「ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女 前編/後編」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女 前編/後編 - (2020/09/19 (土) 22:35:37) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女 前編/後編 【ふぁみこんたんていくらぶ ぱーとつー うしろにたつしょうじょ ぜんぺん/こうへん】 |ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B0002M2U90)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂、トーセ|~| |発売日|前編:1989年5月23日&br()後編:1989年6月30日|~| |レーティング|【VC】CERO:C(15歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|飲酒・喫煙|~| |配信|バーチャルコンソール(前・後編同時収録)&br()【Wii】2009年12月22日/600Wiiポイント&br()【3DS】2013年5月1日/500円|~| |備考|GBA『[[ファミコンミニシリーズ]]』第三弾(2004年8月10日発売)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ファミコン探偵倶楽部シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- &br **概要 『[[ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者>ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 前編/後編]]』の続編。~ 時系列は前作から3年前にあたり、空木探偵の助手となった主人公が、丑美津高校で発生した殺人事件と、学校に伝わる怪談「後ろの少女」の背後に隠された謎を解き明かすために奔走していくことになる。 ---- **ストーリー >主人公である少年(=プレイヤー)は、生き別れた両親を探す旅の道中、ひょんなことから私立探偵・空木俊介と知り合い、~ 両親の行方を捜すための手立てになると考え彼の助手となる。~ それから3ヶ月後、丑美津高校1年生の少女・小島洋子が河原で死体となって発見されるという事件が発生。~ 少年は別件で多忙な空木に代わり調査を任され、彼女の死因を調べていく内、丑美津高校に伝わる怪談話『うしろの少女』と、~ 15年前にこの街で起きたある殺人事件との接点を見出すことになる。 > >果たして、謎めいた怪談話に秘められた真実とは……?! ---- **特徴 -「謎解きよりもドラマ性重視」「システム側で選択肢や移動先の絞り込みをある程度行ってくれる」という点は前作を踏襲している。 -今作は誰にでも身近な学校を舞台に据え、馴染みやすい「学校にまつわる怪談話」が醸し出す恐怖感に重きを置いた内容となっている。 --特に最終局面などはドット絵の怖さと相俟って当時の子供にトラウマを与え、今もなお語り草となっている程である。 ---- **改善点 -繰り返し聞く必要の無い台詞の選択肢を選んだ時には内容が省略される。 --具体的には相手が無言になったり「必要なことはもう話した」と言ったりする。 ---- **評価点 -2つの事件を同時並行的に解き明かしていく中で見え隠れする接点を軸に事件を解き明かしていくシナリオは相変わらず秀逸。 --特にラストシーン近くの衝撃の展開は、演出とテキストを含めて必見。一言一句を全て覚えてしまっている本作プレイヤーも珍しくないほどそのインパクトは絶大で、マニアの間ではネタとして弄られることも多い。 --最後までプレイすることにより、「うしろに立つ少女」というサブタイトルの真の意味が明かされるのもポイントが高い。 -世界観の変化に併せ、BGMもポップな曲調のものが増え、醸し出される雰囲気が前作とがらりと変化している。 -前作の劇画調のイメージデザインから、80年代の少女漫画風の親しみやすいデザインに変わった。 --ゲーム中のキャラクターは前作より一回りほど大きめに描かれるようになり、表情も前作より細かくなっている。 -シリアス一辺倒で緊張感に終始していた前作と異なってコミカルなシチュエーション描写も含まれており、緊張感を適度に解きほぐしてくれる。 ---- **問題点 -メッセージスピードの調整が相変わらず不可能。 //-前作で恐怖要素の1つだった突然流れるジングルがマイルドな音質になったためインパクトが薄れた。 //これは人によると思うが。少なくとも俺は十分にビビったぞ。 -ストーリー後編序盤の3D迷路の探索シーンが複雑で詰まりやすい。 --説明書にはマッピング用の方眼紙がついているのだが、そもそも3D迷路に慣れていないユーザーにとっては辛い点。 //--このシーンはSFC版のリメイクでは削除され、テキストによる描写になっている。 -作中で発生する事件は2件と前作に比べて少なく、ゲーム開始冒頭での事件から次の事件が起きる終盤にかけてひたすら調査に没頭していくようになっているため、やや間延び感がある。 --もちろん、シナリオ構成自体は優れており、全体のメリハリや起伏もしっかりしているので、だれる事無く調査に集中していける。 -シナリオについての賛否 #region(ネタバレ) -ネタバレになるため具体的な描写は避けるが、オカルト要素を絡めつつ事件そのものにはオカルト的な要素は一切かかわっていなかった前作に対し、本作は「オカルトは無関係だった」とは言い切れない微妙な疑問を残して幕を閉じることになる。 --これにたいして「リアリティ重視のサスペンスものとしてはいかがなものか?」という意見もないわけではない。 ---とはいえ、『現実的に考えれば警察が探偵(それも子供)に調査を頼り切ってる時点でリアリティも何もない』といったツッコミもあったりするが。 -ストーリーは恐怖要素重視ながらも時代設定が前作より前のため、主人公やヒロインの身の無事は確定している。 --それゆえに、劇中で2人が危機に陥るシーン(中盤とラストシーン)に危機感や感や恐怖感があまり感じられないという意見もある。 //ラストシーンについては「怖い」という意見が普通に多いし、「怖くない」と断定的に書くのはおかしいので表現を微修正。 -一部のキャラクターの扱い --後編で主人公に協力してくれるサブキャラ「ひとみちゃん」は、被害者の親友という立場でそれなりに存在感も大きく事件の調査に役立つ一面も見せてくれるのだが、終盤辺りで調査の進展に協力した後は出番がなくなり、主人公らからすらも言及されないまま存在そのものを忘れ去られてしまう上にエンディングにも出てこない。 --さすがにあんまりと思われたのか、リメイク版では最後の殺人事件の発生後に主人公に気遣いの電話を入れるという形でフォローされている(音沙汰がなくなっていた理由までは描かれてないのであまりフォローになってなかったりするが) #endregion ---- **総評 横溝正史的な世界観とオカルトホラー色の強かった前作と異なり、高校という身近な舞台設定と、ポップな路線のBGMや全体的に明るさを増したグラフィック表現により、グッと親しみやすさが増した。~ 一方で、売りであるホラーテイストと終始溢れる緊張感は健在であり、推理することよりも物語を読み進めていくことを重視したシナリオのドラマチックさも前作同様保たれている。 終盤の衝撃のどんでん返し含め、意外なシナリオ展開とホラー風味の作風が好きな人にオススメしておきたい1作である。 ---- ---- **その後の展開 -後にニンテンドウパワーでの書き換え専用ソフトとして[[リメイク>ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女]]された。 -GBAのファミコンミニでディスクシステム版が移植された。 --ちなみに、喫煙シーンと終盤の殺人シーンが原因で任天堂初のCEROレーティングによる対象年齢付きソフトとなった。 -現在はWiiのバーチャルコンソールでスーパーファミコン版、ディスクシステム版ともに配信、3DSではディスクシステム版のみ配信されている。 -本作の登場人物の一人である橘あゆみはBSサテラビューにて配信された番外編「BS探偵倶楽部-雪に消えた過去-」で初主演を勤め、その後『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』でフィギュアとして登場している。 -前作の制作・脚本を務めた坂本賀勇によれば、恐怖演出のノウハウについてイタリアのホラー映画監督ダリオ・アルジェントから学び取ったところが大きいといい、本作は同監督の著名な映画作品「サスペリア」シリーズのオマージュとして制作したと語っている。 -2020年にNintendo Switch版で『ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女』が発売予定。
*ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女 前編/後編 【ふぁみこんたんていくらぶ ぱーとつー うしろにたつしょうじょ ぜんぺん/こうへん】 |ジャンル|アドベンチャー|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174100165.jpg,height=150)|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/174100164.jpg,height=150)| |対応機種|ファミリーコンピュータ ディスクシステム|~|~| |発売元|任天堂|~|~| |開発元|任天堂&br()トーセ|~|~| |発売日&br()()は書換開始日|前編:1989年5月23日(1989年6月12日)&br()後編:1989年6月30日(1989年7月14日)|~|~| |価格|各2,600円|~|~| |レーティング|【VC】CERO:C(15歳以上対象)|>|CENTER:&amazon(B0002M2U90)| |コンテンツアイコン|飲酒・喫煙|~|~| |配信|バーチャルコンソール(前・後編同時収録)&br()【Wii】2009年12月22日/600Wiiポイント&br()【3DS】2013年5月1日/500円|~|~| |備考|GBA『[[ファミコンミニシリーズ]]』第三弾(2004年8月10日発売)&br()※前・後編同時収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|前作から一層ホラー仕立てとなった世界観&br;クライマックスのインパクトは現在でも語り草|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ファミコン探偵倶楽部シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- ~ #center(){{ &big(){''あなたのうしろに、恐怖が立っている・・・・・''} }} ~ ---- **概要 『[[ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者>ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 前編/後編]]』の続編。~ 時系列は前作から2年前((冒頭の「3年前」とは発売当時の現在である1989年から見ている形。))の1986年にあたり、空木探偵の助手となった主人公が、丑美津高校で発生した殺人事件と、学校に伝わる怪談「うしろの少女」の背後に隠された謎を解き明かすために奔走していくことになる。 ---- **ストーリー >主人公である少年(=プレイヤー)は、生き別れた両親を探す旅の道中、ひょんなことから私立探偵・空木俊介と知り合い、~ 両親の行方を捜すための手立てになると考え彼の助手となる。~ それから数ヶ月後、丑美津高校1年生の少女・小島洋子が河原で死体となって発見されるという事件が発生。~ 少年は別件で多忙な空木に代わり調査を任され、彼女の死因を調べていく内、丑美津高校に伝わる怪談話『うしろの少女』と、~ 15年前にこの街で起きたある殺人事件との接点を見出すことになる。 > >果たして、謎めいた怪談話に秘められた真実とは……?! ---- **特徴 -「謎解きよりもドラマ性重視」「システム側で選択肢や移動先の絞り込みをある程度行ってくれる」という点は前作を踏襲している。 -今作は誰にでも身近な学校を舞台に据え、馴染みやすい「学校にまつわる怪談話」が醸し出す恐怖感に重きを置いた内容となっている。 --特に最終局面などはドット絵の怖さと相まって当時の子供にトラウマを与え、今もなお語り草となっている程である。 ---- **改善点 -繰り返し聞く必要の無い台詞の選択肢を選んだ時には内容が省略される。 --具体的には相手が無言になったり「必要なことはもう話した」と言ったりする。 -特定の箇所をカーソルで調べてフラグが立つポイントで前作では数ドットという非常にシビアなポイントを当てなければならない場面が何度もあったが、本作では最低でもある程度の大きさが確保された。 --そのため、想定していた場所を調べたつもりなのに微差でズレていたせいで認識されなかったというケースが起きにくくなった。 ---- **評価点 -2つの事件を同時並行的に解き明かしていく中で、見え隠れする接点を軸に事件を解き明かしていくシナリオは相変わらず秀逸。 --特にラストシーン近くの衝撃の展開は、演出とテキストを含めて必見。一言一句を全て覚えてしまっている本作プレイヤーも珍しくないほどそのインパクトは絶大で、マニアの間ではネタとして弄られることも多い。 --最後までプレイすることにより、「うしろに立つ少女」というサブタイトルの真の意味が明かされるのもポイントが高い。 -世界観の変化に併せ、BGMもポップな曲調のものが増え、醸し出される雰囲気が前作とがらりと変化している。 --ちなみにディスクシステム特有の拡張音源を用いたBGMが大半を占めている。 -緊迫した場面では文字送り音が変わり、緊迫感を盛り上げる効果になっている。 -前作の劇画調のイメージデザインから、80年代の少女漫画風の親しみやすいデザインに変わった。 --ゲーム中のキャラクターは前作より一回りほど大きめに描かれるようになり、表情も前作より細かくなっている。 -ほぼシリアス一辺倒で緊張感に終始していた前作と異なってコミカルなシチュエーション描写が取り入れられるようになり、緊張感を適度に解きほぐしてくれる。 ---- **賛否両論点 -コミカル描写が取り入れられるようになり、緊張感にも程よくメリハリ感がつくようになったが、おふざけ感が強い描写もある。 --とはいっても、恐怖シーンの真っただ中に雰囲気をぶち壊すような演出や描写を入れるようなことは一切ない。内容にしても「クスリと笑わせてくれる」ような軽いコミカル描写程度であり、上述の通り、軽い息抜きになってくれている。 //-ネタバレになるため具体的な描写は避けるが、オカルト要素を絡めつつ事件そのものにはオカルト的な要素は一切かかわっていなかった前作に対し、本作は「オカルトは無関係だった」とは言い切れない微妙な疑問を残して幕を閉じることになる。 //--これにたいして「リアリティ重視のサスペンスものとしてはいかがなものか?」という意見もないわけではない((オカルト在りだと、密室トリックもアリバイトリックも「呪い殺した」の一言で済んでしまうため。推理物としては反則扱いを受ける事が多い。「ノックスの十戒」等を参照。))。 //---ただし、物語の微妙な余韻の演出の範疇と言える程度ではあり、犯人の犯行の動機や物語の展開そのものなどの核心的な部分に絡んでくるわけではない。 //---とはいえ、『現実的に考えれば警察が探偵(それも子供)に調査を頼り切ってる時点でリアリティも何もない』といったツッコミもあったりするが。 //これ動画勢(要はエアプ)ぐらいしか言ってるの見たことない。 -一部のキャラクターの扱い #region(ネタバレを含む) --後編で主人公に協力してくれるサブキャラ「ひとみちゃん」は、コメディリリーフ兼被害者の親友という立場でそれなりに存在感も大きく、事件の調査に役立つ一面も見せてくれるのだが、終盤辺りで調査の進展に協力した後は出番がなくなり、主人公らから言及されないまま存在そのものを忘れ去られてしまう。エンディングにすらも出てこない。 ---さすがにあんまりと思われたのか、SFC版では最後の殺人事件の発生後に主人公に気遣いの電話を入れるという形でフォローされている。 #endregion ---- **問題点 -メッセージスピードが遅く、その調整も相変わらず不可能。 -ストーリー後編序盤の3D迷路の探索シーンが複雑で詰まりやすい。 --説明書にはマッピング用の方眼紙がついているのだが、そもそも3D迷路に慣れていないユーザーにとっては辛い点。 --このシーンはSFC版では削除され、アニメーションおよびテキストによる簡素な描写に変えられた。 ---ただし、これはこれで否定的な意見もある。 -作中で発生する事件は2件と前作に比べて少なく、ゲーム開始冒頭での事件から次の事件が起きる終盤にかけてひたすら調査に没頭していくようになっているため、やや間延び感がある。 --もちろん、シナリオ構成自体は優れており、全体のメリハリや起伏もしっかりしているので、だれる事無く調査に集中していけるようになっている。 -「主人公の記憶喪失」という特徴的なプレイヤーとの一体感要素があった前作に比べると、主人公への感情移入や一体感という点ではやや弱くなっている。 --前作同様主人公は「あなた」表記でプロローグをプレイして、その流れに乗った形で名前を入力するのだが、記憶喪失という設定上、一体感の演出に繋がっていた前作と比べ、時系列的に過去の話である本作では意義がやや薄れている。 //前作は主人公が記憶喪失だったため、プレイヤーとの一体感演出になったのであって、その記憶喪失がない本作ではその意義が薄れている。 -前作で恐怖要素の1つだった突然流れるジングルがマイルドな音質になったため前作と比べるとインパクトは弱い。 //-時系列が前作より過去のため、主人公やヒロインの無事は確定している。 //--更にゲーム開始冒頭のプロローグは元より、説明書などでも前作より過去の話であることが強調されていることもあり、2人が危機に陥るシーンで危機感や恐怖感があまり感じられないという意見も少なからずある。 //そもそも主人公とヒロインって時点で基本的には無事なの当たり前だろ。前日譚すべてに同じ事書くつもりか? //反論のコメントを消した上でコメントアウトを解除してたのを確認したので再度隠します。コメントアウトが不服で復帰させたいのであればスレの方で意見交換してからでお願いします。話し合いもないままに反論の意見を黙って消すのは問題です。 ---- **総評 横溝正史的な世界観とオカルトホラー色の強かった前作と異なり、高校という身近な舞台設定と、ポップな路線のBGMや全体的に明るさを増したグラフィック表現により、グッと親しみやすさが増した。~ 一方で、売りであるホラーテイストと終始溢れる緊張感は健在であり、推理することよりも物語を読み進めていくことを重視したシナリオのドラマチックさも前作同様保たれている。~ また前作ではゲーム進行上の弊害となっていたシステム的なフォロー不足も解消され初プレイでも比較的スムーズに進行できるようになった。~ ストーリー面では筋立て自体が前作の前日談に当たることや雰囲気の変化などの面もあり、前作と比較するとインパクトや恐怖感の面では前作の方が強かったとする意見も見受けられるが、恐怖演出のエッセンスは前作同様しっかりと取り込まれており、前作に劣らぬ恐怖感を味わわせてくれる。 前作同様終盤での衝撃のどんでん返し含め、意外なシナリオ展開とホラー風味の作風が好きな人にオススメしておきたい1作である。 ---- **その後の展開 -後にニンテンドウパワーでの書き換え専用ソフトとして[[リメイク>ファミコン探偵倶楽部 PARTII うしろに立つ少女]]された。 -GBAのファミコンミニでディスクシステム版が移植された。 --ちなみに、喫煙シーンと終盤の殺人シーンが原因で任天堂初のCEROレーティングによる対象年齢付きソフトとなった。 --またファミコンミニのディスクシリーズ10タイトル中では唯一の平成期作品である。カセットシリーズ(全20タイトル)を含めても1990年発売の『[[ドクターマリオ]]』と本作の2つのみ(ロムカセットシリーズの『[[ゼルダの伝説1>ゼルダの伝説]]』は1994年発売だが元々は1986年のディスク作品)。 -Wiiのバーチャルコンソールではディスクシステム版とスーパーファミコン版、Wii Uではスーパーファミコン版のみ、3DSではディスクシステム版が、New3DSではスーパーファミコン版が配信された。 -本作の登場人物の一人である橘あゆみはBSサテラビューにて配信された番外編「BS探偵倶楽部-雪に消えた過去-」で初主演を務めた。 --また同作で彼女は本作の事件後も高校に在籍していたことが判明する。つまり名実ともに高校生探偵である。 --その後『[[大乱闘スマッシュブラザーズDX]]』でフィギュア、『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でスピリッツとして登場している。 -新作を求める声も多かったのだが、「凶悪事件が増えた昨今において殺人事件を取り扱うのはどうなのか」との坂本氏の意向もあり、新作の制作は本作を以って打ち止めとなった。 -2021年5月14日にNintendo Switch版で『[[ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女]]』が発売。2度目のリメイク作品となる。 --前作『[[ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者]]』と同時発売のためかオリジナル版やニンテンドウパワー版と違って「PARTII」というナンバリング表記がなくなっている。 --原作は日本のみの発売だったがこのリメイクは英訳されて海外でも同時に発売した。 ---- **余談 -前作の制作・脚本を務めた坂本賀勇によれば、恐怖演出のノウハウについてイタリアのホラー映画監督ダリオ・アルジェントから学び取ったところが大きいといい、本作は同監督の著名なホラー作品「サスペリアPARTII」のオマージュとして制作したと語っている。 --一躍著名となった同氏のホラー映画「サスペリア」の続編だが、実際は「サスペリア」とは全く無関係の別作品(監督自体はそちらと同じ)で、知名度便乗の目的でタイトルを拝借して続編として喧伝しただけである(当時の日本の映画業界ではありがちであった)。 ---オマージュ元ということもあってか、リメイク版におけるあらすじ画面や推理シーンでのBGMはこれのテーマ曲を意識したと思われる曲調になっている。 -コマンド選択にちょっとしたお遊びが仕込まれている。 #region(ネタバレ注意) -序盤の被害者の検死シーンで、被害者のスカートをカーソルでしつこく調べると「まさかえっちなことを考えてるんじゃないだろうね」と検視官からツッコミを入れられてしまう。 -さらに、警察署に行くシーンで応対してくれる婦警の胸をカーソルでしつこく調べると、重要事実発覚時のSEと共にテキスト表示と共に「ゲームオーバー」となる……が、これは単なるドッキリ。 ---後のリメイク版でもこのドッキリは引き継がれ、専用画面と専用のジングルまで用意された。更にそれとは別に本当にゲームオーバーになるポイントも用意されている(事前情報なしではまず気づかないが)。 -前編の旧校舎の一部を調べると「ファミコン探偵クラブだーい好きっ!」という落書きを見つけることができる。それに対して主人公は「そんなゲーム出てたっけ?」とメタな発言をする(確かに物語の舞台である1986年には出ていない)。 -上述の「ひとみちゃん」も「ガキの探偵はファミコンだけだ!」というメタ発言をする。これに関しては徳間コミュニケーションズ発行の攻略本で「あの~、これファミコンなんですけど……」とヤボなツッコミがあった。 --1989年から見れば直近に「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」(1987年)、「じゃあまん探偵団 魔隣組」(1988年)など「ガキの探偵」のドラマがあったがそれらは物語の舞台である1986年には放送されていなかった。 ---両作品とも本作発売前の1988年(前者は3月・後者は11月)にディスクシステム向けにゲーム化(バンダイ発売)されているため、そこを意識したセリフか、もしくは「ガキが探偵できるのはファミコンだけだ」という意味なのかもしれない。&s(){ファミコン探偵倶楽部そのものを指したメタネタの可能性もあるか} //もっともガキの探偵のファミコンソフトもなかったが、そこは「ガキが探偵できるのはファミコンだけだ」という解釈もできるので間違ってはいない。&s(){正直なところファミコン探偵倶楽部そのものを指しているんだろうが…} -用務員室のテレビを調べると「みぽりんのドラマやってないかな?」と主人公が発言する。 --発売直前の3月20日((当初は4月中に前編を発売する予定だった。))まで「みぽりん」こと中山美穂の主演ドラマ『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系)が放送されていた。恐らく1年半前発売された『[[アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール]]』の原作も坂本氏が担当したこともあって、その繋がりからネタとして起用されたと思われる。 --偶然だが作中の時期である1986年10月は現実でも『セーラー服反逆同盟』(日本テレビ系)、『な・ま・い・き盛り』(フジテレビ系)という2つの主演ドラマが放送される直前の頃だった。なので作中の時間軸で考えても上記の台詞にもマッチしている。 -中には前作を意識したものもある。 --用務員室の畳を調べると「あっ!畳に焦げが…ない」 --前作の神田弁護士事務所(電話番号 *16)に電話すると「神田弁当」という弁当屋に繋がる(恐らくこの経営者は前作の神田弁護士とは別人)。 ---因みにこれに電話することが終盤でちょっとしたイベント発生のフラグになっている。 --電話絡みでは前作の110番に続いて119番も有効になった。 #endregion -前作では名前のみで作中で登場しなかった空木探偵がグラフィック付きで初登場した。 --ゲーム誌で取り上げられた折に「[[ガンダムシリーズ]]」のブライト艦長と似ていることでも話題となり、現在もネタとしてよく言われる。 --サテラビュー配信の『雪に消えた過去』でもこのデザインが引き継がれたが前述のニンテンドウパワー版のリメイクでは一新されている。 ---前作発売前の『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)の新作情報等で彼のイメージイラストが描かれたことがあったが結果的には全然違うものになった。 -本作で出てくる地名、東北の漁村「丸福村」は任天堂が昭和22(1947)年に、株式会社として設立した当時の社名「株式会社丸福」((その後昭和26(1951)年に「任天堂骨牌株式会社」とし昭和38(1963)年に現在の「任天堂株式会社」となった。創業は非常に古く「かるた製造元 山内任天堂」として明治22(1889)年。))に由来している。 --ただの偶然と思われるが東北の宮城県に昭和28(1953)年創業で昭和56(1981)年に株式会社となった「丸福株式会社」という会社は実在している。 -PART○とは続編やナンバリングとしてスタンダードな呼称であるが、実際このように正式なタイトルに冠している例は非常に少なく大抵は『2』『II』のみである。 --例えば『[[リンクの冒険]]』はCMでは「ゼルダの伝説パートツー『リンクの冒険』」と所ジョージが呼称していたものの、実際はサブタイトルのような扱いでしかも「THE LEGEND OF ZELDA 2」と「PART」の表記はない。 --ディスクでは本作が唯一でロムカセットを含めても1991年12月に発売された『[[パーマンPART2 秘密結社マドー団をたおせ!]]』(アイレム)があるのみ。 -今作は前作と違いTVCMは制作されなかった。 --そのせいかただでさえ低い売上本数の中でも安価な書換えを選んだプレイヤーが多く、現在パッケージ版の中古価格は比較的高値がついている(特に後編)。 --CMは後述のSFC版でも制作されなかったため、本作のCMは32年を経たSwitch版まで制作されなかった。 ---厳密にはSFC版のCMはなくもないが任天堂ではなくローソンのCMという扱いで、メインはLoppiでしかなく本作のリメイク版は、タイトルだけ言われてほんの数秒チラ見せ程度でしかなかったため「『うしろに立つ少女』のCM」と呼ぶには少々無理がある。 -前作はゲーム誌の新作情報では掲載された画面写真では見た目の地味さが否めなかったことや、それ以上の話題作と軒並みバッティングした不運などもあってか結果的な売り上げに反して前人気は低かったが、本作に関しては前作と言う前例もあることや、殺人現場の写真なども早々と掲載されたこともあってか『ファミリーコンピュータMagazine』(通称「ファミマガ」)での前人気もかなり高く、最高で4位にまで食い込んだ。 --ただ実際の売上では上記の通り前作の半分にも満たないほど低くとどまった。 --結果的に前作と真逆な形になった。 -発売直後のファミマガで行われたファミコン美少女コンテスト(13号で発表)でヒロインのあゆみが3位、ファミコン美少年コンテスト(16号で発表)で主人公が1位とソフト売上こそ低かったもののキャラクターの評価は当時から非常に高かった。 --美少女コンテスト発表の翌号では未使用イラストが載せられ、それは下記のリメイク発売時に任天堂公式サイトでも一部公開された。 -前作同様に、双葉社からゲームブック版が刊行された。 --主人公に「高田 直哉」という名前が設定されており、デフォルトネームが特にない本作における主人公のデフォルトネームとして認識しているファンも多い((FC版『消えた後継者』のCMや、Switch版関連のニンテンドーダイレクトといった任天堂公式では「任天 太郎(にんてん たろう)」という名前で統一されている。厳密にはこれが最も公式に近いと言えば近いが不自然な苗字のため受け入れられていない。))。 --前作のもの同様一部設定に微妙な相違点が見られるが、前作のそれよりはゲーム本編に近いものになっている。 --挿絵のイラストレーターは前作から変更されている。 -本作は様々なレビュー記事にて個人は元より法人によるものでも作中の日付誤認がよく見られる。 --概要の通り作中の時間軸は1986年で『消えた後継者』(1988年)の2年前なのだが、物語冒頭では発売当時の1989年を基準にして「今から3年前」と語られることから両者をごっちゃにして「前作から3年前」という誤記が珍しくない。 --本作自体ソフト売上では低い部類に入ることや発売当時既にディスク衰退が著しかったことやCMがなかったせいで認知が遅れたりで後年になって初プレイした人もいてすべてのプレイヤーが発売した年をいちいち気にしないと思われるので無理もない話。 ---スタッフロール後に「そして2年後のある日…」として『消えた後継者』プロローグ前のエピソードが語られるので、それを無視しているとも思えないが、どっちか迷った挙句に「3年前」の方を取ったというのも往々にしてありそうな話である。 --徳間コミュニケーションズ発行の前編の攻略本ではプロローグの部分が~ ~ ''1989年 秋…''~ あの恐ろしい綾城家の事件からさかのぼること数年前………~ キミは空木俊介探偵と出会った。空木探偵の助手となったキミはいくつかの事件を経験した。そして血も凍る恐怖の物語を体験することになったのだ……~ ~ ---このように「1989年秋」と堂々と誤記している。~ 「恐怖の物語を体験することになった」は「プレイヤーが恐怖を体験すること」を指していると考えても発売時期は春~夏にあたるため誤記以外の何者でもないだろう。 -漫画『[[金田一少年の事件簿>金田一少年の事件簿シリーズ]]』のエピソードのひとつに本作との類似点が指摘されている。 --最も『金田一』自体、推理作品のオマージュがふんだんに多用されている作品の為、その類似点も本作へのオマージュであるとも考えられる。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: