超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth1
【ちょうじじげんげいむ ねぷてゅーぬりばーすわん】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション・ヴィータ Windows 7~ (Steam) Nintendo Switch
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発売元
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【PSV/Switch】コンパイルハート 【Win】アイディアファクトリー
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開発元
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コンパイルハート FELISTELLA
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発売日
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【PSV】2013年10月31日 【Win】2015年1月28日 【廉価PSV/日本Win】2016年8月25日 【Switch】2024年5月23日
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定価
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【PSV】6,090円/限定版:8,190円/DL版:5,300円 【Switch】5,280円
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廉価版
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【PSV】パッケージ版:4,104円/DL版:3,780円 【Win】3,200円(全て税込)
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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良作
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バカゲー
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ポイント
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新規ファンの獲得に成功した無印のリメイク 明るくなったシナリオと良好なゲームシステム
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ネプテューヌシリーズ
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概要
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2010年8月発売の『超次元ゲイム ネプテューヌ』を、『神次元ゲイム ネプテューヌV』をベースに設定レベルから再構成したリメイク作品。
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『サモンナイト5』や『アガレスト戦記 Mariage』を手掛けたFELISTELLAとの共同開発。キャッチコピーは「ネプテューヌ、再起動」。
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当初は単なる移植作品としてリリースされる予定だったが、『V』のシステムで無印を遊びたいというユーザーからの熱い要望によりリメイクされる事になった。
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無印にはクレジットされていた「セガ」の表記は続編と同様に存在していない。
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不評だった要素が廃止あるいは改善されている他、メーカーキャラの総入れ替えや女神候補生のゲスト参戦等、多数の追加・変更点がある。
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以後、『超次元ゲイム ネプテューヌ』『超次元ゲイム ネプテューヌmk2』『神次元ゲイム ネプテューヌV』をそれぞれ無印・mk2・Vとする。
ストーリー
ゲイムギョウ界。
それは、四人の女神たちによって守護されている異世界の一つ。
後に守護女神戦争と呼ばれる、世界の覇権をかけた争いを繰り広げる4人の女神たちだったが、
人々の住む下界はマジェコンヌの陰謀によりモンスターで溢れかえっていた。
そんな争いの最中、女神の1人ネプテューヌは他の女神たちに敗れ
天界から下界に落とされ、記憶を失ってしまう。
ネプテューヌは下界で出会ったコンパやアイエフ、
そして、史書イストワールと名乗る謎の声に導かれ、
下界の4つの大陸を巡る冒険の旅に出るのだった。
(超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth1 公式サイトより引用)
特徴・追加点・変更点
シナリオ・キャラクター
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ネプテューヌを始めとした4女神の性格が『mk2』以降に歩み寄った穏やかなものになった。
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ネプテューヌとノワールの友情シーンを始めとする各女神の完全和解等、無印からすれば大筋が同じなだけでほぼ別物と言っていいほどの改良が加えられている。
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この穏やかな雰囲気はプレイヤーから望まれていた、というのもあるだろう。作品内でも「やっぱり女神たちは仲が良いのが一番」と言われている。
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戦闘関連も含め、キャラの性格はやはり後作を基準としている。
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これと同時にネプテューヌ以外の3女神の加入タイミングが大幅に前倒しになった。
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女神3人は無印、更にはシリーズ2作目の『mk2』でも隠し(条件付き)キャラ扱いされていた事が非常に不評だったため、ファンから諸手を上げて歓迎された。
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もちろん無印にはなかった描写も追加。特定キャラクターを救済する心温まる内容もあり、ファンからの評価は高い。
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『V』のパープルハートのプロセッサユニットである「ロストパープル」が逆輸入され意外な形で活用されている。入手以降はパープルハートの立ち絵の胸が明らかに大きくなるのに合わせて、ロストパープルを装備すると3Dモデルの胸も大きくなるという謎の拘り。
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ネプテューヌが冷遇されていない。
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本シリーズはネプテューヌが主人公として扱われている作品でも、わざと彼女を冷遇する傾向が異常に強かった。
しかし本作では(性能はさておいても)ネプテューヌが主人公として、最初から最後まで真っ当に活躍している。
本人の「主人公オブ主人公」というセリフが自虐になっていない貴重な作品である。
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『mk2』以降同様にベール・ノワール・ブランの3人の名前が固定され、また4女神とアイエフの戦闘スタイルも『mk2』以降の仕様になった。
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メーカーキャラは総入れ替え。日本一・がすと・RED・5pb.の4人が外され、代わりに『V』のDLCキャラが正式に起用。
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ファルコム(少女ver)・サイバーコネクトツー・MAGES.・マーベラスAQL・ブロッコリー・鉄拳の6人。
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本編でプレイヤーキャラとして加入し、それぞれに出番も多少用意されている。
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本編に絡まないゲストキャラとして、『mk2』初出の女神候補生4人が終盤以降に解禁可能になる。
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本作のDLCとしてキーキャラクターのイストワール、Vからプルルート・ピーシェもパーティーに加入する。
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『V』ではネプギアの分しか作成されていなかった立ち絵が、同作品のDLCの流用ではあるものの全員分用意されている。
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キャラ設定・シナリオの変更に合わせ、イベントやイベントCGも追加。
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サブキャラの顔グラフィックが追加された。
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その内ガナッシュとフィナンシェはコミカライズ作品「めがみつうしん」からの逆輸入であり、同じく無印のイヴォワールやシアンなどは今作オリジナルとなる。
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ED数が3つから2に減り、その内容も大きく変化している。
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3つ目のED条件が「女神3人のうち1~2人だけ加入させてクリア」だったため、女神全員が必ず加入する本作では削除已む無しと判断したのだろう。
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詳細 ※ネタバレ含む
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マジェコンヌの設定が先代守護女神から「四英雄の元協力者」に変更され、更に元ネタになぞらえて「他人の姿・力をコピーできる」というアニメ版の設定が逆輸入された。
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これにより、女神誕生の経緯・マジェコンヌが彼女達を争わせる理由・イストワールの出生等もまた変更されている。
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またトゥルーエンドでは悪女から元に戻ったマジェコンヌも登場し、プレイヤーを驚かせた。
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無印では「他国の女神を信仰することは重罪で、その罪を犯す人間は異教徒扱いされる」という設定があったが、今作には引き継がれていない。
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ただし、ブランからベールに鞍替えする「巨乳好きの兄弟」、ラステイションからリーンボックスに移っていた「らんらん」など、その名残が垣間見える要素はある。
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ゲームシステム
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リメイクシステム
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『V』の「アイテム開発」と「見聞者」のシステムをより遊び易く改良したもの。
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「仕様書」と呼ばれるアイテムを入手後に対応した素材を消費し、販売アイテムやダンジョンの追加・ゲーム仕様変更オプションの解禁を行うことができる。
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ゲーム仕様変更には、状態異常発生率低下・常時シンボルアタック成功扱い・逃走率100%・経験値増加・敵を弱く/強くする等、大元の仕様そのものに影響する強力なものもある。
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仕様書はダンジョン探索やみんつぶで入手でき、実装にはアイテムだけでなくMB(メガミバイト)を消費する。
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MBはシナリオの進行によりアイテム「容量アップ」を入手するという形で増加するが、一度消費したMBは取り戻せない。どの仕様書をいつ実装するかよく考える必要がある。
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とはいえ一度実装した仕様書は次周において無条件で引き継がれるため、周回毎に得られるMBは全て仕様書の新規実装に使う事ができる。
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女神ブログ
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ネプテューヌ以外の女神が開設しているブログ。無印ではビデオメッセージのような感じだったが、今作では普通のブログ形式となっている。
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本作でネプテューヌが「トゥウィッターでやれ的な」とネタにしているように、無印では一行で終わってしまうような愚痴等も書かれていたが、今作では大陸の紹介等大まかな部分しか書かれず更新頻度もかなり少なくなった。
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その他
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仕事斡旋組織の「ギルド」から様々なクエストミッションを請け負える。「異教徒の集まり」という無印の設定はなくなった。
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戦闘システムが『V』仕様になり、十字キーによるキャラ回転・画面タッチによるターゲット選択が可能になった。一度に複数の敵を攻撃できる位置にいる場合は、同時にタッチすればその方向を向いてくれる。
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装備画面ではタッチ操作によりキャラクターモデルの角度を変更できる。大半のキャラは全員スカート。
つまり覗き放題。
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何故かイベントCGにおいて乳揺れまで実装。貧乳のネプテューヌ・アイエフ・ホワイトハートですら揺れる。こちらもギャラリーでのタッチ操作で好きなだけ揺らせる。
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主題歌が「流星のビヴロスト」から「ミラクル!ぽーたぶる☆ミッション」、EDが「恋をゲームにしないで!」から「ミライボタン」に変更された。
映像もオープニング・エンディング共に完全新規である。
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5pb.は本作には登場せず「ふぁいらじっ♪」も削除されたが、主題歌のCDジャケットには彼女が描かれている(5pb.の声優が本作含めたシリーズの主題歌を担当しているnao氏であり、また新たに5pb.のキャラクターソングも同ディスクに収録されているため)。
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Vのコスチュームキャンパスが削除された。とはいえ当時はPCとの接続が面倒だったため仕方ない面も。
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周回プレイ
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今回はクリア後の世界が無い代わりに、周回プレイを意識したゲーム構成としてリプレイ性が考慮されている。
クリア時に一部を除く全てのアイテム・レベル・お金・仕様書・容量アップ・解禁したリメイクシステム等を引き継いで最初からプレイする事が可能。
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1周回で入手できる容量アップの合計は若干少なめだが周回ごとに復活するように、ハナから周回プレイを前提にした構成であるため大した問題にはならない。2周目以降で追加・使用可能になる各装備アイテムも存在している。
みんつぶや情報収集で得られるアイテムは入手時期が章ごとに限られているが、基本的にイベントを進める前に出来る限り回収することを徹底すれば取り逃すことはない。
評価点
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無印の不満点の改善
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女神3人とメーカーキャラ6人が必ず加入し、プレイヤーは自分の好きなパーティで本編を戦いぬくことが出来るようになった。
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無印ではあたかもメインキャラのように紹介しておきながら、メーカーキャラはDLC、女神は終盤出現の隠しキャラという扱いだった。
なお隠しキャラという立場については、本作では候補生4人がおまけ要素として引き継いでいる。
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「大陸が接岸した時にしか移動できない」という設定はそのままだが、システム上の制約は撤廃され、全体マップから自由に移動できるように。
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システムが無印から『V』準拠の別物になった事で戦闘のテンポが大きく向上した。コンボスキルの設定も楽にできる。かつてのもっさり感はもう感じられない。
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エグゼドライブゲージの導入により戦略性が増加。迂闊にEXED必殺技を放つとEXフィニッシュ技が使えなくなってしまうのでタイミングが重要。
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画面タッチによる操作で、位置取り・攻撃範囲の調整を楽に行える。…時々明後日の方向を向いたりするが。
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一定数のモンスター撃破・特定アイテムの納品など面倒な要素が多かったクエストの非必須化。ゲームの進行(特に周回プレイ)がよりスムーズに。
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「敵を弱くする/強くする」の仕様書を解禁することで、プレイヤーの好みに合わせた難易度変更も可能となる。どちらかのダメージにのみ影響するため、無印の敵味方まとめてステータスが上下してしまう適当すぎる設定ではない。
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『V』の不満点の改善
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一度実装してしまえば自由に運用できるリメイクシステムの恩恵は非常に大きいものだった。
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『V』ではプロセッサユニットやコスチュームの開発素材である「色素」の入手法が限られており収集にかなりの手間を要したが、本作では仕様書から一度作れば格安でショップ購入できるようになった。
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アビリティ・アイディアチップでのみ存在していた「ダメージ限界突破」もシステム変更の仕様書に追加され、ディスクメイクや装備の付け外しの手間などが減った。
『V』ではダメージ限界突破のために特定のアイディアチップが必要で、それを付与できるディスクも数が限られていた。
その代わり同アビリティを持つネプテューヌとネプギアの地位が下がってしまったが、恩恵の方が大きいためあまり問題視されない。とはいえ二人のスキルに変化がないため、最終的に死にスキルとなってしまう事を問題視する人も。
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ランダム要素が強かった見聞者システムに代わる仕様書「強敵出現」「採取物変化」などは状況によって良し悪しが変わるが、対応ダンジョン以外の場所で任意にオンオフを切り替えられる。
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本作のDLCは数・価格共に『V』から大きく抑えられた。
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レベルキャップ開放や装備品の追加は最大3本の「コンテンツ追加パック(PSV:200円 / PC:98円)」としてまとめられ、手頃で単価も安くなった。
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グレードアップしたおバカ要素
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シリーズ特有のおバカ要素は相変わらず健在。無印からすれば大きく向上し、序盤からネタ発言メタ発言の嵐である。
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スラムダンクの試合終了ネタ・ジョジョのありのままネタ・当時タイムリーだったポケモンのメガシンカネタ・『旧FF14』の疲労度ネタ、更には無人島0円生活ネタ等、ゲームは勿論アニメやら漫画やらTV番組やら全方位からネタを取り入れてきた。
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シェア操作の単純化
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シェア操作を要求される場面が大きく減り、クエストやコロシアムを気兼ねなく進められるようになった。必須になるのは1周目最後の最後ぐらいからで、それまではほぼ無視できる。
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効率のいいやり方は「アイテムドロップ率アップ」の仕様書を組み込んだ状態で、納品系クエストをこなしたり、あるいはコロシアムで戦闘を繰り返すぐらいのもの。
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『V』のDLCを大量にゲーム内に実装
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一部コスチュームや装備以外のプロセッサやコスチュームなど『V』でDLCだったものは最初から実装されている。
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ゲストキャラである候補生やDLCのプルルート、ピーシェにもVのコスチュームが用意されている。
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またDLCではないが女神4人のVの通常コス(ネプテューヌだとジャージワンピ)等もカラバリ含めしっかり実装されている。
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コスチュームが削減されている『Re;Birth2』や『Re;Birth3』はおろか、全作品でもコスチュームの数がダントツで多い。
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シリーズ続編恒例のスタッフロールでのミニキャラ劇場
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無印ではまだ存在しなかった演出。『mk2』『V』では女神にしかスポットが当たっていなかったが、本作では他のキャラにもスポットが当たっている。
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修正・アップデート
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発売から一ヵ月後のアップデート以降、長らくパッチ配信がなかったのだが、2014年3月のアップデートでフレームレートが大幅に改善された。
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ほぼ同じエンジンを使っているであろうRe;Birth2の発売一ヶ月前であったため、そちらからのバックポートがあったものと思われる。
おバカな点
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相変わらず容赦のないネタ要素
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発売前の時点で特に強烈だったのが、新規モンスター「ハコイヌ」「亀パッド」「ヨンネコ」の3体。名前で察しがつくだろうがどう見ても次世代機。
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んでもってPVではこれらをそれぞれ対応する女神で倒している。コンパイルハートの今後が色々な意味で心配である。
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ネプテューヌのネタのレパートリーも拡大。「くぅ~疲れましたw」の改変ネタをフルボイスでやったり、やたら棒読みでゆっくり顔な「な、なんだってー」をやったり、トラウマ・鬱と悪名高い『mk2』の某シナリオまでパロっている。直後に「トラウマになってるプレイヤーもいるからやめろ」とノワールから釘を刺されるが。
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が、後者は『Re;Birth2』でそのシナリオがほぼ続投されたため、入れるなら何故ネタにしたんだと一部から壮絶なツッコミを貰う事に。
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加えて「ほら、私のファンって、モブとはいえ男の人と話すだけでも嫉妬しちゃう純粋な人ばっかりだからさ」と、明らかに一部のプレイヤーを意識した台詞を言ったりも。
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ちなみに無印のネプテューヌは普通にイケメンに反応し「彼氏が欲しい」という旨の発言までしていたが、本作では巨乳好きの兄弟による胸囲の格差社会に反応する程度で、男性には全くと言っていいほど興味を示さなくなった。
同じくアイエフも無印ではネプテューヌに近い発言をしていたが、今作ではベール登場以降は彼女一筋の百合少女と化している。
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無印の日本一のサブイベント&クエストの依頼主から、メインシナリオのサブキャラに昇格した「巨乳好きの兄弟」。
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2人はブランの部下という立場だが忠誠心はゼロ。そして「とある部分」の大きさを理由に、頻繁に信仰対象を変えることになる。
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ガナッシュ
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無印にもいたキャラ。無印ではルウィー出身ながらブラックハート信者の異端者だったのだが、今作ではホワイトハート信者となりブランを物凄く神格化しすぎたあまり、実際のブランの性格を見て「僕のホワイトハート様はこんなのじゃない!」と発狂するという悪い信者の見本のような全く別のキャラに変更された。
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新キャラ「らんらん」
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ショボーンのAAが描かれたお面を被った女性。ベールの"ペット"で、癖の強いサブキャラ達の中でも特に異彩を放っている。
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抑揚のない独特な口調とその外見で、多くのプレイヤーに強烈なインパクトを与えた。どう見ても人間にしか見えないが本編では豚扱いされている。
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回想シーンでは「ラステイションくそすぎ」「はまじ」と悪態をつき、ベールに「出荷よー」と言われ「そんなー」と悲鳴を上げる等、こいつもやっぱり自重しない。
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ただのネタキャラかと思いきや、女神のピンチを救ったりマジェコンヌを足止めしたりと、本編では意外な活躍を見せる。
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ちなみにブランの部下にも「らんらんB」というキャラクターがいるが、こちらはあまり活躍しない。
賛否両論点
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シナリオ関連
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リメイク作品の宿命として、ストーリーやキャラ設定の変更に対し「無印版の方がよかった」という声も少なからず存在する。特に今作は根本的な方向性の転換がなされたために影響は大きい。
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すなわち、無印のシリアスなストーリーを期待していた・思い入れのあるファンからは賛否両論の声が挙がっている。
また、ある程度意識している部分はあるもののシナリオの構成は上記の通りで、それによって世界観やシナリオ等の補完も期待できない。
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つまり、無印シナリオを純粋に楽しめるリメイク作品が実質存在していない。改めてリメイクや移植をして欲しいと言うファンも多い。
もっとも日本一とがすとの再登場が絶望的なため、完全な形での移植やリメイクも絶望的だと思われるが。
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ただしこれは更なる新規ファンの獲得のために、発売数ヶ月前に放映されたアニメなどの作風に近づけているためでもあり、そして実際にこのゲームから入ったファンが多いのも事実。単純にシナリオの改変が問題点ばかりではない。
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それ以外の弊害として、大きな変更点を中心に整合性が取れてない部分や端折った部分が多々見受けられる。
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具体的には終盤(マジェコンヌの過去・動機・強さ)、及び中盤ラステイション関連のイベントのサブキャラ等。無印経験者は勿論、本作がシリーズ初体験のプレイヤーでも若干目に付く。
無印ではネプテューヌが記憶を取り戻したのに対し今作はそうしなかったのもあって、核心部分を主に掘り下げなかった部分も大きい。
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国政院やジャッド等無印のサブ・モブキャラクターの大半が登場しない事もあり、ストーリー構成が乱れてしまったとも考えられる。
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またベースの世界観は無印と同一と思いきや、守護女神戦争=女神の仕事だった無印に対して、本作ではmk2以降同様に国営に参加している事になっていると中途半端にmk2以降の仕様なっているなど、実は無印を理解せずに書いたのでは?とも言われかねない箇所がある。
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MAGES.とマーベラスAQL以外のメーカーキャラ4人は顔見せこそ早いのだが加入時期は終盤の7章とかなり遅く、逆にマーベラスAQLは他4人に比べれば若干早い代わりに加入イベントまで一切登場せず、出番もキャラの掘り下げも少ない。
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唯一顔見せも加入も早いMAGES.は正式加入がノワールよりも早いという優遇っぷり。会社としてのMAGES.(5pb.)と縁深いからか?
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この6人はおそらく『V』世界から転移してきたという設定なのだが、何故来たのか・どうやって来たのかという説明はない。
「無条件でネプテューヌらに協力してくれるキャラ」とするためにこのような設定を設けざるを得なかったのだろうが、いささか強引である事は否めない。
そもそも彼女ら6人は『V』のDLCキャラであるため、同作経験者でもDLCを導入していなかった場合その存在を知る由はない。
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メインシナリオに絡まないサブイベントや会話はみんつぶ以外にほぼ存在せず、強いて言えば候補生4人の加入イベントのみ。結果としてメインシナリオ全体はフルボイス化しているが、評価点にはならないだろう。
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その候補生もストーリーに全く関与しないが故に出番は皆無。当然と言えば当然だが、DLCキャラはまだしも本編に組み込まれた候補生くらいは何らかの絡みが欲しかったところ。
問題点
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『V』からの使い回し
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ダンジョン・アイテム配置・キャラの能力値・グラフィック・エフェクト・BGM等、多数の要素が『mk2』『V』からの使い回し。
一方で無印のダンジョンや一部イベントCG(主に日本一&ガスト、5pb.&RED関係)等は、その殆どが未収録となっている。
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尤も、無印と『mk2』『V』とではダンジョンの仕様そのものが違うため、マップに関しては仕方ない面もあるが。
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モンスターについては新登場モンスターこそ多く、全てを削除されたわけではないが、「マカロン」や「ウロボロス」など無印限定モンスターの多くが未登場。
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BGMについては「Splash(原曲:8Bit Battle Theme)」のように無印BGMのアレンジが収録されているが、ダンジョン内BGM・各三女神の戦闘BGM・会話内やシリアスシーンに流れるBGMなど無印のBGM原曲は収録されていない。
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もともと『V』のシステムで再調整された無印を遊びたいという要望で生まれた作品である上、一から全部作り直すと開発費も開発期間も膨大となるため仕方がないものではあるが、それ故に『V』のプレイヤーほど目に余る。
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コンパ・アイエフ・イストワールに追加コスチュームが存在しない。
出自が特殊で初PC化のイストワールはともかく、他2人は無印の頃から参戦し続けているキャラでありながら用意してもらえなかった。
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一応、コンパとアイエフは電撃PlayStationでDLCコードが付けられたことがあったが期間限定。
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なおアイエフ、コンパのモデリングはmk2の使い回しではなくV仕様で新たに作られている。その代わり他のキャラ同様mk2時代のDLCコスチュームはなくなっている。
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そのイストワールも、「史書の衣」に加えmk2仕様の衣装やV仕様の衣装があり、別作品+αの衣装のある4女神や他DLCキャラ2人に比べても冷遇されている。
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パーティ人数の少なさ
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無印と同じ前衛3人+後衛3人の組み合わせなのに対し、本作のメンバーは12~16人+DLCキャラ3人なので、最少でも半数以上がベンチ入りするハメに。女神4人または候補生4人全員の揃い踏みも不可能。
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あくまでネプテューヌ・コンパ・アイエフの3人だけがメインであった無印は兎も角、本作は候補生を入れずとも12人の大所帯になることが確定しているため、尚更この窮屈さを感じやすい。
戦闘関連
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敵から得られる資金は少なめ
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(最大でも16~32万)で、必然的に序盤の収入はクエスト報酬に依存しがち。『V』のコスチューム売却稼ぎもできなくなったため、終盤で資金不足に陥りやすい。
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カップリングスキル・フォーメーションスキル・版権スキル等の幾つかが削除された。特にネプテューヌの版権スキルは彼女のスキルで唯一の広範囲対象だったため、痛い弱体化となっている。
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『V』同様、4女神専用攻撃の「コンボリンク」が、4女神とそれ以外の格差を広げている。
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ちなみにアイエフとコンパはVに登場した幼女verよりあからさまに性能がダウンしており、アイエフに至ってはラッシュ攻撃の攻撃回数が少ない&加えて回復スキル「グリーンノア」の対象範囲が自分自身か至近距離のキャラにしか届かないほど極端に狭い。
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回復アイテム・スキルに乏しい第2章で対峙するボス「ブラックハート」は、途中での寄り道をせず低レベルのままに挑むと対策なしではまず勝てない。
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しかも鳥型の中ボスからの連戦という不利な状況で戦い、更に前章に負けイベントがあった事もあって、これも負けイベントと勘違いするプレイヤーが続出した。
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ただし「敵を弱くする」の仕様書とその素材が同じダンジョンで確実に入手できるので、突破の難易度自体は抑えられている。
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それを差し引いても敗北イベントの頻度が目立つ(中盤までで2章おきに1回ある程度)。
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ステータスが強化されている2周目以降は通過に時間がかかるし戦闘不能回数のカウントもされている。
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周回を重ねれば無理矢理倒す事も可能になるが特典や実績どころか経験値すらなく、その後のイベントに変化もない。
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『V』同様、女神候補生とDLCキャラがイベント制限を受ける戦闘(女神化妨害や一騎討ち等)に参加できてしまう。
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これを利用すると、本来ネプテューヌの一騎討ちとなるイベント戦においてネプテューヌがパーティに居ない状況を作れてしまう。
システムの粗・不具合
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仕様書やショップにソートや絞り込みフィルタ機能がなく、後半になるに連れて特定アイテムの検索に時間が掛かるようになる。
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採取物の確認方法がない。各自でメモを取るか攻略情報を見る必要がある。
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モンスター図鑑が強敵追加の仕様書に対応していない。
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例えば同仕様書がオンの時にしか出現しないモンスターは、オフにすると図鑑から表示が消える。
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イベントを見直せるビデオ機能が削除。
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女神候補生参戦の仕様書は一度実装するとオフにできず、特定の要素を引き継がずに周回と言った事もできないため、彼女達の加入イベントは一度しか見られない。
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設定ミスなのか、「サッカー」のアイデアチップがDLCを導入する以外に入手できない。
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ネプテューヌ用のアクセサリー「エレガントクラウン」、ブラン用のアクセサリー「シューティングスター」は1周で1つしか入手できないながら派生素材としての用途もあり、素材用に3つ、元のアクセサリーも必要とするのであれば4つ必要となる。
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ラッシュコンボのEXEゲージ増加補正がない、対キラーマシンでMAGES.を使用すると強制終了されてしまう等の細かなバグ。
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現在は2度のアップデートでほぼ修正されたが、候補生との合体技が追加されない、立ち絵が欠ける等の不具合が残っており、完全にバグが無くなった訳ではない。
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その他の問題点
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リポップアイテムの「禁忌の枝」が削除され、素材集めの手間が増えた。
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ダメージ限界突破が仕様書化された一方で「カテゴリ特性無効(物理ダメージ軽減、魔法ダメージ軽減といった特性を無効化する)」はチップのまま。サポートスキルとして所持しているキャラは多いものの、結局はパーティメンバーの固定化に繋がりがち。
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先述の通り本作は周回プレイを意識したゲーム構成だが、従来は任意に周回を選べる仕様で、またクリア後のお楽しみとなるイベントやクエスト等もあったのでその点は好みが分かれる。
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ゲーム内の会話にある「このゲームは携帯機なんだから~」といったようなセリフがPC版でもそのままになっている。
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ラスボスの問題点※ネタバレ
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真エンドのラスボス戦前に、ネプテューヌだけが残りそれ以外のパーティが全員離脱する演出があるのだが、この時に女神候補生のネプギア、ユニ、ロム、ラムが加入した状態だった場合、その4人は何故か離脱せずそのままボス戦に突入してしまう。
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総評
大幅なリメイクが施された本作は、IF作品共通の尖った傾向とは好対照をなす万人向けの作風に転換するとともに、全てにおいて無印とは別次元と言ってもいいほどの良作として生まれ変わった。
問題点は決して少なくはないが、ロード時間・グラフィック・ゲーム性・テンポ等は非常に高い次元で纏まっており、携帯機という事もあって遊びやすくまとまっている。
未プレイの人に向けてはシリーズ中でもトップクラスにオススメできる作品であることはもちろん、Re;birthシリーズでも(『V』からの使い回しや大幅に改変された部分を受け入れるという条件付きではあるが)原作プレイ済の人に最も受け入れやすいであろうリメイクでもあることは間違いないだろう。
特にストーリーは、それまでとは比較にならないほど穏やかで賑やかに纏まっており、正に、作中でのセリフ「僕らが求めたエンディングだ」を送るに相応しい。
余談
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2015年1月28日にはSteamにてWin版が配信された。このリリースは事前に国内でも情報が広まっており、ネットメディアで取り上げられるほど大きく注目されていたのだが…
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このSteamにおけるWin版、リリース直後は日本からも購入することが出来たが日本語なのが音声だけという仕様になっており、しかも間もなく日本からの購入が不可能になってしまった。日本文化の影響が著しいゲームシリーズだけに、ただただ残念至極である。
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なおこの当初の日本で買えていたという点は不具合として明言されていた。
いわゆる「おま国」についての事情は現実のハードプラットフォームどころか日本のゲーム業界そのものに関連してくる問題だけに、本シリーズがそれをやらかしているとなると割と洒落になっていない。
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2016年8月25日、PSV版の廉価版発売に伴ってSteam版のおま国が解除され、日本での正式配信と同時に日本語UIも追加導入。これにて、正式に国内のWindowsユーザーも本作を楽しむことが可能になった。
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アイディアファクトリー/コンパイルハートが明確に日本向けにWin/Steam版をリリースするケースは本作が最初
となった。
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更にその後も立て続けにDLCが追加されて行き、稼ぎ用の追加ダンジョンの他に子供コンパ・アイエフ・うずめも使用可能となった。これらはPS4版などにも存在しないSteam版限定。
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なお、Steam版はタッチ操作が存在しない関係か、装備画面でキャラクターモデルの角度が変更できなくなっている。
見え……な…… orz
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2017年9月7日にはDMMでも販売されたが、発売後にSteam版で配信された追加DLCは導入されていない。
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作中でノワール・ブラン・ベールが変装と称して眼鏡を掛ける等、「眼鏡を掛けると変装になる」という無茶なネタが多々存在する。
これはディレクター兼ライターの発案にして趣味との事。ちなみにねぷねぷは作中で眼鏡をしなかったが、差分自体は公開されている。
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本シリーズは(完全に暗黙の了解になっているとはいえ)あくまで「架空のゲーム機の擬人化ゲーム」という体裁なのだが、本作のとある場面でユニ=PSVという事を示唆している。シナリオの不備もあってライターが架空ゲーム機という体裁を忘れているのでは?という指摘もある。
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その後も『Re;Birth2』『Re;Birth3』『VIIR』とリメイク作が発売されてきたが、作品の雰囲気自体が異なるのは本作のみであり、完成度も本作が最も高い。
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2024年5月23日にRe;Birthシリーズ全三作品のSwitch移植版が発売決定。
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PS4版に関しては後述にある『Re;Birth1+』で発売済みのため、『2』『3』のみ同年8月8日にDL専用として発売。
超次次元ゲイム ネプテューヌRe;Birth1+
【ちょうじじげんげいむ ねぷてゅーぬりばーすわん ぷらす】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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プレイステーション4
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発売元
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コンパイルハート
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開発元
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コンパイルハート FELISTELLA
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発売日
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2018年5月31日
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定価
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通常版:6,264円 限定版:8,424円 DL版:5,400円
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レーティング
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CERO:B(12才以上対象)
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判定
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良作
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バカゲー
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ポイント
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各DLCを収録した完全版
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特徴(PS4)
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2018年9月初旬にPS4タイトルとして発売された、『Re;Birth1』の移植版にして
ほぼ完全版。恐らくSteam版を基に開発されたと思われる。
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PSV版のDLCはコラボ以外は導入されており、ぷるるんとピーシェは勿論、コスチュームや追加ダンジョンのDLCも全て実装済み。
また、PS4版独自の追加要素として、5pb.・RED・ケイブ・ファルコムさんがプレイアブルキャラクターとして追加された。
一方でこどもアイエフ・こどもコンパ・天王星うずめ・追加ダンジョン/クエスト等、Steam版のDLCの大半は未実装となっている。
ただし神宮寺ケイ・西沢ミナ・箱崎チカの3人は実装されており、また仲間の随伴システム・イベント回想等も実装されている。
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品質的には、リマスター版と言うには少し物足りない移植版程度である。
フォントやサブキャラのフェイスグラフィックの解像度等は据え置きであり、特に4k出力だとぼやけて悪目立ちしやすい。
一方で、イベントCGやテクスチャのグラフィックは最適化されており、特にデータ系モンスターは必要以上にくっきりしている。
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追加要素以外の内容はPSV版とほぼ同じであり、大きく劣化した点等は特にないため、PSV版と同感覚で遊べる良移植と言える。
気になる点は「画面タップで複数の敵が自動で攻撃範囲に収まるアシスト」が方向キー2度押しのみになり、若干やり辛くなった程度。
DLCも、IFやコンパイルハート作品ではお馴染みの回復アイテム無料詰め合わせセット以外なく、本作のみで完全に完結している。
PSV版の上位互換であるため、本作に興味があり、かつPS4を所持している場合はこちらを選択するとよい。
その後の展開
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PS5で更なる移植版『Go!Go!5次元GAME ネプテューヌ re★Verse』が2020年12月17日発売。
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グラフィックの向上だけでなく、新要素の追加とシリーズキャラクターの再登場とやり込み要素が増えている。
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リニューアル以外の要素は前作と中身はベタ移植に近いとシリーズファンからは不評だった。
最終更新:2024年08月28日 21:16