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ファットマン

【ふぁっとまん】

ジャンル 対戦格闘アクション
対応機種 メガドライブ
メディア 5MbitROMカートリッジ
発売元 サンリツ電気
開発元 Mediagenic
発売日 1990年10月12日
定価 7,800円
プレイ人数 1~2人
判定 ゲームバランスが不安定
クソゲー
怪作
ポイント 理不尽な難易度の高さとバランスの悪さ
ゲームシステムにも問題点が多い
格ゲーとしては珍しくアイテムが存在する
グロくて奇抜な作風は一種の魅力?


概要

元々はアクティビジョンから海外でDOSやコモドール64向けに発売されたPCゲーム『Tongue of the Fatman』*1が原作。
日本国内においては、サンリツ電気から『ファットマン』のタイトルで、メガドライブソフトとして発売された*2


特徴

  • 基本操作・システム
    • 操作方法は方向ボタンで移動+ジャンプ、Aボタンと方向ボタンの組み合わせで攻撃、Bボタンでアイテムセレクト、Cボタンでアイテム使用。
    • 一方、ガードや投げに該当する操作は存在せず、敵に対して自動で振り向かずに、自由に左右の向きを決めることができるなど、後年の2D格ゲーと比べると仕様が異なる箇所もある。
      • 本作はかの『ストリートファイターII』が出る前に作られたゲームであり、対戦格闘ゲームというジャンルが確立されていない頃の作品なので、こればかりは仕方ないのだが。
    • ライフは引継ぎ制となっており、戦いに勝利してもライフが回復することは無い。
      • ライフを回復するには後述するファイトマネーを支払う必要がある。
    • 残機制を採用しており、コンティニューできる回数は有限となっている。
  • ファイトマネー
    • 対戦相手に勝利するとお互いが攻撃を当てた数に応じて、ファイトマネーが貰える。戦いが終わるとショップ画面に移行し、ファイトマネーでアイテムの購入ができる。
    • アイテムは試合中に使用することができ、アイテムの効果は主に敵の動きを止めたり、制限を掛けたりするなど、妨害系が殆どを占めている。
    • また、マネーを支払うことでライフの回復と攻撃力の向上ができる。ただし効果は少量。

問題点

  • 異常に高い難易度
    • 本作は全体的に難易度が高く、クリアはおろか勝ち進むのすら苦労する。
    • まず、1人用モードでは主人公の「レックス」しか使えない。しかもこのレックス、リーチが短い上に火力も低く、お世辞にも強くない。
    • ライフが引き継ぎ制となっており、回復にファイトマネーを消費する必要があるので、被弾が多すぎると後述する強力なアイテムを購入できなかったり、攻撃力を十分に上げることができなくなってしまう恐れもある。
    • また、ラスボスのファットマンもかなり強い。具体的にはリーチが長く火力も非常に高いため、下手をするとあっさり負けてしまう危険性がある。
      • もっとも、ファットマンにたどり着くのすら十二分に難しいので、ここまで勝てる人からしたら、誤差かもしれないが……。
  • アイテムの効果の強さにバラツキがある。
    • 前述したようにアイテムを使用することでプレイヤーが有利になるように働かせることができるのだが、これが強力なものと使えないものが混ざっており、バランスの悪さを際立てている。
    • 例えば、相手の操作を反転させる効果のアイテムがあるのだが、これをCPU相手に使用しても効果がなく、完全な地雷アイテムとなっている。
    • 逆に相手の動きを止めてこちらが一方的に攻撃できるようになるものや、一切の攻撃を封じるものなど、強力すぎるアイテムも存在する。
    • しかも、アイテムの効果は時間制限付きなので、戦いにもたつくと効果が切れてしまう。上記の強力なアイテムを使用したところで勝ち確にはならないのも辛いところ。
  • 不親切な仕様
    • 特徴にて記した通り、本作は敵に対して自動で振り向くことがなく、自由に左右に向きを変えることができるのだが、これが想像以上に不便極まりない。
      • 戦いの最中に敵との位置が入れ替わることが多々あり、攻撃を当てようとしても、反対側に攻撃を出してしまうことになりやすい。
    • そのくせ、後ろにジャンプをする際は向きを変えないままジャンプするという中途半端な仕様のせいで、余計に操作が混乱しやすい。
  • 敵キャラの半数がコンパチ
    • 本作はラスボスのファットマンに加えて、ファットマンの部下が16名、合わせて計17名の敵と相手をするのだが、そのうち8名が前半に出てくる敵の色を変えたコンパチキャラクターとなっている
    • 水増し感が否めないのも問題だが、それ以上にラスボスのファットマンまでたどり着く道のりが無駄に険しくなってしまっており、難易度の高さの一因にもなっている。
  • 以上のアイテムのバランスの悪さ・不親切な仕様・単純に敵が多いなどの問題点が組み合わさって、本作はクリアはおろかラスボスまでたどり着くのにすらとても苦労する。
    • 本作のゲームバランスは、「強力なアイテムを使用して一方的にハメる」ことを行わないとまともに勝ち進めず、「ハメに失敗すると苦戦を強いられる」という、劣悪なゲームバランスとなっており、とても褒められたものではない。
  • 2P対戦の問題点
    • 2P対戦では隠しコマンドを入力しないと、レックスしか使えない。後述するが敵キャラのデザインが奇抜なだけに、それがすぐ使えないのはもったいない。

賛否両論点

  • ”洋ゲーらしさ”全開の奇抜かつ独特な作風
    • 良くも悪くもキャラクターデザインが奇抜かつグロテスクで、当時の日本のゲーム市場では、受け入れにくい見た目をしている。
      • タイトルにもなっているラスボスの「ファットマン」*3からして、名前通り醜悪に太った体と、腹に目と口がついているという、異様なデザイン。
      • ファットマンの手下である敵キャラも、頭にヘビを乗せている女性「エドウィナ」、半人半牛の「ラムセス」、心臓が剥きだしの骸骨「ボナパート」、全身緑色で2本の腕で歩き痰を吐く「ストンプ」、8本の脚を持つ人型の蜘蛛(♀)「ウェブラ」など、ほぼ奇妙な見た目の人外しかいない。
      • また、「主人公のクローン」という設定の敵キャラも存在するが、よりにもよって一番最初に戦う敵がこいつである。主人公のクローンが敵として登場する作品は数多くあれど、それを最初の敵として登場させるゲームは本作くらいなものだろう。
    • そして、戦いに負けた方は赤い血を流して地面から出てくる巨大なワニのようなモンスターに食べられる…という独特なセンスを見せてくれる。
    • 以上のようにかなり人を選ぶ作風となっているが、否定的な意見ばかりではなく、その洋ゲーらしさ全開の奇抜なセンスに魅かれた日本のプレイヤーも決して少なくない。

評価点

  • 戦いの内容に応じてファイトマネーを入手でき、アイテムが購入できるというシステムそのものは独自性がある。
  • 敵キャラクターにはそれぞれゲーム内にプロフィールが用意されており、個性付けに一役買っている。
    • ただし、全文英語なので英語が読めないと楽しめないが。

総評

異常な難易度の高さと不親切な仕様によって、アイテムを使ったハメを行わないとまともに勝ち進むのすら困難な、劣悪なゲームバランスの本作。
かの『ストII』が出る前に作られたゲームなので、対戦格闘ゲームとしては独自の仕様が多いことは仕方ないにせよ、ゲームバランスの劣悪さに関しては擁護できない。
一方で、洋ゲーらしさ溢れるグロテスクかつ奇抜なキャラクターデザインと世界観に関しては、ハマる人にとっては評価が高く、奇ゲー・怪作として見た場合は、そこそこの評価を得ている。
ゲームとしてはお世辞にもおすすめできるとは言い難いが、奇ゲー・クソゲーマニアなら、入手してみる価値はある……かもしれない?

最終更新:2026年05月07日 09:05

*1 コモドール64版は『Mondu's Fight Palace』のタイトルで発売された。

*2 一方、北米GENESIS版は『Slaughter Sport』と原題とは違うタイトルでRazorsoftから発売された。

*3 原作での名前は「Mondu(マンドゥ)」。日本版のマニュアルでは「マンデュー・ザ・ファット」と表記されている。