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遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」を以下のとおり復元します。
*遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
【ゆうぎおう でゅえるもんすたーず】

|ジャンル|カードゲーム|&amazon(B00005QDKH)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|発売元|コナミ|~|
|開発元|コナミコンピュータエンタテイメントジャパン&br;アイ・ティー・エル|~|
|発売日|1998年12月17日|~|
|定価|4,300円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|OCGのルールを下敷きとなった作品&br;キャラゲーとしては大成功|~|
|>|>|CENTER:''[[遊☆戯☆王 関連作品リンク>遊☆戯☆王シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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*概要
今尚、発売され続けている『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』シリーズ第1弾。~
ストーリーは原作の王国編の島へ上陸するところからを抽出したものとなっている。~
350種類のカードからデッキを組み、漫画でお馴染みのキャラとデュエル(対戦)をしてカードを集め、さらにデッキを強くしていく。

まだオフィシャルカードゲーム(OCG)が発売されていない頃の作品。~
原作やアニメとは大きく異なるルールを採用しており、これらが後のOCGのルールのベースとなっている。また、同時期に展開されていた遊戯王カードダスとは関係はない。~
おまけにはランダムで3枚のカードが付いてくるが、これはOCG、カードダスどちらにも使えない完全な観賞用カードである。~
CMではこのおまけのカードが前面に押し出されていた。

*基本ルール
-LP8000でスタートし、倒した敵モンスターとの攻撃力の差がダメージになる。相手の場に敵モンスターがいなければ直接相手のLPを減らせる。
--このあたりは当時の原作と大きく違う点。原作ではLP2000、相手への直接攻撃はまだ不可能だった。
-手札5枚、場に5枚の計10枚が最大。場に6枚目を出す場合は既にあるカードに重ねる必要がある。この時、下になったカードは削除される(融合は別)。
--モンスターを攻撃or守備表示で出す。魔法カードは手札から直接使用する。強化系魔法カードのみモンスターに重ねることで効果を発揮する。
---特定のモンスター同士を重ねると融合し、パワーアップする。片割れを攻撃されないように気をつける必要がある。
-プレイヤーとCPUは交互に1枚ずつカードを出す。出した分は次ターンに自動でドローされる。
--複数枚は出せない。また出さないことも不可能なのでモンスターばかり入れているとどんどん上書きしなければならない。
-強化系魔法カードは複数存在するが、使用可能モンスターだけ異なり、効果は一律で攻撃力・守備力強化。2枚まで重ねがけが出来る。
--フィールド系魔法カードは敵味方問わず場のモンスターに適用され、能力に影響する。
-LP回復系及び直接攻撃系の魔法カードが初登場。ただし入手枚数は少ない。

*基本システム
-初期デッキは固定。CPUと対戦することでカードを入手し、デッキを強化していく。
--入手カードは1戦に1枚ずつで基本ランダムだが、各キャラクター10戦ごとに100戦まで原作で活躍したカードやレアなカードを1枚追加でもらえる(青眼の白龍etc)。
---それ以外でもランダム入手の強力カード、レアカードもある。粘り強く挑戦すれば強力カードのみの軍団を作ることも可能(ブラックマジシャン軍団、デーモン軍団etc)。
-各キャラクターを一定回数倒すごとに、船の中→島→さらに上位のキャラとステージが進んでいく。各キャラとは何度でも対戦できる。
-ペガサスを5回倒せばスタッフロールが流れてエンディング。但しゲーム自体に終わりは無い。
--オリジナルキャラ「シモン・ムーラン」が初登場。彼(?)はその後のゲームなどに登場している。名前の元ネタはプロデューサー・下村聡氏。「ン」を取ればわかるだろう。
---ちなみに、このキャラは次作『2~5』、『真DM1・2(真DM2のみサイモン・マクムーランの名前で登場)』、『8』、『EX3』まで殆ど出ている。さらに、ついに原作やアニメにも登場した。
-通信ケーブルを使って他人とのカードの交換、対人戦が可能。勝敗も自動で記録される。対人戦の特典でのみもらえるカードもある。
--特定カードをセットにして交換に出すことにより「通信融合」が可能(ポケモンの影響か?)。融合したカードは1枚になってそのまま場に出せるようになる。
-特定のパスワードを入力することにより、いくつかのゲームオリジナルレアカードを入手することが出来る。纏めているサイトは無いが、[[カードWiki>http://yugioh-wiki.net/]]にいくつか載っている。このパスワードは本作を手がけたスタッフの名前である。

*問題点
-''1ターンに1枚しかカードを場に出せない''。そのため、カードゲームの趣旨とも言える読み合い、戦術面の競い合いなど一切無い。
--CPU戦ではこちらが強いカードを場に出していると絶対に負けることがなく、逆に相手が強いカードを持っているとほぼ勝てない。
---敵の場が満杯になると強いモンスターが上書きされ消えてしまうこともある。そこに活路を見出すしかない。あるいは《サンダーボルト》(《ブラックホール》)で一掃するか。
//---ちなみに、モンスターで攻撃を選択すると攻撃可能な敵カードに自動でカーソルが移動するので、強いカードを出してしまえば画面を全く見ずにAボタン連打で勝利することも可能である。但し自分の強いモンスターを上書きで消してしまう可能性があるのでやらないほうがいい。
--融合か魔法カードでモンスターをパワーアップできるが、1ターンに1枚しかカードが使えないため、パワーアップする前に倒される場合が殆ど。そのため、これらのカードは有利な状況をより有利にすることにしか使えない。このシステムは2で改善され1ターンに魔法や罠カードを何枚でも使用できる様になった。
--対戦キャラは全員魔法カードを一切使用せず、モンスターによる攻撃or守備のみの単調なデュエルが続く。この仕様は2でも継続されている。
---たまに融合カードを出してくるが、これは''たまたま''融合可能な組み合わせでカードが重なったため。例えば《暗黒騎士ガイア》の上にたまたま《カース・オブ・ドラゴン》が重なると《竜騎士ガイア》が出現する。

-魔法カードを伏せるという概念や罠カードがない。
--原作では相手の攻撃を罠や魔法カードで対処してピンチを脱出することが多く印象に残りやすいため、これができなくて幻滅した人も多い。

-効果モンスターがほぼ存在しない。
--原作には特殊能力を持ったモンスターがいくつか存在した。しかし、本作で再現されているのはパーツを揃えることでその場で勝利確定する《封印されしエクゾディア》のみで、これ以外に特殊能力を持っているのは『グレート・モス』系のカード((ターン経過で上級の形態へ進化。原作とは若干異なる。))だけである。
--《時の魔術師》も存在するが、本作では単なる通常モンスターであり、原作の時間経過効果は《ベビードラゴン》との融合という形で無理やり再現されている。

-自分の伏せカードは対戦相手には見えないはずなのに、コンピュータ側は明らかに伏せているカードを知っていて攻撃を仕掛けてくる。
--Vジャンプの攻略記事では「相手は千年眼(原作で登場する心を透視するアイテム)を装備してるものと思え!」と、かなり投げやりに説明されていた。まともな読み合いをしたければ対人戦しかない。

-攻撃表示を維持する場合は、必ず相手のモンスターを攻撃する必要性があり、敵が強くても攻撃表示のままにしておきたい場合は守備力の高いモンスターに対して特攻するしかない(その分LPは減るが、撃破はされない)。

-デッキに入れる同名カードの枚数に制限がなく、40枚同じカードのデッキも作成できてしまう。
--ここで効いてくるのがLPに5000もダメージを与える凶悪カード《火炎地獄》の存在。初期LPは8000、最大が9999なので、2枚使えば最速2ターンで勝負が終わる。CPUはLP回復手段を持たないので絶対に勝てる。
---ただし入手条件は対人戦200勝。しかも同じ相手はカウントされないので200人とやる必要がある。持ってるだけで廃人レベルである。
---2以降の続編との通信によって手に入れることは可能。しかし実際に火炎地獄40枚デッキを作った人によると「''本当に虚しいだけ''」らしい。
---2以降は《火炎地獄》を始めとした直接ダメージを与える魔法カードのダメージが減少している。特に《火炎地獄》は大幅に減少し1000ダメージになっている。
---他にもLPを5000回復する《治療の神ディアン・ケト》というカードがある。このカードだけのデッキならば、上記の火炎地獄40枚デッキ''だけ''は防げる。逆に「モンスターだけ」のデッキには勝てない。
--2以降はデッキキャパシティとデュエリストレベルの採用、3以降は同名カードの枚数に制限がかかった。

-5勝目以降、ペガサスに勝つ度にスタッフロールが流れ、スキップできない上に電源を入れなおす必要がある。2も同様である。
--3と4ではパスワードを入力することでスタッフロールが流れるように変更された。

-中古対策なのか、セーブを消すことができず、名前を変えることもできない。
--''最初からやり直すコマンドもない''。GBのソフトなので、''電源を付けっぱなしのままソフトを抜く''、もしくは''PARなどのセーブデータ消去機能を利用する''などすれば一応無理やりデータの削除ができないこともない。後者のセーブ消去機能が確実。コナミは『[[ナノノート]]』の反省をしていないようだ。
---ただしあちらは説明書にのってるパスワードで最初からにできるものの、こちらは確実にセーブ消去方法が(PAR以外)ほぼ無いという…
--かと思われたのだが、近年、有志の解析によってデータ消去コマンドが発見された([[参考リンク>https://tcrf.net/Yu-Gi-Oh!_Duel_Monsters]])。何故これを説明書に記載しなかったのか…

-最強のモンスターカード《究極完全態グレート・モス》を手に入れるにはゲーム中1枚しか手に入らない《プチモス》が3枚必要であり、さらにゲーム中入手困難な《チェンジ・スライム》が8枚も必要になる。
--ちなみに、このゲームでは上記のカード名が《完全究極態グレート・モス》になっている。
---これは遊戯王初期のゲームに良くあった事であり、後のゲームで変わっている。
--上記の通りセーブデータは消せない仕様なので、手にいれる場合はゲームが3本必要になってくる。一応2以降から素材を送ってくることも可能なのだが。

-隠しカードの入手条件がかなり複雑
--まずタイトル画面で隠しコマンドを入力してパスワードを入力しなければ入手できない。
---隠しコマンド、パスワード共に初回特典や攻略本にしか当時は記載されていなかったために知らないままゲームをクリアしてしまったプレイヤーもいる。
---ちなみにこのゲームのパスワードは他のゲーム(継承されし記憶を除く)と違い、数字ではなく人の名前「例:タカハシカズキ」等である。
--隠しカードは開始直後ならば即戦力として期待できるものが多い。特に《ホーリーナイトドラゴン》は終盤まで主力として使用できるレベル。
#co(){
--なお、パスワードを入れ終わった際にゲーム開始時の名前入力と同様「''二度と変えられません''」と表示される。文字通り一度しか入力できないし、''間違えた場合は致命傷である''。何が「パスワードは正しく入力してくれよ」だ。
→確かに間違えた場合はメッセージが出てタイトルに戻されるが、もう一度隠しコマンドを入力すれば何度でもパスワードは入力可能
}

*評価点
-キャラゲーとしての再現性。
--各キャラクターと原作で活躍したカードを使ってデュエルできる。これが本作の存在意義の一つと言える。原作に登場したカードは1コマしか登場していないカードであろうとすべて原作で表記された能力値で登場しており、キャラクターが原作で発言したセリフを話すなど、ゲーム以外の部分は原作を最大限に尊重した作りになっていることは評価できる。
---再現されているがゆえに、最初期に戦う城之内がごく稀に《真紅眼の黒竜》を出してきてこちらが壊滅の憂き目にあうことがある。
---また決闘者の王国がゲームで登場する作品は本作だけである。
-友達とデュエルが出来る。これがもうひとつの存在意義。
--当時のカードダスはルールが曖昧かつ原作とはかけ離れており、対戦するならその都度ローカルルールを設定する必要があった。(大雑把とは言え)統一されたルールで対戦が出来るというのは大きな魅力だと言える。
---ただし通信対戦は勝ったほうが自動的に相手デッキのカードを奪うので、後で返さないとトラブルの元になることも。

*総評
-シリーズ第1弾ということもあってか、あまりにも荒削りな部分が多く、CPUとの対戦は完全に破綻している。&br()だが、本作は2以降はお馴染みになる遊戯王カードのオマケがないのにも関わらず、161万本という凄まじい売上を記録した。これはキャラゲーとしては、当時では歴代一位であった(のちに『[[4>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記]]』が250万本売上げ、記録を更新している)。
--さらにしっかり全国大会も開かれている。優勝賞品は《カオス・ソルジャー》だった。&br()来場者配布の《女剣士カナン》は数百枚しか存在せず、数万円単位で取引されるほどのレアカードだった。
-本作はゲーム性云々ではなく『漫画に出てくるカードが扱える、漫画に出てくるキャラとの対戦ができる、友達とデュエルができる』という点にニーズがあり、発売当時の遊戯王の絶大な人気が伺える。結果的にキャラゲーとしては大成功だったと言える。
-もともと遊戯王のカードゲームは当時詳細なルールが語られることがなく(話の都合でルールがその都度変わったので)、当時発売されていたバンダイ製のカードダスも「ごっこ遊び」のアイテムとしての側面が強かったため、本当に遊戯王カードをプレイするためのルールが整備されていなかったことにも要因がある。さすがに現在ではルール整備はきちんとなされている。
-本作発売の約7ヶ月後に『[[2>遊☆戯☆王デュエルモンスターズII 闇界決闘記]]』が発売され、本作であった不満は「召喚魔族」や「デッキキャパシティ」などの導入により、ある程度は改善された。しかし、次作以降は強力なOCGのオマケが付くようになり、次第にカードがメインでゲームはオマケのように扱われ、別の批判が生まれることになった。
-なお本作は五ヶ月前に発売された『高気圧ボーイ』にシステムやデザイン回りがよく似ている。開発スタッフもほぼ同じなためいくらか流用されていると思われる。
-太田出版発行のムック「超クソゲー2」にこのゲームの批評が掲載されている。

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