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アズールレーン クロスウェーブ - (2020/01/11 (土) 18:55:45) の編集履歴(バックアップ)


アズールレーン クロスウェーブ

【あずーるれーん くろすうぇーぶ】

ジャンル RPG
通常版

限定版
対応機種 プレイステーション4
発売元 コンパイルハート
開発元 FELISTELLA
コンパイルハート
発売日 2019年8月29日
定価 通常版:8,424円 / 限定版:13,824円 / ダウンロード版:7,560円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:C(15歳以上対象)
セーブデータ 100個
判定 なし
ポイント 初心者歓迎のキャラゲー
良くも悪くもシンプルな構成でRPGとしては物足りない
原作ファンからの評価も二分


概要

2017年から日本でも配信されている中国産スマホアプリ『アズールレーン』を原作とした新規RPG。
公式の略称は「アズレンCW」。内容は、アプリ版の構成を意識しつつもゲームとしては全く別物になっている。

原作アプリの運営・開発元である各社は監修とバックアップで参加するに留まり、本作の主な開発は、過去に『超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth1』を手掛けたFELISTELLAとコンパイルハートのタッグで行なわれた。
両社は本作以前に原作アプリでも「ネプテューヌ」のゲスト登場という期間限定コラボをしていた間柄である。
エンジンとしては「アンリアルエンジン」が採用され、同社開発の他作品とも比べてもグラフィックが綺麗になっている。

原作と同じキャラが60人ほど登場して、声を演じるキャストも原作アプリから続投しており会話イベントも多いので、「キャラゲー」感は非常に強い。
原作アプリは2Dのみの横スクロールシューティングRPGだったが、本作ではメインキャラについては3Dモデル化されているのが目を引く特徴の一つ。
ただし、ゲーム内で3Dモデルが活用されている箇所は少ない。


ストーリーと主なシステムについて

  • 原作アプリとは特に関係の無い、「パラレルワールド」を舞台にしたストーリー。作中でも明言されている。
    • 例えるならば、世間でよくある「TVアニメの劇場版」に近い(登場人物は同じなのに設定に微妙な差異があったり、原作の展開とは時系列が合わなかったりするあの構成)。
      • 現在の原作アプリのストーリーとTVアニメ版や外伝小説、そのどれとも連動しておらず、あくまで独立している。
      • せいぜいファンサービスとして、原作アプリ中で本作の小ネタが言及される程度の繋がり。
  • 原作は「メンタルキューブ」という重要アイテムで新規ヒロインキャラを生成していくという仕組みなのだが(いわゆるガチャ)、本作では、そのメンタルキューブ自体が登場しない。
  • 各ヒロインは最初からこの世界に存在しており、ゲーム内で手に入るポイントを使ってスカウトする仕組み(という世界観)へと変わっている。
    • 一応原作でも、期間限定イベントの目玉キャラはポイントで交換可能になっており、それを今回は全キャラに適応した形だとも言える。
  • 主人公は2名存在し(島風&駿河)、どちらも本作が初出のオリジナルキャラ。
    • 扇情的な服装でポジティブ脳筋の島風や、口数の少ないクール美人と見せかけて心の声がうるさい残念な人の駿河と、既存のキャラに負けない強烈な個性を持っている。
      • 2019年12月に原作アプリにて駿河が期間限定イベントでガチャキャラとして登場。本作に因んだセリフも喋るが、先述の通り、本作とは時系列などが合わないストーリーになっている。
  • 主なゲームモードは、「ストーリーモード」・「エクストリームバトルモード」・「フォトモード」の3つ。最初から遊べるのはストーリーモードのみ。
    • ストーリー:2DのワールドMAPを移動し、主に発生するフルボイスの2D会話イベントを読み、たまに発生する「バトル」に勝利して先へ進んでいく。全8章。
    • エクストリームバトル:「バトル」のみを延々と行う。敵は100チーム以上。1章クリア後にメニューで解禁。
    • フォト:敵が出てこないフリーステージで、最大3人のプレイアブル3Dキャラを並べてポーズをとらせてそれを撮影(シェア)するモード。1章クリア後にメニューで解禁。
  • ほか、サブストーリー集を見ることのできる「エピソードモード」、これまでの記録や既読イベントをプレビューできる「ギャラリーモード」も存在する。
  • エンディングがあるのはストーリーモードのみだが、エクストリームバトルモードで終盤まで勝ち抜かないと追加されない会話イベントがあり、そちらが内容的にも実質の別エンディング。


バトルについて

  • 3Dキャラを使ったTPS形式。セミオートである原作と違い、射撃は任意操作。強制スクロールでもない。
    • たまに勝利条件が異なるものもあるが、敵を全滅させるだけでクリアになるものが9割を占める。
      • 適正レベルなら、2分程度でクリアできる。しかしプレイヤー側の育成が足りずに低レベルだったり装備の編成が甘いと長期戦になる。
  • プレイヤー側は、最大で [プレイアブル3人+支援専任3人]で戦闘する。 敵側も同人数内で構成されたチーム戦の体裁になっている。
    • ただし敵側のみ、ザコキャラも従えている。しかも小型のザコキャラ(人型ではないボートや戦闘機)は決着まで無限に発生する。
      • ザコキャラを倒すと回復アイテムを落としてくれることがあるので、敵の方が数で上回るといっても不利な点ばかりでは無い。
  • キャラの「艦種」(職業のようなもの)により多少は操作性に違いがあるが、ほぼ共通で以下のアクションが可能。
    • 射撃1
    • 射撃2(魚雷or副砲)
    • 回避(高速ダッシュorバリア)
    • スキル(バフや特殊攻撃)
    • ロックオン攻撃(広域攻撃)
    • 控えのプレイアブルキャラと交代
      • 残念ながら近接攻撃は存在しない。これは原作アプリも同様。
  • スキルとロックオン攻撃は時間経過によりゲージが溜まり、満タンになると使用可能。敵側も使ってくる。
    • 操作キャラのものだけでなく、裏で控えのゲージも溜まる仕様であるため、使用できる頃には他の2人も使用可能になっており交代を駆使すれば三連発が可能。
  • ゲーム中には無数の装備品が手に入り、出撃前には編成でき、射撃や性能のテコ入れができる。
    • 経験値によるレベルアップ、装備品やスキルの強化も行えるため、特定のキャラを限界まで育て上げるにはそこそこ時間がかかる。
  • オプションでバトルの難易度を変更可能。といっても敵の体力と攻撃力くらいしか変化しない。
    • ただしその倍率が半端なく、イージーだと負ける方が難しいほど、ハードだと敵の攻撃を一発食らうとほぼ即死となるほど上昇する。
    • あまりに弱いと敵から一撃で倒されてしまうが、プレイヤーが強くなりすぎるとその逆になる。
      • 極まってくるとステージによっては10秒とかからず決着する。
      • また難易度問わず、「円周移動」という敵を封殺できるテクニックが存在し、これは悪評に直結している。詳しくは問題点の項で後述。

艦種について

  • プレイアブルキャラごとにステータスとスキルが異なる。ただし操作形態と大まかな特徴は艦種に準じている。
+ プレイアブル29人の内訳
  • 駆逐艦:耐久と主砲の威力が心もとないが、スピードと雷撃(魚雷の攻撃力)がずば抜けている。
    • 島風(CV:早見沙織)
    • 綾波(CV:大地葉)
    • 雪風(CV:優木かな)
    • ジャベリン(CV:山根希美)
    • ラフィー(CV:長縄まりあ)
    • Z23(CV:阿部里果)

  • 軽巡洋艦:オールマイティなタイプ。原作では強さの割に「燃料」の消費が少ないという長所もあったが、本作には無いのでやや立場が悪い。
    • エイジャックス(CV:中条智世)
    • ベルファスト(CV:堀江由衣)
    • クリーブランド(CV:堀籠沙耶)
    • セントルイス(CV:日笠陽子)
    • 平海(CV:久野美咲)
    • ネプテューヌ(CV:田中理恵)

  • 重巡洋艦:耐久も火力も高いのにダッシュが可能でロックオン攻撃のチャージが早いという強豪。原作から冗談のように強化された。
    • 愛宕(CV:茅野愛衣)
    • 高雄(CV:加隈亜衣)
    • ポートランド(CV:吉岡香織)
    • プリンツ・オイゲン(CV:佐倉綾音)

  • 戦艦:原作と違いプレイアブルになった。最高級の耐久と火力を誇るが移動が遅く、ダッシュもできない。その代わりバリアを張れる。
    • 駿河(CV:遠藤綾)
    • 長門(CV:久野美咲)
    • 金剛(CV:斎藤千和)
    • フッド(CV:田中敦子)
    • ビスマルク(CV:福原綾香)

  • 空母:原作と違いプレイアブルになった。射撃が行えず、その代わりに航空機を発艦させて戦う。航空機の爆撃は強力だが攻撃命中までかなりのタイムラグがある。
    • 赤城(CV:中原麻衣)
    • 加賀(CV:茅野愛衣)
    • イラストリアス(CV:雨宮天)
    • ユニコーン(CV:加隈亜衣)
    • エンタープライズ(CV:石川由依)
    • サラトガ(CV:上坂すみれ)
    • ロング・アイランド(CV:吉田幸代)

  • 航空戦艦:航空機攻撃も行える戦艦。該当は1キャラのみ。
    • 山城(CV:小清水亜美)
  • 上記以外のキャラは支援専任であり、3Dモデルが無いため直接の操作はできない。
    • 編成することによりオートでスキルでの援護を行ってくれるほか、経験値でレベルアップもする。
      • 編成画面で、支援専任キャラを差し置いて、プレイアブルキャラを支援役に回すこともできる。


評価点

  • ストーリーモードのエンディングまで、面倒な寄り道要素、時間稼ぎ要素が無い。
    • RPGと銘打ってはいるものの、必須のお使いクエストや、嫌らしい構造のダンジョン…といったものが無いため、とても気楽にプレイできる。
    • 難易度をイージーにしても何のペナルティも無く、ハードでしか解禁できない隠し要素もトロフィーも無い。さらに難易度の切り替えは途中でも行える。
      • 今日日、エンディングまで進めるのがここまで簡単なゲームはそうそう無いだろう。
      • クリアする気になればすぐに最後まで進められる一方で、ハードでじっくりプレイすることもできる。
  • 「演習」をテーマにした、クセの無い、スポ根のようなオリジナルストーリー。
    • 新主人公2人がオリジナル世界観で活躍するという、一見すると原作ファンから顰蹙を買うような構成でありながら、むしろその原作ファンからの評価が高めとなっている。
    • 世界観こそ違えど、熱血漢のキャラは熱血漢のままとキャラブレをしておらず、逆に欠点のあるキャラはその欠点が解消されたり、性格が良くなった理由が推測できる。また特定のキャラにヘイトを集めたりしない。
      • 出番にもなるべく格差が生じないようにされており、本作を評価するファンは専らストーリー周りを推しているほど。
      • 原作アプリでは隔週でイベント(ストーリー)が更新されているものの、時系列やシチュエーションが毎度飛び飛びなため、一本纏まって初めから終わりまで遊べるのも本作が初なのであった。これも評価に繋がっている。
      • 原作アプリ版のシナリオは未完かつ今も伏線が張られ続けており、難解なストーリーになりつつある。
      • 本作だと原作の独自用語もほとんど出てこず、終始王道な展開で、新規ファンでも特に問題無くプレイできる。
  • 60名以上の登場人物が居て、なおかつフルボイスを実現していること。
    • コンパイルハートのタイトルはボイスの多さがウリの一つであるが、サブストーリーにまで全てボイスが付いているのは異例。
      • 原作アプリではストーリーパート(会話イベント)には2020年現在も全くボイスが入っていないため、なおのこと歓迎されている。
  • 会話イベントとバトル用のものだけでなく、メニュー用のボイスも充実している。
    • メニュー画面のナビゲーターとして好きなキャラを起用できるという、原作からの要素がある。
      • ボイスは原作のものを流用せずに、一新もしくは再録が行なわれている。原作との違いを楽しむのも一興。
  • 会話イベント中の一枚絵に、原作に縁のあるイラストレーターも起用されている。
    • 原作アプリに絵を寄稿した、てつぶた氏と雫綺一生氏の絵も登場する。
  • ギャラリーモードや脇を支えるシステムが充実。
    • 本筋のモードでは無いものの、ゲームの利便性を高めている。
    • 会話イベントのほうにもバックログとオート読み進め機能があり、一般的なADVゲームと同等。
      • ドロップアイテムの逆引きなど収集要素にも補助機能がある。
  • あらゆる場面でロードが非常に早い。
    • 長いロードがゲーム内に無く、リトライも素早く快適にプレイできる。
  • 原作アプリの雰囲気が良く再現されている。
    • ゲーム性こそ大きく違うものの、立ち絵は原作アプリからの流用で、一部BGM・デザインの雰囲気も似せてあるため、「タイトルだけ冠した別物」といった違和感が少ない。
      • 原作アプリにはない表情差分も追加されている。
    • アイテムや装備品の名称も大半が原作準拠となっている。
    • 原作のBGMも3曲ほどそのまま流用されている。また、原作アプリに本作のBGMが幾つか逆輸入もされた。
      • 本作用の新BGMは、杉浦勇紀氏とコンパイルハートの金子憲次氏が手がけている。
  • プレイブアルキャラの3Dモデル化により、各キャラに背面デザイン、スカートの中身が用意された。
    • 本件は原作アプリファンに限定した要素となってしまうが、もともと正面向きの立ち絵しか無かった原作キャラたちが3D化されたことで、多方面から楽しめるようになった。
    • また昨今の規制に逆らい、皆堂々とパンチラする、できる。発売直後は下着のスクショで界隈が賑わった。さらにはキャラクター毎に下着のデザインが違うという妙な力の入れ具合も。
      • 限定版の設定資料集で三面図など設定画も収録されている。

賛否両論点

  • バトルのほうがオマケとなっているゲーム構成。一方で、終盤はバトルばかりになる。
    • 原作アプリからしてそうだったのだが、一戦が2分程度で終了する。気軽にプレイできる点も同様。
    • 一方で、ストーリーモードの序盤はバトルも少なく、1時間プレイすれば、「そのうち8割強は会話イベントを眺めている時間」となる。
    • 会話イベントに興味が無いというプレイヤーにとっては、とても淡白な構成に見えてしまう。
    • 本件は、発売前に公開されたプレイムービーで分かるようになっていたためか、発売後大きな混乱にはならなかった。
      • ストーリーモードを終えてしまうと、フォトモードで遊ぶ以外は、バトルのみのエクストリームバトルモードと、ショートストーリー集のエピソードモードが残るのみ。今度は会話イベントが希薄になる。
      • 一応、ストーリーモードとエクストリームバトルモードは並行してプレイできるようにもなっているが、後者のほうがボリューム過多なため釣り合いがとれていない。
  • ボリュームに欠けるメインシナリオ
    • シナリオそのものは評価されているが、王道重視のシナリオかつ、そこまで尺も無いので他のRPGに比べて構成やボリューム面では地味に映る。
    • そもそも原作のストーリーと全く違い連動もしていないため、最後までプレイしても原作アプリのキャラを覚えることにしか活かせないのが残念。
  • バトル中の駆け引きに乏しい。
    • 敵のスキルをプレイヤー側のスキルで打ち消したりといったことはできず、敵も味方もスーパーアーマーが常備されているのでバトルは大味になりがち。
      • 先述のスキルの三連発動もそれに拍車をかけている。
    • 原作でもそうだがレベルと装備品に依存したステータスアップが強烈なので、しっかり編成を整えていれば、ろくに避けなくても体力勝ちできる。TPSの腕前はさほど必要無い。
      • 原作と違い、バトル中に制限時間が設けられていないので、とてつもなく弱い状態でも腕と時間をかければ勝利できるようになった。
      • 「海戦用軍艦の擬人化」というジャンルの都合上、フィールドは終始障害物のない海上のみ。レベルアップで新しい技を習得したりすることもないのも、単調さに拍車がかかっている。
  • バトルだけでなく、MAPでのシステムも原作と大きく異なる(難易度もゲーム性も下がった)。
    • 原作ではMAPクリアになるまで、1ステージごとに減った体力は次のステージにも受け継ぐという仕様だったが、本作では撤廃された。
      • 大幅に遊びやすくなった一方でゲーム性としては低くなったと言える。さらに難易度をイージーにするともはや編成の吟味さえ不要になるほどで、任意とはいえやり過ぎなほどの低難易度化である。
  • プレイヤーの分身「指揮官」が、原作と違いメニュー画面と一部イベントでしか存在していない。
    • 原作のストーリーにおいては重要な存在であるため、あえて指揮官が排除されたストーリー構成については一部で不満が挙がっている。
      • その一方で、指揮官が存在しない事により、原作では描写が少なめだったキャラ同士の関係が掘り下げられている。
  • 原作アプリと違い、課金要素(DLC)に乏しい。
    • 原作だとヒロイン用に無数の衣装(別バージョン絵&ボイス)が販売されているが、衣装変更機能自体が本作には存在しない。
    • 本作では、有料の最強武器販売とレベルアップ用の装備が有料販売されている程度。先述の通りデフォルトで難易度変更ができるため、クリアするだけなら課金は必要ない。
      • 課金要素はそれ自体が賛否の的となる事があるが、今作はキャラゲーの趣きが強い以上この仕様には疑問の声もある。
      • 後に、複数の追加キャラ&追加ストーリーのDLCが実装されると2019年9月に予告された。その続報は公開され続けているものの、2020年1月現在も配信されていない。
  • 本作はオフラインプレイのみ。
    • バトルがCPUとのチーム戦のTPS形式なので、対戦要素が無いのが残念がられている。オフラインでの2人プレイも無い。
      • ただし原作でも、各プレイヤーが登録したデータに準拠したNPC同士が戦うという擬似的な対人戦がある程度で、原作ファンからも問題視されるほどではない。

問題点、不満点

  • 3Dモデルが活かしきれていないゲーム構成。
    • メインとなるストーリーモードのほとんどは会話イベントで占められ、そちらは完全に2Dのみの構成。
    • さらにメニューや装備画面でも3Dモデルには一切出番が無い。
      • バトルと、おまけのフォトモードでしか3Dモデルは登場せず、前者については一戦が2分ほどで片がつく構成のためすぐ終わるも同然である。
  • 全キャラに3Dモデルが用意されているわけではない。
    • 全66人の登場人物の中、3Dモデルがあるのは31人に留まっている。他キャラはバトルにおいてはカットインでの援護のみの役割(ストーリーでの出番はある)。
    • 3Dモデルの無いキャラはフォトモードにも登場させられないので不公平である。
      • 66人居るといっても、原作では既にヒロイン数が300人を超えており、一部の原作ファン(特に自身の「嫁」が出場してもいないという境遇のファン)からはキャラの選別についても酷評されている。
      • 劇中で名前だけ言及されるキャラはそれなりに居り、「ゲームに登場していないが、この世界のどこかに存在している」というフォローくらいは行われている。
  • そもそも登場キャラの選出も偏っている。
    • 原作アプリに登場する陣営(国家)のうち、日本モチーフの「重桜」を舞台にしたストーリーとなっている。
    • そのため重桜のキャラが多数登場している一方で、ドイツをモチーフにした「鉄血」のキャラ数は少なく、支援専任を含めても5人に留まっている。
      • 更に言うと東煌についてはプレイアブルと支援で2人、北方連合については1人もいない*1。他にも陣営はあるがこちらは登場が本作の販売以降の登場なので仕方なかったと思われる。
  • またその重桜内でも偏りがある。原作で出番が多めの蒼龍はプレイアブルになれず、主人公的なシナリオがある翔鶴と瑞鶴五航戦に至っては双方未登場。
  • ストーリーモードの構成がシンプルすぎる。
    • MAP上で、会話イベントもしくはバトルしか発生しない。ダンジョンはともかくとして街なども存在しない。
      • 原作も同様だとはいえ、PS4のRPGとして考えると単調。
      • ボイス数は膨大なものの、前述のように足止め要素が無いため、会話イベントを速読すれば10時間以内にあっさりエンディングまで到達できる。
  • 会話イベントは、いわゆる「紙芝居」形式。
    • 声優の熱演で幾らか紛れてはいるが、2Dオンリーの構成でアニメなども入らないため地味な印象は拭えない。ゲームの大部分を占めているのに演出全般が少ないなのが勿体無いところである。
      • また、ストーリー的にもゲーム的にも、選択肢など一切登場しないため完全一本道構成。ゲームとして「やり直す」機会や必然性に恵まれない。
    • いずれも読み終えたらそれっきりの扱いで、ストーリーモード自体が再読(再プレイ)する必要性も全く無い。気に入ったイベントを自主的に読み返す程度。
      • せいぜい経験値稼ぎやアイテム収集目当てで再戦するくらいであるが、難易度をイージーにすればその必要性もほぼ無くなってしまう。
  • 敵チームと同じキャラは使用できない(同キャラ戦は不可能)という仕様が厄介。
    • 敵チームと使用キャラが被った場合は、必ずプレイヤーの方がメンバーチェンジをしないといけない。
      • 様々なキャラをスカウトしていないとフルメンバーで戦えない可能性がある。それ以上に、単純に編成が面倒。
      • ちなみに原作とはキャラクターの設定が異なるため、原作では同キャラ戦が普通に可能。
  • プレイアブルキャラの差別化がいまひとつ。
    • 艦種による差こそあれど、同じ艦種のキャラごとの使い勝手は微々たる差しかない。
      • 1キャラあたりのモーション数もかなり少なめ。
    • 原作ではスキルの発動トリガーや効果にバリエーションがあり差別化ができていたのだが、今作は時間による自動発動、常時発動、ゲージ溜まったあとに手動発動、の3パターンが殆どを占める。
      • 内容も「バフのみor弾幕を発生させバフorシールドを付与」と大きく代わり映えはしない。
  • バトル中に処理落ちが発生することがある。
    • 至近距離で弾幕をヒットさせたり、大技同士が噛みあったり、スキルを最高レベルにして航空機を飛ばしまくったりしていると発生しやすい。
  • バトルでは、敵AIが貧弱な一方、レーダー等のアシスト機能が無い。
    • 敵のエイム精度がいいかげんであり、敵を中心にとらえプレイヤーが円周移動していると、それだけでその敵の攻撃を全て楽々と避けられこちらからは攻撃し放題。
    • 本件に気付くのは容易かつ実行も簡単にでき、バトルの駆け引きさがほとんど無くなってしまうほど、その効果が高い。
      • 一応ザコに妨害されて事故ることもあるが、そのほうが稀。一方で、この円周移動テクニックを行わないと、レーダー機能など無いのが祟り、敵弾を避けるのが急に難しくなる。
      • 敵と尋常に戦うには、プレイヤー側が円周移動を自重し、勘を働かせて戦う必要がある。
  • オートセーブ機能が無い。
    • 手動セーブが無くて困るようなタイトルは世間に数あれど、2019年のタイトルでオートセーブが無いのは不便。
      • 長時間セーブをせずにプレイし、エラー落ちして泣きを見るプレイヤーが続出した。
  • ストーリーモードの終盤限定で、一定条件下で進行不能になる不具合が存在した。
    • また、ラスボス手前に登場する最終兵器ポジションの敵の体力が異常に高かった。
      • 現在はどちらもアップデートで修正済み。

総評

発表当初はキャラの3D化を推されていたものの、発売後は専ら独自の世界観と膨大な会話イベントに注目が集まった。
会話イベント偏重の度合いはコンパイルハートのタイトルとしても随一であり、客観的に見てもかなり歪な構成であり人を選ぶのが特徴。

メインとなる会話イベントを「推しキャラが登場している」などの理由で気に入り、遊びやすさに感じ入ったプレイヤーからは絶賛される一方で、
バトルがゲーム内でメインとは言い難く、2D会話イベントばかりの構成について酷評する声も非常に大きい。
ともすれば、原作アプリよりも会話イベントとバトルのバランスは崩れており、ストーリーもシステムも原作と別物だが、キャラは同じなため原作の雰囲気も不思議と多く持っている。
購入する場合は公式サイトのムービーを見つつ決めるといいだろう。


余談

  • 敵キャラである「ピュリファイアー」と「オブザーバー」には、アズールレーンのTVアニメに先駆けて、本作で初めて声がついた。
    • TVアニメでのキャストも高野麻里佳氏と豊田萌絵氏の両名が続投している。
  • 本作の後に放映されたアズールレーンのTVアニメの戦闘描写では、原作アプリはおろか本作でも行えない近接攻撃やジャンプ移動、化け物の召喚まで行ったので物議を醸した。
  • 発売前にSNS上で、画面構成やスピード感から「水上版の『アーマード・コア』のようだ」と言われることがあった。
    • それがいつしか「アーマード・コアのスタッフが関わっている」とまで言われ出したが、本作の公式側からそのような言及は無い
      • 本作のスタッフロールを参照してもそれらしき人物やアドバイザーは掲載されていない。
  • SNSではファンから多彩な呼び方をされており略称が安定しない。検索の際は注意。
    • アズールレーンCW、クロスウェーブ、アズレンクロス、アズレンクロスウェーブ、PS4アズレンなどなど。
  • 多くのタイトルではネタバレ禁止や権利問題などでゲーム中にシェア制限がかかるケースがあるが、本作には全く無い。それどころか公式でシェアを推奨している。
    • ゲーム全編を録画した動画もユーザーによってアップロードされている。
  • 2020年2月に本作のSteam版が配信予定と公式で発表された。日本語にも対応するとのこと。