【まいせるふゆあせるふ】
ジャンル | 恋愛アドベンチャー | ![]() |
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対応機種 | プレイステーション2 | |||
発売元 | イエティ | |||
開発元 | レジスタ | |||
発売日 | 2007年12月20日 | |||
定価 |
初回限定版:9,800円 通常版:6,800円(税別) |
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レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |||
廉価版 | イエティ・ベスト:2010年2月25日/1,800円 | |||
判定 | なし | |||
ポイント | 恋愛ゲーで昼ドラ真っ青の鬱展開 | |||
レジスタオリジナルアドベンチャー I/O / Myself;Yourself / ルートダブル |
架空の田舎町「桜乃杜町(さくらのもりちょう)」を舞台とした恋愛アドベンチャーゲーム。
『I/O』に続くレジスタオリジナル作品であり、イエティのオリジナル作品第一弾でもある。
企画、プロデュースはinfinityシリーズの中澤工、キャラクターデザインはメモリーズオフシリーズのささきむつみが担当した。
発売前からアニメ版が放映されたりと「鳴り物入り」で発売された作品でもあった。
アニメ版の製作に関ったのは『School Days』最終回騒動で勇名を馳せた伊藤誠プロデューサーとマーベラスエンターテイメント。
「OP詐欺」との評に代表される一見明るい作風と怒涛の鬱展開はそれなりに話題を集め、アニメ本編のアップロードが横行していた放映当時のニコニコ動画では再生数の2倍コメントがつくというセンセーションを巻き起こした。
『ハートフルボッコアニメ』とも表現される。つまるところ露骨に「狙った」作品である。
嘗てメモリーズオフシリーズに関わった中澤工による企画、ささきむつみの起用など、メモリーズオフシリーズの後釜を狙っていた部分もあると思われる。
が、どちらかというと『School Days』の後釜の方がしっくり来るような気がする…。実際にアニメの枠は『School Days』の後番組だった訳なので(*1)。
主人公は2人存在し、選んだ主人公によって攻略できるヒロインが異なる。また、選ばなかった主人公はサブキャラとして登場する。
W県の南端に位置し、太平洋に面した人口5000人ほどの閑静な田舎町「桜乃杜町」に生まれ育った少年「佐菜」は、幼馴染の少女「菜々香」や従姉の「麻緒衣」、男友達の「修輔」、その姉「朱里」らと共に毎日楽しく暮らしていた。 小学5年の時に両親の仕事の都合で東京へと移り住んでいた佐菜は、5年後単身で再び故郷へ戻ってくる。そこで彼は初恋の相手だった菜々香との再会を果たしたが、彼女は5年前のような優しい笑顔を佐菜に向けることはなく、それどころか彼に平手打ちを浴びせたのだった。 今も変わらぬ思い出と、様変わりしてしまった風景。この物語では、彼ら若者達の青春時代を佐菜とその親友である修輔の2人の視点から描いてゆく。 (Wikipedia参照)
何をやろうとしたのかは明確ではあるが、致命的に構成力と文章力が欠けていた。
とにかく登場人物の言動がそういう展開・キャラ付けにする為に動かされている感がひどく、理由や過去が伴わない。何かにつけて薄っぺらい印象が付き纏う。
往年のギャルゲーには単に古臭かったり知名度の問題だけで埋もれているものなども少なくないが、本作は「安易に衝撃的な展開を狙って外した挙げ句、設定にも無理が生じており、かつ地の文も読めたものではない」という三重苦。好み以前の問題である。
ヒロインの見た目や発言も無難すぎて、ニコニコ動画やpixivの台頭という時期にサブカル界隈で(スラングやネタ、二次創作になるなど)際立った個性を残すこともできなかった。
総じて、錚々たる声優陣に比べチープな設定と狙いすぎなシナリオから来る不自然な行動動機、陳腐な文章力が目立つ残念な作品となってしまった。
先行するアニメでの宣伝に加えて豪華な絵と声からこの中身では地雷と言っても過言ではない。『メモリーズオフ』のささきむつみ絵と豪華な声優に釣られて買うとがっかりするだろう。