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ファイナルファンタジーIV (DS) - (2016/12/04 (日) 01:19:34) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーIV

【ふぁいなるふぁんたじーふぉー】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 2007年12月20日
定価 5,980円(税5%込)
廉価版 アルティメットヒッツ
2010年3月4日/2,940円(税5%込み)
判定 ゲームバランスが不安定(管理人裁定による)
ポイント 突然の高難易度化と説明不足のシステム
かつてのイメージにハマらない一部キャラボイス
不親切な追加要素
スマホ版は多少改善
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク

概要

  • ファイナルファンタジーIV』のニンテンドーDSにおけるリメイク版。
    • 同作の移植・リメイク版としては、PS版・WSC版・GBA版に続く4作目に当たる。
  • 従来のFFIVと比較して、フルモデルチェンジによる大幅なリメイクがなされている。
  • 基本的なストーリーはオリジナル版と同じだが、世界を根本から再構築し、新エピソードが追加されている。
    • あくまでSFCのリメイク作品であるため、GBA版の要素は薄い。
  • システム面でいくつかの追加要素がある。
    • タッチペンを使ったミニゲームなどのDSならではの要素も追加されている。
  • ゲームバランスが元より非常に高難易度に。詳細は下で。



特徴・オリジナル版からの変更点

ストーリー・イベント

  • オリジナル版とは一部の設定が異なる。
  • いくつかのイベントシーンは、金田伊功氏が絵コンテを手がけたキャラクターボイス付きのムービー形式となっている(作中で重要なシーンが多い)。また一部の台詞が変更された。
  • 新エピソードが追加された。

グラフィック

  • キャラやフィールドのグラフィックが3Dになった。
  • ゲーム中のイベントシーンも金田伊功氏の絵コンテによるフル3Dムービーで再構築されている。
  • キャラクターデザインは新たに作り直されており、いくつかのキャラは服装などが従来と異なる。

ゲームシステム

  • 戦闘関連のゲームバランスやいくつかの仕様の変更
    • 敵の行動パターンがオリジナル版にはなかった攻撃を行うなど一新され、また全体的にザコ・ボス問わず敵の能力および技の威力が強化されている。
      その結果、全体的にオリジナル版よりも難易度がかなり高くなった
      • 原作のFF4は、簡単すぎず難しすぎずのほどほどの難易度だった。
      • 敵の行動パターンが変更された理由は「敵の攻略パターンが知られてしまっているから」とのことで、オリジナル版と同じ攻略法を使っていても勝てないように調整されている。「こちらからの攻撃を受けると時間ごとの行動回数がだんだん減っていく」だったボスが、「HPが減ると行動回数減少、かわりに攻撃力激増」といった感じに。
    • オリジナル版では効果が薄く使われることが少なかったキャラ固有コマンドや魔法が全体的に強化されており、また攻略上使う必要を持たせる調整がされている。
    • 敵からのカウンターとして出された攻撃はカウンターであると表示されるようになったため、過去シリーズに見られた「カウンターであることに気付かず怒涛の攻めをされていると勘違いする」ということは無くなった。
  • 矢が消耗品でなくなり、まとめ買いの必要がなくなった。
  • デカントアビリティシステム
    • 大きくパーティが変動するという特徴はそのまま、本作ではパーティから永久離脱するキャラクターのアビリティや、物語中に手に入れたアビリティをパーティメンバーが使用できるようになっている。
    • アビリティの習得は「デカントアイテム」を任意のキャラに使用する形で行う。デカントアイテムは消耗品で、一人しかアビリティを覚えられない。
  • アクティブタイムバトル
    • コマンド選択時はDSの下画面にて、そのコマンドの命中率や、対象のHPや弱点・吸収属性などの情報が確認できるようになっている。
    • 召喚獣を使った際にはムービーが挿入されるが、カット可能。
    • あらかじめ登録しておいた行動を戦闘時に自動実行させることができる「オートモード」を搭載。
  • ポーチカ
    • リディアの召喚獣として手に入る真っ白な体のキャラクター。あらゆる幻獣の素体という設定。召喚獣として召喚した場合、通常の召喚獣とは違い、全体攻撃を与えるのではなく、リディアの代わりとして戦闘に参加する。
    • ポーチカはゲーム上でタッチペンを使って顔を描くことができる機能がついており、一時は公式ファンサイト上でフェイスペイントの募集が行われた。
    • 戦闘キャラとしてはパーティキャラクターの持つデカントアビリティを自由に設定が可能という特徴を持ち、プレイヤーによるカスタマイズが行える。また、ポーチカを使ったミニゲームをプレイすることによってポーチカの戦闘能力が成長していく。
  • ネミングウェイとデブチョコボ
    • ネミングウェイは従来ではパーティメンバーの名前を変更してくれるキャラクターだったが、本作ではパーティメンバーの名前の変更は不可能であり、ネミングウェイには新たなサブイベントが追加されている。
      • キャラの名前を変更できなくなったことがサブイベントの主軸のネタにされている。
    • デブチョコボは従来ではアイテムの預かり・引き出しを担当するキャラクターだったが、本作では全種類のアイテムをまとめて所持できるようになったため、同様に役割を失ったデブチョコボはこのネミングウェイイベントの一部となって登場している。
  • マップ表示と踏破率
    • 移動中は、下画面に現在の場所のマップが表示されている。
    • ダンジョンの広めの場所では、マップは最初は白紙の状態であり、一度到達したことのある辺りしかマッピングされない。
    • 上記のダンジョンマップでは、そのマップをどれだけ埋めたかを表す「踏破率」も表示されている。そのマップの踏破率が100%に達すると、マップごとに用意されているご褒美アイテムが得られる。
  • データ引き継ぎによる周回プレイ
    • ゲームクリア後、デカントアビリティと一部のアイテムを引き継いでゲームを最初から始められる。
    • ただし引き継いでプレイできるのは3周までで、4周目以降は存在しない。
    • 2周目以降でしか戦えない強力な隠しボスも2体追加された。
    • 隠しボス撃破や最強データ作成などを目標とする場合には、3周することを前提として、各周回でどのデカントアビリティを入手するかを考慮する、といった計画性の高いゲームプレイが要求される。周回上限が3周目までという設計は、プレイヤーをそういう遊び方へ誘導するためと思われる。



賛否両論点

  • 難易度が非常に高い。
    • FFは大作として名を無し、ゲームに費やす時間が少ないライト層のファンも多くなっていたため、
      今作の「80年代PCに通じる高難度なバランス」に馴染めないプレイヤーが続出。
      このゲームデザインが熟練したゲーマーの間でも評価が分かれるものであったため、賛否両論を巻き起こす結果になった。
    • 敵の行動パターンの中には、特定の行動に対するカウンターを行うパターンが多くなり、強さだけでなく煩わしさも感じやすい。
    • 終盤の雑魚敵は非常に強く、逃げざるを得ない局面も多くなりやすい。
      特にラストダンジョンでは、(宝箱回収による戦力強化を優先するため)ひたすら敵から逃げまくってダンジョンを潜る光景も珍しくない。
    • 中盤以降は、デカントアビリティを活用できるか否かで難易度が大きく変わってくる。しかし、このデカントアビリティに大いに問題がある(後述)。
    • 余りに突っ切った難易度設定のため、FFファンの間でも「派生作品も含めてFFシリーズ最高難度」と評される程。
      前作3のDSリメイクでは大幅改変もそれなりの好評で終わったのだが、今作ではそれをかなりやりすぎたという感じが否めない。
  • 舞台俳優や吹き替え声優を中心にキャスティングされているため、いわゆるアニメ声の演技を期待すると不満を感じるかもしれない。
    • 主人公セシル・エッジ・アンナのキャラの声が、よく問題点としてあげられる。
    • 中でも石丸博也氏が演じるエッジへの批判が大きい。石丸氏自身は「マジンガーZ」の兜甲児役やジャッキー・チェンの吹き替えで知られる超ベテラン声優ではあるが、単純明快な熱血系のキャラクターを演じることが多い。エッジ自体も「故郷のあだ討ちに燃えている」という設定ではあるものの、性格付け的には「ノリの軽いお調子者」であり、そんな彼の声のイメージにはそぐわないとして批判されることが多い。
    • 逆に、ゴルベーザ役の鹿賀丈史氏のように好意的に評価されているキャラもいる。
    • 本職の声優*1も多数参加しているが、脇役が多いため、カイン以外の声を聴く機会が少なく、一部で「豪華キャストの無駄遣い」とも揶揄された。
    • ボイス導入の関係で、SFCでは可能だったパーティメンバーの名前変更ができなくなった。
      • 本作に限らず、ボイス付きRPGについて回る弊害と課題である。FFシリーズでは過去には『FFX』において名前変更が可能な主人公だけ名前で呼ばせない*2手法を用いたがパーティーキャラの多い本作ではそうもしづらいという事情もあったのだろう。また『FFXII』以降はキャラクターネームが完全固定となったため単純にそれに倣ったという見方もできる。
      • ちなみにコンフィグでオフにできるので、聞きたくない人はスルーできる。(OPイベントのセシルと一般兵士以外)
  • BGMについては、『FFX』の仲野順也氏がアレンジを務めているものの、良いアレンジと微妙なアレンジの差が激しい。
    • 中でも「赤い翼」「最後の闘い」は改悪という声も。一方で、「黒い甲冑ゴルベーザ」などは評価が高い。

問題点

  • デカントアビリティ関連の不備が多すぎる。
    • デカントアイテムを使っていたキャラが永久離脱すると、その時に手に入るデカントアイテムが増加するという「絆デカント」と呼ばれる要素が存在する。
      • 言い換えれば永久離脱するキャラにアビリティを付けておくことによって入手できるということ。本作における取り返しの付かない要素の筆頭。
    • 絆デカントにより手に入るアビリティは使ったデカントアイテムの数によって変わり、複数使っておけば、2連続で魔法が使える「れんぞくま」や、魔法の詠唱時間が短くなる「はやくち」などの強力なアビリティが手に入り、その後の攻略に大いに役立つと同時に、ゲーム自体の難易度が大幅に下がる。
    • 非常に重要な要素にも関わらず、絆デカントについての説明が全く無い。説明書にも公式サイトにも載っていない。
      しかも、普通にプレイしていては絆デカントの存在に気付きにくい作りになっている。
      • オリジナル版経験者は「どのキャラが途中で離脱するか」知っているため、絆デカントについての説明が無ければ、わざわざ貴重なデカントアイテムを永久離脱するキャラに使おうとはあまり思わないだろう。
      • デカントアイテムは使いきりの貴重品であり、説明書にも「誰に覚えさせるかよく考えてから使いましょう」と書かれているので後々まで温存しがちで、オリジナル版未経験者でも絆デカントに気付きにくい。ましてや未経験者ではストーリー中で誰が永久離脱するのかは当然分からないので、ますます温存しがちになってしまう。
      • このゲームの高難度なバランスに適しているRPG慣れしたプレイヤーほど、「デカントアイテムを温存した方がいい」と考え、その結果逆に苦労しやすくなる。
      • こうした点がプレイヤーへの心理的な罠として機能しているために、多くのプレイヤーがこのシステムの恩恵を受けることなく苦労するという状況に陥ってしまった。
    • デカントアビリティの効果の説明も不親切。
      • デカントアイテムの時点では、そのアビリティがどういう効果なのかが説明文に書かれていない。デカントアイテムの説明文には「アビリティ ○○ をおぼえます」と書かれているだけである。
      • よって大半のアビリティは、とりあえず誰かに習得させてみないと効果が分からない。使いきりであるためセーブ&ロードをしないと「アビリティの効果を把握した上で誰に習得させるかを考える」ということができない。
    • 他、一部デカントアビリティが物語の進行と共に入手できるのだが一度クリアしたダンジョン内にノーヒントで置かれている事が多い。攻略情報を見なければまず気付かない程。
  • 一部の敵の過剰な強化。
    • 特にバブイルの巨人の「制御システム」が異常なほど強化されている。
      • 回復を担当する防衛システムと攻撃を担当する迎撃システムが本体である制御システムを守っているという三位一体のボスで、戦闘前には「まず防衛システムを叩かねば~」というアドバイスがあるが、このアドバイスが落とし穴になっている。
      • このボスは賛否両論点にも書いている「オリジナル版と同じ攻略では倒せない」ボスの一体であり、攻撃担当の迎撃システムがオリジナル版から異常な強化が行われており*3、迎撃システムを真っ先に倒さなければすぐに全滅するほどの危険な存在となっている。
      • そして、迎撃システムを倒した後に防衛システムに手を出してはいけないのはオリジナル版の通り(仲間2人を強制的に死亡させた上に迎撃・防衛システムが復活してしまう)。つまり、アドバイスが実態と全く異なっているのである。
      • 補足すると、オリジナル版では迎撃システムが大した脅威ではないため、このアドバイスの通りに防衛システムを先に倒し、迎撃システムは放置してこまめに回復しながら攻撃を仕掛けるのがセオリーであった。
    • 他にもオリジナル版では大したことなかったバブイルの塔の「ルゲイエ」が初見殺しともいえる強さになっている。
      • 上述した「リバースガス」で受ける「リバース」の意味が解らず、回復しようとしたら逆にダメージを喰らい、リバースの意味が解ったところで自分を攻撃しようとしたら再びリバースされ自滅、という事態もよくある。更に言うとリバース状態で戦闘不能になると、回復不能になってしまう。
      • 加えてこちらにやってくる「治療」は、リバース状態だと強烈なダメージを喰らってしまう。他の技も軒並み大幅強化されているため、多くのプレイヤーを苦しめた。
  • 「アイテム」コマンドの不親切な仕様。
    • 「アイテム」のコマンドだけは他のコマンドやアビリティと付け替えることができない。
      • アビリティを自由に組み合わせる上で邪魔に感じられる場合がある。ゲームを進めていき、デカントアビリティが増えてくるほど邪魔に感じやすい。
      • ラストバトルでセシルが絶対に特定のアイテムを使わなければいけない都合でこのような仕様にした可能性が高いが、そのたった一場面だけのためなら他にやりようはあったのではないか。
    • UIの問題で「アイテム」のコマンド位置を変えられることにやや気付きにくく、最後まで気付かなかったといったプレイヤーの報告がいくつかみられる。
      • 「アイテム」のコマンド初期位置はオリジナル版と同様、キャラごとのデフォルトアビリティの数に依存するため「上から3~5番目」と統一性がなく、そこにデカントアビリティのコマンドまで加わるため、コマンド位置を任意で並び替えないと不揃いに見えてしまう。「たたかう」のコマンド位置が一番上とは限らずキャラごとにバラバラだったら気持ちが悪いのと同様の話である。
  • 戦闘中の装備変更がターン消費扱いになった。
    • このため、敵に合わせて臨機応変に武器を持ち替える、という戦法が取りにくくなった。
  • マップ踏破の問題
    • 全マップ踏破の重要性について
      • 全てのマップ踏破率を100%にすると、アイテムの入手率がアップする「トレジャーハント」というデカントアビリティを入手できる。このトレジャーハントは、レアアイテム集め及びキャラの強化といったやり込みの助けとなるものであり、やり込みプレイヤーは必然的に全マップ踏破率100%を目指すことになる。
      • そしてそれだけに、下記にあるマップ踏破に関する諸問題を痛感しやすい。
    • あと一歩でマップが埋まらない、という事態に陥りやすい。
      • 自キャラを壁にこすり付けるようにして、マップを本当に隅々まで動き回らないと100%踏破とはならない。
    • どのマップを100%にしたのか、どのマップをまだ100%にしてないのかが分かりにくい。
      • 白魔法「サイトロ」で、そのダンジョンの全ての場所のマップを閲覧できるのだが、サイトロではマップの踏破率は表示されない。
    • 期間限定ダンジョンのマップ踏破を逃すと取り返しの付かないことになる。
      • その周回ではトレジャーハントを入手できず、レアアイテム集めが困難になる。
      • 周回プレイにより、2~3周目でマップを埋めることはできる。
        ただし周回プレイを楽にするためには、1周目の時点でアビリティ「エンカウントなし」や超強力な防具「アダマンアーマー」などを入手しておいた方が良い。
        そのためにはごく低確率で入手できるレアアイテムが必要であり、そのレアアイテムを入手するためにはトレジャーハントがあった方が良い…という構図になっており、やはり1周目でトレジャーハントを入手する意義は大きい。
    • 全マップの踏破率を100%にしてもトレジャーハントが入手できない場合がある
      • 最後に踏破率100%にするマップにて、踏破率が100%になると同時にエンカウントが発生する、あるいは宝箱を開けるとトレジャーハントが手に入らない。
      • この状態でセーブしてしまうと、そのデータではもうどうやってもトレジャーハントは入手できない。発生確率は低いものの、やり込みプレイヤー泣かせの極めてタチの悪いバグ。
      • どのマップをまだ100%にしてないのかが分かりにくい以上、どのマップが最後に埋めることになるのかも把握することは難しい。そのため、この状態でセーブしてしまう可能性も十分考えられる。
  • 周回プレイ
    • 1度クリアするとそのデータのまま最初からプレイできるのだが、3周目をクリアすると全てリセットされる。したがって何周もプレイして最強データを作るといったことはできない。この周回上限のせいで遊びの幅が狭まっている。
    • 周回上限を設定することによる計画性の高い遊び方などは、別にゲーム側で周回上限が設定されていなくともプレイヤー側の任意でできることである。
    • 普通のRPGならアイテムの取り逃しなどがあっても「次の周回で入手すればいい」と考えることもできるが、本作は1~2周目でデカントアイテムを取り逃したりアビリティを習得させる相手を間違えたりした場合は、その時点で取り返しがつかないことになる。
      • そのため、初回クリア後にゲームを更にやり込む場合は、そのまま2周目に移るのではなく「1周目を最初からやり直す」というユーザーも少なくない。
      • 2周目以降は各種引き継ぎで楽に進行することもできる(ランダムエンカウントを発生させずに快適に進めることもできる)のだが、1周目をやり直す場合は、また一から地道なゲームプレイをしなくてはならない。
    • 引き継げるアイテムは、デカントアイテムと一部のレアアイテムのみに限られる。
      • 敵が落とす強力な装備品などのレアアイテムを頑張って入手しても(あるいは偶然運良く入手できても)、次の周回ではなかったことにされてしまう。
      • 2周目以降でも、一定のゲームバランスを保つための仕様とも考えられなくはない。しかし、超強力な防具であるアダマンアーマーは引き継げるので、それだけでも2周目以降のゲームバランスは割と崩壊する。それなら各種レア装備品も引き継げてもよかったのではないか。
  • メニューの各種画面切り替え時などのレスポンスが悪く、メニュー操作に無駄に時間が掛かる。
  • リセットの問題
    • GBA版ではボタン同時押しによるソフトリセットが可能だったが、本作では不可能。メニューからタイトル画面に戻る機能は一応あるのだが、セーブ可能な場所でしか利用できないという謎仕様。
  • 戦闘関連
    • コマンド選択のウィンドウで敵やダメージ表示が隠れてしまう場合がある。
    • コマンド選択の途中で召喚の演出が発生すると、コマンド選択の状態(カーソル位置など)が初期の状態にリセットされてしまう。
  • マップ移動の快適性
    • キャラの移動速度は割と原作準拠だが、快速とは言えない。
      • PS版やGBA版では2倍速のダッシュ機能が追加されていたのに対し、本作にはダッシュ機能はない。逆に「歩き」(低速移動)が追加されている。
      • 本作ではマップの踏破率を埋めようとすればダンジョンを隅々まで歩き回ることになるので、オリジナル版よりも「もっと快適に移動したい」と感じやすい。
    • 飛行船などの乗り物は全体的にもっさり感が漂う。オリジナル版と違い、飛行船に乗ってもフィールドの視野が広がるようなことはなく、空を飛ぶ爽快感にも乏しい。
  • イベントスキップの問題
    • スキップ可能なのは、いわゆる「ムービー」的なイベントのみに限られる。大部分のイベントはスキップできない。
    • ムービーだけという中途半端なスキップ機能や、周回プレイが実装されているぶん、目に付きやすい仕様である。
  • GBA版で好評だったPT入れ替えがない
    • デカントアビリティは入れ替えができない代償かもしれないが、上記の通り説明不足のため期待しなかった人も多い。そのためどちらが良いか賛否両論分かれてしまっている。

バグ

  • 進行不能バグが存在する。
    • いわゆる「シアターバグ」。
    • 普通に1周プレイするぶんには何の問題もないのだが、裏ボスと戦うべく周回を重ねようとするプレイヤーにとっては鬼門のバグである。
    • 対処法は、周回プレイ時にはデブチョコボシアターでエンディングムービーを見てからセーブしないようにすること。



総評

  • プロモーションも多数のCMを用意するなど、新規ユーザー獲得のための試みがなされていたが、実際のところライトユーザーには推奨しにくいゲームである。
    低難易度のFF4をプレイしたいならGBA版や後述のPSP版をプレイすると良いだろう。
  • 初心者、ファン問わず厳しい高難易度が物議を醸したが、一方で高難易度上等のガチプレイヤーからは評価されており、どんな難易度のゲームを求めるかによって評価が大きく変わるゲームである。制作サイドの狙い通り、リメイク前のFF4経験者でも新鮮な気持ちでプレイすることはできる。良くも悪くも。
    • 目玉のシステムであるデカントアビリティは面白い試みではあるものの、絆デカントの不親切さや取り返しの付かなさ、周回上限の仕様との噛み合わせの悪さに対する不満意見は多く、一概に成功しているとは言えない。
    • 今作の熾烈な難易度についてはこれらのシステムを駆使すれば大幅な緩和が可能なのだが、その難易度を緩和するためのシステムが軒並み欠陥の目立つものであったことが、今作が高難易度なゲームという評価ではなくひたすら理不尽なだけのゲームと評価されてしまった要因と言える。
  • 説明のないシステムもよく理解した上で、高難度な戦闘を楽しんだり何周もやり込むような、ヘビーゲーマー向けのRPGと言える。

その後

  • リメイクに伴い知名度やキャラ人気が上昇したためか、派生作品が作られたり、他作品にゲストとして登場したりしている。
  • 現在、SFC版FFIVがWiiのVCで配信されている。
  • 2011年3月、FFIVと続編『THE AFTER』をセットにした『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』がPSPで発売された。このFFIVはSFC・GBA・DSのすべてが参考にされている。本作と比べてみるのも楽しい。
    • ギャラリーモードが搭載され、本作のOPムービーなども視聴可能。
    • ただしGBA版基準のリメイクであり本作で追加されたボイスやシステムが無いため、本作が存在する意味が無くなったわけではない。
  • 本作から発売5年後の同日にiOS版が配信された。
    • PSP版ではなくDS版ベースの移植となっている。III同様グラフィックの向上が行われているほか、本作の難易度が高いという指摘を受けてか、難易度をDS版準拠の「ハード」とDS版より下げた「ノーマル」の2つから選択できるようになった。
      • 具体的に言うと敵の攻撃力が下がり味方の攻撃力が上がっている。実績にも対応しており、難易度ハードをクリアする事で解放される実績がある。
      • ポーチカとミニゲームが削除された他、一部デカントアビリティの入手手順や効果が異なっている。クラウドセーブにも対応。
  • また翌年の6月にAndroid版が配信された。内容はiOS版と同じ。
  • 2014年9月にはSteamでWindows PC版(英語版)が配信されたが、残念ながら日本の公式ストアからは購入できない(海外プレイヤーからのギフト等で貰うことは可能)。当然ながら日本語表示にも対応していない。
  • スクエニのATCG『LORD of VERMILION II』にて、カイン、リディア、エッジ、ゴルベーザ、ルビカンテ、バルバリシア、カイナッツォ、スカルミリョーネが参戦。
  • 後継作『LORD of VERMILION III』にはゴルベーザのみが参戦している。