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*スーパープリンセスピーチ 【すーぱーぷりんせすぴーち】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000BACT4E)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2005年10月20日|~| |定価|4,800円(税5%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|低年齢層向けか難易度はかなり低め&br単調すぎて飽きやすい&brピーチ姫の喜怒哀楽は可愛らしい|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 マリオシリーズでは初の、ピーチ姫が公式に単独主演した作品である。~ 不思議な傘「カッサー」をお供に「喜・怒・哀・楽」の4つの感情を使い分けながら、''いつもとは逆にクッパに捕まったマリオとルイージの救出に向かう。'' ---- **特徴 -『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』のような横スクロールアクションゲーム。 --マップからステージを選択して進行する。マップは一方通行で、苦手なステージをクリアせずに進行させることは不可能。 --ピーチを操作して、ステージのゴールにたどり着けばクリアとなる。ゴール時には報酬としてコインを得られる。 --8エリア存在し、各エリアごとにボスを倒すことで次に勧めるようになる。 -カッサー --ピーチの相棒。武器のような役割を果たす。以下は一例。 ---''たたく''。敵への攻撃やギミックの作動に使用する。 ---''たべる''。敵を持ち上げてから十字ボタン下を押すことで敵を食べて、後述のゲージを回復する。 ---''ふわふわカッサー''。Aボタンを押し続けることで滞空時間を延ばす。傘らしい能力である。 -喜怒哀楽パワー --本作の大きな特徴。「喜」「怒」「哀」「楽」のマークがDSの下画面に表示されており、タッチすることでピーチが怒ったり泣き出したりする。 --発動にはゲージを消費する。カッサーで敵を食べるか、クリスタルを拾うことでゲージは上昇する。 --各パワーの詳細は以下の通り。 ---喜:ピーチ姫の周りに竜巻が発生し、高く上昇することが出来る。ゲージの消費が多いのが難点。 ---怒:ピーチ姫が燃え上がり、物を燃やすなどのギミックが発動。 ---哀:ピーチ姫が大量の涙を流しながら泣き始める。涙は植物を育てたり、攻撃に使用可能。また移動速度も早くなり、崩れる足場などを移動する際にも使用できる。 ---楽:気分が楽しくなって体力が徐々に回復する。初心者救済用ギミックと思いきや、裏面では攻略に使用する場面なども存在する。 --このように喜怒哀楽を使い分けてギミックを解除したり、ボスへの攻撃に使用する。 -その他 --敵キャラ図鑑・ミニゲーム・パズル・音楽室といったおまけ要素を搭載している。 --ミニゲームはDSらしくタッチパネルやマイクを活用する。 --これらを遊ぶには本編で集めたり、お店で金を出して買う必要がある。 //---ミニゲーム自体も3つしかなく、どれもお世辞にもボリューミーとは言い難くこちらもすぐに飽きる。 //↑タイトル画面からコマンドで遊べるミニゲームもある。ミニゲームが飽きやすいのは普通かと。 ---- **評価点 -ゲームの土台はしっかりしている。 --分かりやすい操作性やモーションに応じた効果音により、アクションゲームとしてキャラを動かす最低限の楽しさは健在。 -グラフィックや音楽は良好。 --平原や雪山など、本家マリオのようにエリアごとの特色がしっかりと出ている。 --下画面に現れるピーチ姫の表情はバリエーションが豊富で可愛らしい。 --BGMも出すぎず引っ込みすぎずという塩梅を保ったものが多く、世界観にマッチしている。 -敵キャラのチョイスについては、シリーズファンを十分意識した顔ぶれになっている。 --主に『[[ヨッシーアイランド>スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』や『[[スーパーマリオワールド]]』に登場する敵キャラを中心に、『[[スーパーマリオサンシャイン]]』のボスパックンやボスゲッソー、『[[ルイージマンション]]』のキングテレサ((姿はルイマン風の目元に影が掛かった状態ではなく、テレサが一周り大きくなったような他の作品での外見となっている。))までもが登場する。 ---- **問題点 ''ゲーム面の問題点'' -難易度が低すぎる。 --ピーチを主役にし、女児向けを狙ったこともあってか難易度がかなり低めに設定されている。 ---体力がゲージ制になり余裕ができている上に「楽」パワーを使えば体力を回復できるので、無茶がきくところも多数ある。さらに、''「穴に落下しても即死しない」「残機やゲームオーバーといった概念がない」''ため、アクションゲームならではのスリルや達成感がほとんど無い。 -''飽きやすい。'' --全体的に同じようなステージが多い。同じ背景や仕掛け、同じ敵などが延々と配置されている。特に強制スクロールが多い(しかもかなり遅め)ので、時間もかなりかかる。 --各ステージに3人のキノピオが配置されており、それを救出することになる。この要素は、最初は全くスルーしても先に進めるのだが、''ラストステージがキノピオを全て救出していないと入れない''というゲームデザインであり、そのステージまで知らされないという説明不足。ステージを途中で出ても、キノピオの救出がセーブされているのがまだ救いか。 ---キノピオ救出も単調すぎる。大半が『喜怒哀楽を活用して邪魔となるものを排除して救助』というパターン。頭を使わせるもの、テクニックがいるものはほとんどない。中には普通の通り道にわざわざ配置されているものもある。終盤ですら例外ではない。 -取ってつけたようなやり込み要素 --クリアした後は隠しステージが出現する。1エリアは最初から隠しステージが出現しているのだが、''2エリア以降はもう1回ボスを倒さなければ出現しない''という手間。もうその頃にはやる気などなくなっている。 ---しかも通常ステージにもパズルのピースなどが追加配置され、''完全クリアをするには、全てのステージをまたクリアしなければならない。'' ---しかも完全クリアした後のお楽しみも、喜怒哀楽ゲージが減らないアイテムのみ。ゲーム自体がヌルい為ありがたみが薄い。 -お店の商品の値段がかなり高額。 --ミニゲームはレベルごとに売られている上、レベルが1つ上がるにつれて50コインも値段が上がる(レベル1は100、レベル2は150…)。 --お店で能力(溜め打ちができる、しばらく空中浮遊できるなど)や体力増加などを買うようになるが、どれも非常に高額。しかも中にはその能力を使わなければキノピオを救助できない箇所もある。 ---そのため、コインを稼ぐだけの作業が多くなる。 ''ストーリー面やキャラクターに関する問題点'' -ストーリーが稚拙 --カッサーの存在そのものがストーリーの大筋に全く絡んでこない。カッサーの過去の回想話しという思わせぶりな要素を入れておきながらそれらが本編で活かされることは基本的には無い。~ その上カッサーは''エンディングを迎えても傘のままである。''傘に姿を変えられたという設定なのに、傘のままでハッピーエンドはさすがにどうか…。 -ピーチを主人公にする必然性の薄さ。 --武器も特殊能力もオリジナルのカッサー頼みでピーチ自身の能力を使って進むようなシーンが少なく、マリオやルイージとの絡みもそれほどではないため、ピーチ姫を主人公に据える必然性が薄い。~ 「喜怒哀楽の変化によりリアクションも変化する」という要素は、マリオ達より女性キャラのピーチの方が似合っているとは言えるがそれだけでは説得力に欠ける。 ---「いつもとは逆にピーチ姫がマリオ達を助ける」というインパクトはそれなりにあったものの、オリジナルのシステムのゲームを売るための客寄せ扱い的な感じが否めなくなっている。 -ルイージの扱いが酷い。 --ルイージを救出する際に、''何故か「緑のおっさんを救出した?よ!」と出る。''ルイージはピーチに名前を覚えられていないのか((『マリオ&ルイージRPG』などの作品では普通に名前を呼んでいた。クッパも『マリオ&ルイージRPG』シリーズ(4を除く)以外では普通に呼んでいる。))、それともスタッフの悪意かは分からないが、見ていて気分のいい文章ではない。 ---ただしこのゲーム、クッパの部下のハンマーブロスがピーチに対して「誰だお前は!?」と言い出したり、クッパもピーチをただの侵入者のように扱うなど、クッパ軍団との面識がないとしか思えないような要素がそこかしこで見られる。 ---そもそもマリオシリーズ自体、(一部例外を除いて)各作品間に明確な時系列が存在していないため、各作品がそれぞれ独立した[[パラレル>スーパーマリオブラザーズ2]][[ワールド>スーパーマリオギャラクシー2]]的なものであるとも解釈可能。故にこのゲームの世界観上では本当にルイージの事を知らないという解釈もできない訳ではないが、いずれにせよ酷い扱いである事に変わりは無い。 --またラストボスを倒してマリオを救出する時、マリオの元に走ろうとするルイージがピーチに跳ね飛ばされて倒れる始末。 --ルイージの扱いが悪いのはもはやお約束なのだが、本作の場合は扱いが酷いというよりも「悪い意味で足蹴にしているだけ」という印象が強い。 ---- **総評 他社開発とはいえ本作も安心のマリオシリーズなだけはあり、本家でのギミックを利用して「それなりに遊べて、部分部分にはやりがいもあるアクションゲーム」として仕上がっている。 しかしプレイ意欲を沸かせるギミックに満ちた本家作品と比べると、本作は難易度に限らずゲームのつくりそのものが単調で然程練り込みもされておらず、作中の大半においてやりがいが薄くヌルいだけのバランスとなってしまっているのは否めない。~ それでいて所々の要素が不親切でクリアは面倒…とプレイヤーの意欲を悉く削ぐ仕様になってしまっているのであれば、''ゲームの根本それ自体が練り込まれていない''と見做され芳しい評価を得られないのも当然の帰結であろう。~ また難易度以外の面においても、カッサーの存在意義や未回収の伏線といったストーリー面の粗や、いつにもましてルイージの扱いが酷いなどの気になる点が目立つ。~ 過去作品での設定を活かしつつ、不足部分を新キャラクターの助けによって補うなど、ピーチ姫をアクションの主役に据える上での工夫はしっかりしているのだが、せめてもう少し他の箇所にも気を配ってほしかったところである。 シリーズの主要キャラ・ピーチ姫の初主役作品ゲームであった本作だが、残念ながら、彼女ならではのキャラクター性を活かした作風を確立できたとは言い難い出来となってしまった。~ 表情豊かなピーチ姫を愛でる為のファン向けアイテムとしてならばプレイする価値はあるが、その場合でもアクションゲームとしての楽しさにはあまり期待しない方が良いだろう。 ---- **余談 -「ふわふわカッサー」「きゅうこうカッサー」などは、『[[伝説のスタフィー]]』を連想するようなアクションである。 --スタフィーにそっくりなサングラスをかけた敵キャラクターも登場する。 -ピーチ姫主演の公式作品は本作が初であるが、過去には『[[ミスピーチワールド]]』と言う非公式のコンシューマーソフトが存在していた。当然、後者に任天堂は関わっていない。 -喜怒哀楽の4つの感情を使い分けるというシステムだが、同様のシステムを持つ先駆的作品として、1987年にコナミから発売されたMSXのアクションゲーム『&blanklink(ウシャス){https://ja.wikipedia.org/wiki/ウシャス_(ゲーム)}』が存在する。 -本作は没データが多いことで知られており、未使用データの中にはコクッパ7人衆全員分のスプライトなどが眠っていたりする。([[参考リンク>https://www.gizmodo.jp/2016/11/princess-peach-knowledge.html]]) -本作の海外版CMは''ピーチ姫に扮した女の子たちが陸軍兵の訓練所のような場所で謎の訓練に勤しむ''というゲームとはまた別方向にぶっ飛んだ内容となっている。 --一応、カッサーを模した傘をワイヤーに引っ掛けて滑空したり、怒りパワーと思しき能力で障壁を燃やして突き進んだりと、原作の要素を表現してはいるが、可愛らしさを強調した日本版CMとは趣きが全く異なっている。「戦うヒロインは力強くあるべし」という、海外ならではの思想ゆえだろうか。 #region(動画) &nicovideo2(sm88738) #endregion
*スーパープリンセスピーチ 【すーぱーぷりんせすぴーち】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B000BACT4E)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|トーセ|~| |発売日|2005年10月20日|~| |定価|4,800円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |判定|なし|~| |ポイント|低年齢層向けか難易度はかなり低め&br単調すぎて飽きやすい&brピーチ姫の喜怒哀楽は可愛らしい|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 マリオシリーズでは初の、ピーチ姫が公式に単独主演した作品である。~ 不思議な傘「カッサー」をお供に「喜・怒・哀・楽」の4つの感情を使い分けながら、''いつもとは逆にクッパに捕まったマリオとルイージの救出に向かう。'' ---- **特徴 -『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』のような横スクロールアクションゲーム。 --マップからステージを選択して進行する。マップは一方通行で、苦手なステージをクリアせずに進行させることは不可能。 --ピーチを操作して、ステージのゴールにたどり着けばクリアとなる。ゴール時には報酬としてコインを得られる。 --8エリア存在し、各エリアごとにボスを倒すことで次に進めるようになる。 -カッサー --ピーチの相棒。武器のような役割を果たす。以下は一例。 ---''たたく'':敵への攻撃やギミックの作動に使用する。 ---''たべる'':敵を持ち上げてから十字ボタン下を押すことで敵を食べて、後述のゲージを回復する。 ---''ふわふわカッサー'':Aボタンを押し続けることで滞空時間を延ばす。[[傘らしい能力である。>星のカービィ スーパーデラックス]] -喜怒哀楽パワー --本作の大きな特徴。「喜」「怒」「哀」「楽」のマークがDSの下画面に表示されており、タッチすることでピーチが怒ったり泣き出したりする。 --発動にはゲージを消費する。カッサーで敵を食べるか、クリスタルを拾うことでゲージは上昇する。 --各パワーの詳細は以下の通り。 ---喜:ピーチ姫の周りに竜巻が発生し、高く上昇することが出来る。ゲージの消費が多いのが難点。 ---怒:ピーチ姫が燃え上がり、物を燃やすなどのギミックが発動。 ---哀:ピーチ姫が大量の涙を流しながら泣き始める。涙は植物を育てたり、攻撃に使用可能。また移動速度も早くなり、崩れる足場などを移動する際にも使用できる。 ---楽:気分が楽しくなって体力が徐々に回復する。初心者救済用ギミックと思いきや、裏面では攻略に使用する場面なども存在する。 --このように喜怒哀楽を使い分けてギミックを解除したり、ボスへの攻撃に使用する。 -その他 --敵キャラ図鑑・ミニゲーム・パズル・音楽室といったおまけ要素を搭載している。 --ミニゲームはDSらしくタッチパネルやマイクを活用する。 --これらを遊ぶには本編で集めたり、お店で金を出して買う必要がある。 //---ミニゲーム自体も3つしかなく、どれもお世辞にもボリューミーとは言い難くこちらもすぐに飽きる。 //↑タイトル画面からコマンドで遊べるミニゲームもある。ミニゲームが飽きやすいのは普通かと。 ---- **評価点 -ゲームの土台はしっかりしている。 --分かりやすい操作性やモーションに応じた効果音により、アクションゲームとしてキャラを動かす最低限の楽しさは健在。 -グラフィックや音楽は良好。 --平原や雪山など、本家マリオのようにエリアごとの特色がしっかりと出ている。 --下画面に現れるピーチ姫の表情はバリエーションが豊富で可愛らしい。 --BGMも出すぎず引っ込みすぎずという塩梅を保ったものが多く、世界観にマッチしている。 -敵キャラのチョイスについては、シリーズファンを十分意識した顔ぶれになっている。 --主に『[[ヨッシーアイランド>スーパーマリオ ヨッシーアイランド]]』や『[[スーパーマリオワールド]]』に登場する敵キャラを中心に、『[[スーパーマリオサンシャイン]]』のボスパックンやボスゲッソー、『[[ルイージマンション]]』のキングテレサ((姿はルイマン風の目元に影が掛かった状態ではなく、テレサが一周り大きくなったような他の作品での外見となっている。))までもが登場する。 ---- **賛否両論点 -難易度が低すぎる。 --ピーチを主役にし、女児向けを狙ったこともあってか難易度がかなり低めに設定されている。 ---体力がゲージ制になり余裕ができている上に「楽」パワーを使えば体力を回復できるので、無茶がきくところも多数ある。さらに、''「穴に落下しても即死しない」「[[残機やゲームオーバーといった概念がない>ヨッシー ウールワールド]]」''ため、アクションゲームならではのスリルや達成感がほとんど無い。 ---- **問題点 ''ゲーム面の問題点'' -''飽きやすい。'' --全体的に同じようなステージが多い。同じ背景や仕掛け、同じ敵などが延々と配置されている。特に強制スクロールが多い(しかもかなり遅め)ので、時間もかなりかかる。 --各ステージに3人のキノピオが配置されており、それを救出することになる。この要素は、最初は全くスルーしても先に進めるのだが、''ラストステージがキノピオを全て救出していないと入れない''というゲームデザインであり、そのステージまで知らされないという説明不足。ステージを途中で出ても、キノピオの救出がセーブされているのがまだ救いか。 ---キノピオ救出も単調すぎる。大半が『喜怒哀楽を活用して邪魔となるものを排除して救助』というパターン。頭を使わせるもの、テクニックがいるものはほとんどない。中には普通の通り道にわざわざ配置されているものもある。終盤ですら例外ではない。 -取ってつけたようなやり込み要素 --クリアした後は隠しステージが出現する。1エリアは最初から隠しステージが出現しているのだが、''2エリア以降はもう1回ボスを倒さなければ出現しない''という手間。もうその頃にはやる気などなくなっている。 ---しかも通常ステージにもパズルのピースなどが追加配置され、''完全クリアをするには、全てのステージをまたクリアしなければならない。'' ---しかも完全クリアした後のお楽しみも、喜怒哀楽ゲージが減らないアイテムのみ。ゲーム自体がヌルい為ありがたみが薄い。 -お店の商品の値段がかなり高額。 --ミニゲームはレベルごとに売られている上、レベルが1つ上がるにつれて50コインも値段が上がる(レベル1は100、レベル2は150…)。 --お店で能力(溜め打ちができる、しばらく空中浮遊できるなど)や体力増加などを買うようになるが、どれも非常に高額。しかも中にはその能力を使わなければキノピオを救助できない箇所もある。 ---そのため、コインを稼ぐだけの作業が多くなる。 ''ストーリー面やキャラクターに関する問題点'' -ストーリーが稚拙 --カッサーの存在そのものがストーリーの大筋に全く絡んでこない。カッサーの過去の回想話しという思わせぶりな要素を入れておきながらそれらが本編で活かされることは基本的には無い。~ その上カッサーは''エンディングを迎えても傘のままである。''傘に姿を変えられたという設定なのに、傘のままでハッピーエンドはさすがにどうか…。 -ピーチを主人公にする必然性の薄さ。 --武器も特殊能力もオリジナルのカッサー頼みでピーチ自身の能力を使って進むようなシーンが少なく、マリオやルイージとの絡みもそれほどではないため、ピーチ姫を主人公に据える必然性が薄い。~ 「喜怒哀楽の変化によりリアクションも変化する」という要素は、マリオ達より女性キャラのピーチの方が似合っているとは言えるがそれだけでは説得力に欠ける。 ---「いつもとは逆にピーチ姫がマリオ達を助ける」というインパクトはそれなりにあったものの、オリジナルのシステムのゲームを売るための客寄せ扱い的な感じが否めなくなっている。 -ルイージの扱いが酷い。 --ルイージを救出する際に、''何故か「緑のオッサンを助けた?よ!」と出る。''『[[マリオ&ルイージRPG]]』などの作品では普通に名前を呼んでいたのに……。((海外版のテキストは「You saved the green man?」となっており、やはり名前で呼ばれない。)) ---ただし本作はピーチとクッパ軍団の面識が無いような描写((クッパの部下のハンマーブロスがピーチに対して「誰だお前は!?」と言い出したり、クッパもピーチをただの侵入者のように扱うなど。))が散見される。そのため『[[ブラザーズ2>スーパーマリオブラザーズ2]]』や『[[ギャラクシー2>スーパーマリオギャラクシー2]]』のようなパラレルワールドである可能性があり、ルイージのことを本当に知らなかったなのかもしれない。また、作中の描写((上述したクッパ軍団との面識が無いような描写、本作で倒され他作品に全く登場していないブロス隊長、ピーチ姫がよくさらわれていることが公式サイトやガイドブック等でも触れられていない等。冒頭のクッパの置き手紙には「今回はじゃまなマリオを先にさらっておいた」とはあるが、昔からキノコ王国の民がさらわれる等の小競り合いがあった可能性もある。))から、『スーパーマリオブラザーズ』より前に起きた出来事とも取れる。 --またラスボスを倒してマリオを救出する時、マリオの元に走ろうとするルイージがピーチに跳ね飛ばされて倒れる始末。 --ルイージの扱いが悪いのはよくあることだが、大抵は影が薄かったり気弱だったりするのをからかわれるレベルなのに対し、本作はひたすら邪険に扱っており、見ていて気分が良いものではない。 ---- **総評 他社開発とはいえ本作も安心のマリオシリーズなだけはあり、本家でのギミックを利用して「それなりに遊べて、部分部分にはやりがいもあるアクションゲーム」として仕上がっている。 しかしプレイ意欲を沸かせるギミックに満ちた本家作品と比べると、本作は難易度に限らずゲームのつくりそのものが単調で然程練り込みもされておらず、作中の大半においてやりがいが薄くヌルいだけのバランスとなってしまっているのは否めない。~ それでいて所々の要素が不親切でクリアは面倒…とプレイヤーの意欲を悉く削ぐ仕様になってしまっているのであれば、''ゲームの根本それ自体が練り込まれていない''と見做され芳しい評価を得られないのも当然の帰結であろう。~ また難易度以外の面においても、カッサーの存在意義や未回収の伏線といったストーリー面の粗や、いつにもましてルイージの扱いが酷いなどの気になる点が目立つ。~ 過去作品での設定を活かしつつ、不足部分を新キャラクターの助けによって補うなど、ピーチ姫をアクションの主役に据える上での工夫はしっかりしているのだが、せめてもう少し他の箇所にも気を配ってほしかったところである。 シリーズの主要キャラ・ピーチ姫の初主役作品ゲームであった本作だが、残念ながら、彼女ならではのキャラクター性を活かした作風を確立できたとは言い難い出来となってしまった。~ 表情豊かなピーチ姫を愛でる為のファン向けアイテムとしてならばプレイする価値はあるが、その場合でもアクションゲームとしての楽しさにはあまり期待しない方が良いだろう。 ---- **余談 -「ふわふわカッサー」「きゅうこうカッサー」などは、『[[伝説のスタフィー]]』を連想するようなアクションである。 --スタフィーにそっくりなサングラスをかけた敵キャラクターも登場する。 -ピーチ姫主演の公式作品は本作が初であるが、過去には『ミスピーチワールド』と言う非公式のコンシューマーソフトが存在していた。当然、後者に任天堂は関わっていない。 -喜怒哀楽の4つの感情を使い分けるというシステムだが、同様のシステムを持つ先駆的作品として、1987年にコナミから発売されたMSXのアクションゲーム『[[ウシャス]]』が存在する。 -本作は没データが多いことで知られており、未使用データの中にはコクッパ7人衆全員分のスプライトなどが眠っていたりする。([[参考リンク>https://www.gizmodo.jp/2016/11/princess-peach-knowledge.html]]) -本作の海外版CMは''ピーチ姫に扮した女の子たちが陸軍兵の訓練所のような場所で謎の訓練に勤しむ''というゲームとはまた別方向にぶっ飛んだ内容となっている。 --一応、カッサーを模した傘をワイヤーに引っ掛けて滑空したり、怒りパワーと思しき能力で障壁を燃やして突き進んだりと、原作の要素を表現してはいるが、可愛らしさを強調した日本版CMとは趣きが全く異なっている。「戦うヒロインは力強くあるべし」という、海外ならではの思想ゆえだろうか。 #region(実際の動画) &nicovideo2(sm88738) #endregion -DSのマリオシリーズの中で『[[マリオ&ルイージRPG3!!!]]』と『マリオvs.ドンキーコング 突撃!ミニランド』、『いただきストリートDS』と同様WiiUバーチャルコンソールに配信されてない。 //-本作は後年になってから扱いが冷遇とも見られる描写が増えた。 //--カッサーを始めとするブリザドラス等の本作出身のキャラクターが登場してない。 //--映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に本作の要素が技を除いて一切存在しない。 //もとからマイナーで知名度が低い作品の扱いが悪いことを冷遇とは言わない -「Nintendo Direct 2023.6.21」にて、本作から19年ぶりにピーチ姫が主役となる完全新作タイトルが公開された。世界観は本作と全く異なっており、[[舞台劇のような見た目>ダイナマイトヘッディー]]になっている。 --「Nintendo Direct 2023.9.14」にて詳細が発表され、タイトルも『プリンセスピーチ Showtime!』となった。2024年3月22日発売。&color(red){2024年6月22日以降記事作成可能。} --ゲーム内容は本作と全くの別物となっており、パートナーも新キャラクターの「ステラ」が務める。

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