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ガンパレード・オーケストラ 白の章 ~青森ペンギン伝説~/緑の章 ~狼と彼の少年~/青の章 ~光の海から手紙を送ります~ - (2014/02/11 (火) 15:20:13) の編集履歴(バックアップ)


ガンパレード・オーケストラ 白の章 ~青森ペンギン伝説~

【がんぱれーど・おーけすとら しろのしょう あおもりぺんぎんでんせつ】

ガンパレード・オーケストラ 緑の章 ~狼と彼の少年~

【がんぱれーど・おーけすとら みどりのしょう おおかみとかれのしょうねん】

ガンパレード・オーケストラ 青の章 ~光の海から手紙を送ります~

【がんぱれーど・おーけすとら あおのしょう ひかりのうみからてがみをおくります】

ジャンル リアルドラマシミュレーター


対応機種 プレイステーション2
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 アルファ・システム、io-spiral、ダイス
発売日 白の章:2006年1月12日
緑の章:同年3月30日
青の章:同年7月20日
定価 各7,140円(税込)×3(定価で買うと計21,420円
分類 クソゲー
ポイント 2006年クソゲーオブザイヤー次点
前作レイプ・分割商法
戦闘バランスがガタガタ・100時間単位の作業ゲーム
イベントコンプ放棄と戦闘カットでまあ遊べる
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

学園生活+ウォーシミュレーションという斬新なゲーム性により、PS後期の傑作として知る人ぞ知るものとなった
高機動幻想 ガンパレード・マーチ』の続編であり、白の章、緑の章、青の章の三部作構成になっている。
通称「GPO」、もしくは「ガンオケ」など。
企画原案・シナリオは、マーチの世界観設定やAI設計を担当したとされている芝村裕吏。

世界観を恐ろしくざっくり言えば、「並行世界の日本で起こっている人類対謎の生物との戦争について、作品ごとに違う戦場にスポットを当てて描く」というもの。
プレイヤーたちは兵士である一方学生でもあり、平時は学校で授業受けたり友人と遊んだり訓練したりして、敵が現れたときに出撃する…という生活を送る。

しかし、結論から言えば前作の内容はないがしろにされ、ゲームとしてのイビツさ故にKOTY2006にノミネートされたが、
同じ開発者が前年の『絢爛舞踏祭』でやらかしていたために大きな衝撃はなく、ノミネート止まりであった。
恐らくヨンパチショック以前の「期待はずれの大作が受賞しやすい」という風潮の影響もあったと思われる。

同梱のDVDは、アニメ版ガンパレード・オーケストラのサブエピソード的な物。ゲームとアニメでは設定が大きく違うので注意。

特徴

戦闘パートが大幅に様変わりし、3D視点のアクションシューティングとなった。プレイヤーが自ら出撃して敵を撃破するほかに現場指揮官も兼ね、部下のNPCに指示を飛ばして戦闘を行うという、シミュレーションの要素も持っているシステム。
もっともその複雑さにAIがついて行ききれなかったのか、ちょっと敵が増えて囲まれたりすると思考停止に陥りやすく、あまり出来が良いとは言いがたいものがある。
各ユニットの耐久力に「致命部位」「装甲部位」「武装部位」「移動部位」の4種類存在し、そのうちどれにダメージが入るかはランダム。即死することもあるが、紙装甲ザコが2、3発耐えることもあり安定しない。
武装ごとに「戦力予算値」というものが設定されており、また作戦ごとに予算値の上限が存在している。
これが結構カツカツになっているため、完全武装で出撃させられるメンバーは5人中1人か2人になる。上限をオーバーしても一向に構わないのだが代わりに戦闘で得られる発言力(予備の兵器を回してもらったりNPCと交流したりするのに必要)は減る。
救済措置(?)として、学園パートで待機休養を願い出れば出撃しなくて済むようになるが、発言力が消費される。

ゲーム開始時に選択する「シナリオ」によって、ゲーム中に発生するイベントや戦闘発生の頻度に変動があるが、根本的にシステムが変わることはない。

今回1ゲーム中に登場するキャラはプレイヤー(小隊長)、戦闘員4人、整備士4人の計9人に教師1、2人と動物1匹。20人以上いた前作に比べるといやでも寂しく感じる。
戦闘の結果小隊員が戦死したりプレイヤーの裁量で除名処分されたりした場合、整備士の1人が戦闘員に繰り上がり、整備士に1人補充される。キャラが全員出尽くしてなお欠員が出た場合、予め用意されていたパーツや口調、声優を組み合わせた「自動生成キャラ」が穴埋めをする。
基本的に1周目は初期メンバーが勝手に選定(ただし緑と青には固定メンバーあり)され、2周目は戦闘員、それ以降は全人員を自由選択できる。

敵の総戦力に限りがあった『マーチ』とは違い、基本的に無限に湧く。
プレイヤー小隊は活躍すればするほど激戦区に投入されることになり、難易度が跳ね上がる。かといって負け続けると敵前逃亡の罪で処断されゲームオーバーである。
ゲーム中に発生するストーリーイベントを完遂するか、休養し続けてもいいからとにかくゲーム期間の3ヶ月を生き残ることにより1周クリアとなる。2周目以降は任意のタイミングでゲームを終了させることが出来るようになる。

学園パートで行える「提案」の内容が結構増えており、平時の訓練の内容を詳細に指示するマジメなものから、エッチな雰囲気用と思われるいかがわしいものまで登場する。想像する楽しみが失われた気がしなくもないが…。
人間関係を示す値は従来の「友好」と「愛情」のほか「信頼」が増えており、仕事の提案が通ると上がりやすい。もっとも緑まではアレを上げるとコレが下がることが多いので、ある程度は提案のバランスを考える必要もある。
なお恋愛関係に性別が参照されなくなり、百合やBLに走るプレイが可能となった。前作でも同性やネコとエッチな雰囲気になっていたけども(さすがに前作の告白は異性同士だった)。

問題点

  • そもそも三部作構成の全てをフルプライスで売ることについて、分割商法のそしりを受けても仕方がない。
    • ちなみに上では書いていないが、限定版も存在する。1本税込みで13440円。3本全て定価で買うと40320円。PSPを2、3台、PS3を丸々定価で1台買える。
      • 資料やインタビュー記事を収録した特別冊子がついているが、何故かソフトのパッケージやマニュアルまでその冊子と同サイズで巨大。アホか
  • しかも、三部作でやることにあまり違いが見られない。登場人物と舞台と物価などが違うだけで同じゲームとすら言える。全章共通で「戦闘記録」という展開がほぼ同じシナリオがある。
  • 白は三部作中でも最悪の操作性を誇り、メニューを開くなどの処理がいちいち重い。また戦闘記録イベントの発生率がやたら低い。
    • 初回プレイではNPCが適正を考慮せずデタラメに配置され、初期技能が整備向けなのに戦闘員にされることもあるが、白の章に限って作戦会議での配置換えや除名処分が不可能である(前作は上官が最大限便宜をはかっていたから好き勝手出来た、という設定)。配置換えには謀殺するしかないが、ご丁寧に本作ではやられても重傷で生き残る可能性がある。
      • あまりに不評だったのか元からの仕様なのかは不明だが、緑と青では現場の裁量で配置換えを行うことが出来るようになっている(一応緑には撤退命令を握りつぶして独断で現場に留まり、非合法に配置換えをしているという設定がある。青には特に設定なし)。
    • また白は単純に人間関係値の総和だけが参照されているのか、三角関係の当事者同士が鉢合わせて大惨事となる「嫉妬大爆発」が妙に起こりやすい。「お前らあくまで友達or仕事仲間じゃないか!」と言いたくなる。
      • 同性でも発生するので、男同士がPC男を巡ってけん制し合うアレな展開にもなりうる。
  • 緑は戦闘記録イベントがかなり起こりやすくなったが、緑限定の「ヒーロー」シナリオが白の戦闘記録イベントなみに起こらない。「熱血ストーリー」とゲーム内の説明にあるが熱血と言える内容ではない。
    • 「戦闘の緑」と芝村が言ったとおり戦闘の難易度が暴騰状態で、リセットゲームになりがち。特に「こっちを数発で殺せる小さい敵が100匹近く出て、そのうち40を倒さないと勝てない」という敵出現パターンがあるが、いくらなんでも擁護不能と思われる。
      友軍や市街地を防衛する任務でこのパターンが出ると、9割がた自軍が接敵する前に友軍や市街地がフルボッコになり、詰みである。
      • 白に比べて、飛行型幻獣の数が激増。しかもこちらの航空キャリアは有効打を与えるミサイルの装弾数が少なく(一撃離脱が航空機の持ち味であり正しいと言えば正しいのだが、基本的に敵物量が凄まじい本作では押し込まれるだけ)、撃墜された時点でキャラが死亡するため*1、相手にもならない。追加された生物兵器「雷電」も、空の敵にはほぼ無力。
      • ただしどうでもいい戦闘員を始末するには最適の仕様でもある。最弱の戦闘ヘリ「はやかぜ」にちなんで、航空機で謀殺するプレイは「HAYAKAZE」と呼ばれていた。
  • 青は異常に物価が高い上に薄給で、自前で弁当作れないキャラだと食費だけで首が回らなくなる(作れたって五十歩百歩だが)。出会ったNPCの第一声が「金を貸せ」なんてザラ。
    しかも前二章では2周目以降に配置される高額換金アイテムが何故か削られる。おまけに上記の待機休養にかかる発言力も高く救済になっていないが、ふざけた強さのユニットがいくつかいるせいで戦闘はだいぶ楽になっている。
  • 実は、今回のメインスタッフである裕吏の名は前作のスタッフから確認されていない。「芝村起吏」ならいたが、
    同一人物かどうかは不明。ちなみに芝村起吏の名は今作では「仕様作成サポート」にクレジットされている。
  • やることが多くてややこしいゲームなのに、チュートリアルがややおざなりで説明書も薄い(前作は120ページと丁寧すぎるくらいあった)。
  • 戦闘パートの動きがやたら重かったり、突然NPCが動かなくなったり、難易度上がると詰みパターンが普通に出てきたり、とにかくストレスが溜まる。ソフトリセットがない仕様もイライラに拍車をかける。
    • 前作における「ミサイル」や「NEP」に相当する「複数の敵を一度に攻撃できる武器」が存在しない。グレネードなど「破片被害」を与えられる武器はあるが。
      • 雲霞のごとく押し寄せる敵を、一体ずつ潰していかなければならず、心が折れる。
    • 「精霊手」が非常に使いにくくなった。武器リストの三段目に常に置かれているにもかかわらず、最大使用回数は3回で出撃中の補充は不可。また、使用してから攻撃発生までが長すぎて、大型(もしくは超大型)相手でなければ当てられない。
      • 誘導性はなく、狙った場所めがけて一直線に飛ぶだけ。途中にほかの幻獣がいると、それに当たる。
    • NPCは使用武器が弾切れになるといちいちプレイヤーに通信で知らせてくる。そのたびに補給車両をそちらへ向かわせてやらねばならず、テンポが悪い。自分で補給しにいったりはしない。
    • 何故か武器がランダムで故障する。歩兵とか人型戦車とかの携行火器ならまだしも、緑以降は戦車の固定武装すら故障する。
    • しかも『ガンパレ』と違って素手では戦えないし、故障した火器の交換も出来ない。もちろん戦車で小型ザコを轢ける仕様にはなっていないので、武器が壊れたらただの動く的か囮である。
    • そもそも、今作の人型戦車は「歩行ユニットは移動しながら攻撃できない」という迷惑仕様、何するにしてももさっとしたモーションのお陰で、ただのデカい的。
      前作では的がデカい弱点を人間顔負けの運動性能でカバーするという運用がなされていたのだが、本作ではそんなこと出来ない。
      • 上記の有様にも拘らず、人型戦車は高い開発技能と膨大な発言力が必要、一部機体以外は固定武器がなく別途武器を用意しなければならない、戦闘後高確率で故障して廃棄される、とデメリットが多すぎる存在になっている。
        青の章では、特定の条件を満たすと前作の人型戦車「士魂号」の装甲を取り付けたものが使えるようになるため、悪い意味で前作ファンを泣かせている。
  • 何も考えずにダラダラやる分にはいいが、イベントコンプリートをしようとした途端に苦行を強いられる。
    イベントの進行条件が良く分かっていない上にランダム、失敗のパターンまで達成率に影響する。そこまではまだいいが、
    これをテキストアドベンチャーではなく、たまに戦闘が発生する学生生活シミュのシステムでやることになるためものすごい時間と労力がかかる。
    • 物によるが、同じイベントが発生し続けるループもある。
  • 戦闘の難易度やランダムイベントにはNPCの習得スキルも影響するため、下準備としてNPCを成長させるために複数のキャラで何周もする必要がある(過去の周でPCとして使ったとき時の能力が継承される仕様)。
    • 本作の売りの1つであった前作『マーチ』のキャラクターを出現させる為には避けられない苦行である(実際の出現条件はコンプではないが、下準備に手間がかかりすぎるため)。
      • 特に「白の章」の厚志の出現条件は「勲章のコンプリート」という過酷なもので、やっと出現したころにはゲームに飽きているレベルである。しかも全く外見が異なっており、ゲーム版『マーチ』しか知らない人間は驚愕させられる。
  • 芝村裕吏によれば、一本をコンプするのに二、三百時間かかるとの事。しかも実際にやるとランダムイベントのお陰でさらに時間がかかる可能性がある。時間の無い人には勧められない。
    • 芝村は「苦行を無理にしなければならないゲームにはなっていない」とも言っている。要は遊び方を自分で見つけろということで、言っていることは理解できるが。揚げ足取りだがイベント探しを「苦行」と認識していたのか…?
  • 公式攻略本ですら、ユーザーが一番求めているであろうイベント進行条件を載せないという始末(特に白)。ついた蔑称が 略本
  • 上記の仕様だと言うのに、セーブデータとシステムデータが兼用。一応複数は作れるがあまり意味がない。
    つまり、あるデータをコピペしてそれぞれのデータで別のイベントをコンプしてもほぼ無意味である。
  • メインイベントをクリアしても、殆ど達成感がない。イベント達成率を上げてベストエンドを見ても、何をやり遂げたのか殆ど分からない。
  • シリーズ最終作「青の章」では、ゲームの謎に迫るシナリオがある…とか言っておきながら、実際には情報統制されて何も分からない。
    ガンパレ系統のほか作品でも明らかにされてるから、らしいが、GPOしかやっていない人間は完全に蚊帳の外。
    • そもそもアルファ・システムの作品は、 抽象的で難解かつ正答の与えられていない謎が多いクロスオーバーシステム を用いられており本当の意味での"真相"の解明は期待するだけ無駄であるが。
  • ベストエンドの条件を三部作の全てで満たしたときに見られる「グレートエンディング」があるが、「青の章」の人物が独りで仲間のことを回想するだけ、という三部作である意味が疑わしい内容。

こちらの「名もなき騒動まとめ」も参照されたし。 青の発売から約二ヵ月後に、すぐにでもグレートエンディングを見られるデータが「電撃Playstation」に載り、
それを皮切りに発生したゲームの内容やらグレートエンディングやらレベルデザインやらへの不満の爆発、またそれに対する開発者対応の記録である。
GPOを知らない人でもうんざりしたくなるかもしれない。

事例の1つとして、人型戦車のコストに関わる問題がある。
「青の章」では今まで割高だった人型戦車の戦力予算値が半分になると雑誌等で公表されていた。 だが実際には据え置きかむしろ物によっては微増すらしていた。
当然ユーザーは「半分になっていないじゃないか」と掲示板で抗議したのだが、これに対するスタッフの回答が

「人型戦車の運用できる武器が増えたので、開発当初は戦力予算値を2倍にする予定だった。だが検討の結果その半分にすることにした」

というものであった。
つまり「これまでの半分」とは「前作の半分」ではなくて「開発段階の半分」だった、ということになる。
要は開発スタッフの内輪で完結していた話がインタビューの形で外に出たため、ユーザー側には意味が通じなかったのである。
この説明では怒る気にもなれなかったユーザーが続出した模様。

まとめ

箱庭ゲームとでも思えばそれなりに遊べるかもしれないが、戦闘パートをみればバランスが崩れたもっさりゲーであり、下手すれば「THE地球防衛軍」以上のチープさを発揮している。
またイベントコンプをしようと思えば退屈な苦行を強いられ、さらにその苦労は殆ど報われず、達成感もあまり感じられない。
イベントも多くが三部作の全てで使いまわされている。 止めとばかりに「名もなき騒動」が発生し、クリエイターの意味不明な言い回しとやたらに上から目線な振る舞いも浮き彫りとなった。

もっとも、特殊な戦闘パートに惹かれてか、同性同士でも出来てしまう擬似恋愛に何かを刺激されたか、ハマる人はハマる。

  • 巨大な敵を相手に、等身大の人間やロボットが広大なマップで戦うというゲームは意外と少ない。完成度はともかく、独自の魅力がないわけではない。 wikipediaによれば三部作合わせて売り上げは10万本行くか行かないかというものだった。
    殊に青の章は出荷本数も少なかったらしく、一時期は定価以上の値もつけられていた。白と緑は1コインに収まる程度の低値とされており、特に白は在庫あまりの状況となっている。

なお、芝村はこの作品の前後に『エヴァ』や『ガンダム』を題材にしたゲームを手がけているが、大抵がクソゲー呼ばわりもやむなしというものとなっている。

余談

実は本作はネット上で展開した小説『Return to Gunparade』の世界から続く物語となっている。 一部キャラクターの容姿や設定が異なっているのはこれによるものも大きい。