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Child of Light - (2015/03/26 (木) 13:23:44) の編集履歴(バックアップ)


Child of Light

【ちゃいるど おぶ らいと】

ジャンル 2D RPG

※PS3/PS4初回生産限定パッケージ版


※PSVスペシャルエディション版
対応機種 プレイステーション3、プレイステーション4、プレイステーション・ヴィータ
Xbox360、Xbox One
Wii U
Windows Vista~8.1(32bit/64bit 両対応)
メディア 【PS3/PS4/PSVダウンロード/WiiU/Xb360/XbOne/Win】ダウンロードソフト
【PSVパッケージ】PlayStation Vitaカード 1枚
発売元 ユービーアイソフト
開発元 ユービーアイソフト・モントリオールスタジオ
発売日 【Win】2014年4月29日*1
【WiiU】2014年4月30日*2
【PS3/PS4/Xb360】2014年5月1日
【PSV】2014年7月31日
【XbOne】2014年9月4日
定価 【PS3/PS4ダウンロード】1,481円
【PS3/PS4パッケージ】1,980円
【Xb360】1,429円
【WiiU/PSVダウンロード/XbOne】1,480円
【Win(Steam)】1,980円*3
【Win(Amazon)】1,480円
【PSVパッケージ/PSVダウンロードセット*4】2,480円
※Windows(Steam/Amazon)版を除き、全て税別
プレイ人数 1~2人
※2人プレイ時、プレイヤー2はイグニキュラスによるサポート担当
※PSV版は1人プレイ専用
通信機能 【PS3/PS4/PSV】PlayStation Network対応
【Xb360/XbOne】Xbox LIVE対応
【WiiU】ニンテンドーネットワーク対応
【Win】Steam対応
※Wii U版を除き、いずれもダウンロードコンテンツ配信

【PSV以外共通】Uplay対応(リンク先はPC版Uplay公式ページ)
※Uplayに登録したフレンドにオキュライをギフトとして送ることが出来る
レーティング CERO:A(全年齢対象)
分類 良作
備考 【PS3/PS4共通】
クロスバイ対応により、PS3/PS4それぞれにソフト本体および購入したダウンロードコンテンツ適用可能
トロフィーはPS3/PS4それぞれで別扱い
PS3/PS4間のクロスセーブ非対応

【PS3/PS4パッケージ】
ソフト本体と2種類の追加コンテンツのプロダクトコード、アートブック、天野喜孝氏描き下ろしのポスターが封入

【PS4】
PlayStation Plus加入者限定無料配信(フリープレイ):2015年1月7日~2015年2月3日
※フリープレイはPS4版のみプレイ可能

【PSV共通】
PS3/PS4間とのクロスバイ、クロスセーブ非対応
PlayStation Vita TV非対応
メモリーカード必須*5

【PSVパッケージ】
各種追加コンテンツのプロダクトコード封入

【WiiU】
ダウンロードコンテンツ未配信のため、ダウンロードコンテンツ限定スキン・スキル・キャラクターを入手不可能

【Win】
アップデート適用でセーブデータを3つまで作成可能(※他機種版はひとつのみ)
USBゲームパッドはXbox360用コントローラーにのみ正式対応し、ボタン設定も自動で最適化される
Uplay PCによるセーブデータのクラウド同期に対応


概要

Assassin's Creed』シリーズや『FARCRY3』などを手掛けた、ユービーアイ・モントリオールスタジオが送るファンタジーRPG。
ゲームエンジンに2Dゲーム用の「UbiArt Framework」を採用し、まるで手描きの絵がそのまま動いているかのような表現が特徴で、コンセプトとして掲げている「おとぎ話のようなRPG」の雰囲気を演出する一助となっている。

本作ディレクターのパトリック・プルーデ氏はかねてより日本製RPG(JRPG)の熱烈なファンを自負しており、『ファイナルファンタジーX』や『グランディアII』など、日本のRPGをリスペクトして企画開発された。
世界観も宮崎駿氏や天野喜孝氏といった日本人アーティスト、アーサー・ラッカム氏、ケイ・ニールソン氏、ジョン・バウワー氏といった挿絵画家達の影響を強く受けている。
また、それまで手掛けた作品が大規模かつ内容もハードコアな要素が大きかったことの反動もあり、本作は「小規模」で「柔らかな女性的なゲーム」を意識したとしている。

本作は、上の表の通りほとんどの現行機種で発売されているが、本項では特記すべき事項を除き、原則PS3版準拠で記載、一部余談として他機種版に触れる形とするのでご容赦願いたい。
オプション設定でボタン配置を変更することが出来るが、こちらもボタン操作に直接触れる際はPS3版の標準設定に準拠して記載する。
また、ゲーム難易度として「カジュアル」と敵が大幅に強化される「エキスパート」があるが、本項は「カジュアル」でのプレイを前提とした内容とする。


ストーリー

ある日、目を覚ますと“レムリア”という見知らぬ世界に迷い込んでいた、オーストリアの公爵を父に持つ少女“オーロラ”。
元の世界へと帰るために歩き始めた少女は、この世界が闇に包まれているのが太陽と月と星を闇の女王に盗まれてしまったからだと知る。
純粋な心を持つオーロラは盗まれた3つの光を取り戻すため、闇の女王を倒す旅に出ることを決意する。

そんな彼女にどこからともなく現れたホタルの“イグニキュラス”が力を貸す。
オーロラとイグニキュラスは、お互いの力を合わせて不思議に満ちたレムリアの地を冒険していくことになる。
旅の中で、さまざまな人や奇妙な生き物たちと出会い、いつしか少女はただの迷子からレムリア王国を救うプリンセスへと成長していく。

 ※プレイステーション公式ページの本作紹介ページより、一部編集を加えて転載。


システム

フィールド

+ 長くなるのでクリックで展開
フィールド画面イメージ(SCEJA公式ソフトウェアカタログより)

フィールド上のシステム

基本的に2D横スクロールタイプで、謎を解いたり、アクション要素をこなして進んでいく。

フィールドやダンジョンにはトラップが点在しており、これに触れるとダメージを受けてしまう。
作品によってはフィールド上のトラップではHPが0にならないことも少なくないが、本作ではトラップでもHPが0になってしまう。
その場合は、ゲームオーバーになった時のマップからHPが最大値の半分の状態から再スタートすることになる。

フィールドやダンジョンの中には光を放つ花が至る所に点在しており、これにオーロラかイグニキュラスのいずれかが触れると光のかけらを撒く。
この光のかけらは、後述するイグニキュラスが光を放つための力の元となるほか、撒かれた光のかけらの内、オレンジに光るかけらを順番に拾うと、オーロラだけではなく仲間全員のHP(緑)とMP(紫)を回復するそれぞれの色の光のかけらが周囲に撒かれる。
なお、花から撒かれた光のかけらはオレンジに光っていないかけらから先に拾うことも出来るが、その場合は緑と紫の光のかけらが出現しないので回復が出来ない。
また、オーロラ・イグニキュラスともにかけらを拾えるので、撒かれたかけらの位置にちょうどいたイグニキュラスが意図せずかけらを拾ってしまったせいで仲間の回復をし損ねた、なんて事も起こりやすいので気をつけたい。

宝箱が置いてあったり、アイテムが落ちている事もあるが、一部はL2ボタンでイグニキュラスの光を注ぎ込んだり、オーロラが直接アクションボタン(□ボタン)でレバーを操作しないと開かない宝箱もあるが、基本的にオーロラかイグニキュラスがその宝箱に触れた状態で□ボタン、または落ちているアイテムに接触すれば入手出来る。

オーロラは最初、走ったりジャンプしたり、あるいはブロックを押したり引いたりといったことしか出来ないが、ストーリーが進むと空を飛ぶ力を得、その後は自由に飛び回ることが出来るようになる。

イグニキュラス

フィールド上の謎解きの多くは、イグニキュラスの放つ光の力を借りて解くことになる。
画面左上の方にある青いゲージが尽きるまで光を放ち続けることが出来るが、一度空になってしまうと時間経過である程度ゲージが回復するまでは光を放てなくなる。
また、アイテム「ホタルのエリクサー」を使用することでゲージを瞬時に満タンにすることが出来る。
イグニキュラスの光は前述したように宝箱を開けたり、光の力で動くスイッチなどの仕掛けを起動するのに使うほか、オーロラに一定時間光を当て続けている間、オーロラや仲間たちのHPを徐々に回復させる効果もある。
本作では宿屋などは無く、回復アイテムか前述の花が撒く光のかけら、もしくは戦闘でレベルアップ*6するほかはこのイグニキュラスの光でしかHP回復を図れない。
ただし、光は光のかけらを拾わなくても使わないでいれば徐々に回復するので、多少時間はかかるが、周囲の安全を確保した上でオーロラにゲージが無くなるまで光を当て続け、その後ゲージの回復を待って再度オーロラに光を当て続ける…の繰り返しでHPを完全に回復させることも出来る。

なお、イグニキュラスはオーロラと違って壁などの障害物を無視して右スティック*7で自由に動き回れる*8
その他、一部の真っ暗な場所もイグニキュラスがいる周辺は少し明るくなり、光を放っている間は周囲が明るくなるので、時にイグニキュラスを動かして周囲を確認してから進む必要もある。
謎解きや宝箱などの中には、イグニキュラスが障害物を無視して動けることを前提にしたものも少なくない。

オキュライ

本作では武器や防具の概念はなく、本作における装備のシステムを受け持つのがこの「オキュライ」である。
これはサファイアやルビーといったオキュライを装備することで能力のアップや物理攻撃に属性を付与したり、敵の属性攻撃に対する防御力を高めたりなどの効果を得られる。
武器・盾・装飾品それぞれのスロットにひとつずつオキュライを装備させることが出来、同じオキュライでも装備させるスロットによって効果も異なる*9

オキュライは合成することも出来、2~3種類のオキュライを合成することで異なるオキュライを作り出すことが出来る。
同じオキュライ3つを合成した場合はその合成したオキュライの1ランク上のオキュライ*10を、特定の組み合わせで全く別のオキュライを作り出すことも出来る。

なお、オキュライは戦闘に勝利したときのドロップアイテムのほか、宝箱やイベントのクリア報酬などで獲得することが出来る。

スキル

キャラクターの特技の習得・強化やパラメーターの底上げを受け持つシステム。
キャラクターそれぞれに用意されたスキルツリーに基づき、1レベル上がるごとに1獲得出来るスキルポイント(SP)を消費して特技の習得・強化やパラメーターの強化を行える。
スキルツリーはスタート地点が複数あり、それぞれ習得・強化出来る特技、強化されるパラメーターの傾向などが異なる。

基本的に1マスに付きSPを1必要とするが、例外的に特技の第3段階への強化にはSPを2必要とする。

オーロラ以外の仲間キャラクターは、パーティー加入時に一定量のSPを獲得済になっている。

ちなみに、特技を強化することでその特技の効果が強力になるのは当然なのだが、それに伴い、MPを消費する特技は消費するMPも増加する*11ので、マスの情報はしっかり確認しておいた方が良いだろう。

戦闘システム

+ 長くなるのでクリックで展開

本作はフィールド上にある敵シンボルと接触することで戦闘に移行する、シンボルエンカウント形式を採用している。

戦闘画面イメージ(SCEJA公式ソフトウェアカタログより)

戦闘はリアルタイム進行の要素を含んだコマンドバトルとなっており、戦闘画面の下部にあるタイムラインには戦闘に参加している敵および味方キャラクターのアイコンが左から右に向けて流れていく*12
左の青いウェイトエリアと右の赤いキャストエリアがぶつかりあっている個所にいずれかの味方キャラクターのアイコンが到達すると、一旦タイムライン上のアイコンは動きを止め、アイコンが到達したキャラクターのコマンドを選択することが出来る。
コマンドを選択すると再び全てのアイコンが流れだし、コマンドを選択したキャラクターのアイコンが右端まで到達すると初めて選択したコマンドが実行される。

道具の使用などを含めた全てのアクションには「発動速度」が設定されており、キャストエリアはこの発動速度に応じた速度で右に向かって流れる。
また、キャストエリアにアイコンがあるキャラクターが敵の攻撃でダメージを受けると「妨害」が成立*13し、コマンドがキャンセルされる上にアイコンが大きく左の方に押し戻されてしまう。
しかし、コマンドを選択するときに「防御」を選択することで、そのターンは終了となり、再びタイムラインの左端に戻ってしまうが、次にコマンドを選ぶまで敵から受けるダメージを軽減出来るだけでなく、ウェイトエリアを流れるスピードがアップしてコマンド選択までの時間が短縮されるので、状況によっては防御を有効に活かす必要がある。
当然ながら、これは味方だけではなく、敵も条件は同じなのでキャストエリアにアイコンがある敵を狙って行動を妨害したりといった戦略性も楽しめる。

物語が進むと仲間が増えてくるが、味方サイドは戦闘にはふたりまでしか参加させられない*14
この状態の時、コマンドを選ぶ際に「交代」を選ぶことで控えのキャラクターと入れ替えることが出来る。
交代コマンドを選んだ後、戦闘に出したい控えキャラクターを選び、誰と交代させるかを選ぶことで交代が完了する。
交代して出てきたキャラクターはすぐにコマンド選択することが出来るが、交代コマンドを選択していないキャラクターと交代させた場合、交代コマンドを選択したキャラクターはターン終了となってしまう。

フィールドだけではなく、イグニキュラスは戦闘でもオーロラを手助けする。
戦闘中に敵の近くで光を放っている間、その敵の行動を遅延(タイムラインを流れるアイコンの速度を低下)させることが出来る。
フィールド上同様に味方キャラクターの近くで光を放てば、そのキャラクターのHPが徐々に回復する*15
イグニキュラスの光を活かして如何に相手を妨害し、こちらが妨害されずに戦うかも重要になる。
また、戦闘画面には基本的にふたつの光を放つ花が設置されるが、こちらは触れるとイグニキュラスの光のゲージを回復させる青いかけらと戦闘参加している味方キャラクターふたりのHPとMPを回復させる緑と紫のかけらを撒くので、それを回収することで回復も図れる*16
コマンド選択中はタイムラインの動きが止まるが、この間もイグニキュラスを移動させることが出来るので、慣れるまではコマンドを選ぶときにイグニキュラスにかけらを回収させたり、味方キャラクターの体力を回復させたりすると良いだろう*17
こちらでも光を放っていなければ、コマンド選択やいずれかのキャラクターが行動中でない限り(=時間が流れている間)はゲージが徐々に回復するようになっている。

最後に、シンボルエンカウント方式なので、本作でも敵シンボルに背後から接触すれば先制攻撃を仕掛けることが出来、敵シンボルに背後から接触されると、敵の先制攻撃で戦闘が始まる。
また、敵シンボルが攻撃などのアクションを起こしている状態の場合、それに接触してもダメージは受けないが、例え敵の背後から接触していたとしても敵の先制攻撃として戦闘が始まる。
戦闘回避の手段として、敵シンボルにイグニキュラスの光を放つと敵シンボルは怯み、この間は接触判定が無くなる。
怯み状態から戻るタイミングで接触していると、背後から接触されている状態でも敵に先制攻撃を仕掛けることが出来る。


評価点

グラフィック

  • 背景ひとつ取っても妥協のない描き込みを見せている。
    • 2Dの平面空間で描かれたグラフィックながらも、非常に細かい部分までも描き込まれており、後述するBGMなどとの合わせ技で、まるでその中にいるような感覚に陥ると言われることも少なくない。
      • それ故にオーロラが空を飛べるようになった時などもそれにリンクし、自分がレムリアの世界を飛び回っているような感覚を味わえる。

BGM

  • 基本的に激しい自己主張はせず、あくまでもその場面の雰囲気を盛り上げることに徹した幻想的な雰囲気を纏った曲が揃っている。
    • 上にも書いたが、これもやはりプレイしている上でプレイヤーがその世界を旅しているかのような没入感を与える上で非常に大きなウェイトを占めている。
  • その一方で戦闘時は緊迫感とどこか勇ましさを感じる曲が用意されている。
    • 中でもボスなどの強敵と戦う時は曲と共に流れるコーラスもあって、戦いをより一層緊迫感と迫力があるものとしている。
  • iTunes StoreやAmazonなどで本作のサウンドトラックが配信*18されている。
    • しかし、主にコーラス付きの戦闘曲など、収録されていない曲が多い事を惜しむ意見も少なくない。
      • なお、本作のBGMは「クール・ドゥ・ピラート(Coeur De Pirate)」氏が担当しているほか、演出やサウンド面でアーティスト集団、「シルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)」が開発協力に当たっている。

王道ファンタジーを地で行くストーリー

  • 本作のストーリーを簡潔に言うなら、「オーロラの冒険と成長物語」というのがぴったりくるものとなっている。
    • 完全にネタバレになってしまうので詳細は書かないが、大まかなところでは下手な捻りを加えずにファンタジー小説などの「お約束」を押さえたストーリーとなっている。
      • もちろん、何から何まで王道のストーリーで凝り固まっているかと言えばそうでもなく、所々でアクセントとして変化を加えているが、物語を破綻させたり、超展開と呼ばれるようなストーリーへ悪影響を与えるようなものではなく、ストーリーにより深みを与えるものになっている。
    • しかし、想像の余地を残すために意図的にそうしたのか、ただの説明不足の産物なのか、ストーリー上で描写が不足している要素が少なからず見られるのは勿体ない所か。

戦闘バランス

  • 極端に戦闘を回避したりアイテムや特技の使用を縛るなどしない限りはストーリーを通じて戦闘バランスは「強すぎず、かつ弱すぎず」の範囲に収まっている。
    • 戦闘システムも相まって、何の考えも無しに攻撃だけさせていれば良いといった作業に陥りにくく、適度に緊迫感を維持出来るようになっている。
      • また、仲間達も明確に個性付けがされており、HP回復や味方のステータス異常を防ぐといった補助系の特技を得意とする者や、素早さが高く、また、敵の素早さを下げる特技が豊富な者もいたりと、出現する敵や状況に応じて味方を的確に入れ替えてプレイすると戦闘がより優位に進められるようになる。

ユーザーライクな部分

  • 新しい操作を必要とする場面およびゲーム冒頭部分では、些か雰囲気を壊してしまうが、フィールド上に大きく操作方法やチュートリアルが表示されるなど、変に突き放した部分がなく、取っつきやすい。
    • 戦闘中にしても妨害を受けた時に、ストーリー終盤まで妨害される度に表示されるので鬱陶しく感じることもあるだろうが、防御で妨害されずに済む旨やイグニキュラスの光ゲージが切れてしまった時に光のかけらで回復させる必要がある旨を表示してくれるなど、細かい部分にもフォローの手が入っている。
      • 前述の妨害に関連した説明など、些かやりすぎなのは否めないが、昔のゲームのように最低限の操作方法以外はろくな説明もなしに突き放されるよりはまだユーザーライクであると言えるだろう。
  • 別のエリアに移動出来るようになった時点で地図が使用出来るようになり、たとえダンジョン内であっても地図から目的地を選べば瞬時にそちらに移動することが可能になっている。
    • 地図の画面ではそのエリアで開けた宝箱や後述の余談に関わる星屑の獲得数と配置数が表示されるのでアイテム収集に拘るプレイヤーにとってはありがたい機能と言えるのではないだろうか。
      • ただし、流石に大雑把なエリア単位なので、手に入れてない星屑や開けていない宝箱の詳細な場所までは表示されないが、そこまで行くと流石にやりすぎとなってしまいかねないので、妥当な落とし所と言えるだろう。

問題点、もしくは賛否分かれる点

ゲームボリューム

  • おおむね10数時間くらいでクリア出来るほどのボリュームだが、本作の価格を考えれば、決してボリューム不足という程に少ないとは言えないだろう。
    • 本作では2週目としてクリアした状態のまま、より敵が強くなった状態で最初からプレイすることが出来る*19が、それ以外の要素が無く、例えば、本編クリア後もしくはクリア直前で開放されるダンジョンや本編のラスボスを超越する隠しボスと戦えるといった、近年の(J)RPGによく見られる要素は存在しない。
      • つまり、本編クリア後のやり込み・おまけ要素が欠如してしまっている点が後押しする形で、物足りなさを感じるとする意見も少なくない。
  • もっとも、本作のストーリー上、下手に隠しダンジョンや隠しボスなどの要素があってはかえって不自然になってしまうし、違和感を覚えさせないようにそういった要素を入れることも難しい部分がある。
    • 概要にも書いた通り、パトリック氏はJRPGの熱烈ファンを自称しているほどであることを考えると、そういったクリア後のやり込み・おまけ要素が存在している作品も少なくないことを把握していないとは考えにくく、やはり、作品の世界観やストーリーを大事にした結果、あえて入れないという選択をしたと考えることも出来るのではないだろうか。
      • なお、この手の意見が上がる場合、単純に物足りないとする意見もある一方で、世界観構築の上手さや物語への没入感の高さ故に「もっとこのレムリアの世界に浸っていたいのに…」といった方向性の意見も少なくないのは特筆すべき点であろう*20

システム面

  • 良く言われるのがひとりプレイ時の操作の忙しなさ。
    • 実際プレイをしていく内にそこまで忙しなく操作する必要も無いことは解ってくるのだが、そこに行くまでは左スティックでオーロラを動かしつつ、更に右スティックでイグニキュラスを操作しようとしたり(そうする必要があると思い込んでしまう)、更にそれぞれのアクションがひとつのコントローラーに詰め込まれていることもあって、忙しなさや煩わしさを覚えさせるようである。
      • 実際の所は移動中は一部の宝箱やアイテムを取ろうとするときなど以外はイグニキュラスを放っておいても問題なく、逆に暗闇を照らして周囲を確認するのにイグニキュラスを動かすときなどはオーロラをその場にとどめさせておけば、大方問題は無いようになっている。
      • また、暗闇にしても基本的に地形やトゲなどのトラップはイグニキュラスで照らさなくても十分目視出来るようになっており、そういう場所もイグニキュラスを放っておいて進むことも十分可能*21
    • 戦闘中も基本的にコマンド選択中は時間の経過が止まり、コマンド選択以外でも基本的にイグニキュラスを動かして敵の妨害を試みたり、体力を回復させたり以外は特別操作することもない。
    • 実際にやってみると戦闘にしてもフィールド画面にしても、両方を一度に操作することを要求されることはほとんどないと言ってもいいのだが、第一印象で必要以上に煩わしさを覚えさせてしまう部分はある。
      • 特に、戦闘ではタイムライン上の敵アイコンが一挙にキャストエリアに近付いてきたりなどするとどうしても焦りを覚えてしまい、それによって忙しなく右スティックでイグニキュラスを操作することになり、それが全体的な忙しなさを覚えさせる一助になってしまっているのかもしれない。
  • 本作にはお金という概念が無く、同様に道具屋や宿屋といったお店が存在しない。
    • 従って、回復アイテムなどをストックするには宝箱から入手するか、戦闘に勝利した際のドロップ、もしくはイベントクリアの報酬しかなく、同様にHPやMPを回復するのも前述の通りレベルアップやアイテムの使用、もしくは光のかけらをチマチマ集めていくしかないのである*22
      • 特に意識せずとも普通に戦闘をこなして、宝箱からアイテムを回収していれば、アイテムはそれなりに集まるし、レベルも相当に高いレベルになればともかく、そうでなければストーリーの進捗に合わせたエリアで数回戦えば1レベル上がるようなバランスになっているのだが、単純にRPGのお約束と言える要素が無いという点に戸惑いの声も出ている。

戦闘関連

  • 上に「極端に戦闘回避、アイテム・特技の縛りをしなければ程良い難易度である」としたが、実際の所は最低でも敵シンボルをひと通り倒すくらいでないと、序盤はともかく、中盤以降はザコ敵の攻撃ですらクリティカルヒットで瀕死、そうでなくても一撃で最大HPの4~5割強以上持って行かれかねない調整になっている。
    • もちろん、ある程度はオキュライやスキルで補えるが、スキルの習得にはそもそもレベルアップが必須であり、レベルアップ自体の能力上昇も馬鹿にできるものではない。制作側の想定している適正レベルやオキュライの装備は解らないが、戦闘回避をしすぎると、レベルが足りずに先に進むのもままならない状況になりかねない。
      • 一応、マップ切替えなどで敵シンボルは復活するのでそういう状況になったら戻ってレベル上げをすることも出来るが、結局の所シンボルエンカウントを採用したメリットがほとんどない調整と見ることも出来、不満意見が散見される。
    • 一方、ひと通りの敵シンボルを倒しながらプレイしていても終盤の敵から受けるダメージはかなり大きく、最大HPの2~3割位は持って行かれかねない。
      • もっとも、本作では回復系や補助・妨害系のアイテムや特技の効果が全体的に強力かつ、アイテムが集まりやすくなっている上、イグニキュラスをうまく活かせば敵から攻撃される頻度を下げることも可能になっているため、それに合わせた調整とも言えるが、パッと見でのインパクトが悪い意味で強烈になってしまっているのは否定出来ない。
  • 終盤になると目立ってくるのが、「とりあえず全体攻撃やステータス異常にする技を使わせておけばいい」あるいは「とりあえず何か攻撃されたらカウンター攻撃させておけばいい」という意図にしか見えない雑な調整の敵が増えてくる点。
    • 特に、終盤になると一発のダメージが余程のことが無いと、前述の通りかなり痛いものとなるのだが、それとカウンター攻撃を行う敵は全体攻撃であろうと何であろうと攻撃を受けると確率でカウンター攻撃を行うようになっている仕様も相まって、「全体攻撃技を使って殺しきれず、残った敵全員から順番にカウンター攻撃をもらって、技を使ったキャラクターが逆にそのまま即死した」なんて事もレベルなどの条件次第では普通に起こりうる。
  • ボス敵に「能力を強化して巨大化させただけのザコ敵*23」をあてがう、手抜きと取られても仕方のない使い回しが多く見られる事も批判される。

テキスト

  • キャラクターの台詞などのテキストにやたらと詩的な部分が多く見受けられ、回りくどかったり、単純に解りづらくなっている個所もある点を不満に挙げる者もいる。
    • しかしながら、そういった部分も世界観の構築という点で貢献しており、中でも、所々で挟まれるオーロラとイグニキュラスのやりとりはなかなかに印象的なものも多い。
  • それ以外にも、日本語ローカライズの常というわけでもないだろうが、不自然な個所も多少ながらあり、やはりストーリーや世界観重視の作品としてはやや引っかかりを覚えるとする意見もある。
    • ちなみに、とあるキャラクターがちょくちょく言葉の誤用をするが、それは誤訳などではなく、あくまで「キャラクターの個性付けのひとつ」なので、その直後にほかのキャラクターから言葉を正されている。

かなり頻繁なオートセーブ

  • 本作のセーブはオートセーブとなっており、プレイヤー側での任意のセーブは出来ない*24こともあってか、本作では非常に頻繁にオートセーブが入る。
    • HDDを使用しているハードならばともかく、特にPSV版の場合はプレイのためにメモリーカードが必須で、当然オートセーブが挟まれる度にメモリーカードのアクセス及び書き換えが発生する。
      • もちろんプレイスタイルによる部分もあるにはあるが、どうしても他の作品以上にメモリーカードへのダメージを懸念せざるを得ない部分がある。PSV版でのプレイを考えている場合はこの点を念頭に置いておいたほうがいいだろう。

アプリケーションエラーによるセーブデータ破損(PS4版のみ)

  • 環境次第でフリーズを起こすというのはほかの機種でも多少はあるようだが、このセーブデータ破損はほかの機種では話題にすらなっておらず、完全にPS4版固有の問題といって差し支えがない状態となっている。
  • 本作では前述の通り、特定地点に到達するなどの条件でオートセーブされる仕様になっているのだが、PS4版はアプリケーションエラーを起こして強制終了されることが他の機種に比べ、目に見えて多く、これがタイミング悪くセーブ中に重なることでセーブデータが破損してしまう、というもの。
    • 更に、PlayStation Plusに加入していた場合、現行バージョンのファームウェアではログアウト時に自動で破損データをオンラインストレージにアップロードしてしまうため、オンラインストレージのバックアップ用データまで破損データで上書きされてしまう。
      • 従って、PS4版でプレイする場合は適当なタイミングでゲームを切り上げ、USBメモリに適宜セーブデータのバックアップを取る事を徹底しないと、終盤でこの被害にあって全てが水泡に帰してしまったプレイヤーも少なくない。
  • ほかの機種ではこのトラブルが発生していない以上、ソフト側以上にハード側の問題というウェイトが大きいと考えられる。
    • いずれにしても、早急にパッチなどの形でPS4版でも安心してプレイ出来るように環境を整えて欲しいところである。

総評

本作に関しては完全にストーリーやキャラクター、そして作品全体の雰囲気を楽しめるかどうかが鍵になっていると言える。
大筋ではよく練られた王道のファンタジー物語なのだが、所々でやはり消化不良感を覚えさせる描写不足の個所があるのは否定出来ない。
システム面では一定の水準には達しており、特筆すべきレベルの長所も無ければ同様に問題も無いが、人によっては微妙に不親切さや雑さを覚え得る可能性もあるのも否めない。
この辺のネガティブポイントが気になってしまってこの世界観を楽しむ段階に至れず、作品の評価が低くなってしまう可能性はある。

だが、グラフィックや音楽、そして個性豊かなキャラクター達が彩るどこか詩的で幻想的な雰囲気が合えば、一転してそれらの難点さえも文字通り「瑣末なこと」と気にならなくなるほどにゲームに没入出来る作り込みは見事の一言である。
元々低価格のソフトということもあり、「あまり期待せずに暇潰しのつもりで買ったが、すっかりこの作品にのめり込んでいた」といった感想も少なくない。

総じて月並な表現になるが、「古き良き時代のアクション要素を持ったRPG」であり、ボリュームという意味に限らない全体的な内容を見れば十分良心的と言える価格設定と、現行機種であればどのハードでもプレイ出来るというハードルの低さもあり、気軽にプレイ出来るゲームという点では十二分にオススメ出来る作品である。
体験版も配信されているので、是非一度試しにプレイをしてみて欲しい。
そうすればこの作品の世界観や雰囲気が自分に合うか否かも判断出来、また、ジャンルを問わず時折見かけられる「体験版部分は良かったが、その先で急激に失速する」ということはないので、体験版のプレイで本作の雰囲気が楽しめるならば、最後まで楽しめるはずである。


余談

難易度表記について

本作には「カジュアル」と「エキスパート」というふたつの難易度があるのは概要に記載した通りである。
しかし、これはアップデート適用後の表記であり、元々は「ノーマル」と「ハード」であった。

元々「ノーマル」は、これは度々の表記になるが、エンカウント回避をしすぎない限り、また、対処法さえ解れば普通にプレイして詰まることがない程度の難易度調整にされている。
逆に、「ハード」は敵の能力が大幅に強化されるため、エンカウント回避せずにレベル上げを徹底していても戦闘で詰まることも少なくない難易度になっている。

こういった内容もあり、特に「ノーマル」という難易度表記は適切ではないのでは、という意見がメーカーに多く届けられたようで、より表現として適切なものとして「ノーマル」を気軽にストーリーを楽しめる難易度として「カジュアル」とし、「ハード」は前述した通りでかなりの高難易度となることから、RPGに慣れたプレイヤーや高難易度を求めるプレイヤー向けの「エキスパート」とすることが発表され、バージョン1.02で実装された。

PS3/PS4パッケージ版について

パッケージ版と言ってもディスクが入っている訳ではなく、各種プロダクトコードとおまけの要素が入っているものなので、ソフト本体はいずれにしてもPlayStation Storeからダウンロードする必要がある。
ソフト本体とダウンロードコンテンツとして配信されている「ゴーレムの苦しみパック(税別300円)」と「闇のオーロラパック(税別200円)」がダウンロード出来るプロダクトコード、そして天野喜孝氏描き下ろしのポスター、設定資料などが収録されたアートブックが封入されている。

「ゴーレムの苦しみパック」はゴーレムを仲間に出来るイベントが追加され、更に特殊なオキュライひとつと数種類のオキュライの原石が手に入るパッケージである。
このコンテンツが無ければゴーレムを仲間にすることは出来ず、また、新たにパーティーに加わったキャラクターとパーティーメンバーの掛け合いが見られる会話イベントや、各種イベントにもゴーレムの台詞が追加されたりと他のキャラクター同様に作り込まれている。
少なくとも、ゴーレムを追加することによるデメリットはないので、パッケージ版を購入した人はもちろんのこと、ダウンロード版を購入した人も作品が気に入っているのならば十分に導入する価値があると言えるだろう。

「闇のオーロラパック」はオーロラ専用のスキン(ドレス)「タトゥースキン」と数種類のオキュライの原石、星屑数点がセットになったパッケージである。
ただし、ストーリー上でオーロラのドレスが入れ替わる場面があるが、スキンの入れ替えを行っていた場合はこれが無視されてそのシーン以降も設定したスキンがそのまま適用されてしまうので、スキンの入れ替えは2週目以降に行ったほうがいいかもしれない。

なお、スキンが収録されている「闇のオーロラパック」および「光のオーロラパック」を導入した場合、スキンの入れ替えはゲームプレイ中のオプションでは出来ず、タイトル画面にあるオプションでのみ行える*25ようになっている。
パッケージ版および別途DLCを購入したプレイヤーから「スキンの入れ替えが出来ない、入れ替え方が解らない」といった声も少なからず上がっているので、紹介ついでに参考として記載する。

話を戻すが、パッケージ版自体は定価で見れば、ダウンロード版でソフト本体と追加コンテンツをそれぞれ別に買うのと変わらないが、ポスターやアートブックに価値が見出せればその分お得*26なので、興味がある方はパッケージ版の購入も検討してみると良いだろう。

+ 参考:本作のダウンロードコンテンツ一覧
コンテンツ名
下段はSteam内の表記
内容 パッケージ版封入の有無 価格(単位は円)
※背景がライトブルーの部分以外は税別価格
PS3/PS4 PSV 各CSハード版 Windows版
PS3/PS4
PSV/XbOne
Xb360 Amazon Steam
ゴーレムの苦しみパック
The Golem's Plight Pack
「ゴーレム」を仲間に出来るイベント追加
限定オキュライ「エリンの石*27
オキュライの原石(サファイアx3、ルビーx3、エメラルドx3)
300 286 300 298
光のオーロラパック
Light Aurora Pack
オーロラ専用のスキン「風の王女」
オーロラのスキル「癒やしの光*28
オキュライの原石(サファイアx3、ルビーx2、エメラルド×3)
200 191 200 200
闇のオーロラパック
Dark Aurora Pack
オーロラ専用のスキン「タトゥースキン」
星屑(魔力x1、防御x1、魔法防御x1)
オキュライの原石(サファイアx3、ルビーx2、エメラルドx3)
200 191 200 200
オキュライの原石パック
Rough Oculi Pack
オキュライの原石(サファイアx2、ルビーx2、エメラルドx2、シトリンx1、トルマリンx1、アメジストx1) 100 96 100 100
磨かれたオキュライパック
Tumbled Oculi Pack
磨かれたオキュライ(サファイアx2、ルビーx2、エメラルドx2、シトリンx1、トルマリンx1、アメジストx1) 200 191 200 200
輝くオキュライパック
Faceted Oculi Pack
輝くオキュライ(サファイアx2、ルビーx2、エメラルドx2) 300 286 300 300
星屑パック
Stardust Pack
星屑(体力x2、魔力x2、力x2、守りx2、意志x2、精神x2、会心x1、回避x1、素早さx1) 300 286 300 300

PSV版について

PSV版は2014年7月31日に発売されている。
基本的には他機種版同様にダウンロード販売の形を取っているが、全てのダウンロードコンテンツを利用できるプロダクトコードが同梱されたパッケージ版としてスペシャルエディションが同時発売されており、こちらはソフト本体はVitaカードに収録されている。
本作用の全てのダウンロードコンテンツ(合計税別1,600円)とソフト本体(税別1,480円)をそれぞれバラバラに購入するよりもお得な価格設定(税別2,480円)となっており、また、ソフトがVitaカードに収録されているので、メモリーカードの容量を逼迫することもなく、また、ダウンロード版に抵抗がある人でも楽しめるようになっている。

Vitaを持ち出して外でプレイ出来る、タッチパネルの恩恵でイグニキュラスの操作がしやすいなどのメリットもあるのだが、時折処理落ち*29や音飛びなどが発生することがある。
文字も他の機種に比べると仕方ないとは言え、かなり小さく見づらくなってしまっており、せっかくのグラフィックも他機種版に比べてキャラクターの輪郭の線が異様に強調されていたりで違和感を覚える部分が否定出来ない。

表示周りや処理落ちといった部分以外で他機種版との差異やPSV版固有のバグと思われるものも存在している。
マップの構造そのものに変更はないが、ダンジョン「トゲの木」で他機種版では接触するとダメージを受けていた一部場所のダメージ判定がなくなっており、見た目は変わらないものの普通に歩けるようになっている場所が存在する。
バグと思われる部分としては、ダンジョン「忘れられた塔」にあるひと部屋において、他機種版には存在しない見えない壁に阻まれてその場所の先にいる敵シンボルに接触出来ず、戦闘に突入出来ない。
さらにはその敵シンボル自体が部屋の端にいるのに何故か延々とその先に進もうと壁に向けて歩き続けているという異様な光景が見られる。

なお、難易度表記が「ノーマル」と「ハード」表記であることから、バージョン1.02未適用の状態で発売されていると思われる。
また、上記概要に記載したが、PlayStation Vita TVに対応していない。
PS3等のタッチパネルがない機種版でも問題なくプレイ出来ることもあり、これは恐らくはそれぞれの機種ごとの棲み分けなど、販売戦略的なものが影響していると考えるのが自然だと思われる。
しかし、前述したように文字などがかなり見づらくなってしまっているため、そういう意味でもVita TVに対応していて欲しかったと思わずにはいられないところである。

少なくとも、現段階では先述のようなバグを疑う挙動こそ見られるが、PS4版のような致命的なレベルのバグは挙がっておらず、ゲームとして破綻していたりはしないが、他の機種を持っていない、ダウンロード版は絶対に買いたくない、外出先でプレイしたい等でない限り、あえてPSV版を選ぶ理由は薄いと言わざるを得ないだろう。

トロフィー・実績・Uplayについて

本作はトロフィー・実績に対応している。

製品情報の表に記載した通り、クロスバイに対応しているPS3/PS4版はそれぞれでトロフィーを獲得出来るが、どちらもブロンズが19個とシルバーが1個しかないので、トロフィー目的ではあまり旨味はないだろう。
また、PSV版もトロフィーに対応しており、その獲得条件・トロフィーのランクもPS3/PS4版と全く同じとなっているので、結果としてPS3/PS4/PSVの3機種でトロフィーを獲得することが出来ることになる。

Xbox360版の場合は全ての実績解除した場合は400ポイントを獲得出来るが、実績を解除するのにUplayに登録しないと使用出来ない機能(Uplay登録のフレンドへギフトを送る)を用いる必要がある実績が存在している。
Xbox One版は項目数・解除条件は変わらないものの、獲得ポイントが増加しており、すべての実績を解除することで1000ポイント獲得出来る。
Xbox360/Xbox One版の前述の実績を除いて、基本的にはストーリーを進めることでほとんどのトロフィーの獲得・実績の解除が可能になっている。

それぞれコンプリートの難易度は低いが、それ目的で内容度外視のプレイは正直勿体ない作品なので、出来ればその辺を意識しないで作品そのものを楽しんで欲しい所。

また、PSV版以外で対応しているUplayも同様にプレイ中に様々な条件を満たす(「アクション」の達成)とポイントを獲得出来、それを使用して様々な特典を受ける(「リワード」の獲得)ことが出来る。
作品の内容は同じだが、ポイントの獲得条件がそれぞれ異なっており*30、PS4/Xbox One/Windows版は多くの獲得条件と特典が用意されているが、それ以外のPS3/Xbox360/Wii U版は獲得条件も特典も乏しいものとなっている。
特典も基本的にはゲームの攻略を助けるアイテムで占められているが、PS4/Xbox One/Windows版には、PC等の壁紙にも使える本作の背景のアートワークの詰め合わせがダウンロード出来る特典3種類*31が、PS3版にはPS3用の本作の限定テーマがダウンロード出来る特典が用意されている。
なお、本作で獲得したUplayのポイントはほかのUplay対応ソフトの特典獲得にも使用出来、その逆でほかのUplay対応ソフトで獲得したポイントを本作の特典獲得に使用出来るようになっている。

上記作品情報にも記載しているが、Windows版ではセーブデータのクラウド同期の対応により、ゲーム終了時に自動でバックアップを取れるようになっており、何らかの理由で消えてしまったりしてもクラウドサーバーからダウンロード出来る。
もちろん、この機能を使用しないようにすることも出来、ローカルでのみセーブデータを保存、バックアップを取ることも可能となっている。

星屑バグについて

厳密にはバグと言うよりは、仕様の穴をついたテクニックとする方が近い。
本作では、『ドラゴンクエスト』シリーズに登場する「種」のようにキャラクターの能力を底上げするアイテムとして上で軽く触れた「星屑」が存在しており、これに関するテクニックである。

本作ではオートセーブを採用しているのは前述したが、そのタイミングは特定地点の到達のほかに、フィールド上で何らかのアイテムを使いきった、もしくはオキュライの合成を行った後でメニュー画面に戻った時、何らかのアイテムを入手した時などがある。

これを踏まえたものとなるが、本作を難易度「カジュアル」でプレイする上では余程エンカウント回避をしすぎたり、アイテムなどを縛りで使わないなどの制限プレイをしない限りはこのテクニックに頼る必要は無く、むしろ、やりすぎてしまうとゲームバランスが完全に崩壊し、プレイがただの作業となってしまい、最悪それに引き摺られて作品そのものが楽しめなくなる危険もある。

+ 星屑バグについて。クリックで展開。

これを行う時は最低でも2個以上ある星屑が必要になる。

各種星屑をそれぞれ 1個だけ残すようにして 使い、その後、 オートセーブが挟まれる前に 戦闘で全滅するか、フィールド上のトラップによってHPを0にするかでゲームオーバーになる。
そうすると、ゲームオーバーになったマップから再スタートするのだが、そうすると能力値は星屑使用後のままながら、星屑の所持数は最後にセーブされた状態に戻るので、これを繰り返すことで、実質的に星屑を減らすことなく、能力だけを底上げ出来るというもの。

当然ながら、使用後にオートセーブが挟まれてしまうと、星屑の減少が確定してしまうので、このテクニックを行う際は操作ミスに対する注意と場所を良く選ぶ必要があるが、それなりの数が貯まっていれば、そんなに長い時間を掛けずに強力なキャラクターが簡単に作れてしまう。

あまりやりすぎると、ラスボスの攻撃でさえも蚊が刺したほどにすら感じず、適当に攻撃を振っているだけで敵が殲滅出来るという状態になり、繰り返しになるが、プレイがただの作業になってしまうので、作品を楽しみたいのであれば、このテクニックには手を出さないことをオススメしておく。