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新世黙示録 ―Death March―」を以下のとおり復元します。
*新世黙示録 ―Death March―
【しんせいもくしろく ですまーち】
|ジャンル|悪魔と天使と百の剣/戦略RPG|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61vdyAuEhKL.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B00IEREMHI)通常版|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/61-%2BUZd5OQL.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B00IERDDAA)SPECIAL PACKAGE版|
|対応機種|Windows XP~8|~|~|
|発売・開発元|ザウス【本醸造】|~|~|
|発売日|2014年7月25日|~|~|
|定価|通常版:9,800円&br;SPECIAL PACKAGE版:12,800円(税別)|~|~|
|レーティング|ソフ倫:&color(crimson){''18歳未満禁止''}|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|&color(red){''2014年クソゲーオブザイヤーinエロゲー板大賞''}&br;まともな登場人物はモブキャラ1人だけ&br;RPGパートダルすぎ&br;通称「チーズ」&brゲー''務''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''|
|>|>|>|CENTER:''[[ザウス作品リンク>Xuse作品]]''|
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#center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br;&size(20){''18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。''}}
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#contents(fromhere)
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**ストーリー
>『永遠に続く命の光より、一瞬でも瞬く限りある命のほうが輝いている』
> 
>東京、多摩丘陵……
>小高い丘の上に建つ集合住宅、
>僕の在った場所……
>&ruby(とりみ){鳥海}&ruby(ちから){知空}と世界を結びつける、日常の風景。
>妹の&ruby(すず){鈴珠}や幼馴染みの&ruby(あまみや){天宮}&ruby(しおん){史音}に囲まれた風景が、ある日突然、豹変する。
>街の人々が、親しい者たちが、ゾンビ化して襲いかかってくる。
>そして人ですらない超常体の姿も……
>知空の風景に『終末』が潜り込んでくる……。
>神か魔か、それらを前にして、知空の選択で導き出される結末とは……?

>(公式サイト「プロローグ」より抜粋。一部改編)

**概要 
企画・シナリオ担当が、初期の女神転生シリーズのメインスタッフだった鈴木一也氏ということで話題になった一作。~
また、ザウスにとっても久々の【本醸造((RPG要素など遊べる部分もあるゲーム性重視のタイトルで使用していたザウスの名義の1つ。ザウスは、元々ゲームのジャンルに応じて酒の種類をもじった名義を使い分けていた。))】名義での新作ということもあって以前からメーカーを知る者にとっても期待のタイトルであった。~
しかし、誤字脱字にまみれ視認性が劣悪な公式サイトや今一つな出来の体験版といい、ファンの期待とは裏腹に行く手には巨大な暗雲が立ち込めていた。~
そして、いざリリースされたゲームは、キャラ・シナリオ・RPGパート・ADVパート、の全方位に問題が山積したゲー&ruby(ム){''務''}だった。~

**ゲームの内容について
-基本的にはADVの節目節目にRPGパートが挟まるというオーソドックスなスタイル。RPGパートは3Dマップを移動し、敵と戦う。

-特徴的な部分としては、攻防や補助能力等が全て装備した剣一振りのみを参照にして決定される。
--剣は他の剣を食わせることによって鍛えられる。最大レベルになった剣を2本用意し、より上位種の剣を生み出すことが可能。
--剣には3すくみの属性のいずれかが設定されており、敵の弱点を突けば有利に戦闘を進められる。

-''多分''、現代日本にある日突如としてゾンビが現れ、主人公たちは事件に巻き込まれつつもゾンビに対抗できる「剣」を手にする。戦いの中で超常の力を持つ神々に出会い、やがて出生の秘密に迫っていく、というストーリー。
--所々グロテスク描写があるが、一応美少女ゲーということでそれなりにエロシーンもある。~
全体的なシステムこそ『[[真・女神転生III>真・女神転生III NOCTURNE]]』以降のメガテンシリーズに似ているが、前述の鈴木氏の関わり、PCで18禁の作品ということから、知る人ぞ知る奇作『偽典・女神転生』を思い起こすような要素も多く、この点も発売前はコアなファンの間で話題になっていた……が。

**登場人物
#region(公式サイト「登場人物」より抜粋。一部改編。)
-鳥海 知空 
--主人公。この名前で「ちから」と読むが&color(crimson){誤字ではない}。仲間思いで好奇心旺盛な性格。~
歳相応の社会に対する多少の不満を持っていたが、仲間たちと過ごす内、彼の周囲は変化していく。 

-鳥海 鈴珠 
--主人公の妹。感情の起伏は、少女の持ち味。~
その意志の核には兄への愛情が。 

-天宮 史音
--主人公の幼馴染。人見知りは心の赴くままに。~
その素直さな気持ちが、彼女をいつも明るく振る舞わせる。 

-荒渡 琉華(あらと るか) 
--主人公の隣に済む気さくな隣人。~
マイペースな思考で周囲は常にてんやわんや。 

-白川 生(しらかわ いぶき)
--不意に訪れた転校生はまるで季節の移り変わりを助長するかのように。~
彼女の口から紡がれる言は一向に定まらない。ただ、心にある目的がぶれることはない。 

-佐倉 光太郎(さくら こうたろう) 
--主人公の悪友であり親友。主人公とともに今日もどこかへ突き進む。
#endregion

**問題点
''キャラクター・シナリオ部''
-凄まじい事となっているシナリオ導入パートが元となり、KOTYeスレッドなどで本作は「''チーズ''」と呼ばれることになった。
--以下、その要約。~
下校中に切り裂き魔と遭遇し、帰宅した主人公と妹は調理中の母親にチーズを買ってくるよう頼まれ、その途中大怪我を負った男性に出会うがそれを無視して駐輪場に行く。更にサイレンが鳴り響き、明らかに尋常ではない雰囲気の中で文句を言いつつも''それでも2人でチーズを買いに行く''という始まり方。
---なお、ここで選択肢を誤るといきなりデッドエンド。
--チーズが必須の料理であったら作る前に無いことに気づくだろ、という細かい突っ込みどころはともかく、なぜ明らかな異常事態なのにチーズを買いに行くのだろうか?さらに言えば普通の人間なら男性を介抱しようとするのでは?
---ついでに言うとチーズを買いに行く道中も色々事件に巻き込まれるのだが、それでも2人はチーズを買いに行くのをやめない。チーズの何が彼らをそこまで駆り立てるのか、それは誰にも分からない。
---極めてどうでもいいが、チーズを買いに行くのに2人が向かった先は''コンビニ((コンビニは後のイベントで登場するので使い回しの為だと思われるが。))''。一般的なコンビニで売っているチーズは酒のつまみレベルの物で、本格的に料理の素材に使う物ではないと思うが。スーパーの方が違和感は薄い。
---と言うか、危機感を煽るイベントはチーズを買いに行った後に配置したほうが矛盾やツッコミが少なくて済むのでイベントの配置にも不備を感じてしまう((余談だが、本作と同じく鈴木氏がシナリオに関わった「真・女神転生」のオープニングは母親にコーヒーを買ってくるように頼まれ、その帰り道に異常事態に巻き込まれるというものだった。なぜ同じにしなかったのだろう?))。
--その後、夕食を終えると家にゾンビが侵入し母親はゾンビ化してしまうが、選択肢次第で母親はゾンビに''一切接触していない''のにゾンビに噛まれたことになっている場合がある。一応最初の方なのだがちゃんとテストプレイしたのかどうか疑わしい。
--ちなみに、ここでは導入パートとしているが、この場面に至るまでの時点で2時間ほど日常パートが存在することを追記しておく。穏やかな日常からの一転、という展開は確かに王道だが、ここまで長くする必要は皆無だろう。
---この日常パートは、普通の学生生活を垂れ流し同然に描写するだけで起伏がない。後述の通りここに他のエピソードを盛り込めばよかったものを。
---また、日常パートでは妙な流れで死刑制度や未成年犯罪者の実名報道問題が話題となる。伏線でも何でもなくシナリオ上別の話題で構わないので、単にライターがキャラクターを介して自分の思想を主張しているだけともとれる。

-とにかく主人公の知空がひどい。
--躁鬱が激しく、場面によって卑下的になったかと思ったら急に自信過剰になったりする。主張も基本ブレまくる。
---例えばゾンビに遭遇した場面で、怯える仲間に対し「現実逃避をするな」と叱咤するが、自分は折に触れては脳内で本筋と関係ない自問自答を繰り返す。
---「その時々の気分で動いていては誰一人救えない」と言ったと思ったら、わずか''16クリック後に''異臭を感じて単身林の中へ突撃する。
--作中、人から批判されても無視をするか小学生レベルの反論や論点のすり替えをする。自分のせいで失敗したとしても他人に責任を押し付けたり論点をすり替えたり自己弁護をしては同じような失敗を繰り返したりと、まるで成長しない。
---2人乗りを注意されて「2人乗りは危険で、事故った場合後ろに乗っている人の責任がとれない」と言いつつ、そのまま2人乗りを続ける。どうしたいのか理解不能。~
しかもこの2人乗りを注意した人の話を勝手に打ち切った挙句、この人が「寂しがり屋で構って欲しくて難点つけてきた(訳)」と反省どころか勝手に自分の都合のいいように脳内転換しているのである。
---さらにはスピードを上げてしがみついてきた妹のちっぱいに夢中になり、上の空で運転をする。
--妹の学友がストーカーされているという話を聞いて、なんとストーカー側を擁護する。言うまでもないがストーカーはれっきとした''犯罪行為''である。
--中盤で自分が助けていた幼馴染に実は自分が助けられる側だったことが発覚し、そのために命まで失ってたことに慟哭する。という一見熱い展開があるが、それまで作中では主人公が幼馴染を助けたシーンなど''存在しないので''全く盛り上がらない。
---RPGパートの雑魚敵から守っていたとはいえなくもないが、それだけだと脚本的に弱い。例えば、上述の無駄に長い日常パートに幼馴染を助けるエピソードを盛り込めばちょうどよかったのだが。
---このあと怒りに任せてあるボスの元まで殴り込みに行きそのまま斬殺するが、幼馴染の死とそのボスは''何の関係もない''。
--そもそも、知空で「''ちから''」と読ませる名前がおかしい。明らかなDQNネームだという声がちらほら。
---上述の理由から「&color(crimson){知}能&color(crimson){空}っぽの略で知空なのか?」とプレイヤーから皮肉を言われるほど。
---というか、先入観なしに見ても「知能空っぽ」の連想ができかねないひどい名前である。エロゲの名前にいちいち突っ込むのも野暮ではあるが。
--こんな有様なのに作中でモテまくる。こんな男性の一体どこに魅力を感じるのだろうか。
--ただし「無責任な自己主張だけが激しい割に意外と周りに流されやすい」と言うよく言って平凡とも言える思春期の少年(悪く言うと優柔負担な自己中心的思考)がこんな異常事態が頻発する状況に追い込まれた為に精神が半ば崩壊状態となって、より支離滅裂になっていると言う見方もできなくもない…が仮にもプレイヤーが操作する主人公でそれをやられても困るし、それなら説明や描写が必要であろう。
---実の父も支離滅裂なので性格設定的には(他の人物よりは)納得のできる物であるし、あまりに酷すぎる物語の展開に翻弄されて日常を奪われたという点では同情できなくはない。~
また、後述の通り設定リセット&タイムループの連続なので例えマトモな人物でもおそらく知空と同じ反応になるのは確実である。~
なまじマトモだと発狂したり精神崩壊を起こして志半ばで倒れるのは確実であり、この性格だったからこそ最後まで乗り切れたとも言える。

-では主人公以外がまともかといえばそうでもない。
--基本的にどの登場人物にも性格や言動に疑問を感じる部分が存在し、対案を呈せず批判をしたり、急に電波なことを言い出したりする。
--幼馴染が主人公が好きな理由は「優しい」から。むしろ嫌われるタイプだが。
---と、思ったらループ後の世界では主人公を殺す組織に協力している。何故心変わりした。%%目が覚めたのかもしれないが%%。
--母乳フェチということを常日頃公言して憚らない親友((とは言え、一般人ポジションで他の人物よりはマトモな方である。))はエロゲー的なキャラということでギリギリ許すとしても、いくら仲が親しいと言えど主人公の前で生理の話をおおっぴらにする妹などはどうなのだろうか。
--ラスボスであるロキは常に支離滅裂なことしか言わないので、彼の真意は全く理解できない。もっとも元になったロキが神話でも一二を争うトリックスターなのでそれを踏襲したのでは? という意見や、常につかみどころがないキャラという部分がブレないだけ急にまともになったりイカレたりする他の人物よりは筋が通っているという意見もある。
//--よってまともな登場人物は前述の2人乗りを注意したモブキャラのおばさんだけで、あとは全員[[アトリーム人>スーパーロボット大戦K]]と例えられる。
//少なくとも劇中ではミストとおんなじという風には言われてないからこの記述は不自然では
---事実上巻き込まれたに等しい者だけならまだしもそれ以外のある程度状況を把握している人物すら支離滅裂なのでよりカオスな状況を作り出している。
--剣の強化を担当するキャラであるアンドヴァリはドワーフという設定だが、それに反して見た目は出来損ないのゆるキャラと言った感じであまりかわいくない。
---もっとも昨今はステレオタイプでないドワーフも結構いるが。~
ただ、剣が主軸となる話なので重要なキャラクターになるかと思えばそんなことはなく、最初に剣を渡したら終盤まで一切ストーリーに絡まない。本当に顔を出さないので同行しているという印象すらない。
--ただ、この物語が主人公(知空)視点で書かれている事を考慮すると''知空の脳内変換が入っている''と考慮しても差し支えがないと思われる。
---例えば知空がやけに評価されるのも知空がそう思い込んでいるだけであり、ロキも真っ当な事を言って知空に警告していたが知空が理解力皆無だったから「訳のわからん事を言っている変神」と認識し、他の人物も真っ当な事を言って筋の通った行動をしていたのだが知空の認識力が低い為((尤も今までの常識と違う事を突然理解しろと言うのは普通の人間ならばすぐに順応出来る訳ではなく、タイムループ&設定リセットが多発して常識が覆りまくる状況で認識しろという方が無茶なのだが…))に支離滅裂なように見えていたという訳である。

-エロシーンの盛り込み方もよくない。
--妹が人質に取られているのに隣の部屋で行為に及んだり、錯乱した女性を正気に戻す方法が性行為(しかも後ろの方)だったり、神が過去に戻るためは主人公の体液が必要と急に言いだしたりなど。低価格のギャグ要素の強い抜きゲーとどっこいの展開。
--商業上の理由でエロ要素がないと売れないとは言えど、もっと自然な盛り込み方はいくらでもあるはずである。
--ちなみに発売前パンフレットのインタビューにおいて、鈴木氏はザウス側にエロシーンのダメだしをされ、その部分はザウス側に書き直してもらったことを明かしており、実際にスタッフロールのシナリオの担当には鈴木氏とは別のライター2名の名前が書かれている。

-選択肢が非常に多く、一見分岐ありに見えるが、実は途中の展開が変わるだけでストーリーは一本道。
--主人公は紆余曲折という名の超展開を乗り越えて、ラスボスを倒す。すると唐突に世界が崩壊する。
--最終的に人間でいられなくなった主人公は神となり、平和な世界を創世してゲームEND。今まであったことは全て盛大にブン投げられるというオチ。
--ラスボス戦後の会話でいかにもエンディングが変わりそうな、新しく創られた世界について、満足できるか否かという選択肢があるが、結局どちらでも変わらない。そんなところに選択肢を設置した意味は何だったのだろうか。
--一応途中妹・姉分岐のようなものも存在するが、どちらのルートを通っても妹・姉と結ばれるハッピーエンドは無い。どうやっても特定のヒロインと結ばれて終わる。
---しかし、妹ルートを通らないと初登場シーンがないキャラがいるので、姉ルートを通った場合唐突に出てきて面食らうことに。
---分岐の条件は攻略wikiでさえ不明瞭だが、おそらくADVでの選択肢によるもの。選択肢はゲーム開始直後の長い前置きからあるので、分岐前にセーブして両方見ることは不可能。従って2週するしかない。引き継ぎ?ないよ…
--説明書によると「当初の構想では自由度が高すぎてプログラムしきれず、一本道構造にした」らしいが、ならば筋が通るように改変して当然である。
---さらに言えば一本道構造でも面白いゲームなどいくらでもある。正直言い訳にしか聞こえない。

-伏線や設定に関しても疑問に思う部分が多数存在する。
--本作は昨今流行のループものなのだが、ループが発生している原因は作中の神も「分からない」と言い出す。しかもループもののお約束の、前の世界での事件の原因が2週目以降の世界で明かされることが「ほぼない」。
---そのため、前の世界での出来事は全てループが起こるたびに無かったことになる。ループ前にて急に裏切り者が出たり、ループ後でキャラクターの立場が変わっていたとしてもその理由を想像する余地すら与えられない。~
しかも、知空はループ後の世界のキャラにループ前のことを持ち出して突っかかる。このことがループ打破のきっかけになったりは''しない''ので、単にプレイヤーからの印象が下がる一方。
--細かい点ではあるが、何故知空たちはゾンビに傷つけられても一般人のようにゾンビ化しないか、という理由は語られない。似たような事件が発生した『偽典・女神転生』だとちゃんとワクチンが存在する設定でカバーしていたのだが。
---明かされないだけでゾンビ化しないなんらかの理由でもあるのかと思いきや、ちゃんとゾンビ化するバッドエンドも存在する。どっちなんだ。
--事前の宣伝だと本編で出ていない設定や画像が存在するため、内容を削って''未完成のまま''出したという疑惑もある。実際、本作は、発表当初は2011年発売予定であり、開発期間が長引きすぎていることもその説に説得力を持たせている。しかし、本編は冗長極まりないので、ある意味削ったこと自体は正解だったかもしれない。
---事前の宣伝はおろか、パッケージ裏に表示されているCGにまでゲーム内で使用されていないものが存在する。
--以上のような惨状下ではもはや誤字脱字程度極めて些細な問題点である。 
--エンディング後、回想モードに「名も無き神とラスボスによる子作り」の話が追加されるが「……それで?」としか言いようがない。

''RPGパートに関して''
-以上のようにストーリーがひどいが、RPGパートも凄惨なことになっている。
--全体的にカメラワークが悪く、エンカウント率が高い。そうかと思えば乱数が偏るのか全くエンカウントしない日も。
---ダンジョンに入って(マップが切り替わって)「最初の1歩目」のエンカウント率が異常なまでに高い。さらにこのエンカウントが発生すると歩数が進まずまた1歩目の判定が行われるのか、即座に再エンカウントが行われることもしばしば。~
「1歩目」のエンカウント判定を抜けられない限り1歩も進めず何度でもエンカウントを繰り返す。
--ミニマップ・コンパスが存在しないので迷うと思わせて、ほぼ一本道構造なので迷わない。寄り道要素は一切ない。
---しかし、終盤の各剣を集めるマップは入り組んでおり結局迷うのだが、原因は劣悪なカメラにある。本作は3Dマップなのにカメラを自由に動かすことが不可能で、悪い意味でプレステ初期のクソゲーを思い出す有様である。
--モンスターの色を変えて使いまわすのはともかく、なんと一部の''ダンジョンも''色と出入り口だけ変えて使いまわしている。
--他の問題点と比べると些細な点ではあるが、3DマップではPTメンバーを入れ替えても常に知空さんのモデルのみ表示され、プレイヤーは延々と男の尻を見る羽目になる。

-戦闘形式はメガテンシリーズでお馴染みプレスターンバトル((クリティカルを出したり弱点回数をつくとターン内での戦闘できる回数が増え、無効化されたり弱点を突かれると行動回数が減る。))に近い。
--本作は、やたらクリティカル率が高く、攻撃のため敵1体にズームアップしてエフェクトが出てはまたズームアウトということが繰り返されるために戦闘が間延びしやすい。
--ならばこちらが先にクリティカルを出せば容易にワンターンキルできるのでは? と思うかもしれないが、デフォルトの行動順は「俊敏値」というステータスを元に決定される。味方より俊敏値が高い敵がそれなりにいるため、これらを相手にした場合逆に一方的に殴られ続けてしまう。

-オート戦闘は何故か最初はロックされており、序盤終了後に解禁される。ロックする意味が分からない。
--しかもこのオート戦闘は、Ctrlキーを押しながら選択すれば、戦闘結果が''即座に''表示される。勝ったか負けたか一瞬で分かるため、もはや戦闘で戦略を考える必要もなくなる。
--この事から、一部では今作のジャンルは「戦(闘省)略RPG」とも言われている。

-ゲームバランスもクソゲーのお約束「[[レベルを上げて物理で(ry>ラストリベリオン]]」
--しかも合体事故を利用すると序盤からすぐに強い剣を作れてしまう。事故の発生率もメガテンシリーズと比べると明らかに高いので、容易に作ることが可能。
---一方合体事故に頼らない普通の合体剣だと、少し進むとすぐに型落ちしてしまう性能しかないので自然合体剣を使うなら事故で得られる高性能の物一択になる。セーブロードに一切制約が無い点もこの点を後押している。
--一見属性要素が機能していると思わせて、実はここに問題点がある。一部の敵は特定属性からのダメージを軽減するスキル「○属性吸収」を所持している。
---主人公が使う専用剣は、複数の属性を兼ね備えてしまっているので、この属性吸収に引っかかりやすいのだ。
--よって物理で殴る方とは違い属性が無意味を通り越して邪魔になっている。

-雑魚敵のネーミングもやる気を感じない。
--特に「山田さんだったもの」や「金本さんだったもの」というイベント用の敵キャラとも思われる個人名のある敵が、大量に出てくるのはいかがなものか。
--普通に団地の男A、団地の男Bなど、無名の敵に混ざって何度も出てくるので不自然。
--エクストラダンジョンでは強化版(?)の「EX山田さん(ry」「EX金本(ry」が出てくる。もはや何が何だか……
--山田さんは前述の二人乗りシーンに登場したおばさん、金本さんはチーズのシーンに登場する大怪我をしたおじさんである。見知った人間がゾンビ化して襲ってくるというのは、お約束とも言える表現だが……~シナリオ上で彼らと戦うことはなく、フリーダンジョンのみの登場となる。恐らく最初のボスとして作られたが出番を削られたのであろう。

-ラスボスは今まで育ててきた剣では勝てず、イベント入手の剣でないと傷をつけることすらできない。
--確かにラスボス戦で特殊な装備が必須・ラスボス戦のみ特殊な手順を踏まないと倒せない、という作品は結構あるが「自分で剣を育成・合成していく」という本作のコンセプトを最後の最後で全否定するのは如何なものか。
//「結構ある」中からこの2作品にだけリンクを貼る意味は無いだろ
--さらにこのラスボス戦、序盤からの仲間がイベントで抜けて終盤加入のキャラが強制出撃となる。そのキャラを育てていない場合難易度が飛躍的に上昇する。
---そして専用武器を持った知空さん以外ダメージを与えることは不可能なので、その2名は延々と回復するだけ。

-クリア後やりこみ要素(?)としてエクストラダンジョンが追加されるが、やりこむには程遠い代物。
--内容は全5層ダンジョンをクリアするだけ。5層のボスを倒したら1層に戻されるという無限ループ仕様。
---しかもこのダンジョンも前述の使いまわしの対象で、''5層とも''出入り口が違うだけで中身は一緒。
--PTメンバーは最終決戦後の状態で始まるが、エクストラ用のストーリーは特に存在しない。
---エクストラで得たものを本編に引き継ぐこともできない。なんの目的もなくダンジョンを彷徨うだけのモードである。
---最終決戦に参加していなかったメンバーはどうやって参入するかと言うと、なんと''宝箱の中から''出てくる。ミミックか?

''その他''
-CGに関してもパースが狂っていたり、アングルが最悪で実用性皆無なのが存在している。
--中でも、''性行為中に後光がさすCG''が巷ではネタにされているが、正直後光というよりギャグアニメの集中線のような感じで全く神々しくはない。
--犬の死体が立ち絵を90度倒しただけの物に、血痕の画像を被せただけという超手抜き仕様。それぐらい別に差分を作れるのでは?
---ちなみに、公式サイトにてこの犬の正体について思わせぶりな記述がされているが、本編では一切正体について明かされない。文字通り''犬死に''である。
---中盤で時間遡行を行い死んだことも含め色々となかったことになるが、この犬に限っては遡行後の世界では出番すらない。哀れ。
--原画家には長年ザウスに勤めていた人物の名前があるが、実は彼は製作途中で退社しており本作にはパッケージや抱き枕の絵ぐらいしか関わっていない。詐欺もいいところである。

-最後までプレイすると45時間前後かかるが、このうちRPGパートは15時間ぐらいでADVパートはその倍の30時間近くかかる。
--どう考えても配分を間違えたとしか思えない。また、プレイする人がいるかはともかく2週目以降の引継ぎや周回特典もない。

-一応剣の図鑑が搭載されており、ここで読める各剣の説明文の多くは神話に基づく無難な内容だが、黄泉醜女の剣という剣の説明文に「最近は日本鬼子として知られている」という妙な記述がなされている。
--ご存知の通り日本鬼子の元になった「鬼」はあくまで日本人が持つ鬼に対する普遍的なイメージであって、黄泉醜女は一切関係ない。
--図鑑を全部埋める必要が無いのは進行上ありがたいが、特に全部集めても何も起こらないのも寂しい。

-UIも実にアンフレンドリー。セーブ/ロード画面右半分のサムネイルでも表示してくれると分かりやすかった場所は、謎の画像に邪魔されている。
--各セーブデータの左側にも縮小版サムネイルが表示されるであろう枠が存在するが、何も表示されることはない。
--システム音量やウィンドウの透過設定といった項目はあるが、変更することはできない。マニュアルには''本作品では使用しません ''と書かれている。なら外せよ。
--2014年の作品で''既読スキップがない''のはいかがなものか。

-一応、幾度か修正パッチは出たが、微修正しか行っておらず、追加シナリオやADVシステムの改善は行われていない。そちらの担当者は何処かへ消えてしまったのか?
--ただ、アダルトゲーム業界は発売後まともなサポートをしないメーカーも多々あるので、そういう意味では評価できるかもしれない。
--しかし細かいバグや画像の表示の修正といった微修正ぐらいしかしていないのに、パッチの総容量は何故か500MBをも越える。上述した数々の問題点は一切改善されていないのに、一体何にそんな容量をかけているのだろうか。

-以上のような内容なのに、税込価格は通常版で''1万オーバー''、限定版に至ってはなんと約14,000円。本作よりも面白いゲームを3、4本は中古で買えるような超強気の価格設定。

**評価点?
-一応、敵のモデリングはそこそこ。
--ただ女性型に限っての話で、クリーチャータイプの敵のデザイン・モデリングはあまり良くない。表示も昨今のゲームと比べると遅い。

-剣のデザインはそれなりに凝っている。
--しかし、宣伝広告等ではシンプルな刀を持っているが、実際はいかんとも説明しがたいデザインの剣が多い。万人が見て格好良いと思うかは別である。
---刃がダガー位しか無い剣やかなり肉抜きされた剣、極め付けに「これ剣か?」と聞きたくなるデザインの剣まである。ちゃんと武器として機能するのか?
--そもそも、他の連中は兎も角一般的に知られるゾンビの様な奴が相手なら近距離で戦わざるを得ない剣よりも安全に遠・中距離で戦える''飛び道具の方が有利なのでは''?
--そして100振りの剣が登場と宣伝していてるが、合体失敗時にできる剣が1振りあるので厳密には10''1''種存在する。
--また、このうち半分近くは''公募デザイン''である。もちろんザウス側でブラッシュアップはしているが、これをどう思うかはプレイヤー次第。

-''BGMはまとも''。
--ある筋では有名なクリエイターによるもので曲自体は良質。
---ラスボス戦でボーカル入りのテーマ曲が流れるが、''OPムービーが存在しない''ためここで始めてテーマ曲を聴くこととなる。盛り上がりも何もありやしない。

**総評
ありとあらゆるクソ要素の合体の末、''合体事故''により世に出ることになってしまった一作。~
かつてあまりにも中身がない『[[ゲー無>人生ゲーム (Wii)]]』、ゲームのプレイすらできない『&ruby(マイナス){ー}』((2013年度KOTYe次点となった、Ex-iTの『雛といっしょ』のこと。10分足らずのプロローグが終わりルート分岐の選択肢を選ぶと、どのルートを選んだかに関わらず直後にエラーで強制終了する))、何が起こっているのかまるで意味が分からない『[[ゲー霧>太平洋の嵐 ~戦艦大和、暁に出撃す!~]]』と様々なクソゲーが存在したが、本作はそれらと違い、致命的なバグこそ無く最後まで遊ぶことはできるが下手にボリュームがあるのが仇となり、むしろ問題点が増えているという特徴がある。~
そして徹頭徹尾スムーズに進まないRPGパートと不快で全く感情移入できない主人公にプレイヤーの忍耐力は試され、すぐにプレイすること自体が苦痛となる。~
本作のポテンシャルたるや、鍛え抜かれたKOTYeスレ住民を以てしてもクソゲーと発覚しているのに2か月近く選評が届かなかったほどで、そのためいつしか「これはゲームでなくて&color(crimson){''ゲー務(ム)''}((ゲームとしての面白さが皆無であり、しかも薄いクソゲーと違いすぐに終わらないので、使命だと観念してプレイしないととてもじゃないがプレイを続けられないと評されたことからこのように揶揄された。))だ!」と評された。~
設定は面白そう''だった''という意見も見受けられるが、そうだとしても明かされない設定・登場人物の意味不明な言動があるので考察も困難。まさしく2014年度最強クラスのクソゲーと言えるだろう。「調理師や素材は悪くなかったが作り方や手順を間違えた。」と言った所か。~
願わくば本作の犠牲となったプレイヤーが次に遊ぶゲームが、最後に全てを投げた知空さんのように本作のことをすっかり忘れられるような良作に巡り合えることを祈るばかりである。
//雛遺書の記事を作成したら、脚注部分を削除した上でリンクを追加してください

**余談
-体験版のクリアご褒美や、通販特典にゲーム内でレアな剣が使えるようになるパスワードがあるが、ディスクごとにある程度変化したり認証を介したりしないので、''ネットで調べた物を入力すればどのデータでも普通に使えてしまう''。
--ホビーPC時代ならまだしも、ほとんどの家庭でネットに繋がっている時代にこれではもはやパスワードの意味を成していない。
--といっても、セーブロードを駆使すれば合体事故で序盤から4桁ダメを叩き出す剣を作成可能で、最終的には専用武器に食わしておしまいなのであろうがなかろうが難易度は大して変わらないのが救い(?)だが。
--戦闘不能から回復する効果を持つ剣はこのパスワードで利用できる剣にしか存在しない。

-発売前の鈴木氏のTwitterによると本作のストーリーは文庫2冊分ほど執筆したとのこと。&color(silver){ゲームにしなければよかったのに。} 
--ちなみに、鈴木氏は2002年にかつてデザインした『真・女神転生TRPG』シリーズの系譜((元々『真・女神転生TRPG黙示編』として世に出る予定だった。))であるTRPG『新世黙示録』をデザインしている。~
お世辞にも良作とは言いがたいTRPG版だが、世界観設定などを評価する者がおり、そのタイトルから本作は、すわTRPGのCRPG化かと鈴木氏のファンや古参メガテニストからは話題となった。ゲームの設定資料集での世界設定の記述はTRPG版のものとほぼ同じだが、ゲーム中に生かされているようには思えない。
--なお鈴木氏は発売後、本作に関する発言を半年近くしていなかった。流石にこの顛末では……としか言いようがないが。
---ようやく本人が口を開いた所、途中でゲーム開発に参加出来ず、準備したシナリオも10%も使われなかったため名前が使われたことを大変残念に思っている(要約)とのこと。……上記の通り一部ザウスのライターが関わっているのは確かだが、これを全面的に信じるかは各人の判断にお任せする。 

-DL専売で本作の外伝となる『わたしの勇者は多重神格者』シリーズがDLsiteより2014年12月19日から発売されている。
--しかし配信開始日の前日に公式サイトを急遽公開する、という行き当たりばったり具合でザウスは本当に大丈夫なのだろうか。
--よほどの突貫工事で作っていたのか、''起動することすらできない''という失態をこちらでも犯した。
---一応msvcr110.dllをファイル内に入れることで起動が可能。チェックしろよ……。
--ちなみに「外伝」と表現しているが、大元のシステム等を使いまわしているだけでストーリーは一切関係ない。
---一応ミニマップが追加されたりバランスが調整されたりと改善の跡は見受けられるが、一本約700円であることを考慮してもかなりボリュームが薄いので値段に見合うと思えるかはユーザー次第。

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