ファイナルファンタジーIV

【ふぁいなるふぁんたじーふぉー】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 2007年12月20日
定価 5,980円(税5%込)
廉価版 アルティメットヒッツ
2010年3月4日/2,940円(税5%込み)
判定 ゲームバランスが不安定(管理人裁定による)
ポイント 突然の高難易度化と説明不足のシステム
かつてのイメージにハマらない一部キャラボイス
不親切な追加要素
スマホ版は多少改善
ファイナルファンタジーシリーズ


概要

ファイナルファンタジーIV』のニンテンドーDSにおけるリメイク版。
同作の移植・リメイク版としては、PS版・WSC版・GBA版に続く4作目に当たる。

従来のFFIVと比較して、フルモデルチェンジによる大幅なリメイクがなされており、DS版『ファイナルファンタジーIII』の3Dグラフィックエンジンなどを流用したフルポリゴン化がなされている。
基本的なストーリーはオリジナル版と同じだが、一部設定変更が施されており、新規エピソードも追加されている。

システム面では追加要素がいくつかある他、タッチペンを使ったミニゲームなどのDSならではの要素も追加されている。

ゲームバランス面でも単なる微調整に留まらない大幅なテコ入れがなされ、オリジナル版よりも難易度が非常に高まった。


特徴・オリジナル版からの変更点

ストーリー・イベント

  • 「赤翼」が「赤翼」となるなどオリジナル版とは一部の設定が異なる。
  • いくつかのイベントシーンは、著名なアニメーターである金田伊功氏が絵コンテを手がけたキャラクターボイス付きのムービー形式となっている(作中で重要なシーンが多い)。
    • またセリフ回しが微妙に変更されている箇所も多い。
  • セシルの過去など新エピソードが追加された。
  • 『キャラクターの心情』システム
    • 本作ではメニュー画面を開くと先頭にしているキャラクターが何を考えているのかが短いメッセージ風に表示される。
      • ゲーム進行に伴って随時変化していくため、全員分をすべて把握するのは意外と大変。
  • 『愛のテーマ』のボーカルアレンジ版『月の明り』が主題歌として作成され、ゲーム中にも用いられている。一般公募で選ばれた伊田恵美氏が歌っている。

グラフィック

  • キャラやフィールドのグラフィックが3Dになった。
  • ゲーム中のイベントシーンも金田伊功氏の絵コンテによるフル3Dムービーで再構築されている。
    • キャラクターデザインも改めて修正されている。

ゲームシステム

  • 戦闘関連のゲームバランスやいくつかの仕様の変更
    • 敵の行動パターンがオリジナル版にはなかった攻撃を行うなど一新され、また全体的にザコ・ボス問わず敵の能力および技の威力が強化されている。
      その結果、簡単すぎず難しすぎずのほどほどの難易度だった原作と比比べ、難易度がかなり高くなった
    • オリジナル版では効果が薄く使われることが少なかったキャラ固有コマンドや魔法が全体的に強化されており、攻略上使う必要を持たせる調整がされている。
    • 敵からのカウンターとして出された攻撃はカウンターであることが表示されるようになったため、怒涛の攻めだと勘違いするようなことは無くなった。また、弱点を突いた攻撃でダメージを与えた際は「WEEKNESS!!」と表示されるようになり、よりわかり易くなっている。
  • 矢が消耗品でなくなり、まとめ買いの必要がなくなった。

これらの他、命中率計算式変更や入手ギル減少、逃げる際に落とすギルの増加など、細部にわたって仕様変更が多くなされている。

  • デカントアビリティシステム
    • 本作ではGBAで可能だった最終パーティメンバーの入れ替えに代わる新システムとして、パーティから永久離脱するキャラクターのアビリティや、物語中に手に入れたアビリティをパーティメンバーが使用できるようになっている。
      • アビリティの習得は「デカントアイテム」を任意のキャラに使用する形で行う。デカントアイテムは消耗品で、アビリティ1つにつき一人しかアビリティを覚えられない。
    • また、ストーリー中で永久離脱するキャラにデカントアイテムを使っておくと、その後に手に入るデカントアイテムの数が増え特別なものが追加される「絆デカント」という要素が存在する。
      • 絆デカントにより手に入るアビリティは使ったデカントアイテムの数によって変わり、複数使っておけば、2連続で魔法が使える「れんぞくま」や、魔法の詠唱時間が短くなる「はやくち」などの強力なアビリティが手に入る。
  • アクティブタイムバトル
    • コマンド選択時はDSの下画面にて、そのコマンドの命中率や、対象のHPや弱点・吸収属性などの情報が確認できるようになっている。
    • 召喚獣を使った際にはムービーが挿入されるが、カット可能。
    • あらかじめ登録しておいた行動を戦闘時に自動実行させることができる「オートモード」を搭載。
  • ポーチカ
    • リディアの召喚獣として手に入る真っ白な体のキャラクター。あらゆる幻獣の素体という設定。召喚獣として召喚した場合、通常の召喚獣とは違い、全体攻撃を与えるのではなく、リディアの代わりとして戦闘に参加する。
    • ポーチカはゲーム上でタッチペンを使って顔を描くことができる機能がついており、一時は公式ファンサイト上でフェイスペイントの募集が行われた。
    • 戦闘キャラとしてはパーティキャラクターの持つデカントアビリティを自由に設定が可能という特徴を持ち、プレイヤーによるカスタマイズが行える。
      また、ポーチカを使ったミニゲームをプレイすることによってポーチカの戦闘能力が成長していく。
      • ミニゲームは最終パーティメンバー5人毎に異なるものが用意され、それぞれ成長していくステータスがあらかじめ決められている。
  • ネミングウェイとデブチョコボ
    • ネミングウェイは従来ではパーティメンバーの名前を変更してくれるキャラクターだったが、本作ではパーティメンバーの名前の変更は不可能となったため、ネミングウェイには新たなサブイベントが追加されている。
      • キャラの名前を変更できなくなったことがサブイベントの主軸のネタにされている。
    • デブチョコボは従来ではアイテムの預かり・引き出しを担当するキャラクターだったが、本作では全種類のアイテムをまとめて所持できるようになったため、同様に役割を失ったデブチョコボはこのネミングウェイイベントの一部となって登場している。
  • マップ表示と踏破率
    • 移動中は、下画面に現在の場所のマップが表示されている。
    • ダンジョンの広めの場所では、マップは最初は白紙の状態であり、一度到達したことのある辺りしかマッピングされない。
    • 上記のダンジョンマップでは、そのマップをどれだけ埋めたかを表す「踏破率」も表示されている。そのマップの踏破率が100%に達すると、マップごとに用意されているご褒美アイテムが得られる。
  • データ引き継ぎによる周回プレイ
    • ゲームクリア後、デカントアビリティと一部のアイテムを引き継いでゲームを最初から始められる。
    • ただし引き継いでプレイできるのは3周までで、4周目以降は存在しない。
    • 2周目以降でしか戦えない強力な隠しボスも2体追加された。

賛否両論点

  • 難易度が非常に高い
    • FFは大作として名を為し、ゲームに費やす時間が少ないライト層のファンも多くなっていたため、今作の「80年代PCゲームに通じる高難度なバランス」に馴染めないプレイヤーが続出。
      このゲームデザインが熟練したゲーマーの間でも評価が分かれるものであったため、賛否両論を巻き起こす結果になった。
    • 敵の行動パターンの中には、特定の行動に対するカウンターを行うパターンが多くなり、強さだけでなく煩わしさも感じやすい。
    • 終盤の雑魚敵は非常に強く、逃げざるを得ない局面も多くなりやすい。
      特にラストダンジョンでは、(宝箱回収による戦力強化を優先するため)ひたすら敵から逃げまくってダンジョンを潜る光景も珍しくない。
    • 中盤以降は、デカントアビリティを活用できるか否かで難易度が大きく変わってくるのだが、このデカントアビリティに大きな問題がある(後述)。
    • 余りに突っ切った難易度設定のため、FFファンの間でも「派生作品も含めてFFシリーズ最高難度」と評される程。
      前作『III』のDSリメイクでは大幅改変もそれなりに好評だったが、今作ではかなりやりすぎたという感じが否めない。
  • 舞台俳優や吹き替え声優を中心にキャスティングされているため、いわゆるアニメ声の演技を期待すると不満を感じるかもしれない。
    • 主人公セシル・エッジ・アンナのキャラの声が、よく問題点としてあげられる。
    • 中でも石丸博也氏が演じるエッジへの批判が大きい。石丸氏自身は「マジンガーZ」の兜甲児役やジャッキー・チェンの吹き替えで知られる超ベテラン声優ではあるが、単純明快な熱血系のキャラクターを演じることが多い。エッジの性格については作中で「熱くなると見境がなくなる」と祖国の民の口から語られており、両親の仇討ちに燃えているという背景設定もあるものの、「ノリの軽いお調子者」というキャラ付が前面に出ているためイメージにそぐわないとして批判されることが多い。
    • 逆に、ゴルベーザ役の鹿賀丈史氏のように好意的に評価されているキャラもいる。
    • 本職の声優も多数*1参加しているが、脇役が多いため、カインの山寺氏以外の声を聴く機会が少なく、一部で「豪華キャストの無駄遣い」とも揶揄された。
      • ちなみにコンフィグでオフにできるので、聞きたくない人はスルーできる。(OPイベントのセシルと一般兵士以外)
  • 名前の固定化
    • ボイス導入の関係で、SFCでは可能だったパーティメンバーの名前変更ができなくなった。
      • 自由度の面でSFC版のように好きに名前を付ける事が出来なくなった事への不満はある。
      • しかしボイス付きの作品で名前の変更に対応しようとすると『FFX』のように名前変更が可能な主人公だけ名前で呼ばせない*2形のように、どうしても不自然な演出にならざるを得ず、それを全PTキャラに対応させると無理が出るのが想像に難くない。
    • 名前変更とボイスの対応については、名前で呼ばれなくなっても好きに付けられるようにしたい人と、演出重視で名前を固定してくれた方が良い人で、本作に限らずどうしても意見が分かれる要素である。

問題点

デカントアビリティ関連の不備が多すぎる

  • 肝心な説明が全く足りていない。
    • 上述の通り、「絆デカント」で手に入る追加アビリティは有用なものがそろっており、高難度に再調整された本作において攻略上の大きな助けとなる。
      • それだけ重要な要素にも関わらず、絆デカントについての説明が皆無。説明書にも公式サイトにも載っていない。
    • その上、普通にプレイしているだけでは絆デカントの存在自体にも気づきにくい
      • オリジナル版経験者は「どのキャラが途中で離脱するか」知っているため、絆デカントについての説明が無ければ、わざわざ貴重なデカントアイテムを永久離脱するキャラに使おうとはあまり思わないだろう。
        デカントアイテムは使いきりの貴重品であり、説明書にも「誰に覚えさせるかよく考えてから使いましょう」と書かれているので後々まで温存しがちで、オリジナル版経験者でも絆デカントに気付きにくい。ましてや未経験者ではストーリー中で誰が永久離脱するのかは当然分からないので、ますます温存しがちになってしまう。
      • このゲームの高難度なバランスに適しているRPG慣れしたプレイヤーほど、「デカントアイテムを温存した方がいい」と考え、その結果逆に苦労しやすくなる。
    • こうした点がプレイヤーへの心理的な罠として機能しているために、多くのプレイヤーがこのシステムの恩恵を受けることなく苦労するという状況に陥ってしまった。
  • デカントアビリティの効果の説明も不親切。
    • デカントアイテムの時点では、「アビリティ ○○ をおぼえます」と書かれているだけであり、具体的な効果は明記されていない。
      「後列切り」「MP+50%」「リフレク貫通」など、それなりにわかり易いものもあるが、「フェニックス」「ふんばる」「はやくち」など、パッと見ただけでは瞬時に理解できないものの方が多いため、大半のアビリティはとりあえず誰かに習得させてみないと効果が分からない。
      • デカントアイテム自体が1回限りの使いきりであるため、アビリティの効果の把握と使用者の吟味が気軽にできず、その都度「使用前のセーブ→効果確認後にロード」を繰り返さなくてはならない。
  • 他、一部デカントアビリティが物語の進行と共に入手できるのだが一度クリアしたダンジョン内にノーヒントで置かれている事が多い。攻略情報を見なければまず気付かない程。
    • 攻略とは無関係のお遊びマップである「開発室」で手に入るものもあるが、こちらもノーヒントである。

一部の敵の過剰な強化

  • 特にバブイルの巨人のボス「制御システム」が異常なほど強化されている。
    「回復担当の防衛システム&攻撃担当の迎撃システム&本体の制御システム」からなる三位一体のボスで、戦闘前にはオリジナル同様に「まず防衛システムを叩かねば~」というアドバイスがあるが、このアドバイスが落とし穴になっている。
    • オリジナル版では「迎撃システム、防衛システムを先に倒すと制御システムのカウンター技で味方側2人が即死*3させられた挙句、両方のシステムが復活する」という行動パターンが組まれている。
      迎撃システムの攻撃手段である「透過レーザー」は大した脅威ではないため、アドバイスの通り「回復量の多い防衛システムを先に倒し、カウンター技回避のために迎撃システムを放置してこまめに回復しながら制御システム本体に攻撃を仕掛ける」というのがセオリーであった。
    • 一方の本作では、防衛システムの回復量が下げられた代わりに迎撃システムの「透過レーザー」の威力が著しく高められており、このボスの到達時点の平均レベルでは一撃で体勢を崩されかねないほどの凶悪な存在に変貌したため、攻略上は真っ先に倒すことが推奨される。つまり、アドバイスが実態と全く異なっているのである。
      • 両システム破壊時のカウンター攻撃はSFC版から変わっていないため、「迎撃システムを何とか倒したからアドバイス通り次に防衛システムを……」と考えてしまうと、結局「仲間死亡&システム復活」という手痛い目にあわされる羽目になる。カウンター技の存在を知っている経験者ならともかく、本作初プレイのユーザーにとっては二重の罠である。
        序盤で戦う地下水脈のボス「オクトマンモス」は原作から強化されつつきちんとその旨をアドバイスで示してくれていたため、こちらでもアドバイスの内容が実態に即したものに修正されていればまだよかったのだが、後の移植版でもアドバイスの方は修正されていない(移植版でも同じ)ため、意図的なものなのか、単なる設定ミスなのかは不明である。
    • 「透過レーザー」自体は防御でダメージを抑えることが可能であるが、防戦一方では不利になる上、開幕で使ってこられるとどうしようもない。
      • なお、制御システムと防衛システムはこちらに対して一切攻撃をしてこない。そのため、迎撃システムを倒した後は攻撃してこない敵を一方的に叩くという、つまらない消化試合になってしまう(防衛システムの回復力が下げられているためダメージも与えやすい)。
  • オリジナル版では大したことの無かったバブイルの塔の「ルゲイエ」も初見殺しとも言える強さになっている。
    • 戦闘開始直後に使ってくる「リバースガス」で受ける状態異常「リバース」は「回復」と「攻撃」の効果を反転させるもので、元々はFF12が初出である。
      本作ではこの戦闘でしか発生せず、ルゲイエが効果を仄めかすようなセリフをしゃべることもない*4ため、FF12のプレイ経験がない限り、喰らってみるまでどのような効果なのかがわからない。
      回復しようとしたら逆にダメージを喰らい、リバースの意味が解ったところで自分を攻撃しようとしたら再びリバースされ自滅、という事態もよくある。更に言うとリバース状態で戦闘不能になると、回復不能になってしまう*5
      • 加えてこちらにやってくる「治療」はリバース状態だと強烈なダメージを喰らってしまう上に、元が回復なので軽減手段が無い。他の技も軒並み大幅強化されているため、多くのプレイヤーを苦しめた。

その他システム上の問題点

  • 「アイテム」コマンドの不親切な仕様。
    • 「アイテム」のコマンドだけは他のコマンドやアビリティと付け替えることができない。
      • アビリティを自由に組み合わせる上で邪魔に感じられる場合がある。ゲームを進めていき、デカントアビリティが増えてくるほど邪魔に感じやすい。
      • ラストバトルでセシルが特定のアイテムを必ず使わなければいけない都合でこのような仕様にした可能性が高いが、そのたった一場面だけのためなら他にやりようはあったのではないか。
    • UIの問題で「アイテム」のコマンド位置を変えられることにやや気付きにくく、最後まで気付かなかったといったプレイヤーの報告がいくつかみられる。
      • 「アイテム」のコマンド初期位置はオリジナル版と同様、キャラごとのデフォルトアビリティの数に依存するため「上から3~5番目」と統一性がない。そこにデカントアビリティのコマンドまで加わるため、コマンド位置を任意で並び替えないと不揃いに見えてしまう。
  • 戦闘中の装備変更がターン消費扱いになった。
    • このため、敵に合わせて臨機応変に武器を持ち替える、という戦法が取りにくくなった。
  • マップ踏破における問題点
    • 全てのマップ踏破率を100%にすると、アイテムの入手率がアップする「トレジャーハント」というデカントアビリティを入手できる。このトレジャーハントは、レアアイテム集め及びキャラの強化といったやり込みの助けとなるものであり、やり込みプレイヤーは必然的に全マップ踏破率100%を目指すことになる。
      • それだけに、下記にあるマップ踏破に関する諸問題が大きく響いてくる。
        + ...
      • あと一歩でマップが埋まらない、という事態に陥りやすい。
        • 自キャラを壁にこすり付けるようにして、マップを本当に隅々まで動き回らないと100%踏破とはならない。
        • どのマップを100%にしたのか、まだしてないのかが分かりにくい。
          • 白魔法「サイトロ」で、そのダンジョンの全ての場所のマップを閲覧できるのだが、サイトロではマップの踏破率は表示されない。
        • 期間限定ダンジョンの存在
          • 期間限定のマップで踏破率100%を達成できないま進めてしまった場合、その周回では「トレジャーハント」を入手できず、レアアイテム集めが困難になる。
            • 周回プレイにより、2~3周目でマップを埋めることはできるが、周回プレイを楽にするためには、1周目の時点でアビリティ「エンカウントなし」や超強力な防具「アダマンアーマー」などを入手しておいた方が良い。
              そのためにはごく低確率で入手できるレアアイテムが必要で、そのレアアイテムを入手するためにはトレジャーハントがあった方が良い…という構図になっており、やはり1周目でトレジャーハントを入手する意義は大きい。
        • 条件達成してもトレジャーハントが入手できなくなる重大なバグ
          • 最後に踏破率100%にするマップにて、踏破率が100%になると同時にエンカウントが発生する、あるいは宝箱を開けるとトレジャーハントが手に入らない。
            • この状態でセーブしてしまうと、そのデータではもうどうやっても(2周目以降でさえ)トレジャーハントは入手できない。発生確率は低いものの、やり込みプレイヤー泣かせの極めてタチの悪いバグ。
              どのマップをまだ100%にしてないのかが分かりにくい以上、どのマップが最後に埋めることになるのかも把握することは難しい。そのため、この状態でセーブしてしまう可能性も十分考えられる。
  • 周回プレイの制約
    • 前述の通り、本作の周回プレイには3周までという制限があるため、何周もプレイして最強データを作るといったことはできない。この仕様のせいで遊びの幅が狭まっている。
      • わざわざゲーム側で制限をかけなくてもプレイヤー側の任意でできることである。
    • 普通のRPGならアイテムの取り逃しなどがあっても「次の周回で入手すればいい」と考えることもできるが、本作は1~2周目でデカントアイテムを取り逃したりアビリティを習得させる相手を間違えたりした場合は、その時点で取り返しがつかないことになる。
      • そのため、初回クリア後にゲームを更にやり込む場合は、そのまま2周目に移るのではなく「1周目を最初からやり直す」というユーザーも少なくない。
      • 2周目以降は各種引き継ぎで楽に進行することもできる(ランダムエンカウントを発生させずに快適に進めることもできる)のだが、1周目をやり直す場合は、また一から地道なゲームプレイをしなくてはならない。
    • 引き継げるアイテムは、デカントアイテムと一部のレアアイテム、隠し召喚魔法のみに限られる。
      • 敵が落とす強力な装備品などのレアアイテムを頑張って入手しても(あるいは偶然運良く入手できても)、次の周回ではなかったことにされてしまう。
      • 2周目以降でも、一定のゲームバランスを保つための仕様とも考えられなくはないが、超強力な防具であるアダマンアーマーは引き継げるので、それだけでも2周目以降のゲームバランスは割と崩壊してしまう。それならばわざわざ制限を設ける必要はないのではという声もある。
  • メニューの各種画面切り替え時などのレスポンスが悪く、メニュー操作に無駄に時間が掛かる。
  • リセットの問題
    • GBA版ではボタン同時押しによるソフトリセットが可能だったが、本作では不可能。メニューからタイトル画面に戻る機能は一応あるのだが、セーブ可能な場所でしか利用できないという謎仕様。
  • 戦闘関連
    • コマンド選択のウィンドウで敵やダメージ表示が隠れてしまう場合がある。
    • コマンド選択の途中で召喚の演出が発生すると、コマンド選択の状態(カーソル位置など)が初期の状態にリセットされてしまう。
  • マップ移動の快適性
    • キャラの移動速度は割と原作準拠だが、快速とは言えない。
      • PS版やGBA版では2倍速のダッシュ機能が追加されていたのに対し、本作にはダッシュ機能はない。逆に「歩き」(低速移動)が追加されている。
      • 本作ではマップの踏破率を埋めようとすればダンジョンを隅々まで歩き回ることになるので、オリジナル版よりも「もっと快適に移動したい」と感じやすい。
    • 飛行船などの乗り物は全体的にもっさり感が漂う。オリジナル版と違い、飛行船に乗ってもフィールドの視野が広がるようなことはなく、空を飛ぶ爽快感にも乏しい。
  • イベントスキップの問題
    • スキップ可能なのは、いわゆる「ムービー」的なイベントのみに限られる。大部分のイベントはスキップできない。
    • ムービーだけという中途半端なスキップ機能や、周回プレイが実装されているぶん、目に付きやすい仕様である。
  • GBA版で好評だったPT入れ替えがない
    • GBA版ベースの移植というわけではないので仕方ないが、新しい楽しみ方の一つだっただけに経験者には惜しまれている。
      • スタッフはGBA版で可能だった点に触れた上で「オリジナル版のシナリオの流れを尊重したため」としている(ソース)。
  • BGMはオリジナルの譜面が既に残っていなかったため、全て一から耳コピで改めて譜面を起こされているが、一部採譜ミスが見受けられる。
    • いずれも曲を著しく損ねるレベルではなく、ごく一部の曲のみであるが、気になる人には気になるところだろう。

バグ

  • 進行不能となるバグが存在する。
    • いわゆる「シアターバグ」と呼ばれるもので、以下の条件で発生する。
      • でぶチョコボに話しかけると表示される「イベントシアター」メニュー内の、「未来へのプロローグ※」を閲覧した状態でエンディングを迎える。
        この条件を満たすと、本来キャラクター操作ができないシーンにおいて、キャラクター操作が可能となり、画面停止してしまう。
    • 普通に1周プレイするぶんには何の問題もないのだが、裏ボスと戦うべく周回を重ねようとするプレイヤーにとっては鬼門のバグである。
    • 対処法は、周回プレイ時にはデブチョコボシアターでエンディングムービーを見てからセーブしないようにすること。

評価点

  • やりこみプレイに関しては改善点も見られる。
    • LV71以降の成長率変動が改善された。
      • 原作ではキャラ毎に決められたパターンはあるもののランダム、更にはマイナスになるパターンもあるという厄介な仕様だったが、 DS版ではセットしたアビリティに応じて上昇する能力値が決まるという仕様に変更された。
      • 最強育成にはデカント収集が必須のため攻略情報が必須なのは変わらないが、マイナスパターンが廃止され成長傾向をランダム要素なしでコントロールできるようになったのは改善と言える。
    • レアアイテム収集もドロップ率自体の向上、(入手が面倒くさいが)トレジャーハントの追加もあり原作よりは有情になったと言える。
      • アダマンアーマーに関しては、入手にほぼ必須なアラームが購入できるようになったのも大きい。戦闘での入手ギルが少なくなったので、購入資金の捻出がやや面倒なのが残念だが。
  • 上述の通り、全体的に強化されたボス群だが、工夫次第で楽に突破できる方法も用意されている。
    • ぼうぎょコマンドが強化されており、これを使うかどうかでボス戦の難易度が激変する。
      • 分かり辛いが序盤のマザーボム戦ではそれを示唆するセリフがある。
    • 一部の敵は沈黙など状態異常が有効。
    • かえんりゅうが超強化されたルビカンテに関しては、ある行動をすると何もさせずに倒すことができるという面白い一面がある。攻略が無いと気づきにくい点は残念だが。
    • 先に述べたように鬼畜化したボスの一端であるルゲイエは、リバース状態を逆手にとってエリクサーを投与してやれば大ダメージを与えられる。まさに逆転の発想。



総評

プロモーションも多数のCMを用意するなど、新規ユーザー獲得のための試みがなされていたが、実際のところはライトユーザーには推奨しにくいゲームである。

目玉のシステムであるデカントアビリティは試みとしては面白いが、絆デカントの不親切さや一歩間違えると取り返しがつかなくなってしまう不親切さ、周回上限の仕様との噛み合わせの悪さに対する不満意見は多く、一概に成功しているとは言えない。
今作の熾烈な難易度についてはこれらのシステムを駆使すれば大幅な緩和が可能なのだが、その難易度を緩和するためのシステムが軒並み欠陥の目立つものであったことが、今作の評価が「高難易度なゲーム」ではなく「ひたすら理不尽なだけのゲーム」とされてしまった要因と言える。
一方、高難易度上等のガチプレイヤーからは評価されているあたり、どんな難易度のゲームを求めるかによって評価が大きく変わってくる側面がある。

説明のないシステムもよく理解した上で、高難度な戦闘を楽しんだり何周もやり込むような、ヘビーゲーマー向けのRPGと言える。



その後

  • リメイクに伴い知名度やキャラ人気が上昇したためか、『IV』の派生作品が作られたり、他作品にゲストとして登場するなど外部出演が増加した。
  • 現在、SFC版FFIVがWiiのVCで配信されている。
  • 2011年3月、FFIVと続編『THE AFTER』をセットにした『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』がPSPで発売された。このFFIVはSFC・GBA・DSのすべてが参考にされている。本作と比べてみるのも楽しい。
    • ギャラリーモードが搭載され、本作のOPムービーなども視聴可能。
    • ただしGBA版基準のリメイクであり本作で追加されたボイスやシステムが無いため、本作が存在する意味が無くなったわけではない。
  • スクエニのATCG『LORD of VERMILION II』にて、カイン、リディア、エッジ、ゴルベーザ、ルビカンテ、バルバリシア、カイナッツォ、スカルミリョーネが参戦した。
  • 上述の通り、原作から一転した高難易度化ぶりから顰蹙を買っていたが、時間が経つにつれて「これはこれで有り」と再評価も進むようになった。

ファイナルファンタジーIV(iOS/Android/Steam)

【ふぁいなるふぁんたじーふぉー】

ジャンル RPG
対応機種 iOS(4.3)
Android(2.3.3)
Windows(Steam)
メディア ダウンロード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 マトリックス
発売日 【iOS】2012年12月20日
【Android】2013年6月3日
【Steam】2020年11月6日*6
定価 【iOS/Android】1,840円
【Steam】1,980円
判定 なし
備考 ゲームパッド対応
ポイント 事実上のイージーモード搭載

概要(移植版)

  • DS版『ファイナルファンタジーIV』をベースにした移植作。DS版発売から5年後の同日にiOS版が配信された。
    • iOS版はユニバーサルアプリ仕様であり、iPhone/iPadどちらの端末でも同じアプリが使用できる。実績及びクラウドセーブにも対応。
  • 2014年9月にはSteamでWindows PC版(英語版)が配信された。
    • 当初は海外版限定だったが、6年後の2020年11月6日より日本語対応され、日本ストアからも購入できるようになった。

変更点(移植版)

  • 難易度選択が追加。
    • ゲーム開始時にDS版より難易度を下げた『ノーマル』とDS版基準の『ハード』を選択可能。
    • 具体的に言うと『ノーマル』は『ハード』と比べて、敵の攻撃力が下がり味方の攻撃力が上がっている。
    • 難易度ハードをクリアする事で解放される実績がある。
  • ポーチカとミニゲームが削除された。
  • 一部デカントアビリティの入手手順や効果が異なっている。
  • 各スマホOS版は操作をタッチ入力に最適化。Steam版はキーボード操作に対応。
  • スマホ版はオープニングムービーが廃止されていたが、Steam日本語版の配信に伴いアップデートにより追加された。

問題点(移植版)

  • デカントアビリティの詳細な説明が無い部分などはDS版からそのまま。

評価点(移植版)

  • 難易度選択機能が追加されたことでハードルが下がった。

総評(移植版)

内容そのものはDS版同様であり、問題点の多くもほぼそのまま据え置きではあるが、難易度面で救済措置が入ったことは大きい。
Steam版は長らく海外限定だったものの、ようやく日本語対応も行われたため、選択の幅も広がった。
今から遊ぶのであればこちらも選択肢としてはありだろう。

余談(移植版)

  • 2013年11月25日にiOS/Androidにて、本作と同様のコンセプトの3Dリメイク版『ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-』が配信されている。
    • こちらはゲーム機には移植されていない。Steamでは海外版限定で配信されているものの、日本では未配信。
  • 2021年にSFC版原作に準拠したリマスター移植シリーズ『ピクセルリマスター』の展開・発売に伴い、タイトルに (3D-REMAKE) の表記が付いている。
    • コンセプトが大きく異なるため、ピクリマ版『IV』の発売後も、並行して3D版がそのまま配信継続となっている。

最終更新:2022年05月23日 09:48

*1 山寺宏一氏(カイン役)、永井一郎氏(シド役)、納谷吾朗氏(テラ役)、釘宮理恵女史(パロム&ポロム役)、青野武氏(カイナッツォ役)、若本規夫氏(ルビカンテ役)etc…と凄まじく豪華な顔ぶれである

*2 主人公・ティーダは終始「キミ」「あなた」等で呼ばれた。

*3 厳密には9999の与ダメージ

*4 強化された他のボスの内、オクトマンモス戦では「原作とは逆に足の数が減ると強化されること」、アントリオン戦では「目の色の変化で魔法カウンターと物理カウンターが入れ替わること」、マザーボム戦では「自爆の威力が桁違いに強化されていること」をキャラのセリフや補足メッセージできちんとわかり易く示してくれる

*5 即死魔法の「デス」やデスの効果を持つ「クアールの髭」なども一切無効

*6 日本語版の発売日を記載。海外版は2014年9月18日に発売。