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Half-Life 2: Episode Two」を以下のとおり復元します。
*Half-Life 2: Episode Two
【はーふらいふつー えぴそーどつー】
|ジャンル|FPS|&amazon(B0014F3FNE)&amazon(B00151GO5I)|
|対応機種|Windows&br;macOS&br;プレイステーション3&br;Xbox 360((PS3/360版は『The Orange Box』のみに収録。なお、PS3版『The Orange Box』は日本未発売。))|~|
|発売元|Electronic Arts Inc.&br;Valve Software(Steam版)&br;サイバーフロント(国内版)|~|
|開発元|Valve Software|~|
|発売日|2007年10月10日|~|
|定価|820円(Steam)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|BGCOLOR(crimson):''&font(#ffffff){CERO:Z(18才以上のみ対象)}''|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|''事実上『HL2』シリーズ最終章''&br;前作の欠点を複数改善&br;難易度はやや上昇|~|
|>|>|CENTER:''[[Half-Lifeシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『[[Half-Life 2: Episode One]]』の続編。~
前作から続く『[[Half-Life 2]]』後日譚シリーズ3部作の2作目であり、''事実上の最終章。''~
前作で不評だたった要素は見直しが図られ、ボリュームアップや新要素の追加が行われた。

***ストーリー
>使える車両を全て使って崩壊の始まったCity 17から市民を脱出させ、アリックスと共に最後の列車に乗り込んだゴードン・フリーマン。二人は郊外へ列車を向かわせるものの、要塞の爆発の衝撃波によって昏倒、列車はそのままコントロールを失い脱線してしまう。
>なんとか生き延びたゴードンとアリックスは、要塞脱出時に奪取したコンバイン本土の次元座標情報をブラックメサ・イーストへ送り届けるべく、武器を手に取り逃避行を再開する。
>しかしコンバインは尚も追跡を諦めなかった。機敏な「ハンター」によってアリックスは瀕死の重傷を負い、二人は危機に陥る。潜んでいたボーティガンツの活躍によってアリックスは救助されるが、傷は深く治癒にはアントライオンの巣から特別な物質を抽出する必要があることを知らされる。
>ゴードンはアリックスを助け、共にブラックメサ・イーストへ情報を送り届けるべく、危険な洞窟奥地へと足を踏み入れる。
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***特徴
-基本的な要素は『Half-Life 2』『Half-Life 2: Episode One』と同一。武器なども変わらない。
--短かったことがゲーマー側の批判対象となっていた前作と比較して内容のボリュームアップが図られており、全7章、HL2の2/3程度までに増加している。また個々のマップの面積も前作と比較してより広大となっている。

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**評価点
''美しいグラフィック''
-エンジンは新たに「Source 2007」を使用。Sourceエンジンをフル活用した自然描写はかなり気合が入っており、どれを取っても非常に美しい。自然のロケーションが増加したのもあり、前作以上にエンジン性能を実感できる箇所が増えている。

''エンジンを駆使したスクリプト演出の増加''
-物理演算を導入したわりに動かせるのは小物や小規模なパズルばかりだった前作から進化し、物理演算を駆使した大規模な建築物倒壊なども見られるように。またブラックメサ・イーストなどでは初代同様に臨場感のあるスクリプト演出が多用されるなど、演出面の進化と原点回帰が進んだ。

''個性豊かなキャラクター''
-アリックス、Gマン、イーライ、DOG、バーニィといったキャラクターたちは続投。移動が大半を占めるため基本的にはアリックスとその他一般レジスタンスメンバーとの接触ばかりだが、それぞれがしっかりと動くため感情移入しやすい。
--Xenの元奴隷種族ボーティガンツの描写に関してもかなりの掘り下げがされており、『[[Half-Life]]』で敵対していた時のような戦闘や超能力、Xenの生態系解説など活躍どころが多い。前作や前々作では描かれなかった側面をきちんと描写しており、Half-Lifeシリーズの設定の深さを垣間見ることが出来る。
--終盤では『[[Portal]]』で見慣れたあの会社や『[[Half-Life]]』からの因縁(?)のあるあの博士までも登場。知っているプレイヤーを楽しませる工夫が凝らされている。

''再び増加したロケーション''
-代わり映えのしなかった『Episode One』のCity 17と異なり、本作は東欧の荒廃した都市や自然を掻い潜って進んでいく。洞窟や高速道路、鉱山、森、研究所といった様々なロケーションが登場し、前作よりも探索する楽しさが増加した。
--東欧の田舎や自然の雰囲気はうまく捉えられており、コンバインのSF演出とのギャップも視覚的な異質さを引き立たせる。クライマックスの侵攻シーンなどは非常に印象的。

''増加した追加要素''
-新たな敵として芋虫状の「アントライオンの幼虫」、好戦的なアントライオンである「アントライオン・ワーカー」、3本脚の機敏な偵察者「ハンター」の三種が追加。また巨大なアントライオンの巣などの生態系描写や初めてコンバイン側の支配層である「コンバイン・アドバイザー」が明確に登場するなど敵側の設定の掘り下げも多く行われている。前作で指摘・非難されていた追加要素の無さはしっかりと改善されており、新たな場所で新たな敵と出会う楽しさが生まれた。
--追加武器はないが、固定ギミックとして巨大吸着爆弾「マグニッセン装置」が登場。ハンターがいると使えないなど制約はあるものの、上手く使えば一撃で巨大なストライダーを破壊できる威力を持つ。

''バール''
-『[[Half-Life 2: Episode One]]』では登場しなかったシリーズを象徴する近接工具「バール」も、今度は最序盤から取得できるように。使いどころは物資入り木箱の破壊以外にほぼ無いが、HLを象徴する武器故、序盤で出してもらわないと納得できないのである((もっとも前作の場合、「無制限に使えるバールがないので実績『無発砲クリア』の取得難易度が非常に高い」という具体的な難点も合わさっていたのだが。))。

**賛否両論点
''難易度上昇''
-機敏で弾が当てづらい上に耐久力と攻撃力の高い「ハンター」が複数体登場するなど難易度は高め。全体的に以前のシリーズより集中攻撃を食らって死にやすい場所が多い。
--篭城しても屋内へ突入してくるなどAIも賢く、なかなかの強敵となっている。もっとも、ストーリー的にもシリーズの後半と言えるので初心者向けにする必要はないのだが。
-終盤の全方位ストライダー侵攻もなかなかの曲者。大量のハンターを引き連れたストライダー軍団を足止めして倒さねばならないのだが、ハンターを全て倒さなければマグニッセン装置を落とされてしまう上にストライダーは接近して拠点ごとマグニッセン装置を破壊してくる。忙しい上に防衛に失敗するとゲームオーバーになるなど難易度が非常に高く、篭城戦が戦略として有効だったニヒランス((Half-Lifeのラスボス))・ジーンワーム((Opposing Forceのラスボス))、終盤がイベント戦だった『Blue Shift』『Half-Life 2』と異なり、時間に追われながら延々と面倒な作業を繰り返さなければならない。
--機敏かつ硬いハンターが追加されたのにもかかわらず、ハンターに有効な強力な武器が同時に追加されていないのも難易度上昇の一因。敵側のみ火力インフレ状態となっており、爽快感より不快感のほうが高くなってしまっている。

**問題点
''相変わらずな乗り物パート''
-前作でリストラされた自動車がアイテム探知機を実装して再登場。大幅に改善されてはいるもののやはり乗り心地には難があり、おまけにアイテム探知機と同時に路上に大量のアイテムが配置されたため一々降りて回収しなければならないという非常に面倒くさいパートが追加された。

''相変わらずの移動の多さ''
-前作や前々作同様、ゲームプレイに占める移動の割合が非常に大きい。
--物語の進まない目的地への移動が一部チャプターの大半を占めるため、『[[Half-Life]]』のような閉鎖環境での目まぐるしい展開には今一歩届いていない。しかし細かい目標を随時達成していくストーリーに変化したため、『Half-Life 2』の時のような単調さはかなり薄れている。

''消化不良なエンディング''
-前作にも当てはまることだが、エンディングがストーリー中一番重要なところで終わってしまう。
--結局そのままEp3は発売されず、2020年現在も頓挫したまま。ストーリー上で仄めかされた謎の多くがそのままになってしまっている。

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**総評
『Half-Life 2: Episode One』で指摘された「ストーリーの短さ」「追加要素のなさ」といった問題点、そして『Half-Life 2』に存在した「物理・スクリプト演出の雑さ」「展開の単調さ・冗長さ」といった問題点の多くを改善し、より良い内容へと変化した作品。~
難易度の上昇や相変わらずのドライブパートなど欠点もあるものの、ゲームとしての面白さはしっかりと維持できていると言える。~
事実上の「ゴードン編」最終章となってしまってはいるものの、ゲームとしての完成度は高い。~
独特な世界観を掘り下げる演出も多分に含まれており、『Half-Life』シリーズを語る上では外せない作品となっている。

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**続編
-『Half Life 2: Episode Three』は2007年の冬発売を予定していたものの、延期の末に企画自体が消滅してしまった。
--その後2013年~2014年にはEp3ではなく新たにローグライク的な要素を取り入れた『Half-Life 3』が開発されていたが、Source2エンジンの不具合によりこれも頓挫。
---その後もVRガンシューティングやスピンオフVRゲーム「Borealis」など複数の『Half-Life』シリーズ作品が企画されては頓挫していた。
--その間に開発が続けられていた『[[Half-Life]]』のリメイク作『Black mesa』はValveの承認を得て2020年3月6日に発売。
---その後の2020年3月23日、ついに『Half-Life』シリーズの新作『Half-Life: Alyx』が発売され、13年のブランクを経て公式にシリーズが再始動した((上述の頓挫企画は、2020年7月10日に「Alyx」のドキュメンタリーで明かされたもの。))。

-肝心の『Episode Three』は発売されていないが、2017年8月25日には脚本を担当していたマーク・レイドローが自身のブログに「手紙3」と題して『Episode Three』の大まかなストーリーを投稿。これを機に『Black Mesa』と同じくファンメイドの『Half Life 2: Episode Three』を作り上げる企画が始動し、『Project Borealis』という計画名で現在開発が進んでいる。
--なお、この『Project Borealis』と並行して『Boreal Alyph』というもう1つのファンメイド計画も存在していたが、こちらは2021年6月7日に開発中止が[[発表されている。>https://www.gamespark.jp/article/2021/06/07/109297.html]]

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**余談
-本作のネタ実績に利用され大気圏外へと旅立ったノーム人形は、本作由来の小ネタとして前日譚である『Half-Life: Alyx』のイースターエッグ要素の一つに加えられている。
--そして、2020年11月には民間企業による人工衛星打ち上げにValveが参加。ロケットにノーム人形を搭載して打ち上げ、本当に宇宙の彼方へと送ることとなった。

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