明治維新

【めいじいしん】

ジャンル アドベンチャー+シミュレーション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 ユース
発売日 1989年9月29日
定価 6,200円(税別)
配信 プロジェクトEGG:2019年9月17日/500円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 龍馬の性格改悪
というか全体的に史実無視
高知県民と坂本龍馬ファンには絶対お勧めできない
最初の選択肢が来るまでが長すぎ
バックアップを消す
SLGの難易度が鬼畜


概要

タイトル通り明治維新を題材にしたゲーム。坂本龍馬が主人公である。
ADVパートとSLGパートに分けられている。


問題点

ADVパート

  • まずADVパート。坂本龍馬を主人公としたゲームだが……。
    • 龍馬がまさかのヘタレ*1元服前でまだおねしょが直らないので江戸まで修行に行かせられる、という残念な導入で高知県民&坂本龍馬ファン絶句である。
      • 「13歳で寝小便している」と言うのは明治時代に土陽新聞で連載されてた『汗血千里駒』に忠実なので問題ない*2…が、大方の日本人(特に龍馬地元の高知県民)が抱いているであろう「藩や思想の枠を超え、新時代の日本を築こうとした不世出の傑物」というイメージを滅茶苦茶に粉砕してくれる。
      • 「独自の視点」ではあるのだが、ここまで格好悪くする意味はあったのだろうか。
  • 最初の選択肢で『いいえ』を選ぶとゲームオーバー。しかも、最初の選択肢までが長い。
    • おまけに非常にもっさりしており、大多数の人が前述のイメージぶち壊しのゲームに耐えられず最初の選択肢にたどり着く前に脱落する。
      • さらにセーブできるまでも長い。
  • フラグ立てが無駄に面倒くさい。
    • 一例として剣術修行のパートで一定のレベル(段級位制)を取得しなければイベントが進まないところがいくつかあるのだが、一度目的地に行って「修行が足りん出直して来い」と言われてから初めてその一定のレベルに上れるようになる。
  • 場所の移動がかったるい。
    • 建物内以外の移動では毎回道を歩くパートが挿入されるのだが、これが牛歩かといいたくなるほど非常に遅い。しかも途中からは敵とのエンカウントがあり、ほぼ確実に移動ごとに遭遇する*3
    • 木に隠れて敵の回避もできるが、後ろからの敵にはたまに味方のゲリラ(反幕派の者で、倒した敵に応じた資金をくれる。隠れると通り過ぎる)が混ざっている。お金を手に入れる手段はこれしかないので隠れて敵をスルーし続けようとすると今度は金欠になりやすい。ちなみにこのゲリラに遭遇すると名前を聞かれるが、選択肢が「さかもとりょうま」「だけたてつや*4」「ばくしんたろう*5」。
    • 団子屋→宿屋のように下町の施設から施設への移動はできず、わざわざ関所などに戻って別の店に行かなければならない。セーブ地点が宿屋にあることやお寺(ドラクエでいう教会)で倒れた仲間を復活させてもらうのに団子を3つ買ってくることを考えると面倒*6
    • そしてこのパート、どこを歩いても距離は一緒。江戸の関所~薩摩の関所であっても。
  • 戦闘はルーレットを止めて命中かを決定、赤い球が破裂したらその方向のボタンとAボタンで攻撃、緑の球が破裂したら敵の攻撃が来る前にその方向のボタンとBボタンで防御、というQTEのようなルールだが……。
    • ダメージはルーレットの周回数(活力と呼ばれる)×攻撃力*7。敵は攻撃力が全体的に高い上に、周回数を上げにいく傾向にあるため1発当たるだけでもこちらの負けになりやすい。また、敵の攻撃速度は敵の段位でも決まり、上位になってくると防御タイミングはかなりシビア。
    • 戦闘は1対1なのだが、敵が複数いる場合は連戦になり全員倒すまで続く。だが味方が負けた場合は即戦闘終了*8
      • 仲間は最初からそれなりの段位と攻撃力を持っているため、龍馬を強化するよりは道中を彼らに任せた方が楽。ただし一部は龍馬で戦うことになる。
  • ADVパートでのある問いに「いいえ」と答え続けていると、「バックアップの いのちが ほしけりゃ はいと いいな!!」と脅迫してくる。
    「はい」と答えてシナリオに従う必要があるが、「いいえ」と答えてしまうとプレイ中以外のものも含め、すべてのデータが消される
    • ただし、この問いはセーブができるようになるより先に出てくるので、初回プレイではなんの影響もない。
    • そもそもバックアップという言葉が時代背景完全無視。
    • 他にも浦賀でペリーがカタコトな日本語(英語のつもり)で龍馬に開国の手伝いを頼んだり、ジョン万次郎のセリフ「デリーシャス」やみぞぶち脱落時の「バイビー」、龍馬が「世紀末救世主」と言われるなど変なセリフやシーンは多い。
      • 実際にはペリー来航時点の龍馬は浦賀ではなく品川の警備に呼ばれており、まだ英語は理解できないはずである。また、ジョン万次郎と坂本龍馬は直接会っていない*9。あと幕末は19世紀半ばであって世紀末ではない。

SLGパート

  • SLGパートは前年に発売済み(ファミコン版は翌年)の『維新の嵐』の劣化コピー。
    • ADVパート後に始まるが、ADVパートをすべて終わらせる必要はなく、途中からでもSLGパートに突入することは可能。ただし戦力はちゃんと終わらせた場合よりも落ち、クリアがさらにきつくなる。
      • この際突入前にセーブができるため中断するときには便利。また宿屋と違い再開後下町にすぐ行ける。
  • 江戸城を包囲攻撃して幕府を降伏させるとクリア。
    • 戊辰戦争は江戸城は無血開城した事*10やそもそも戊辰戦争前に龍馬は暗殺されたといった誰でも知っている事実すら完全無視。
      • 全体的に史実無視なゲームなので今更ではあるし、これくらいならまだゲーム化に当たってのアレンジの範疇と言えなくもないが。
  • 肝心の内容自体も、異常に硬く異常に攻撃力の高い敵を相手に、ほぼノーセーブで攻略しなければならないという鬼畜難易度。
    • 敵は最初から射程・移動範囲ともに最大であるユニット「大砲」で移動せず遠くで待っていることが多い。こちらも大砲を用意することはできるが、移動と攻撃が同じターンにできないためどうしても敵に近づいて攻撃する前に一撃を許すことになってしまう。
    • 大砲を用意したとしても弾がないと攻撃できないし、ユニットがダメージを受けて兵数が減ると鉄砲隊や兵士にクラスダウンして移動範囲・射程が低下する。
    • 各武将のステータス「気力」が0になると死亡してしまうが、回復手段が限られている(上記の鬼畜性能の敵を倒すことのみでしか回復できない)。
      無駄な行動で気力を消費した状態でセーブしてしまうと、気力不足→敵倒せない→気力回復しないのループで詰む可能性がある。

評価点

  • 龍馬が明治まで生き延びたifの未来を見ることができる。
  • ADVパートには次の目的地を教えてくれる「占い屋」があるため、どこに行けばいいかで迷うことはない。
    • ただし占い屋は町の施設の1つであり、占い1回につき雑貨屋で買える「占い券」が必要。余分に買っていない場合雑貨屋→関所など→占い屋と無駄に歩く必要がある。
  • クソゲーのお約束だが、BGMは良く、雰囲気も合っている。

総評

残念な龍馬や歴史との食い違いに高知県民と坂本龍馬ファンが頭をかかえ、延々と続くだるい操作と鬼畜難易度で普通のゲーマーもやる気を失いかねないゲーム。
ゲームであるのである程度史実を無視したり、時代錯誤な表現があるのもしかたないとも言えるが、それが面白さに直結していないのでは意味がない。
戦闘バランスなどのいくつかの問題点は当時のファミコンゲームでたまにあるレベルではあるが、ADVパートの完成度は時期を考えると明らかに低すぎである。