「サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
サクラ大戦2 ~君、死にたもうことなかれ~
【さくらたいせんつー きみ、しにたもうことなかれ】
ジャンル
|
ドラマチックアドベンチャーゲーム
|
|
対応機種
|
セガサターン
|
発売・開発元
|
セガ・エンタープライゼス
|
企画
|
セガ・エンタープライゼス、レッドカンパニー
|
発売日
|
1998年4月4日
|
定価
|
7,140円
|
レーティング
|
セガ審査:全年齢推奨
|
分類
|
良作
|
サクラ大戦シリーズリンク
|
概要
基本的な事項は前作のページを参照。
-
魅力的な世界観やキャラクター、クオリティの高いBGMなどで人気を博したサクラ大戦の第2作目。ヒロインは前作の6名に加え、ソレッタ・織姫、レニ・ミルヒシュトラーセの2名が新たに加わり計8名になった。
-
織姫の歌うキャラソン「もしも…」は下記のCMでも使用されたので覚えている人が多いだろう。
-
サクラ大戦シリーズで最も高い売り上げを記録した作品である。
ストーリー
黒之巣会との戦いから1年が過ぎた太正14年の春。海軍での演習を終えて帰国した大神一郎は、再び帝国華撃団隊長の任を命じられる。
懐かしの大帝国劇場に戻ってきたものの花組メンバーの多くは出張で不在。新しく加入した隊員には初対面で嫌われてしまうなど快調とは言い難い滑り出しであった。
そんな中、帝劇に緊急警報が鳴り響く。久々に出撃した大神たちの前に現れたのは、
かつての宿敵、葵叉丹。今、新たなる敵「黒鬼会(こっきかい)」との戦いの幕が開けようとしていた…(Wikipedeaより)
新要素
本作で導入され、以降の定番となったものが多い。
アドベンチャーパート
-
タイミングLIPS
-
時間経過で選択肢が増加・消滅、或いは内容が変化するというもの。
-
同じ選択肢であっても、回答が早いか遅いかで結果が変化する事も。
-
ダブルLIPS
-
限られた時間内で複数のLIPSに対応していく。これにより「着替え」「大食い対決」などのイベントが疑似体験できるようになった。
-
フリーイベント中の時刻表示
-
自由行動時間中は画面右上に時計が表示され、1か所訪れる毎に5分経過する。
-
これにより、あと何か所訪問できるのか分かりやすくなっている。
-
大神性格ゲージ
-
画面右下に表示されているゲージで、大神がどのような行動を取るかで性格が硬派(青)か軟派(赤)かに変動。
-
基本的に真面目な行動・言動をしていれば硬派に、ヒロイン達の風呂を覗くなどしていると軟派に傾く
-
性格によって一部のLIPSの内容や結果が変化することがある。
-
例えば、同じ答えを出しても性格が硬派か軟派かで周囲の反応が変わったりする。
-
連鎖イベント
-
どのヒロインにも3回設定されているイベント。逃してしまうと続きが発生しないが、好感度を上昇させる絶好のチャンス。
戦闘パート
-
隊長コマンド
-
大神のターンに限り、隊員に作戦を指示する事ができ、内容に応じて能力値に補正がかかる。大神のターン内であれば作戦変更は何度でも可能。
-
コマンドは移動力重視の「風」、バランス重視の「林」攻撃力重視の「火」、防御力重視の「山」の4種類。
-
デメリットも存在するので、状況に応じて的確な作戦を指示する事が求められる。
-
作戦選択
-
戦闘パートの直前、2種類の作戦のうちどちらかを選ぶという場面が多く登場する。
-
内容によって勝利条件や敵の配置が異なる。
-
協力攻撃
-
敵に攻撃した際、味方と攻撃範囲が重なっていると確率でカットイン挿入&高威力の「協力攻撃」が発生。これの導入に伴い、前作のクリティカルヒットは廃止された。
-
「かばう」の使用回数減少
-
前作の8回が流石に多すぎたのか、本作以降は使用回数が3回に変更されている。
-
ボスの気力ゲージ
-
味方同様、ボスの気力ゲージも戦闘開始時から満タンになった。開幕から必殺技が飛んでくるので油断できない。
-
ヒロイン合体攻撃
-
前作では合体攻撃のバリエーションがヒロイン1人につき1つであった。今作ではグランドヒロインとして選択したときのみ使える特別な合体攻撃が追加された。
-
内容は「おい、戦闘しろよ」「公式が病気」と言わざるを得ないものばかり。この要素は『3』『熱き血潮に』にも受け継がれた。
その他
-
ハードモード追加
-
2周目以降の要素として、ハードモードを選択可能。
-
信頼度による能力補正なし、「ため」による気力ゲージ上昇量が最低、合体攻撃が使用不可などの制約がある。本編の難易度で物足りない人向け。
評価点
-
ヒロインのお出迎えイベント
-
ゲームの冒頭で、花組の中に思う所のある奴はいるか?と米田司令に問われるのだが、そこで任意の隊員を選択すると、その隊員が大神を出迎えてくれるイベントが発生する。
-
しかも、キャラによっては出張があるにも関わらず、それを遅らせてまで会いに来てくれるのだ。前作をプレイ済みの人にとっては嬉しい展開である。
-
グラフィックの向上
-
前作の時点で高品質なOPムービー等が評価されていたが、それが更に綺麗になった。ヒロインたちのグラフィックも書き直されている。
-
戦闘テンポの向上
-
前作の難点だった、戦闘パートでの移動の遅さが解消された。キーを押しっぱなしにする必要もない。
-
戦闘パートにおける戦略性、バリエーションの増加
-
隊長コマンド導入により、メリット・デメリットを把握した上で的確に作戦を指示していく必要がある。
-
また、パート開始前の作戦選択の結果で戦闘内容や攻略法がガラッと変わるため、違った展開を楽しむことができる。
-
防衛戦、護衛ミッション、特定の目標の破壊といった特別な勝利条件のマップが増えたこともバリエーションの増加に一役買っている。
-
LIPSのバリエーション増加
-
特にタイミングLIPSは前作以上に、現実で女の子と会話しているような臨場感を味わわせてくれる。
-
LIPSのバリエーション増加に伴いヒロインの反応も増えているので、色んな選択肢を選んでみるのも楽しみの1つ。
-
魅力的な新ヒロイン
-
イタリア出身らしく陽気で情熱的なソレッタ・織姫と、寡黙で冷静沈着なレニ・ミルヒシュトラーセの2名が新ヒロインとして登場。
-
これまでのヒロインとはキャラが被っておらず、それぞれ違った魅力がある。また、どちらも彼女たちがメインとなる話でイメージがガラッと変わるのも特徴。
-
ネタバレになるので伏せるが、レニはある理由から特定の時期まで好感度上昇・下降の音がならない。
-
内部的にはしっかり上昇・下降しているのでご安心を。
-
登場時期も織姫1話、レニ2話と早い。逆に前作で加入が早かったマリアや紅蘭は今作では加入をやや遅らせるなどバランスが取られている。
-
敵幹部の出番増加
-
前作の敵幹部は1回勝利すると基本的にそこで退場であった。今作の幹部は全員最低2回以上戦うようになっている上、キャラが立っているので空気化しにくい。
-
加えて2戦目以降は敵に新たな能力が追加されるため、より手強くなっている。
-
前作も石田彰や大川透といった名キャストを起用しているが、今回も関俊彦や八奈見乗児、野沢那智といった名優が声を当てている。更にラスボスは『北斗の拳』や『キン肉マン』でおなじみ神谷明。
-
サブキャラクターの大量増加
-
大神の親友・加山雄一やヒロインの家族、海軍大臣と言ったサポート役が主だが、オカマ集団の薔薇組や自由すぎるアドリブの紙芝居屋・千葉助といった強烈なキャラも存在。
-
こちらのキャストも子安武人、池田昌子、堀川りょう、大塚明夫らといった豪華声優陣。千葉助の声はご存知千葉繁。
-
ただし、本作はシリーズでは珍しく
棒読みキャラ
がいる。これは本職の声優ではなく当時人気だったアイドル・野村佑香を起用したため。
-
帰省イベント
-
デートイベント、個別エンディングは前作でもあったが、本作ではそれらに加え、正月休みに各ヒロインの帰省に同行するイベントがある。それぞれの生い立ち、家族に触れることで、よりヒロインの魅力を引き出している。
-
ヒロインの家族は基本的にここでしか登場しないのだが、前述の池田昌子、堀川りょうらが担当するという贅沢仕様。
-
高クオリティな楽曲
-
メインテーマである『檄!帝国華撃団』も大幅なアレンジをしてパワーアップ。歌詞も3番が追加された。
-
劇中歌も耳に残る曲が多く、『奇跡の鐘』は劇場版の出だしでも使われた。
-
EDの『夢のつづき』は宝塚歌劇団を思わせる曲調で、まさにレビューの終幕といった感じ。
賛否両論点
-
シリーズ最高のボリューム
-
今作は12話構成と、話の長さとしてはシリーズ最高である。1話あたりの密度が増えていることもあり、実際はそれ以上に感じるかもしれない。
-
ただし、周回プレイとなるとこれが問題となってくる。ヒロインが8人に増えていることもあり、全キャラ攻略を目指すとなるとかなりの時間がかかってしまう。
-
ヒロインは好感度上位4名の中から選ぶため、直前のセーブデータを残しておけばある程度負担を減らすことはできるが…
-
戦闘も9人分のユニットを動かさなくてはならないため、ステージが冗長に感じる場面も。
問題点
-
とある敵幹部の扱いの悪さ
-
正体不明の人物として描写され、敵として登場するまでは別の姿で出ていたのだが、引っ張った後に敵として出たと思ったらあっさりと退場してしまう。
-
しかもそれが上司に見捨てられる形なので余計に扱いが悪い。
-
ドラマ性はあったのだが、どうにも他の幹部に比べると敵としての登場が少なく印象が弱くなってしまった。
-
隊長コマンド「林」が空気
-
バランス型と言えば聞こえはいいものの、実際の所は尖っている部分がある他のコマンドの方が役立つことが多く、器用貧乏感が否めない。
-
これは次回作でも改善されていない。
-
前作のラスボスが第一話の敵として登場する
-
ネタバレになるので詳細は伏せるが、1作目では全く語られていなかった設定が唐突に出て来るため取って付けた感がする。
-
ただし、前作の時点でも写真などに伏線は貼られており、アニメや漫画といったメディアミックス作品ではこの設定を「1」のストーリーにうまく組み込んでいる。
総評
前作の良さをそのままに、正当なパワーアップを遂げた作品。
本作で導入され、以降定番となった要素も多く、基本システムは本作でほぼ完成したと言える。
ボリューム故に全ヒロイン制覇はやや根気がいるものの、それ以上にプラスの面が大きいと言えるだろう。
ゲームを評価・プレイする際ストーリーやキャラに比重を置く・魅力を感じる方は、ギャルゲーと敬遠せず是非プレイしてはいかがだろうか。
現在であれば1と2がセットになったPSP版か、Win版(ある程度のスペックを要求されるが)をお勧めする。
ただし、PSP版をプレイする場合は、DL版でのプレイを強くお勧めする。
何故ならUMD版はインストール機能が普及する前で読み込み時間が長く、本体の性能や必殺技演出などの組み合わせによってはゲーム中にフリーズする事もある程。
DL版では読み込み時間も気にならずにプレイ出来るようだ。