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E.T. The Extra-Terrestrial」を以下のとおり復元します。
*E.T. The Extra-Terrestrial
【いーてぃー じ えくすとら てれすとりある】
|ジャンル|アドベンチャー|&image(et_j.jpg,height=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B0002VK8YA,height=160)|&image(E.T.01.jpg,width=160,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2901&file=E.T.01.jpg)&br;&image(E.T.02.jpg,width=160,http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2901&file=E.T.02.jpg)|
|対応機種|ATARI2800|~|~|
|発売・開発元|ATARI|~|~|
|発売日|1983年|~|~|
//|価格||~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|作業ゲー&br;E.T.に見えないE.T.&br;エリオットがE.T.と何故か融合&br;''起動しない物も混じってる''&br;''アタリショックの引き金と言われる作品''&br;しかし「失敗に終わった意欲作」と評価する声も&br;&color(red){''北米版クソゲーワースト1位''}(→[[参照>http://anotherway.jp/archives/000835.html]])|~|~|
//「技術力が低かった」訳では無いと思うのですが……
//グラフィックについてはハード的に許容範囲と書かれているし、ポイントから「問題点以前に技術力がアレ」をカット
//記事中に擁護があるので「''擁護不可能のクソゲー判定''」を普通に
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#contents(fromhere)
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**概要
10歳の少年エリオットと地球外生命体(Extra Terrestrial)との種族と星を超えた絆を描いた映画「E.T.」。~
1982年にスティーブン・スピルバーグ氏が世に送り出し、映画史にその名を刻んだ名作映画をATARIが版権を取り直々にゲーム化。~
しかしその出来は''クソゲー史にその名を刻む''あまりにお粗末なものとなってしまった。

**ゲーム内容(問題点)
-UFOのパーツを探すという作業ゲー。
--謎の"首を伸ばす"動作(一応「空中浮遊」等の特殊行動に必要なアクション)。
--穴に落ちてしまうと、空中浮遊でのろのろと脱出しなければならず、ゲームが酷く単調に。さらに穴に出てもアタリ判定がきつくすぐに落ちやすい。わかりやすく言えば敵のダメージの無敵状態がなく、ハマりやすい状態である。
---しかも穴がやたらと多い。さらに敵は穴を平気で渡る。
--E.T.の体力が尽きると何故か''エリオットが融合して復活。''

-グラフィック
--そもそも原作では茶色のETが&bold(){緑色}である。とてもETとは思えない。、雑な背景等の低レベルなグラフィック(まあATARI2800のゲームとすれば許容できる範囲ではある)。

-実は説明書にワープ・アイテムサーチ等の特殊行動や記号・アイテムはちゃんと書かれており、それを読めば割と普通にプレイできる。その為「とっつきにくく、操作に癖があり、把握も困難だが面白い」という声もある。
--しかし当時''説明書を読まないとプレイが難しいゲーム''という物は殆ど無かった事、$50と高め(当時の平均は$25~$35位)であった事が災いし、ボロクソに叩かれる結果となってしまった。「ファミコンで例えるなら''下知識無しに『[[ボコスカウォーズ>ボコスカウォーズ (FC)]]』をプレイする様な物''」とも。
---実際、日本でも「マイコン★ボックス」(月刊ファンロード別冊・1984年/ラポート発行)のATARI2800レビューでは「移動とアイテム集めでパターンをクリアしていくのはアタリ独特のもので、ストーリー性もあって、おもしろい」と結構好意的な評価をもらっている(もう一人のレビュアーは「途中でうんざりして放り出した」とコメントしているが……)。
---ただ、中身がE.T.らしいかというと、これにはどうしても否定詞が付いてしまうのを避けられない。
//コマンドの説明や擁護意見もあった方が公平かな? と思ったので追加しました。蛇足かもしれませんが……

-苦労してパーツを集めた後は本来仲間の宇宙船を呼んでクリアとなるのだが、その宇宙船が来ないというバグに陥る事がある。
--更に酷いものになると、ゲームデータが破損して2度とプレイできなくなるというバグもあるらしい。

-この内容の上、中には&color(red){''起動しない''}という正に商品未満の代物まで紛れ込んでいた。

-当時は%%更新データの配信%%&color(red){''ソフトの無償交換が絶対''}と言えるほどの酷さにもかかわらず、その対応が全くされなかった。



**評価点…?
-起動画面のETの一枚絵は(ATARI2800という事を考慮すれば)中々の書き込み様。

-当時は無許可でキャラクターを使用することも珍しく無かった中、版権をちゃんと取得している(余談も参照)。
--しかしやはり、それに時間をかけすぎてしまったのがマズかったと言わざるをえないだろう。

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**総評
先述してあるとおり、ゲームとしての出来は(バグを除けば)決して擁護不能と言うレベルではない。~
「高い上に150万本も売れたが、その割に微妙だった」「出荷しすぎて売れ残った」「アタリショックの引き金を引いた(という説がある)」「売れ残って埋められた」……といった要素が、過剰に悪評価を招いている所がある(余談も参照)。~
出来のみを論じて「最悪のクソゲー」かと言われると、微妙な所。

まぁ、だからと言ってクソゲーではないかと言うとそんな事は断じてないのだが…。

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**余談
-''米国で先行(1982年)発売された後の顛末''
--大量の在庫を抱え込んでしまい、「売れ残りの処分に困ったAtariが、''トラック十数台分に及ぶ大量のカートリッジをニューメキシコ州アラモゴードにある埋め立て地に埋めて廃棄した''」という真偽不明の情報が報じられ都市伝説として語り継がれるほどであった。
--ところが近年、この話を検証するプロジェクトが立ち上がり、2014年4月に埋め立てたとされる地点を発掘したところ''実際にソフトが発見され''、都市伝説は真実だったとして日本でもちょっとしたニュースとなった。→[[参考記事>https://www.nydailynews.com/news/national/diggers-find-atari-infamous-e-t-game-cartridges-landfill-article-1.1770182]]
---更に2014年12月15日、''この発掘ソフトの1本が「史上最悪のゲーム」として米スミソニアン博物館に収蔵されることになった。''
---この件のドキュメンタリー映画である「ATARI GAME OVER」も制作され、海外では2014年11月にデジタル配信の形でリリースされた。翌2015年には日本語字幕付きのDVDソフトとして日本でも発売された。ちなみにDVDソフト化されたのは日本版のみという珍しい話である((現在はAmazon PrimeなどのVODでも日本語字幕版を見ることができる))。
---日本でも、ゴミ捨て場から発掘されたE.T.を購入した人がおり、(ごく一部で)話題になった。
--''他のソフトにリサイクルされた''という意見もある。破棄されたのは使い切れなかった分なのかもしれない。
---一部は日本国内向けにほぼそのままリサイクルされたらしい。
--というのもこのゲームはクリスマスのキラータイトルを目論んでいたらしく、なんと''500万本''も作られていたのである(ATARI2600自体は全米で1000万台)。
---一応150万本売れたのだが、その結果は以上の通り。版権や諸々で大赤字だった。
---なお、アタリ社からすればこれでも学習して抑えた方である。半年前に春休みのキラータイトルとして出した『[[パックマン>パックマン (ATARI2800)]]』は''1200万本作って500万本売れ残っている''。
--このゲームを機にアタリ社の信頼は一気に地に落ち、アメリカのゲーム業界は氷河期と化したのであった。
---実はこの前からもずっと前兆はあったのだが、詳しくは→[[アタリショック>https://koty.wiki/Dic1#ja328fc1]]

-アメリカでのこのソフトの評価は、歴代ソフトのワースト候補を決める際の常連となってしまっているほど。
--SeanbabyはElectronic Gaming Monthly150号において歴代ゲームワースト20の''ワースト1位''にしている。
--FHM誌の代理編集人Michael Dolanも歴代ワーストゲームの1位にこのゲームを選んでいる。
--PC Worldも、筆者Emru Townsendによる「質問した内の3人に1人はこのゲームをすぐに思い出していた。何故かを理解するのは難しくない」というコメントを添えて、歴代ワーストゲームのリストトップに『E.T.』を置いている。
--X Playで唯一''0点''をつけられてしまった。

-版権などの契約で時間を食った結果、開発期間はわずか''6週間''(当時の平均の開発期間は5ヶ月~半年)しかなかった。
--本作のゲームデザインおよびプログラムを担当したハワード・スコット・ウォーショウ((現在はゲーム業界を離れ、サイコセラピストとして活動している。))は2日間で大まかなアイデアをまとめたが、開発期間の少なさで殆どを削ってしまったのである。
--ウォーショウは後に「私は6週間でこのゲームを作ったということに対してはいい仕事をしたと思う。ただし、ユーザーは開発の期間なんて気にはしない。クソゲーと呼ばれることに対しては悪く思ってはいない」と述べた。
---しかしCMは広告詐欺としかいえない出来だった。評価はこれも後押ししているだろう。→[[参考動画>https://www.youtube.com/watch?v=o8JtRmnISUg]]
--またウォーショウ氏は、逆にアタリ史上最高の売り上げを記録した『Yars' Revenge』も手掛けている。
---氏は2015年に行われた講演中、来場者に「『E.T.』は史上最悪のゲームと思うか?」と質問したところほぼ全員が手を挙げたのに対し、「なら実際にプレイしたことがある人はいるか?」と質問すると、今度は誰一人として手を挙げなかった。その結果を踏まえ、「良くも悪くも実際にプレイをせず風評のみでゲームを判断するのは正しいことではない」と発言している。

-日本でも噂は伝わっており、上記のカートリッジ発掘の際にインサイドの記事では「最悪のクソゲー」と呼ばれており、Yahoo!JAPANのトップニュースでも「''史上最悪ゲーム 地中から発掘''」と記載された。

//いくつかの記事の冒頭のCO文にて「Wikipediaに関しては不要と運営議論スレで言われていますので削除します。」という意見が見られたため、こちらのページのWikipediaへのリンクも削除しました。詳しいことは不明ですが、「意見があれば運営議論スレまで。」とのことです。
#co{-Wikipediaでは何故か『E.T.(アタリ2600)』と付けられている。
--Wikipediaには出典が必要であり、ATARI2800に関しては日本語圏に伝わった情報が少ないためこのような記事名になったと思われる。
--一方で2600(ATARI2800の海外版)の他にもGBやGBAでも出ている英語版では何故か(video game)になっている。
//ATARI2600は北米だけじゃなくて欧州でもそのままの名前で出てるよ。2800なのは日本だけ。
//それ以前に北米のATARI社が北米向けに発売した製品をなんで日本の2800向けに作られたみたいな話をしているのか理解不能。『マリオブラザース』をNES(ニンテンドーエンターテイメントシステム(アメリカ版ファミコン)用だと書く気か?
//国内発売の作品なら国内でのハード名で書くべきです。
}

//--[[“史上最悪のクソゲー”と呼ばれたゲームが埋められるまで:伝説のゲーム『アタリE.T.』を目撃せよ!(前編)>http://gotamag.com/tech/atari2600_et_1/]]
//--[[“E.T.を買った男”、模範的工作員同志(@KgPravda)氏ロングインタビュー:伝説のゲーム『アタリE.T.』を目撃せよ!(後編)>http://gotamag.com/tech/atari2600_et_2/]]
//--[[ゴミ捨て場から発掘されたゲームを十数万円で落札!? アタリショックで知られる『E.T.』座談会>http://dengekionline.com/elem/000/001/023/1023021/]]

//-2014年の発掘作業に関する記事リンク(いずれもAP THE BIG STORY)
//同様の記事はhttp://www.usatoday.com/story/tech/2014/04/25/unearthing-atari-games/8170899/等でも扱われているが、キリがないので発信元の通信社の記事のみリンク表示。
//--[[Search for old Atari games to go on in New Mexico>http://bigstory.ap.org/article/search-old-atari-games-go-new-mexico]]
//--[[Date set for New Mexico dig for Atari 'E.T.' games>http://bigstory.ap.org/article/date-set-new-mexico-dig-atari-et-games]]
//--[[Diggers ready to unearth Atari's E.T. games>http://bigstory.ap.org/article/diggers-ready-unearth-ataris-et-games]]
//--[[Diggers find Atari's E.T. games in landfill>http://bigstory.ap.org/article/diggers-ready-unearth-ataris-et-games-0]]
//--[[New Mexico city working on who gets Atari games>http://bigstory.ap.org/article/new-mexico-city-working-who-gets-atari-games]]
//--[[Atari games buried in landfill net $37,000 on eBay>http://bigstory.ap.org/article/ab673a8abbc74a618255a9034d2c5b26/atari-games-buried-landfill-net-37000-ebay]]
//--[[Atari's 'E.T.' game joins Smithsonian collection>http://bigstory.ap.org/article/aee76ef11ea44f24851ddd0186046d66/ataris-et-game-joins-smithsonian-collection]]
//--[[[GDC 2015]Atari史上指折りの大ヒットを記録したシューティング「Yars' Revenge」開発秘話。Yars' Revengeで実現された“最初のこと”とは>https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20150307012/]]
//正直ここまでリンクをずらずら並べて説明するほどのことではない。ここはあくまで「余談」だ

-パッケージイラストは[[当時ATARIに勤めていた日本人のイラストレーター、木村ひろ氏が手がけている>https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20150902046/]]。
--また移植の質の低さで知られる『[[ATARI2800版パックマン>パックマン (ATARI2800)]]』のイラストも同じイラストレーターの手によるものである。

**動画
※貼り付けが拒否されている動画なので[[リンク>https://www.youtube.com/watch?v=2DTjLG3usQo#t=2m08s]]のみ。

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