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Cross Days」を以下のとおり復元します。
//「オーバーフロー」の表記は「Overflow」ではなく「0verflow」。
『[[判定不一致修正依頼]]』が出ています。対応できる方がいらっしゃいましたなら、宜しくお願いします。
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*Cross Days
【くろすでいず】
|ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B001LNNMKA)&amazon(B001LNNMKK)|~|
|対応機種|Windows 98SE/Me/XP/Vista|~|~|
|発売・開発元|0verflow|~|~|
|発売日|2010年3月19日|~|~|
|定価|初回限定版:''13,440円''/通常版:''9,975円''|~|~|
|レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~|
|配信|2012年1月6日/8,424円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|&color(blue){''2010年クソゲーオブザイヤーinエロゲー板次点''}&br;『School Days』のスピンオフ&br;相変わらず致命的なバグ有り&br;誰得シーンばかり目立つシナリオ&br;質の劣化したアニメーション&br;高すぎる価格とそれに見合わない薄い内容&br;Cross ''Gays''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|>|CENTER:''[[Daysシリーズリンク>Daysシリーズ]]''|

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#contents(fromhere)
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**概要
高校生達の切ない純愛物語…と思いきや寝取り寝取られ昼ドラ展開、挙句の果てに数EDで妊娠殺傷沙汰、とアニメ版含め色々大きな話題になり多くのファンをも生み出した前作『[[School Days]]』(以下スクイズ)のスピンオフ。

今作は前作の登場人物も引き継ぎつつ、新主人公の存在・質の向上したアニメーションに対する期待等があり『[[Summer Days]]』(以下サマイズ)の好評もあってか大いに期待されていたが、残念なことに期待に応えるには至らない出来であった。

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**問題点
''本来のファン層を外した「誰得」シーンが非常に多い''
-本作には「ボーイズ・ラブ」や「マッシヴ・エロコメディ」といった、人を選ぶシーンが度を越えて多く、多くのファンの顰蹙を買うことに。
--回想は30シーン存在するのだが、上記に当たるシーンは12シーンも存在する。残りの回想も、あまりにも尺が短いシーンが複数あり、それらを除くと一般的なアダルトゲームとしての実用性がある回想シーンは非常に限られる。

-とあるルートでは主人公の「足利 勇気(あしかが ゆうき)」が女装することになるのだが、''この女装主人公の同性愛シーンが8つもある''のが問題となっている。このせいで『Cross ''Gays''』と揶揄されている。
--ページ上部の基本情報表にある、上側の画像に写っている''赤毛っぽい茶髪の子こそが主人公の女装姿なのだ。''見破っていたファンもいた((キャラデザの特徴として、目のハイライトの数が女は3つ、男は2つなのだが、対象のキャラは2つ。また、前髪の形と肌の色が勇気に酷似している。))が、この赤毛の子が気になって購入した人はまんまと騙される羽目に。
--少女のように見える美少年を扱う「男の娘(おとこのこ)((「男の娘」というジャンル自体未だ定義が不明瞭な部分が存在するが、本項ではその部分に関する解説は割愛する。))」や、女装した美少年を扱う「女装少年」といったジャンルもあるのだが、そもそも同性愛という時点で敬遠するプレイヤーも多かった。
--8シーンという数は、メインヒロインである「喜連川 路夏(きつれがわ ろか)」の7シーンより多く、これでは''主人公がメインヒロイン''と言っても過言ではない。
--BLルートに関してはネタルートであることが説明されており回避も容易だが、エンディングの数が全エンディングの内のCOLOR(red){''約3分の1''}と無駄に多い。
//&s(){''せめて代わりに百合ルートを実装していたならばまだ許されただろうに''}。
//百合・レズもBLほどではないとはいえ人を選ぶし、ネタのつもりとはいえ浄化要素とするには不適切かと

-一方、「マッシヴ・エロコメディ」に該当するシーンは4つ。姉の部活仲間2人に襲われるというエロゲ的にはご褒美な展開なのだが、その女性達が非常に筋肉質だったり絶頂時に顔芸を見せつけてきたりと万人受けするとは言い難い。

-シリーズお馴染みのキャラ「澤永 泰介(さわなが たいすけ)」も、相変わらずユーザーを激怒させる展開が目立つ。

''さらに劣化したアニメーション''
-売りであるアニメーションは『スクイズ』や『サマイズ』より質が低下している。画(静止画)だけを見れば良くなっているのだが、少なくとも動きの少なさ、単調さについては多くのプレイヤーから指摘されている。
--元々『スクイズ』のアニメーションもあまり褒められたものではないものの、様々な手を使って動きの少なさを誤魔化すことでカバーしていたのだが、今作ではそれすらも乏しい。
--一例を挙げると、「キャラAがキャラBを小突くシーン」の場合、「突如として背景のみが映る→画面がシェイクし、打撃音と台詞が聞こえるのみ」という具合である。あろう事か、一部のアダルトシーン(回想枠には入らない)でもこの手法が用いられており、一枚画すら表示されないという意味では「紙芝居ゲー」以下である。
--公式でも公開されているキャラクターの立ち絵に関しては当初から指摘され、特に「西園寺 世界(さいおんじ せかい)」は「ラグビー部に入った」「ラガーマン体型」と未だにネタにされ続けている。
---ただし、世界に関してはアニメ版『スクイズ』以降はやや肉感のあるキャラとして描かれる傾向があるため、問題ないという声もある。
--一部シーンはCG処理されているのだが、その質が悪い。特に、背景は常にCGのため余計に目立つ。
--歩行シーンにおいては足音がまるで馬の蹄の音に聞こえるため、「乗馬」と揶揄されている。何故『スクイズ』から流用しなかったのだろうか。
--上記のこともあってか''解像度が上がってきれいに見えるだけ''といった感じが強い。一部のアニメーションでは作画崩壊している部分すらある始末。
---中には、路夏の髪型が反転している部分もある。メインヒロインなのに…。
---しかし後述する事情もあり、作画に関しては一概に総作画監督のごとうじゅんじ氏を責めることは出来ない。と言うのも、状況から判断すると作画崩壊している部分は所謂「大陸動画(三文字作画)((アニメの制作過程の一部を中国や韓国のスタジオあるいはスタッフに依頼したもの、またその結果で出来上がった低品質でしばしば崩壊する作画そのものを指す。))」である可能性が否定できないからである。そもそも『スクイズ』『サマイズ』において作画が乱れている部分(特にアダルトシーン)は、ほぼ全てが大陸動画である。

''登場キャラクター関連''
-序盤の「澤永 泰介(さわなが たいすけ)」と「山県 愛(やまがた あい)」の発言に批判が多い。~
今作のストーリーが泥沼になる原因の誤解をバラ撒いたのはこの2人なのだが、その誤解が「''男女が2人で話をしている=付き合っている''」という、少々短絡的過ぎではないかと考えたくなるような誤解であるため。''お前ら中学生か。''
--他にも、会話の中で他者を指す際に「あいつ」などの人称代名詞を多用し、個人名(主語)を出して話さないがために誤解が大きくなるという流れが多い。

-攻略可能キャラが少ない。BLルート、BADENDを除くと攻略可能なキャラはたったの''2名''である。
--BLルートを含めればプラス1名なのだが、むしろ「攻略されている」感が強い。
--なお、会話等を見る限りでは他にも「フラグが立ってるな」と感じるキャラはいるのだが、そういうキャラに限って攻略ルートが存在しない。
---「アダルトゲーム(実用面)としての主役」が『スクイズ』主人公の「伊藤 誠(いとう まこと)」であり、「シナリオの主役」が勇気だと考えれば、勇気が攻略可能なキャラが少ないのもある意味納得できるかも知れないが、それでもいくらなんでも少なすぎるだろう。

-問題のBLルートでの「桂 言葉(かつら ことのは)」の扱いには不満が多い。
--選択次第では、スタッフも嫌っているはずの「''安易なヤンデレキャラ''」に成り下がってしまうことが大きい。
--また、言葉が優遇されている一方で「路夏の影が薄い」という声が一定数あるのも事実である。

''致命的なバグ''
-発売前には「''パッチは出しません''」と自信たっぷりに発言しており、その言葉通りに「バグは無い」との説明を繰り返していたものの、結局致命的なバグが発見されしてしまい、パッチが配布される事態となった。

-発売当時は「同梱しているDLLファイルの手違いにより多くのルートにたどり着けない」という致命的なバグがあった。この時攻略できた数少ないルートの中に、前述のBL要素と「濃い」女性達のルートがあったため、さらに大混乱を招いた。ちなみに『サマイズ』の時もやらかしていた。
--バグに対する初動も遅く、このルートバグに対するパッチが出たのは''発売の6日後。''それまでの間、プレイヤーは碌なルートをプレイすることが出来なかったため、批判が集中した。複雑なバグならともかく、単純ミスが原因のバグでこれだけの時間がかかるのは問題である。

-他にも、選択肢が出ないバグやフリーズが沢山あったりするのだが、第二のルートバグとして「フリーズすると(加えて、タイトル画面からロードすると)好感度が初期値に戻る」という凶悪なバグがある為、''ほとんどの場合フリーズするだけで最初からやり直し''ということが頻発。
--今作の要求スペックが非常に高いことも合わさって、フリーズの発生率は非常に高い。
---当然パッチも公開されたのだが、こちらも対応はやや遅めであった。
--さらには一部シナリオ終了時のエンドロールが真っ黒になるというバグが存在し、一部の回想シーンでもこのバグが発生する。2010年8月現在、こちらの暗転バグに対する対応はされていない。

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**評価点
-作画崩壊気味ではあるものの一応エロゲとしては珍しいフルアニメーションであり、かなり高レベルな演出となっている。

-シナリオはおかしい部分があるものの、エロゲとしてみるなら無難な出来。
--「言葉(ことのは)」に関連する一部のルートは概ね好評である。また、勇気で言葉を攻略できないと言うのも古参のファンからは好評である。
--勇気の姉である「知恵(ちえ)」など、「0verflowらしい」キャラ付けが上手く行っているキャラもいる。
---だからこそ、それらのキャラにアダルトシーンや攻略ルートが無い事を惜しむ声が多い。

-BGMの出来はそれほど悪くはない。

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**総評
誰得感が強すぎるエンドの数々、作画崩壊気味なアニメーション、エンドだけでなく全体的にBL感が強すぎるシナリオで、かなり人を選ぶ内容である。~
フリーズや好感度バグ等致命的なバグが多く、それらに対する対応が遅いのも問題である。

「いつも通り」と取るファンもいるものの、全体的に見るとこれまでの作品と比べ評価が著しく低いものとなってしまった。

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**余談
***ライターへの批判
-これまでに述べた数々の不満は、そのまま0verflow代表兼シナリオライターのメイザーズぬまきち氏本人への批判となった。
--無計画さゆえの延期や没、あまりに致命的な遅筆、ユーザーを馬鹿にしているとしか取れない態度は、間違いなく擁護不能である。
--雑誌宣伝画像に関しては、社長自身が「''広報が勝手にやったことだから知らない''」「''元々入れるつもりの無いルート、CGは没とは言わない''」((これらの発言は元となったニコニコ生放送が既に視聴できず確認できないため、意訳した文を載せる。))などと語っている。~
しかし本当に「広報が勝手にやったこと」だとしても、それを知らないというのは一企業の社長としては無責任である。企業規模から言えば情報伝達が滞るとは考えにくく、せめて雑誌の広告記事ぐらいには目を通すべきだろう。先の発言を「責任逃れの言い訳」と批判するプレイヤーも多い。
--また、本来アニメの製作においては画よりも先に脚本が完成するべきである。しかし、本作ではあろう事かこの順序が逆転していた事がごとうじゅんじ氏の発言とメイザーズぬまきち氏の発言から窺えた((ごとう氏はかなり早い段階で本作の製作作業を終えているが、それ以降に行われたイベントでのメイザーズ氏の発言ではシナリオ執筆作業が続けられているとの発言があった。))。
---ストーリーが明確に決まっていないのにアニメを作れと言われても、それは困難極まりない事である((例を挙げると、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は脚本の遅れにより作画作業が追いつかず、バンク(特定シーンの流用)だらけになった。))。
--このようなこともあるため、2010年8月に出る予定とされていた『スクイズ』HQ版はファンの間では「''どうせ延期する''」「''宣伝画像は没でしょ''」「''HQはホモクオリティの略''」と既に言われてしまっていた。~
……そして''案の定2010年10月8日に延期した。''
---ちなみにその『スクイズHQ』の製作作業は、本作の製作と並行して行われていた模様。これがスケジュールの乱れの原因の一つである事は疑いの余地が無い。

***ゲーム外の問題
-雑誌・通販サイトで公開されていたCGの一部が使われておらず(解析によれば一部テキストは存在する)、没になったCGが多く存在する一方で本来のファン層から外れたシーンは無駄に充実している。
--ちなみに没になったと思われるルートの1つは、メインヒロインの路夏と、『スクイズ』から登場している「加藤 乙女(かとう おとめ)」との確執に関連しているとされている。この2人の確執は第1話から描かれており、この確執に一歩踏み込んだ内容のCG、テキストが確認されている。
---要するに、キャラを掘り下げるのにうってつけのルートまでも削除したと言っていい。そのため広告のCGを知っていた人から見た場合は、どうしても本編での2人の確執が大した事無いように見えてしまう。ちなみにそのCG及びテキストというのは(自主規制)な内容である。「自主規制」の中身が何なのか想像がつくならば、どれほど2人の確執が根深いかも簡単に分かるはずである。
---また、乙女(下側のパッケージ画像右上のポニーテールの子)は通常版パッケージを飾るキャラでありながら、ルート削除に伴ってアダルトシーンが''全て削除されている。''重要キャラの1人として位置付けられているキャラであるにもかかわらずこの扱いというのは、あまりに酷いと言える。

-このようにファンも嘆く出来でありながら、今作はなんと''8回も延期している。''
--2009年2月27日 ⇒ 同年6月下旬 ⇒ 同年夏発売予定 ⇒ 同年11月20日 ⇒ 同年12月18日 ⇒ 2010年1月29日 ⇒ 発売と言ったように、最初の発表からおよそ''1年以上''も伸びに伸ばしまくった結果がこのザマ。その結果、大幅にファンを逃してしまう結果となった。
--あまりの延期にショップも堪えかねたのか、今作の紹介ページに「この作品の発売は保証できない」旨の文章が載せられたこともある。

//-なんと初回特典版の特典は「コトノハサマフィギュア」''のみ''ということも批判点として挙げられた。しかしフィギュア1つだけで差分約3,500円分の価値を問われると、非常に疑わしい。
//--一応、テレホンカードとADVもある。
//--なお、フィギュアそのものの出来は伝説となった[[邪神>ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸]]とは違い無難に仕上がっているため、高すぎる差額を除けば批判はそれほど多くない。
//出来が悪いわけでもなければ妥当な金額差分では?

-中古対策のアクティベーションが用いられている
--これ自体は賛否あるものの悪い物ではないのだが、上記の出来なのにアクティベーションのせいで売る事も出来ない事で不評を買った。状況的にまずいと判断したのか、後にアクティベーション解除パッチが公開された。

***その他
-アダルトアイテム「''SOM''」との連動が可能であるが、散々述べたようにBLシーンが多いため「まさか''男性用SOMじゃなく女性用SOMが必要になるとは思わなかった''」と皮肉られた。
--ちなみに「黒田 光(くろだ ひかり)」役の声優である一色ヒカルが、ニコニコ生放送において「''ホモデイズ!''」と発言したことが一部で有名である。

-2018年10月26日にWindows 10の動作不具合の修正DLLが配信された。

-2020年5月3日に定額ゲームプラットフォーム「OOParts」に追加された。
--PCだけでなくスマートフォンにも対応している。

-2020年9月25日発売のオムニバスソフト『School Days Series COMPLETE BOX』に収録されている。

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