*頭文字D STREET STAGE 【いにしゃるでぃー すとりーとすてーじ】 |ジャンル|レース|&amazon(B000EHVQQ6)通常版|&amazon(B004UDMDWG)BEST版|&amazon(B004UDMDWG)BEST版再販| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|~|~| |発売元|セガ|~|~|~| |開発元|トーセ|~|~|~| |発売日|2006年2月23日|~|~|~| |定価|5,040円|~|~|~| |判定|なし|~|~|~| |ポイント|アーケードの忠実再現''(一部除く)''&br''運ゲー過ぎるカードシステム''&brチューニングまで運ゲー&br画質&フレームレート低下&br原作ファン二ヤリの閲覧モード|~|~|~| |廉価版|PSP the Best:2007年1月18日/2,940円&br()同・価格改定版:2011年6月30日/2,100円|~|~|~| ---- **概要 -しげの秀一原作のカーバトル漫画『頭文字D』を題材にしたレースゲーム『頭文字D ARCADE STAGE』の移植。 --アーケードの移植としてはPS2『頭文字D Special Stage』に続き2作目となる。 ---- **評価点 **『Arcade Stage ver.3』をほぼ完璧に移植 ***公道最速伝説の再現 -公道最速伝説のライバルやコースもほぼ完璧に再現されている(一部例外有。詳細は後述)。 --妙義の断崖絶壁、リプレイで映る空飛ぶ鳥、碓井のめがね橋、土坂のオイルなども見事に移植されている。 --バトル中のライバルのボイスも完備。バトルを盛り上げてくれる。 --拓海の溝落としやブラインドアタック、小柏カイの"インベタの更にイン"など、特徴的な走りもしっかり再現されている。 ***インターフェースの再現&充実 -メニュー画面、ネームエントリー等のインターフェースを再現。 -ハンドルの反力調整も、ボタンの応答性調整機能で再現。 -ブラインドアタックの再現。 --デフォルトで○ボタンを押すと、即座に点灯・消灯が可能(『Arcade Stage』では、スタートボタン2秒以上長押し)。 -難易度調整も可能(簡単・普通・難しい)。 -音量とSEの調整も可能。 -キーコンフィグも''ユーザーが自由に配置を変更できるもの''である。 ***収録車種の再現&カスタマイズの自由性 -『ver.3』に登場する車は全て登場。 --勿論、チューニングメニューも再現。エアロが部分別なのも嬉しい。ちなみにチューニングが全て完了すると、以後好きなパーツを付け替え可能。 --しかし、この過程での問題点がある。詳細は後述。 ***充実したオマケ要素 -このゲームには何と、原作の解説等を見たりや音楽が聴けるモードがある。 #region(ネタバレ注意) -その名も「プロジェクトDホームページ」。仮想のサイトを見る感覚で閲覧出来る。 --そこでは収録されたBGM、キャラクターのボイス(の1つ)、コース解説・攻略、リプレイの閲覧、戦績の閲覧、オープニング・エンディングが見れる。 ---戦績は、車ごと・全車累計で分かれている。 --これらはカードで解禁すると、閲覧できる。 -原作のワンシーンの解説、車紹介、キャラ紹介(原則2枚ずつだが、文太のみ3枚ある。理由は後述)は、カードギャラリーで見れる。 --あの''ハチゴー''でさえも丁寧に解説されており、原作で描かれているような"ただ遅いだけのクルマ"としては扱われていない。 ---ワンシーン解説は、公道最速伝説でレベルの高いライバルと戦えば手に入り易い。~ 車紹介は、タイムアタックモードで手に入り易い。~ キャラ紹介は、その対応したキャラと戦って勝った回数が多ければ多いほど手に入り易い。 #endregion -アーケード版をプレイしていた人は疑問に思うかもしれない。「文太に挑戦」モードが無い、と。 #region(ネタバレ注意) -それもそのはず、本作では隠しモードとして収録されているのだ。 --出現条件は、''公道最速伝説をクリアし「藤原 文太3」と言うカードをゲット(確実にゲット可能)、そのカードを閲覧して隠し要素解禁ボタンを押す事''。~ 同時に文太が乗っていたインプレッサも選択可能になる。 --アーケード版と同様、勝利するごとに文太のレベルが強くなる(最大15)。コースと車の組み合わせによっては''クリア出来ない程の速さになる。'' --クリア状況は、全車共有なのが嬉しい。 ---何気にコンティニュー画面が出ない点まで再現されている。 #endregion ---- **問題点 ***カードシステムが完全な運ゲー -本作の肝であるカードシステムだが、そのカードの入手方法に問題がある。 --ババ抜きよろしく「複数表示されたカードの中から選択する」というものなのだが、''実際にゲットしてみるまでどんなカードか全く解らない''。そのためコンプリートにかかる労力は計り知れない。~ 「最初にカードの絵柄を見せておき、シャッフルして好きなカードを当てさせる」といった方式であれば、少しはマシになるのだが…。 --そのうえ''一定のカードを集める事で初めてゲット可能なカードもある''ため、余計タチが悪い。 --更に本作ではチューニングもカードで行うので、下手をするといつまでたってもチューニングができない。 ---なお、チューニングカードはタイムアタックで手に入り易いのだが、''タイムアタックでは車紹介カードも手に入り易い。''そのため結果的にチューニングカードは出現しにくくなり、チューニングの難しさが助長されてしまっている。 ***グラフィックの劣化 -アーケード版と比べ、3Dモデリングの質がかなり悪い。そのうえフレームレートが30fpsに落とされている。 --『ver.3』はNAOMI2基板(ドリームキャストと同性能)を使っており、ポリゴンの処理性能ではPSPの方が勝っている((NAOMI2は1000万/秒、PSPは3000万/秒))。つまり、アーケード版そのままのグラフィックと60fpsが余裕で再現出来るのである。 --そもそも『Arcade Stageシリーズ』は3Dモデリングの質が高いとは言えず、『Ver.2(NAOMI2基板)』のクオリティを再現したPS2『Special Stage』に関しても、グラフィック面での評価は低かった。その点を考慮すれば、いかに今作のグラフィックが酷かったのかおわかりいただけるだろう。 -視点切り替えのアクション(ズームインとズームアウト)が省略されている。 ***その他の問題点 -バグがある。致命的なものも。 --特にゲームを起動してからの最初のプレイに限ってだが、赤城の最初のカーブ手前で''2秒位フリーズする''のは一度は体験しただろう。これは''BEST版でも修正されていない。'' --いろは坂のスタート地点を20回以上グルグル回り続けて発進して、その走行をリプレイで保存して見ると、''車が変な方向を向いた状態で走行する。'' -秋名(雪)がなぜか未収録。その為『御木』が登場しない。 --『御木』が乗っている「トヨタ セリカGT-FOUR(ST205)」は収録されている。 -ガレージ登録可能台数が30台と少ない。 --全車1つずつは登録できるのだが、同じ車種を複数所持して楽しみたい人にとっては…。 ---- **総評 色々ととても惜しい作品。~ あと少し作り込めば名作になれたと思われるのに勿体無い。 ---- **余談 -大手レビューサイトのPSPmk2では71点のB評価である。 -オープニング曲とムービー(と言うよりアトラクトっぽいもの)は、新規。 -正丸のBGMが、『BLACK OUT』から『POWER OF SOUND』に差し替わっている。 -メーターの『SEGA ROSSO』ロゴが無くなっている。 ---- **PV #region(You Tube) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=DLNsEr9OPFw)~ このPVに使われているm.o.v.e.の『NAMIDA 3000』は、頭文字D ARCADE STAGE4のエンディング曲である。 #endregion