「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。~ 依頼内容は『クエスト』における問題点の追記です。 ---- #contents(fromhere) ---- *AX-5 オリオン/クエスト 【えーえっくす5 おりおん くえすと】 |ジャンル|オムニバス|&image2(AX5.jpg,center,height=200)| |対応機種|PC-6001|~| |発売元|アスキー出版|~| |発売日|1982年|~| |価格|2,800円|~| |判定|なし|~| |>|>|CENTER:''[[AXシリーズリンク>AXシリーズ]]''| **概要 -3Dをテーマとしたゲーム、『オリオン』、『クエスト』2作収録。&s(){他にタイトルデモ用プログラムもある。} -それぞれ2つのバージョンが収録されている。中解像度の青赤緑黄4色のものと、高解像度の白黒2色のものがある。 --何故、色違いのバージョンがあるかというと、後者をTVで表示した場合、誤変換により中解像度の赤青白黒4色として表示されるからだ。宇宙の雰囲気を出すには後者の方がふさわしいため、用意された。PC用モニタを使用した場合、誤変換は起こらず高解像度の白黒2色として表示される。 -本体RAMを32KBに増設しないと遊べないため、このソフトのためにオプションのROM/RAMカートリッジを買ったというユーザーも少なからずいた。 **パッケージとしての評価点 -パッケージは他のシリーズ同様、凝った作り。 --ただし、本作より完全なゲーム集となっており、プログラム教材的な要素はなくなった。 --一応、マニュアルにはプログラムで使用したアルゴリムズの解説と、主要ルーチンのダンプリストは掲載されている。 //-各ゲームの評価。 //|タイトル|ジャンル|判定| //|オリオン|STG|BGCOLOR(lightgreen):良| //|クエスト|ACT|BGCOLOR(lightgreen):良| //パッケージ内判定のCO ---- **オリオン ***概要(オリオン) -一人称視点の3DSTG。宇宙船を操り、一定数の敵を打ち落とすゲーム。 -宇宙船は上下左右へ向きを変えられ、加減速が可能。後退はできない。宇宙なので慣性が効いており、操作には慣れが必要。 -弾は4発まで装填が可能。射程はかなり長い。弾は敵に命中するか射程限界にたどり着くまで、補充されない。 -PCスペックの都合上、敵は直線と四角のみで構成されている。各敵には弱点があり、そこに命中しないと撃破できない。攻撃もしてくるが、頻度は低い。 --この処理システムはAppleIIで発売されていた『EPOCH』というゲームが先例で、その為このゲームの作者であるラリー・ミラーへの謝辞がクレジット中に表示されている。 -エネルギー制で、補給船をドッキングしない限り減り続ける。エネルギーが切れるとゲームオーバー。 ***評価点(オリオン) -PC-6001という低スペック機種において、疑似ではない本物の3DSTGを実現した。 --さらに、ちらつきもほとんどない。 -宇宙の浮遊感が存分に出ている。 -敵の種類は十分あり、弱点も点数も違うので、撃破の遣り甲斐がある。 --高得点を狙うためには、敵の見極めは重要。敵はまばらなので、目的の相手と違うからと言ってすぐに他の敵に狙いを変更という訳にはいかない。頻繁に狙いを変えすぎると、エネルギーの無駄となるからだ。 --また、エネルギーの節約、敵の攻撃を避けるためにも、遠距離で撃破した方がいい。しかし、弱点に当てなければ撃破できない本作。遠距離の形のハッキリしない状態で弱点を見極めるのは慣れがいる。しかも間違って補給船を撃破しては元も子もない。これらの見極めも、面白味の一つ。 --射程が長いため、かなり遠距離で撃破した場合は、狙撃のような達成感がある。 --ステージ1、2、3は、それぞれ違う敵と補給船が出てくる。ステージ1の敵に慣れても、ステージ2、3では通用しない。すぐに飽きがくるという作りではない。 ---ステージ4以降は、ステージ1、2、3の繰り返し。 ***問題点(オリオン) -初心者がとっつきにくい。 --方向移動に慣性が付き、いちいち逆方向に入れて慣性を止める必要がある。 --弾の速度が遅く、遠距離の敵を破壊するのには慣れが必要。 ---これらはPC-8001版の「オリオン80」では、ある程度の救済措置が設けられている。 -加速ボタンと減速ボタンが共用で押す毎に切り替わるの仕様なので、押してみるまで加速か減速かわからなくなる事がある。 -ジョイスティックで加速・減速ができないので、スピードを調整しながら敵に接近して弾を発射、といったことがジョイスティックだけで行えない。 ---- **クエスト ***概要(クエスト) -一人称の3D迷路ゲーム。ただし、ただ出口を探すだけのゲームではなく、迷路内にいる見えないエイリアンを倒さなければならない。 --迷路にはトラップ等はない。 -迷路には攻撃のための弾が落ちており、それを拾いエイリアンを倒す。数は少ない。 -レーダーがあり、弾の位置とエイリアンの位置が表示されている。一方、コースは一切表示されない。 ***評価点(クエスト) -滑らかに動くワイヤーフレームで表示された迷路。当時でもRPGなどの3Dダンジョンがあるゲームはあったが、それらとは違い前進や方向転換が、スムーズにアニメーションする。 --本作もちらつきがほとんどない。 -マッピングせずに済む程度の程よい広さの迷路。 -単なる迷路ゲームではなく、レーダーだけを頼りに見えないエイリアンを倒す緊張感がある。 ---- **総評 当時のPCの中では低スペックだったPC-6001で、3Dゲームを見事に実現。内容もよく、シリーズの中では評価が高い。 ---- **余談 ***オリオン -浮遊物のオブジェクトは全てラインとボックスの重ねあわせで描画されている。この手法はラリー・ミラー氏がAppleII用で作成した『Epoch』『Hadron』で使用していたもので、このゲームでもタイトル画面で「Based upon the idea by Larry Miller」と謝辞が表示されているが、正式に許諾を受けたのかは不明。 -音楽はタイトル画面は宇宙大作戦(スタートレック)のオープニング曲、ゲームスタート時はインディジョーンズのテーマ(レイダース・マーチ)が使用されているが、これも許可を取ったかは不明。