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シャイニング・フォースII 古えの封印 - (2021/02/21 (日) 12:02:47) の編集履歴(バックアップ)


シャイニング・フォースII 古えの封印

【しゃいにんぐふぉーすつー いにしえのふういん】

ジャンル シミュレーションRPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 メガドライブ
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 ソニック
発売日 1993年10月1日
価格 9,240円
判定 なし
ポイント 良くも悪くも「人気シリーズの2作目」
シャイニングシリーズ


概要

セガの人気SRPG『シャイニング・フォース 神々の遺産』(以下、前作)の続編。
前作と同じ世界であるものの、別の場所を舞台とし、物語的つながりはない。
(時代的には前作のおよそ50年後に相当し、前作とのつながりを示唆する場所も存在する。)
キャラクターデザインはSUEZEN。

ストーリー

パルメキア大陸のとある古代遺跡が盗賊に荒らされ、遥か古の時代の魔王を封じていた封印が解かれてしまった。
その遺跡を擁する国に住み、師匠の下で剣の修行を積んでいた主人公ボウイは、封印が失われた事で魔界から侵入してきた悪魔軍が引き起こす戦乱に巻き込まれていく。


特徴・評価点

  • 基本的なシステムは前作と同様だが、一部異なっている部分もある。
    • 転職はLv20で行えるようになる(転職前の上限レベルはLv40)。上級職Lv1になると同時にパラメータも加算されるため、転職のデメリットはない。外伝シリーズに近い仕様になったと言える。
      • なお、特殊な転職アイテムを使用する事で、通常とは異なる上級職に就くことができる。
    • ワールドマップを徒歩で移動するシーンが増えた。前作ではリターンで撤退した場合に戦闘場所まで移動する程度だったが、本作では城や町といった目的地の間を実際にプレイヤーの手で移動する。
      • これに伴い、前作で戦闘準備を行っていた「本陣」に相当する「キャラバン」という乗り物が追加され、フィールドマップ上で本陣コマンドを使用できるようになった。ドラクエでいうところの馬車のようなものである。
      • 近付くとランダムでエンカウントし、戦闘マップに入る場所もある。
  • 世界観やキャラクターデザイン、BGMなどが、全体的にライト寄りになった。前作の重厚な雰囲気を気に入ったファンの期待していたものとは少々違っていたが、これはこれでよく出来ている。特にBGMは1ループが長く豪華であり、メルヘンチックな世界観にもよく合っている。
  • 敵の思考時間は非常に短く、もともとSRPGとしてはテンポの良い部類だったのが更に加速した。
  • 精霊を召喚して攻撃を行わせる「召喚魔法」が追加された。威力は高いが、通常の攻撃魔法と異なり、効果範囲に複数の敵が入っていた場合はダメージが分散される。
  • 鍛冶屋に素材アイテムを渡すと、強力な装備を作ってくれる。どの装備が出来上がるかはランダムだが、素材と金を渡した時点で結果は確定される。

問題点

  • 敵味方ともパラメータがインフレした。
    • 特にHP上限がかなり引き上げられたため、召喚魔法の使えない魔法使い系ユニットは後半戦で不遇になる(魔法ダメージは基本的に一定のため)。逆に、こちらが成長した後は敵から魔法攻撃を受けても怖くない。
    • 攻撃力の値も後半戦は軒並み「??(99オーバー)」になり、双方殺った殺られたの応酬が続く大味な戦闘になる。また、やや低めのパラメータで仲間になる転職済みキャラクターたちは起用しにくい。
  • 戦闘アニメの絵については「迫力が落ちた」と評価する人が多い。コマ数が増えた代わりに、表示されるキャラクターのサイズが小さくなってしまった。
    • コマ数の関係でややぎこちないながらも絵としてはダイナミックだった前作とは逆に、なめらかさが上がった分大人しくなってしまった印象である。
  • ランダムエンカウントマップは概ね不評。レベル差が大きくても運が悪ければエンカウントしてしまい、「10分前後の時間を浪費してほぼ得るもの無し」という展開になりがちで、勝つまで戦うよりリセットしてやり直したほうが早い。リターンの魔法が続投している以上は無用の長物だった。
  • 「目印のない場所にノーヒントで隠されているが、特に意味のない隠しアイテム」は前作にも存在したが、今回はそういったものの中に転職アイテムや素材アイテムといった有益な貴重品も多く含まれている。
    • 特に転職アイテムが困り者で、有効利用しようにも転職適齢期に手に入らない・そもそも見つからないという状態に。
  • 遠距離にいる移動型の敵が「数歩ずつ移動して主人公達に近づいてくる」仕様になったため、交戦に時間がかかるようになった。移動力が落ちる地形が多いマップだと、なおさらストレスに。
    • これは、前作では猪突猛進に突っ込むため各個撃破が容易だった前作のアルゴリズムの反省から来たものと思われる。動きとしては「仲間と協調してジリジリ間合いを詰めつつ、攻撃圏に入ると一斉に襲い掛かる」ものとなっている。
  • 「ピコピンときました!」「おしりペンペンしちゃうから!」など、キャラの個性とはいえない、ふざけた・子供じみた言い回しが存在する。
  • 前作はSF的な要素を内包したスケールの大きな物語であったが、本作の物語は含めて小さくまとまった感があり、決して出来が悪いわけではないのだが前作のファンは肩透かしを食らうことになった。
    • 前作は敵国ルーンファウスト軍との戦いの中で明かされる主人公の出生の秘密やライバルとの関係などのドラマチックなストーリー展開が好評だったが、本作は前述するようにキャラバンによる「冒険」がストーリーの主軸に置かれており、ドラマ性やスケール感と言う面では前作とは違ったものになっている。
  • 言動・行動にブレがあったり、扱いが酷いキャラがいる。
    • 初対面時に騙し討ちしておきながら後のイベントで「卑怯なことは嫌い」とのたまうカーミラや、登場するなり戦闘開始⇒戦闘後にイベントで即退場するザルバードなど。

総評

こまごまと追加要素が加わるなど、全体的にボリュームアップはしている。しかしそれらはゲームとして新しい何かを提示するものではなく、独特な雰囲気を持っていた前作と比べてライト向けに変わった部分などをつつかれてしまいがちである。前作で特に人気の高かった戦闘アニメの評価が振るわないのも残念なところだ。
据え置き機のボリュームで携帯機発である外伝シリーズのゲームバランスを取り入れた結果、後半になるにつれてインフレ傾向が出てくるなどといった、若干の調整不足も見られる。
偉大な前作を持つ辛さもあるが、殻を破りきれなかった続編ものの佳作といった評価に落ち着くだろう。