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明治維新 - (2022/09/08 (木) 10:07:02) のソース

「[[要強化記事>要強化記事一覧]]」に修正依頼が出ています。加筆できる方は修正をお願いします。~
依頼内容は史実無視によるものを除くクソゲー判定の根拠の追記、およびバカゲ―要素の分割です。~
&color(red){''22年9月18日までに改善されない場合は削除対応します。''}
*明治維新 
【めいじいしん】
|ジャンル|アドベンチャー+シミュレーション|&amazon(B000068HIT)&br;&image(Meiji Ishin.png,width=160,title=確かにこのゲームを見るべきではなかった。)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|2MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ユース|~|
|発売日|1989年9月29日|~|
|定価|6,200円(税別)|~|
|配信|プロジェクトEGG&br;2019年9月17日/500円(税別)|~|
|セーブデータ|3個|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|ネタ要素強め&br()最初のセーブポイントまでが長すぎ&br()''バックアップを消す''&br()第一部ラスボス&第二部の難易度が鬼畜|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
タイトル通り明治維新を題材にしたゲーム。坂本龍馬が主人公である。~
幼少時の龍馬が弱虫だったり、岡田以蔵と幼馴染な設定など、当時連載されていた漫画「おーい!竜馬」の影響を強く受けている。~
龍馬の旅立ちから挙兵までをテーマにした第一部(ADVパート)と土佐藩の同士とともに戦う第二部(SLGパート)の二部構成となっている。

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**ストーリー
>時は幕末、黒船と呼ばれるアメリカ「ペリー艦隊」の浦賀来港により、江戸幕府215年にわたった「鎖国策」は崩壊。~
日本は大きく乱れ、まさに激動の時代を迎えました。 
>
ちょうどその頃、大きな夢を抱いて、土佐から江戸へ向かった一人の若者がいました。~
その若者は坂本龍馬といい、世界を見つめることのできる広い視野と卓抜な行動力を持っていました。~
江戸へ出た龍馬は、より良い日本を築くために、新しい政府をつくろうと考えるようになりました。~
そのためには、まず江戸幕府を倒さなければなりません……。~
はたして龍馬の行く手には、どんな出来事が待ちかまえているのでしょう。
>
([[プロジェクトEGGの紹介ページ>https://www.amusement-center.com/project/egg/game/detail.php?product_id=1533]]より)

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**特徴
''全体的に時代考証を無視したネタ要素が強め''
-旅立ち前の龍馬がかなりのヘタレに描かれている。
--ゲームを始めた瞬間「よわむしけむし」「ねしょーべんばかりたれとった」と言われてしまっている。
--元服前でまだおねしょが直らない((「13歳で寝小便している」というのは明治時代に土陽新聞で連載されてた『汗血千里駒』を元にしたネタだろう。ただし信憑性は低いと言われている。))ので江戸まで修行に行かせられる、という導入。
---修行を嫌がると父親に反抗して「ぐれてやるー」と言い出しゲームオーバー。最初からやり直しで、''冒頭のへたれなシーンをもう一度見させられる。''
--龍馬の自己紹介も段位を得るまでは「ぼくはとさのしょーべんたれだい」となっている。何も道行く人にまで言わなくても…ちなみにペリーに言うと''日本語の意味がわからないはずなのに笑い出す。''
--浦賀に行くと''黒船ではなく海の広さに戸惑う''。土佐出身のはずなのに。

-江戸城を包囲攻撃して幕府を降伏させるとクリア。
--史実では江戸城は無血開城したことや、そもそもそれ以前に龍馬は暗殺されたといった史実は完全無視の超展開である。

-時代背景完全無視の表現も多い。
--道場に「[[闘魂>激闘プロレス!! 闘魂伝説]]」の文字が額装されていたり、偽名に「だけたてつや((「おーい!竜馬」原作者の武田鉄矢と思われる。))」「ばくしんたろう((「幕臣」と勝海舟の幼名「麟太郎」をかけていると思われる。))」を使ったり、ペリーがカタコトな日本語で龍馬に開国の手伝いを頼んだり((実際にはペリー来航時点の龍馬は浦賀ではなく品川の警備に呼ばれており、まだ英語は理解できないはずである。))、勝海舟が戦艦大和の模型を持っていたりなど。
--勝海舟の「バックアップ」というメタなセリフから始まり、ジョン万次郎の「デリーシャス((万次郎はある程度英語も喋れたが、日常会話に英単語を混ぜる点はむしろ「おーい!竜馬」の影響が濃い。なお史実では二人は出会っていない。))」、溝淵広之丞の脱落時の「バイビ~」、龍馬が「[[世紀末救世主>北斗の拳シリーズ]]((幕末は19世紀半ばであって世紀末ではない。))」と言われたりなど。

//わざとだと思われるので、ただの説明になってるだけの部分は特徴へ移動

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**問題点
***第一部(ADVパート)
-時代考証を無視した表現が面白さにつながっていない。
--龍馬が必要以上にヘタレに描かれていたり、一緒に江戸に行く事になる溝淵広之丞も弱虫な設定にされており、危険な目に会うとあっさり逃げ出す。
---こういった表現で面白くなっているとも言えず、無駄に格好悪くするだけになってしまっている。

-勝海舟の協力要請に「いいえ」と答え続けていると、「バックアップの いのちが ほしけりゃ はいと いいな!!」と脅迫してくる。&br()
「はい」と答えてシナリオに従う必要があるが、「いいえ」と答えてしまうと''すべてのデータが消される''。
--ただし、この問いは最初のセーブポイントよりも前に出てくるので、初回プレイではなんの影響もない。
--セーブ可能になった後にもう一度協力要請を受ける場面があるが、ここでも同じことが起こるので今回は被害が出る。
---もしバックアップが消えても、すぐにセーブすれば大丈夫。

-最初にセーブできるまでが長い。
--通行手形を手に入れる→関所を通り抜け江戸へ行く→道場に入門し級を上げる→浦賀でペリーに会う→江戸城へ行く→日米和親条約締結→段位を得る→勝海舟に会う→土佐に戻り同士を集める→中岡慎太郎と会う→敵に襲われる→ここでやっとセーブ可能に。最短の選択肢を選んで進めても''40~50分ほど''かかり、チュートリアルも含んでいるとはいえあまりにも長すぎる。
---前述通りゲームオーバーもあるので、それをやるとまた最初からやり直し。もっとも、序盤も序盤なので大した手間はならないが。

-場所の移動がかったるい。
--建物内以外の移動では毎回道を歩くパートが挿入され、13~14秒ほど時間をとられる。
//牛歩と例えるほど遅いわけではないので記述を訂正。
//--建物内以外の移動では毎回道を歩くパートが挿入されるのだが、これが''牛歩かといいたくなるほど非常に遅い。''
---しかも途中からは敵とのエンカウントがあり、ほぼ確実に移動ごとに遭遇する((移動速度を上げたり、エンカウントを回避するアイテムはあるが、使い捨てで後述の購入の手間もあるため効率が悪い。))。
--木に隠れて敵の回避もできるが、後ろからの敵にはたまに味方のゲリラ((反幕派の者で、倒した敵に応じた資金やアイテムをくれる。隠れると通り過ぎる。))が混ざっている。お金を手に入れる手段はこれしかないので隠れて敵をスルーし続けようとすると今度は金欠になりやすい。
---お金を手に入れて店に買い物に行こうとする道中にも敵に襲われる。回避に失敗して戦闘になり負けると、せっかく手に入れた金を半分奪われてしまう。
--団子屋→宿屋のように下町の施設から施設への移動はできず、わざわざ関所などに戻ってから別の店に行かなければならない。セーブ地点が宿屋にあることやお寺で倒れた仲間を復活させてもらうのに団子を3つ買ってくることを考えると面倒((回復アイテムである団子は団子屋、それ以外のアイテムは雑貨屋で買える。))。
--そしてこのパート、どこを歩いても距離は一緒で背景も変化しない。''江戸の関所~薩摩の関所であっても。''

-戦闘は左下のルーレットをAB十字いずれかのボタンで止めて命中かを決定、敵グラフィック上に表示される赤い球が破裂したらその方向のボタンとAボタンで攻撃、緑の球が破裂したら敵の攻撃が来る前にその方向のボタンとBボタンで防御、というQTEのようなルールだが……。
--ダメージはルーレットの周回数(喝力と呼ばれる)×攻撃力((ルーレット速度は段位で決まる。また、龍馬の攻撃力は一定数以上の戦闘を重ねた上でお寺でお祈りをすると上がる。))。敵は攻撃力が全体的に高い上に、周回数を上げにいく傾向にあるため1発当たるだけでもこちらの負けになりやすい。また、敵の攻撃速度は敵の段位でも決まり、上位になってくると防御タイミングはかなりシビア。
--AとBを両方押すと攻撃と防御の両方ができてしまう。なので方向さえ合っていればよく、球が赤だろうが緑だろうが関係なくなってしまう。
--戦闘は1対1なのだが、敵が複数いる場合は連戦になり全員倒すまで続く。だが味方が負けた場合は即戦闘終了。
---仲間は最初からそれなりの段位と攻撃力を持っているのだが、ラスボスは龍馬で戦うことになるので結局龍馬も鍛えなければならない。
--初期の龍馬は非常に弱い。龍馬がまだ一段でも敵は二段、三段と格上の敵も出てくる。
---格上相手だと喝力をためている間に敵に攻撃されてしまう。喝力1で攻撃するしかないが、力が1だと攻撃が成功しても1ダメージしか与えられない。この段階でも敵の体力は7~10もあり時間がかかる。そんなのが3人も襲ってくると…。
---戦闘の前に誰が戦うかを選ぶが、前の戦闘から続けて龍馬を選ぶと「また わしかい?」と文句を言う。

-レベルを上げられるタイミングが不明。
--龍馬の成長方法として「江戸の道場で認定試験に合格して段位を上げる」「各地の寺で祈って命と力を上げる」があるのだが、いつ行けば上げられるのか教えてくれない。
---段位を上げるには、雑魚敵をある程度倒して修行を積んでおくのが大前提。~
認定試験は実戦形式で、失敗に終わると「あまい!しっかくぢゃ」とだけ言われる。修行が足りないのか試験に落ちただけなのかは教えてくれない。~
攻撃・防御を5回づつ成功させれば試験終了となるが、道場での師範はこちらの攻撃のコマンドに関係なく必ず攻撃失敗時のポーズ(「キーン」と言いながら刀を動かす)になりダメージを与えられないため、攻撃が成功したかわかりにくい。
---命と力はストーリーの進行度に応じて上げられるようになる。こちらは修行を積む必要はない。~
ただし寺で祈るにはお金がかかる。時期が早過ぎると祈っても無駄に終わり、お金も戻ってこない。

-西郷家の前に出現する固定敵「風虎隊」が強い。
//固定敵「風虎隊」が強すぎる。
--ボスクラスの敵にもかかわらず、普通に道端で雑魚敵と同じ方式でエンカウントする。
---困ったことに名前は雑魚敵によくいる「○○隊」であり、顔グラも雑魚敵の使いまわしなので、ボス敵だと気付きにくい。''死んでから気付いた''なんてことにもなる。
--ボス敵なので当然戦闘回避は不可能。隠れても必ず見つかり、回避アイテムも無効化する。
---仲間に戦わせて倒されると戦闘終了するが、直後にまた襲ってくるので仕切り直しになる。
--こちらの戦力は二段の仲間が1人いるのみで、龍馬も二~三段になるかならないかという段階。なのに敵は三~五段もある。
---おまけに''ダミーの緑球や赤球を出現させる''というフェイントをかましてくるので攻撃を当てづらく見切りづらい。~
//喝力の溜まり具合も早く、攻撃を受けるとほぼ一撃死((たまに喝力0でノーダメージということもあるが、それはこちらも同じことが言える。))。こんなのが''3人で''襲ってくるのである。中盤の詰みポイントと言えるだろう。
喝力の溜まり具合も早く、攻撃を受けるとほぼ一撃死((たまに喝力0でノーダメージということもあるが、それはこちらも同じことが言える。))。こんなのが''3人で''襲ってくるのである。中盤の難所と言えるだろう。
//難所だが詰みポイントとまではいかないと思われるので表現を一部変更。

-終盤に異常な強さの敵が頻出する。
--ストーリーを進めると、出現する雑魚敵が強化されていく。地域に関係なく日本全域で強化される。八段・九段など後述のラスボスに匹敵するような強さの敵が3人フルで現れるようになる。
---逃げまくったり仲間に頼りきりでストーリーを進めていくと、龍馬の段位が低いままなのでラスボスに勝てなくなる。~
一応段位が比較的低かったり、段位の高さの割に球の表示速度が甘かったりする敵も出てくることがあるが、終盤で鍛えるのは難しいことに変わりはない。
//-終盤の難易度が異常。
//--ストーリーを進めると、出現する雑魚敵が強化されていく。地域に関係なく日本全域で強化され、弱い敵は出現しなくなる。
//---逃げまくったり仲間に頼りきりでストーリーを進めていくと、龍馬の段位が低いままなのでラスボスに勝てなくなる。~
//そこから鍛え直そうにも雑魚敵が八段とか九段とかメチャクチャな強さになっており、''段位を上げるための修行すらままならない''という最悪の事態になる。

***第二部(SLGパート)
-第二部のSLGパートは前年に発売済み(ファミコン版は翌年)の『維新の嵐』の劣化コピー。
//FC時代は理不尽なのでもやり続けた人は多いよ。そういうゲーム自体が多い時代だし、今より一本のゲームをいつまでもやる人多かったし。
--ADVパート後に始まるが、ADVパートをすべて終わらせる必要はなく、途中からでもSLGパートに突入することは可能。ただし戦力はちゃんと終わらせた場合よりも落ち、クリアがさらに困難となる。
---この際突入前にセーブができるため中断するときには便利。また宿屋と違い再開後下町にすぐ行ける。

-肝心の内容自体も、''異常に硬く異常に攻撃力の高い敵を相手に、ほぼノーセーブで攻略''しなければならないという鬼畜難易度。おまけに処理落ちが激しすぎる(兵士数が多いほどひどくなる)。
--敵は最初から射程・移動範囲ともに最大であるユニット「大砲」で移動せず遠くで待っていることが多い。こちらも大砲を用意することはできるが、移動と攻撃が同じターンにできないためどうしても敵に近づいて攻撃する前に一撃を許すことになってしまう。
--大砲を用意したとしても弾がないと攻撃できないし、ユニットがダメージを受けて兵数が減ると鉄砲隊や兵士にクラスダウンして移動範囲・射程が低下する。
--各武将のステータス「気力」が0になると死亡してしまうが、回復手段が限られている(上記の鬼畜性能の敵を倒すことのみでしか回復できない)。&br()無駄な行動で気力を消費した状態でセーブしてしまうと、気力不足→敵倒せない→気力回復しないのループで詰む可能性がある。

-一応、システムの隙を突くようなやり方で難易度を下げられる。
--店の品物は品切れになることがあるが、一旦店を出て他の店に入ったりすると買えるようになることがある。ただタルいだけ。
--米を売買すると、個数0でも相場が変動する。これを繰り返せば異様に安く米を買ったり、高く売ったりできる。けどタルい。
---米相場を0.1にしてから米を9買うとタダで買えてしまう。それでも、やっぱりタルい。
--セーブをするとそのターンは終了してしまうが、リセットするとそのターンから再開できる。
---敵の土地に天災が起こるまでやり直したりすることもできる。

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**賛否両論点
-第一部ラスボスが異様に強い。
--こちらがどんなに鍛えていても一撃喰らえば戦闘不能。こちらの攻撃もかなり高い頻度で受け止めてくる。
--負けてもすぐに再戦可能なので勝つまでやり直しは可能。どうせ一撃で戦闘不能なので体力を回復させる必要もない。

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**評価点
-ADVパートで選択肢を間違えてもペナルティがほぼなく((ゲームオーバーになるのは冒頭だけ、バックアップを消されるのは明らかに忠告を無視した自業自得。))、歴史に疎い人でも問題なくストーリーを進められる。
--勝海舟・中岡慎太郎・桂小五郎・西郷隆盛など歴史上の偉人が数多く登場するが、実体験としてそれらの人物と会うことで、所属藩や立場などを覚えやすい。
---ただし、ギャグ要素やフィクションも含め多くの脚色がされているため、全部をそのまま事実として語るのは避けた方が良い。

-ADVパートには次の目的地を教えてくれる「占い屋」があるため、どこに行けばいいかで迷うことはない。
--ただし占い屋は町の施設の1つであり、占い1回につき雑貨屋で買える「占い券」が必要。余分に買っていない場合雑貨屋→関所など→占い屋と無駄に歩く必要がある。
--移動中に現れるメッセンジャーが進行フラグになっていることがあり、そこまでは占い屋でもカバーしてくれないのが欠点。敵と間違えてエンカウントを回避していると行き詰まりがちになってしまう((再登場はするので詰みにはならない。))。

-Aボタンを押しっぱなしにするとメッセージが早く流れる。
--同じ事を何度も聞いたりするゲームなのでここはありがたい。

-龍馬が明治まで生き延びたifの未来を見ることができる。
--エンディング前に選択肢があり、それによって展開が変わるマルチエンド。全て見るのも大した手間ではない。
//--肝心の内容は前述したように史実から大きくかけ離れているため、楽しめるかどうかは疑問である。
//「ifの未来」なんだからかけ離れて当然だろう

-BGMは良く、雰囲気も合っている。
//-クソゲーのお約束だが、BGMは良く、雰囲気も合っている。

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**総評
時代考証を無視したネタ要素が面白さに直結してない上に、第一部のかったるさと第二部の鬼畜難易度で、普通の人ならクリア前に投げ出しかねないクソゲー。~
戦闘バランスなどのいくつかの問題点は当時のファミコンゲームでたまにあるレベルではあるが、ADVとしてもSLGとしても時期を考えると明らかに完成度が低い。