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ポケモンスタジアム金銀」を以下のとおり復元します。
*ポケモンスタジアム金銀
【ぽけもんすたじあむ きんぎん】
//※「クリスタルバージョン対応」は発音しない
|ジャンル|対戦&図鑑|&amazon(B0000645MT)|
|対応機種|ニンテンドウ64|~|
|メディア|512MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|任天堂、クリーチャーズ|~|
|発売日|2000年12月14日|~|
|価格|7,140円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
//|ポイント||~|
|>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ関連リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/417.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ポケモン同士の対戦ツールであるポケスタシリーズの最終作。&br()
今作は[[前作と前々作>ポケモンスタジアム]]が販売計略的にあまりにも酷いものであったため、初代と比べると売り上げは多少落ちている。&br()
しかしそれでも初の金銀のポケモンでの対戦ツールということで需要は大有りで、前作の出来が良かったこともあり、117万本とミリオンヒットを記録している。&br()
そして肝心の内容はというと、まさにシリーズ集大成にして最高傑作であると断言して良いであろう素晴らしい出来である。


**評価点
-まず特筆すべきはとてもN64とは思えないほど非常に完成度の高いポケモンたちのポリゴン。''2世代後のWiiで発売された[[ポケモンバトルレボリューション]]にそのまま流用されてなお違和感が生じないほどのハイレベル。''
--この時はすでに64末期であり、PS2が発売されて間もない頃であったものの、そのPS2のゲームと比べても全く負けていないどころか勝っている位ポリゴンの出来が良い。
--前作までに登場した151番までのポケモンにもテクスチャなどの修正が入っており質は更に向上している。

-エフェクト面も非常に素晴らしく特に「かみなり」や「シャドーボール」のエフェクトは迫力満点。
--金銀での新要素である天候システムのエフェクトもかなりリアル。
--次世代機であるGCのポケモンコロシアム、ポケモンXDはおろか、さらに次の世代のWiiのバトルレボリューションよりずっといいと言う人がいるほど。

-ポケモンたちの動きも生き生きとした動きでありながら戦闘のテンポを崩していない。
--更にポケルス状態のポケモンや色違いのポケモンは登場の仕方が変化する、色違いのポケモンもちゃんと用意されているなど''細かい作りこみが尋常じゃない。''

-ポケスタ、ポケスタ2で好評だった要素も更に進化させた形で継承している。
--非常に細かく対戦ルールを設定できる。
---「対戦時のレベル範囲を1単位で設定できる」、「使用可能なポケモンそのものを設定できる」等、自由度はかなり高い。
---そしてこのルールはフリーバトル機能で使用することが出来る。
--レンタルポケモンも健在で、ほろびのうた+うずしおなどコンボを使えるポケモンも増えて使いやすさはアップ。
--ジムリーダーの城では、前作のジムリーダーに加え、金銀のジムリーダー達が追加。
---レベル50以上のポケモンがいる場合、それに合わせて全てのポケモンのレベルが上がるという仕様のため、メンバー内のレベルの高いポケモンをあえて出さないことによってより高いステータスの敵と戦うというマゾプレイも可能。
--ミニゲームも前作から一新されたものの更に数が増え、より面白いものになっている。複数プレイも可能。
--更にそのミニゲームで対戦できる「ミニゲームスタジアム」や、ポケモンに関するクイズが難易度別に出題される「ポケモンクイズ」なども追加された。一部ミニゲームでは自分の育てたポケモンを出すこともできる。
---育てたポケモンがミニゲームで勝つとそのポケモンのなつき度があがるほか、ゲームコーナーで使えるコインも少しだけもらえる。
--「はこんでデリバード」のミニゲームに64GBパックを接続して遊ぶと、登場するプレゼントのうち、「ゲームボーイカラー」と「ニンテンドウ64」が当時の新商品である「ゲームボーイアドバンス」と「ニンテンドー・ゲームキューブ」に変わる。
--「とにかくバトル(おためしバトル)」((ランダムで用意されたポケモンで直ぐにバトルするモード))機能もある。しかも表モードと裏モード(後述)で使用ポケモンが大幅に変わるというおまけ付。

-実況も声優が変わっているものの相変わらず健在であり、熱い実況を繰り広げてくれる。

-前作にあった裏モードの存在。
--今回でもあるが、バージョンアップしており、難易度の上昇は勿論のこと、タイトル画面が変わったりレンタルポケモンのわざが変わっていたりなど違いは随所に見られる。
-チート技に使用制限はかからないが、チートを使用していると一発でバレる。
--通常で覚えられない技や、ありえないレベルのポケモン(Lv1のカイリューなど)を使っていると、技、ポケモンの名前、プレイヤーの名前がピンクの文字になる。

-金銀で新たに追加されたモードもどれもいいものばかりである。

-なんと言っても「''攻略本いらず''」とも評されたジョバンニ先生のポケモン講座は大変高い評価を得ている。
--このポケモン講座では「文章による授業→実戦演習→卒業クイズ」の形式で相性やBPの存在やステータス異常などといった基本戦術から、コンボや交代読みなどといった上級戦術まで幅広く教えてくれるため''仮にも対戦ツールでありながらポケモン入門用としてお勧めできてしまう。''
---文章による授業ではただ文章だけでなく図解ありでポケモンが分からない人にも分かりやすく教えてくれる。また前作の赤緑などから仕様変更した部分も教えてくれるため前作プレイ済みの人も見る価値はある。
---この「文章による授業」の後3択クイズ形式があるのだが、多少はネタがある。最初の文章読み終わった後の問題が、「今教えている、この私の名前は、なんという名前でしょう?」という問題等。
---誰が得するかは知らないが、このジョバンニ先生、''多少はボイスあり。''''「ふむふむ」「単純単純」「な~るほど」''等。
---実戦演習は習うより慣れろと言う事で様々なシチュエーションでのバトルが出来る。選択できるトレーナー全てに星がつけばクリアとなるが、ただ勝つだけでは星はつかない。事前に用意されたポケモンの技や相性などを良く見極めて最適解である3匹のポケモンを選ぶ必要がある。負けてもデメリットは無いため試行錯誤して組み合わせを選んでいればいつしかテクニックが身につくというとても優れたモードであるといえよう。
---ピカチュウにでんきだま。ガラガラにふといほねを持たせたLV差30もの相手ポケモンを戦うシチュエーションバトルではナレーションにも注目できる。コンボの恐ろしさ、最後まで解からない醍醐味が味わえる。
--そして「資料室」の存在。
---金銀クリスタルだけでなく赤緑に登場した技の強さや道具や技マシンなども''完全網羅している(金銀で調整された技は赤緑から何が仕様変更されたのかまで書かれている)''上、なんと全てのポケモンに''何の技を覚えるのか、何の技が使えるのか、何のポケモンとくっつけると何のポケモンの卵が生まれるのか、などといったことが非常に分かりやすく詳細に書いている。''(いわゆる「タマゴグループ」という名称が公式に出たのは後にも先にもこの作品のみ)
---さらに棒グラフで表記され具体的な数値ではないものの、&bold(){ポケモンそのものの強さの数値である種族値の情報まで載っている。}
--データの詳細などは攻略本に譲るものの、ご丁寧にも一目見れば分かる相性表や操作説明などもあるため、''「公式攻略本見るよりこっちの方がずっと分かりやすい」などと言われてしまうほど''。

-疲れたときにはということで、自分専用の部屋を模様替えできたりする。

-更には「ふしぎなおくりもの」という機能も。
--これは、とある時間に女の子が贈り物をしてくれるという機能。この贈り物には、GB版金銀で使える道具や部屋を模様替えするために必要な家具などがある。余談だが、この女の子にもジョバンニ先生同様''多少はボイスがある''。連日で出来なかった場合の''「はぁ~ぁ……」''、贈り物が終わった後の''「ウフフッ」''等。
--一日に1回しかもらえないため、毎日する必要があるが、この方法でないと金銀クリスタルでも入手出来ないもようがえグッズもある。

-そして「モバイルスタジアム」といった機能も。これは、ポケモンクリスタルと携帯電話をモバイルアダプタGBを繋いだ通信機能をサポートするもの。
//モバイルシステムはGBにしか繋げない。本作で行えるのはクリスタル側で受信したデータの管理のみ
--いずれも現在はサービスが終了したので使用できない。
---遠くの友達と対戦した場合、対戦相手のデータが残る。これを本作に移すことでCP操作による対戦ができる。
---ダウンロードした公式大会のバトルを本作で観戦したり、自分のポケモンで勝負を挑むことができる。
---オリジナルルールをダウンロードして使用可能。もちろん自分で作成したオリジナルルールも使用可能。

-これまでの普通のバトルにも、技を決める時間や試合自体の制限時間などを設定できるようになった。
--これにより、より緊迫感のあるバトルが楽しめるようになったのは言うまでも無い。

-これまでのシリーズにもあった、特別な技を覚えたポケモンがもらえるご褒美もある。更にジムリーダーの城をクリアすると、前に忘れた技をもう一度覚えることが出来る「スーパーわざマシン」というご褒美もある。

-ポケスタシリーズおなじみの「スタジアム」も更にボリュームがアップしている。
--レベル50~55のポケモンが参加できる公式大会でも使用された「ニンテンドウカップ」
--レベル無制限(といっても実質100固定)で伝説や幻(セレビィなど)も出られる「ウルトラカップ」
--金銀での新要素であるタマゴ機能を生かしたレベル5の初期進化形限定の「リトルカップ」
--完全ランダムで決められたポケモンで戦い抜く実力と運頼みの「チャレンジカップ」
--これらの4つである。
---ニンテンドウカップとチャレンジカップには更にそれぞれ4つのカップがあり、クリアするごとにどんどん難しくなっていく。一度クリアしたカップに再挑戦することも可能。
--ちなみにチャレンジカップは後の「バトルファクトリー」などの原型となっていてポケスタシリーズ最高難易度との呼び声も高い。
---このカップは何らかの下位互換に位置する技ばかり持ったポケモンや全くマッチしていない持ち物を持ったポケモンなど、普通なら即2軍行きにするようなポケモンでさえも使用する必要があり、単に強力な技や強力なポケモンでごり押しを味わうようなプレイヤーや定跡とされるポケモンや技の組み合わせで楽しむ堅実なプレイヤーには非常に辛いカップである。しかも敵のポケモンもランダムで変化((ただし敵が戦う戦法に関しては、ほぼ同じである))するため完全な攻略法は存在しない。
---裏を返せば、最後までわからない「ポケモンの醍醐味」を最大限に味わえるカップである。熟練者や廃人でも最後まで油断は出来ない。

-前作・前々作同様、オーキド博士の「研究所」にポケモンを預けることも出来る。
--赤緑~金銀クリスタルまでの全バージョンでポケモン整理、ポケモン交換、更にはそのポケモンがどこに分布しているのかという機能が使える。
---ちなみにポケモン分布についてはそのポケモンをたくさん捕まえると''そのポケモンがどの草むらに出るのか''といった詳細まで教えてくれる。
--アイテムのやり取りも可能。従来はポケモンに持たせて1個ずつ転送する必要があったが、本作ではまとめて移動ができる。
---第一世代については、本作を経由することで異なるプレイデータへアイテムを移動させることが初めて可能になった。

-敵のAIについては、間違いなくシリーズ中で最も賢いと思われる。
--相手と不利な場合は大体の場合交代し、だからといって確実に交代するわけでもなく補助技を絡めてくることもあるため、CPU相手に駆け引きができる。''CPUが一度放たれた技を警戒したり、こちらの交換を読んでサブ技で弱点を突いてくる''といったプレイングをするのは後にも先にもこの作品のみである。
--HPが残りわずかのポケモンをあえて場に出して無償交換を狙うといったテクニック、状態異常攻撃やコンボも効果的に使用するため、''対人戦にかなり近い''感じで戦うことが出来るようになった。

#region(64のAIに見事に翻弄されるやりこみプレイヤーの図。これでもまだ表スタジアムである。)
&nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm142857)
#endregion

-パッケージには表記されてないが、「メモリー拡張パック」に対応しており、GBビルで『金・銀・クリスタル』のプレイ中に発生する頻繁なローディングを回避できる。

-バッテリーバックアップではなく、当時としては新しい技術であったフラッシュメモリを採用。「電池切れ」に悩まされずにデータを保存できる。


**不満点
-「ジムリーダーのしろ」の仕様が若干理不尽気味。
--前座含めて連戦なため一度でも負けると最初からやり直し。だが前座は大抵弱く、前座に負けるようなら当然リーダーに勝てるわけもない。そのため意図的な仕様と思われる。
---四天王は元のGB等でも最初からなのだが、このゲームでは、ジムリーダーのジム戦までもが最初からである。
//-対人戦で対戦時に交換しようと思ってポケモンを交換しようとすると、相手に手持ちがばれてしまう。
//--確認しようとするとばれるため覚えていればいいだけなのだが、いかんせん試合中はそんなこと考えている暇も無いためきついものがある。
//--1が出たころはともかく、この作品は3作品目であり、シリーズファンなら持っている可能性も高い。自身のROMを使って配置を確認しメモをしておけば良いだけの話。持っていれば、だが。
//↑1作目からの仕様で、コントローラにモニターでも付けなければ解決しようが無いので不満点とするのはややお門違いかと
-裏カップCOMが2に比べて若干弱い。
--2は努力値MAX・個体値ALL7と非常に高いが、今回は裏でもそこまで高くない。2に慣れた人には物足りないかもしれない。その代わりAIがかなり強化されている。
--技構成があまり練り込まれておらず、裏スタジアムでもカビゴンが「のろい」→「ねむる」や、「のろい」→「じわれ」等のコンボを使ってこなかったり、ゲンガーが「ナイトヘッド」を使ってきたりする。
--モバイルスタジアムによるデータ配信を前提とした設定だったとも考えられる。当時の公式大会トップクラスのデータをダウンロードできた。
//ゲンガーの地獄車は対バンギラスとしてあり得ない技でもない

-チート対策機能に穴がある
--前作マシンで覚えられる技とタマゴで覚えられる新技を同時習得していてもチートとして認識されない。
--CPUの使用ポケモンにもこの不可能な両立が行われているミスが見られる。((なみのりときしかいせいを両立したライチュウ等))
--裏ジムリーダーのしろのワタルのポケモンに、持ち物重複違反が発生している。
---ただワタルに関しては、初代からチートをやらかしているキャラではあることを追記しておく。((初代ではカイリューが本来覚えられないバリアーを使用。金銀ではプテラが本来覚えられない岩雪崩を使用したり、Lv55で進化するカイリューをLv48やLV49で出してきたりする。 後者は、リメイク版でも同じ))
--バグやチートを使わずドーブルにバトンタッチを覚えさせられるのに、チート技として認識されてしまう。

-本作発売後にクリスタル版で行われた「モバイルカップ2001」に相当するルールが収録されていない。
--使用ポケモンはLv30まで、''同じポケモンや持ち物の重複がOK''という、現在に至っても極めて珍しいルールである。
--本作で触れられていない上に参加にはモバイルシステムGBが必須と言うこともあり、大会そのものだけでなくルール自体も非常にマイナーなものとなってしまった。

-ミニゲームと64GBパックの相性の悪さ
--64GBパックを接続中はGBカートリッジにいるポケモンをミニゲームに出すことができるが、この状態で激しい操作を伴うミニゲームを行うとかなりの頻度で接触不良を起こしゲームが強制終了する。
--自分のポケモンをミニゲームに出すと「なつき度」が若干上昇したり、スロットゲーム用のコインが手に入るなどの特典があるが、この問題によりほとんど利用されなかった。
--コントローラと64GBパックを一体化させる改造によって接触を安定化させれば解決するが、言うまでもなくメーカー補償外である。


**総評
最新作の環境に慣れた人や、GB版金銀を持っていなくても十分以上に楽しめるその作りは見事。&br()
また1体1体非常に精密に作られているポケモンのポリゴンや前作の2倍以上まで長くなったジムリーダーのしろやスタジアムモードなど、単なる対戦ツールでは終わらせないその異常なほどの作りこみから感じ取れる製作者達のポケモン愛は計り知れない。&br()
公式攻略本に匹敵するデータ量を誇る「資料室」や初心者訓練に特化した「ポケモン講座」など、「金銀」の参考資料及びポケモン初心者入門用ソフトとしての価値も極めて高い。&br()
本家ポケモンのクオリティに決して負けていないその非常に高い完成度は結果的にその本家自体の評価までも押し上げることになった。&br()
このような高い完成度を持っているため前作や前々作のような商品計略上で失った信頼はここで完全に取り戻されたといえるだろう。

次回作である『[[ポケモンコロシアム]]』は、評価できる部分はあっても何か抜けている出来となっておりファンからの評判はあまり良くない。


**余談
-上記のように本作は良対戦ツールであるが、GBのポケモン金銀本体のほとんどは現在バックアップ電池切れ(セーブ不可能)になっている。そのため、対戦ツールとして未完成だった前々作とともに中古ゲームショップの64の棚で大量に投げ売りされていることも少なくない。

復元してよろしいですか?