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CITY ADVENTURE タッチ MYSTERY OF TRIANGLE
【してぃー あどべんちゃー たっち みすてりー おぶ とらいあんぐる】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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1Mbit+64kRAMROMカートリッジ
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発売元
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東宝
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開発元
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コンパイル
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発売日
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1987年3月14日
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価格
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4,900円(税抜)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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擁護不可能なSHITTY ADVENTURE 悪い意味で後世への影響絶大 原作と関係がなさすぎるゲーム内容 原作者を怒らせた疑惑あり H3
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少年サンデー関連作品リンク
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概要
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あだち充氏による大人気青春野球ラブコメ漫画『タッチ』を…原作とした…ゲーム、のはず。多分。
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『タッチ』のゲームは1987年1月にパソコンPC-8801シリーズ向けに発売されたアドベンチャーゲームの『タッチ』が最初であり、本作は2作目になる。
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そして、最後の作品になってしまった。同時に最低の作品でもある。理由は下記を読んでいただければ火を見るよりも明らかであろう。
問題点(というかそれ以外ない)
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「異次元空間に落ちた飼い犬パンチの子どもを救うために達也、和也、南の3人が不思議なパラレルワールドを冒険する」という野球もラブコメも投げ捨てたストーリーと設定。
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原田・松平・新田・西村・上杉家の両親・マスター・柏葉監督などの個性豊かな原作キャラは一切登場しない。主役3人とパンチ・仔犬のみである。
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野球のボールを投げて(もしくは素手で)敵を倒して情報を入手し、謎を解いて10匹の子犬を救出していくという『タッチ』に全くタッチできていないゲーム内容。まさかのアクションゲームである。
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敵を倒すことで達也と和也の経験値(HP)が増える。ショップでアイテムを買うことができるが「経験値=お金」なので計画的に貯めておかないと買い物直後に敵に触れて即ゲームオーバーなんて展開がある。
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猫も杓子も赤も緑も左から右に走る時代とは言え、『タッチ』なら野球ゲー、あるいは恋愛ADV等にすべきなのは誰でも気付くはず。また、アクションゲームを作るなら他にもっと良い題材があったはず。どうしてこうなった。
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ちなみに飼い犬パンチの子どもは原作では2匹である。あとの8匹はどこから湧いて出たのか。
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もっと言うなら、原作では、パンチに子どもができる頃には、和也はもう鬼籍に入っている。
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ゲームの出来自体もひどい。
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マップはどこも似たような景色であり、しかも広大なので迷うこと必至。無論、プレイヤーの助けになる全体マップ、オートマッピングなどは存在しない。
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FC作品で容量の限界があり、現在のようにゲームに親切な作りが求められる時代でもなかったとはいえ、肝心のゲーム内容がこの有様なので、更なる悪印象を植え付ける要因となってしまっている。
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何の説明も無く、ゲーム開始と同時にマップに投げ出される。ほぼノーヒントなのでしばらくプレイしても何をすればいいのか分からず、似たようなマップをうろつくハメに。時間制限が無いのが救い。
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ザコ敵が多い上に強すぎる。しかも、戦車、ピエロ、風船、地中から出るドリルなど、原作とは一切関係のないものばかり。大半はプレイヤーに突進してくるものがほとんどでダメージを食らっても無敵時間が無い。みるみるうちにごっそり経験値が減らされていく。立ち位置によっては敵を達也と和也(または南)とピンポンしてどんどん減っていくことも。
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このうち風船はとある武器を使って殴らないこと以外は何をしても倒せない無敵の敵。ゲーム中はその対処すら示唆されない。
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ボスに至ってはボスを倒すためのアイテムがないと倒せない。しかもその肝心のアイテムの入手方法はほぼノーヒント。
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南は2人のあとをついてくるだけ。敵にぶつかると座り込んで泣き出す。テンポを阻害する上、某キテレツゲーのコロ助やみよちゃんのように当たると達也、和也の両方がダメージを受けてしまう。邪魔者以外の何物でも無い。
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パスワードで何も入れずにスタートしてゲームオーバーになった後にコンティニューすると、敵が無敵になる。
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ショップや民家などの建物に入ることが出来る。民家などの多くは「せいんと」が鎮座し、ヒントもくれることがあるがそのほとんどは「、、、、」と無言でいるままが多い。たまに意味不明な発言もしていることがあるがこれが実は進行のヒントだったりするが気づく人はどれくらいいるだろうか。
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パスワードを入力するとクリア同然の状態から始められる裏技があるが、そのパスワードがどうしようもない。
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「H3」18歳未満とタッチ世代の方の閲覧はご遠慮ください
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たつや:みなみにHしてしまいました かずや:みなみにHしてしまいました みなみ:TATUYAとHしてしまいました
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…という性春真っ盛りな代物。原作に対する愛や敬意が微塵も感じられない。それどころか、原作者や小学館側から訴えられても全くおかしくないレベル。せめて「キス」や「デート」だったならば…。
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ただし元コンパイルスタッフによれば、この裏技は意図的に仕込んだものではなく偶然の産物である模様。
どうやらドラゴンクエストシリーズの「ふっかつのじゅもん」生成のように、たまたま意味のある文章が強力パスワードとして噛み合ってしまったらしい。 (「ゆうてい(略)ほりいゆうじ(略)」が仕込みでない理論なら、一人だけ「たつや」でなく「TATUYA」となっている点が仕込みで無い証拠と言えるかもしれない) しかし偶然にしてはあまりにも酷く(非道く)出来過ぎている。ドラクエの方のパスワードは滅裂感があり中途半端な状態で開始するのに対して、こちらはあまりに理路整然とし過ぎているし、事実上の最強データである。仕込みの可能性は非常に高く疑われてしまうことも多い。
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評価点
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無い。
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原作無視どころか完全に馬鹿にしている様な内容、理不尽な上に作業とすら呼べない単調で面白くないゲーム性。どこを評価しろというのか?
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クソゲー最後の砦であるBGMにも、特に褒められる部分は無い。
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有名な『タッチ(アニメop曲)』を改変した曲などが使われているが、アレンジが過ぎて原形を留めていない部分が多かったりループの繋ぎが不自然だったりする。好評が寄せられることはほとんどない。
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それでも敢えて言うなら、タイトル画面やエンディングの絵が原作に忠実であることだろうか。むしろそこのみにしか原作要素が無い。
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エンディングだけに至って言えばわずかながらの評価点であり当時放映していたアニメのアイキャッチのモーションを忠実に再現している。ここだけにモーションが凝っている力の入れよう。
総評
わざわざ『タッチ』のゲームとして作る必要があったのか? そもそもマトモなゲームを作る気があったのか? そして、「H3」は本当に偶然であったのか?
3つの謎が織りなすどうでもいい三角関係だけがタイトル通りなクソゲーである。
コレが発売された当時は粗悪な版権ゲームが市場に溢れていて、「キャラゲーに名作無し」とまで言われていたが、その中でも最悪レベルの代物といえる。
とりあえず、原作が好きでこれを買ってしまった人は鉄橋の下で泣いていい。
余談
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ファミコンブーム時代には既成のゲームからキャラだけを挿げ替えて世に送り出されたキャラゲーが多かった。本作も、開発中だったオリジナルゲームのキャラだけを、何らかの理由で『タッチ』に挿げ替えたのではないかといわれている。
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この特大の馬糞レベルの改悪作品に原作者のあだち充氏が激怒して、自分の漫画作品のゲーム化を一切許さなくなったという都市伝説が存在する。真偽の程は不明だが、事実として、「原作:あだち充」の版権ゲームは大元の数と知名度に比べると極めて少ない。
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例えば、家庭用ゲーム普及後の時代に氏が発表し、アニメ化もされたヒット作『H2』は、一切ゲーム化されていない。同時期にサンデーの看板漫画であり、RPG・アクション・格ゲーと多種多彩にゲーム化された『らんま1/2』辺りと比較してみると、噂になるのも無理からぬことかもしれない。
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実際にはこのゲーム発売後の1987年12月に『陽あたり良好!』がPC-88で発売されているので、激怒したというのはともかく自分の漫画作品のゲーム化を一切許さなくなったわけではない。また、2009年2月に発売された『サンデー×マガジン 熱闘!ドリームナイン』に『タッチ』のキャラクターや『クロスゲーム』、『H2』のキャラクターも出演している。
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今の技術ならば高性能な野球ゲームや恋愛ADVゲームが作れるので、噂が真実ならば非常に残念な話ではある。ただし、サンデー×野球×ゲームの三角関係は後に「ダ?メ?ジャー?」という悲惨な結末を迎えているので、あだち充氏の判断に間違いはなかったともいえる。
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そういうつながりなのだろうか、クソゲーオブザイヤー2008の動画のジャイロパートで本作の音楽が使われている。
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同じく原作者を怒らせた(とされている)ゲームに『おそ松くん はちゃめちゃ劇場?』があるが、赤塚氏作品のゲームは他にも出ているぶん、こちらに比べれば可愛いものである。