用モードの項目でも触れられていた開発期間の短さのツケが、キャラクリの部分にも粗さを残していると思われる。 -また、パーツを自由に配置する機能がBDと同じように備わっているが、同じように配置するということは同じような問題点があるわけで… --大きさがある程度しか拡縮できないとかパーツが少ないとか。数はともかく拡縮は幅を伸ばしてほしかった((特に縮小方向。平面のパーツや紐が作れるため。))。PSPではある程度厚みがあっても違和感がない(むしろ見やすい)がPS3/360ではかなり分厚く見えてしまう。 ---これは次回作『VI』でも変わっていない。 ---- **総評 対戦部分に特化しただけあって、基礎システムに若干の変化が生じつつも、良好なゲームバランスに優れた環境面と、対戦ツールとしては優れた作品と言える。対人戦やキャラクリに魅力を感じるプレイヤーであれば、腕や相手次第でかなり楽しむことができるだろう((実際に、発売年のEVOのメイントーナメントだけでなくサイドトーナメントにも複数回選ばれたり、欧米で何度か世界大会が行われている。また、問題点の項目にもあったランクマッチの難点を憂いた国内の有志が、『段位戦』という明確なルールを制定した非公式オンラインマッチを、専用サイトまで作り約3年間に渡って運営していた。))。 その一方、『ソウルキャリバー』というタイトルとしては、初期から登場する人気キャラの削除や一人用のボリュームのなさなど、シリーズの魅力・長所を削ぎ落としてしまった点に批判は集中し、本作を評価しないプレイヤーも数多い。 もともとこのシリーズはソウルエッジの時代からキャリバー3に至るまで、家庭用は名作と評価され大きな売り上げを出す一方で、大元のアーケード版は対戦人気が振るわず常に閑古鳥が鳴くという歴史が続いていた。~ 対戦を重視しない一人用を楽しむ客層、他の格闘ゲームの複雑さから逃れてきた層((ただキャリバーは3D格ゲーにありがちな『技数が過剰なまでに多い』という難点もずっと抱えていたので、技数を大幅に減らした今作はそういう層に配慮していないわけではない。))に支えられてきた側面があり、そこを見誤った感が拭えないところである。~ 他のゲームシリーズで言えば、丁度[[無双シリーズ]]における『[[真・三國無双5]]』のような立ち位置であるといえるだろう((基本的な出来は悪くない一方で、キャラクター一新やモーションの簡略化・流用が賛否両論、ハードも同じPS3/360etc…。))。 ---- **その後の展開 -2018年10月19日にシリーズの続編となる『[[ソウルキャリバーVI]]』が発売された。 --ストーリーは『ソウルキャリバー』のリブートであり本作以降を描いたものではない。 -PS3/360ダウンロード版はDLCと共に2023年6月19日をもって配信終了した。 --360版はOne以降には互換対応していない。

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