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バンジョーとカズーイの大冒険 - (2016/03/06 (日) 07:29:11) の編集履歴(バックアップ)
バンジョーとカズーイの大冒険
【ばんじょーとかずーいのだいぼうけん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ニンテンドウ64
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メディア
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128MbitROMカートリッジ
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発売元
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任天堂
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開発元
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レア
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発売日
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1998年12月6日
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定価
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7,140円(税込)
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配信
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Xbox LIVE ARCADE 2008年12月3日/1,200マイクロソフトポイント
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分類
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良作
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バンジョーとカズーイの大冒険 1 / 2 / ガレージ大作戦?
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概要
「スーパードンキーコングシリーズ」でタッグを組んだ任天堂とレア社がニンテンドウ64専用として開発した新規タイトル。
所謂『スーパーマリオ64』の大ヒットを受けて誕生した3Dアクションゲーム。
しかし、キーアイテムの存在や2人のキャラクターの協力アクションなどから「マリオ64」とは一味違うゲームデザインになっている。
バンジョーはこれ以前に『ディディーコングレーシング』に出演しており、取扱説明書にて本作の登場を示唆する記述がされていた(同作に登場し、やはりゲームシリーズの主人公となっているリスのコンカーも同様)。
ストーリー
魔女のグランチルダが鍋のディングポットに「この世で一番可愛いのは誰か」と尋ねると、返ってきた答えは自分自身ではなく、バンジョーの妹チューティだった。これに怒ったグランチルダはチューティの美貌を奪うため、彼女をさらってしまう。
昼寝をしている間に妹をさらわれてしまった間抜けなクマ、バンジョーは、相棒のカズーイに叩き起こされてようやく異変に気付く。チューティを助け出すため、バンジョーとカズーイの大冒険が始まった。
特徴・評価点
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『スーパードンキーコング』でも多少存在した2人のキャラクターの協力アクションを追及したゲームとなっており、ドンキーと違ってバンジョーとカズーイは常にタッグを組んで行動する。
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足が遅いがバランスの取りやすいバンジョーと素早いカズーイといった形で使い分けを要求される。
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素晴らしいのは、豊富なアクションの存在とそれに対するチュートリアルが丁寧に行われる点で、誰でも遊べるほど間口が広い。説明書もほぼ読まなくてもOK。
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現在では当たり前になっているチュートリアルの充実だが、昔のゲームは取扱説明書をよく読んでから始めるのが当たり前だった。
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ゲームは『スーパーマリオ64』のピーチ城のように、拠点となる「グランチルダの砦」を探索し、ステージの入り口を見つけることで進める。
各ステージは箱庭タイプになっており、自由に探索が可能。ステージ中で各アイテムを入手していくのが目的となる。
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『スーパーマリオ64』よりステージ数は少ないが、一つ一つの広大さで言えば大きく上回っている。
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ステージの各所には今作のキーアイテムである「ジグソー」が隠されており、これを集めることで新たなステージに進むことができるようになる。ジグソーは各ステージに10個ずつ隠されている。
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ジグソーの入手方法は様々。仕掛けを解いたりミニゲームをクリアする他にも、ボスを倒さなければならないこともあり、非常にバリエーション豊か。
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ジグソーを集めて砦の中に隠されているパネルにはめこみ、新たなステージの入口を開け、ステージを探索…を繰り返して進めて行くことになる。
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また、各ステージに配置された「オンプ」を一定数集めることで、グランチルダの砦の中にあるオンプドアを開けて、新たなエリアも探索できるようになる。オンプは各ステージに100個ずつ隠されている。
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オンプを集めなければ先に進むこともままならないので、こちらの回収も重要。全体的に必要な数は多めに設定されている。
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ステージのバリエーションやギミックが非常に多彩。
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緑の広がるのどかな丘のステージから、美しいビーチ、雪山、砂漠、さらにホラーハウスや四季によって変化するステージなど様々な種類のステージが存在する。
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ギミックにおいても、大きなヤドカリやカメの中を探検したり、魔法の絨毯に乗って難所を越えたりと豊富な仕掛けで楽しませてくれる。
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一部ステージにはマンボという呪術師がおり、アイテムを渡すことで変身することができる。変身の内容は白アリ・ワニ・カボチャなど個性豊か。これを使わなければ解けない謎も多い。
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中には難易度の高いステージもあるのだが、公式チートが存在するためごり押しでクリアすることも可能。ただし、どうしてもごり押しの出来ない場所も存在するが…。
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ちなみにチートの存在自体は隠されており、ゲーム中に全部で10種類教えてもらえる。それ以外にもチートコードが存在するが、ゲーム中で明かされるもの以外を使いすぎるとセーブデータが消されてしまうペナルティが存在する。
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音楽関連の評価も高い。
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各ステージの雰囲気を盛り上げるのに一役買っているのは勿論、同じステージ内でも場所によって自然に曲調が切り替わるなど芸が細かい。
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個性豊かなキャラクター
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主人公たちだけでなく敵キャラクターさえも、とてもコミカルかつたまにシニカルで魅力的。時にはメタ発言でニヤリとさせてくれるも。
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性格も様々で、のんきなバンジョーと少々毒舌なカズーイ、一見真面目そうながらやや自意識過剰な自称「主人公」のボトルズ、自称歌うように会話するクイズが好きな魔女グランチルダ、叱られながらもグランチルダにケナゲに従うクランゴなど。
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口調は各キャラごとに癖が強いが、英語版の時点で、文法を外した会話になっていたり、常に韻を踏んでいるキャラがいたりする。
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各ステージにも多数のサブキャラクターが登場する。そのモデルは動物だけでなく、しなびたヤシの木、火薬箱、果ては洋式トイレなどまである。
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中には脇役ながら『2』にも引き続き登場するキャラクターもおり、行く先々で散々な目に遭うラクダのゴビや前述の洋式トイレのロッゴーなどが代表的。
問題点
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全体的に難易度が高い。
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ステージを出たりミスをすると集めていたオンプやジンジョーがリセットされる。要するにノーミスで全て集める必要がある。
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最後のグランチルダと対決するにはとてつもない量のオンプとジグソーが要求される。
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この要求量に届くためには、「箱庭タイプ」の全ステージに用意されてる仕掛けの大半を解き明かす必要と、各ステージにおいて死なずにくまなく回りオンプを回収するだけの力量を必要とする。
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ステージ中の多くが水の「クランカーのどうくつ」は比較的序盤のステージだが、水中の操作に慣れていないと苦戦間違いなし。特にクランカーの救出が難しく、あっさり溺死するプレイヤーも多かった。
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「ミス=即死」の場所が存在する「サビサビみなと」のオンプ集めはゲーム中最難関とされている。
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重油によって汚染された海、攻撃力の高いTNTの敵が多く配置、サメがいる区域のジンジョーの救出など、仕掛けがいちいち意地悪なうえ、ちょっとした操作ミスであっさり死んでしまうことが多い。特に船のスクリューの中にあるジグソー取得はゲーム中最難関候補。
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ジグソー入手のヒントが殆どない箇所が多いため、途中で詰まってしまうプレイヤーが多数いた。ステージ自体が広いのと、隠された入り口が見つけにくいことも原因の1つ。
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「マッドナイトまんしょん」の教会の花瓶にタマゴを入れる、屋敷の排水管に変身して入る、屋敷2階のトイレに流されるなどいったい何人のプレイヤーが初見でわかったのだろうか…
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終盤の強制ミニゲーム「グランチルダのクイズショー」がかなりの難易度。今までのステージに関するもの、サウンドクイズは比較的簡単。
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しかし、時折異常に意地の悪い問題を出してくるものがある。映像パネルは写真を見てそれがどのステージかを当てるものなのだが、撮影場所が非常に捻くれている。なんの変哲のない壁や挙句の果てには大部分が空など、正直普通に進めているだけではわからないような写真ばかり。
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また、画面いっぱいに本棚を移してその本の数を聞いて来たり、名前のないモブキャラの名前を聞いて来たりとひっかけ問題やケアレスミスを誘う問題も多い。後述の即死パネルはランダムに何かの問題を出してくるため、運悪くこの手の問題を出されるとほぼ確実にやり直しを強いられる。
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時計パネルはゲーム中のボス戦やミニゲームを行うのだが、クリア条件が非常に厳しくなっており厄介。また、間違えたら即死のパネルがあり、これが連続で配置されているゴールの目の前で即死ということも…
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さらに、グランチルダのパネルではグランチルダの私生活についての問題が出されるのだが、これは砦のあちこちにいるブレンチルダの話を聞いていないと絶対にわからない。
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聞いて(メモするなりで覚えて)いれば楽勝なのだが、いちいち全部を聞いてメモをするのもかなりの手間だし、メモをしていない場合には勘で答えるしかない。ちなみに答えはセーブファイルごとに違うので覚えゲーもできない。
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基本的にカメラはフリー視点になっているが、特定の場所では固定カメラになる。このせいで一部見逃しやすいアイテムが存在する。特に砂漠ステージのピラミッド内迷路などに顕著。
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例えば、あるステージの記憶ゲームでは、操作時にお手本画面と視点が切り替わり、どれがどこに対応しているかをいちいち考え直さないといけない。映像用語で言えばイマジナリーラインが乱れてしまっている。
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空を飛んでいる際に攻撃するアクション「くちばしミサイル」があるのだが、この攻撃が「前方に向かって飛んでいく」のに照準が非常に合わせ辛い。最終戦ではこのアクションが必須となるため、それまでに慣れていないとつらい。
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おまけにこのアクション、軌道を外して障害物にぶつかるとダメージを食らってしまう。そのため、初心者には使いづらく、猶更必要な場面で使えなくなるという悪循環が起こっている。
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チュートリアルを全部こなさないと、体力上昇アイテムがコンプリート不可になる。
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協力アクションを謳ってはいるが、実際はかなりのアクションがカズーイ依存。バンジョーが単独で行っているのはローリングアタックと引っ掻きぐらいで、しかも後者は『2』にて削除される始末である。お陰で「バンノーなカズーイの大冒険」などと揶揄されることも。
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メニューから「(セーブして)ゲームを終了する」を選ぶと、強制バッドエンド(ゲームオーバー)。一応ボタンスキップが可能(流れ出すと不可)。しかも説明書に、きちんとタイトルに戻ってから電源を落とさないとデータが消える恐れが云々と、警告が掲載されているので馬鹿正直にバッドエンドを眺めたプレイヤーは多い。
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その為、メニューからセーブして終了するだけで「ゲームオーバー」と流れ「(マリオで言うピーチ姫的なポジションの)チューティーをグランチルダの魔の手から救い出す」と言う本作品のモチベーションを呆気なく粉々にされるのに抵抗やトラウマを抱く人も少なくない。
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と言うか、あまりの初見殺しっぷりに本作最大のトラウマシーン(展開)として挙げるプレイヤーも多数存在する。
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ゲームを終了する(打ち切る)=ゲームオーバー、と言うのが本来の意味だからある意味間違ってはいない。しかし取扱説明書には「グランチルダのデモ」と書かれているのだから始末が悪い。まさか通常のゲームオーバーと全く同じだなんて誰が思うだろう。ちなみにセーブ自体はマップを切り替えるたびに行われているし、ゲームオーバーのデメリットは砦入り口に戻されるだけで、残機が残っている場合と大差無い。
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この仕様は後続の『ドンキーコング64』にも何故か引き継がれた。ただしこちらはいつでもスキップができる等の配慮はされている。
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「クイズショー」のクリアまでストーリーを進める事でバッドエンドは流れなくなるがやはりゲームオーバーと表示される。なお、こちらは『2』にも何故か引き継がれた。
総評
シンプルさや手軽さで「とっつきやすさ」を追求したマリオ64に対し、謎解き要素や散策要素で「冒険感」を重視した作品といえる。
しかし、マリオ64とは違い可愛らしいキャラクターとは裏腹にブラックジョークや毒の強い発言、シリアスな場面など人を選ぶ要素が多く万人に勧めるのはおすすめしない。
高難易度でシビアな面が多いのでマリオ64では物足りないというプレイヤーは手に取って見るのもいいだろう。
現在は下記のXBLA版も配信されているので、Xbox360を持っている人はぜひ体験版をダウンロードして本作に触れていただきたい。
余談
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続編と合わせて2作とも敵の体がバラバラになるなど妙にグロテスクな部分があるためか、XBOX360版ではCEROレーティングが「B」となっている。
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レア社がマイクロソフトに買収された際、版権の整理が行われ、本作の版権はレア社側が所有することとなった。
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バーチャルコンソールでの配信は絶望的だが、代わりにXbox Live Arcadeで続編と合わせて2作共配信されている。
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16:9、1080pのHD画質に対応、ステージを出ても入手したオンプやジンジョーがリセットされないなどの改良が行われている。
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ちなみに、64版『2』でも16:9での表示が可能。
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64版では何の意味もなかった隠しアイテム「ひみつのこうかん」が『2』に持ち越せるようになった。入手した状態で、『2』のとある場所に行くとゲーマーアイコンやプレミアムテーマが手に入る。また、360専用で発売された3作目『バンジョーとカズーイの大冒険:ガレージ大作戦?』とも連動している。
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ちなみに64版では元々次回作への引き継ぎアイテムとして用意されていたが、技術的な問題で断念したと言われている。
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なお、任天堂に関するロゴは削除、またはマイクロソフトに変更されており、レア社のロゴも変更されている。
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2015年にXBox One向けに発売された、レア社創立30周年記念のコンピレーションソフト『Rare Replay』にも、『バンジョーとカズーイの大冒険2』『ガレージ大作戦』とともに本作が収録されている。『Rare Replay』自体が4000円(税抜き)なので、Xbox Oneを持っている本作未プレイの方は、これから入るといいだろう。
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当初はスーパーファミコン用のアクションRPGとして作られており、『Dream』というタイトルであった。ニンテンドウ64に開発が移行するなどの紆余曲折を経て現在の『バンジョー』に至っている。
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『Dream』の詳細は謎に包まれていたが、2015年にレア社自身が、プロトタイプのプレイ映像などの貴重な資料を交えて動画を作っている。英語の分かる方は是非。