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コナミックゴルフ

【こなみっくごるふ】

ジャンル スポーツ(ゴルフ)
対応機種 ゲームボーイ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売・開発元 コナミ
発売日 1991年11月1日
定価 3,800円
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 2個
判定 良作
ポイント ゲームボーイにして2コース36ホールのボリューム
ゴルフゲームながら初心者への補助も手厚い
様々な記録を残せてトーナメントプロ気分
コナミックシリーズ
アイスホッケー(FC/GB) / テニス / ソウル / ゴルフ / バルセロナ / バスケット


概要

1991年11月にコナミがゲームボーイソフトとして発売したゴルフゲーム。
コナミのスポーツシリーズ『コナミックシリーズ』としてはファミコンの『コナミックスポーツ イン ソウル』以来3年ぶりの新作で初のゲームボーイ作品である。
プレイヤー2人による対戦は通信ケーブル不要で1台の本体ですることができる。


特徴

  • タイトルの通りゴルフのゲームで、常にコースは上空からのトップビューになっている。
    • ショットもトップビューのままで展開される。
  • ショットの方式はもはや基本形ともいえる任天堂式『ゴルフ』に準じた「スイングを起こす」「ダウンスイングに入る」「インパクト」でボタン3回押しの「チャー・シュー・メーン」*1方式。
    • ショットの前にスタンスを決めて、これでスライスボールやフックボールを打つことができる。
    • インパクトをど真ん中でするとジャストミートで最も遠くに飛ばせる。手前でバックスピン(高いボール)、後ろでトップスピン(低いボール)になる。
      • インジケータのミートポイントから手前すぎるとダフりになり、後ろすぎるとトップになる。なお、このミートポイントはウッドなど飛距離の出るクラブほど狭くなる。ティショット時は少し広くなる。
      • このような方式といいショットインジケーターといい全体的には任天堂作品のゴルフゲームよりもナムコの『ナムコクラシック』(FC・1988年発売)に近い形が取られている。
    • 上記作品と異なる点として、スイングの有効範囲が決まっており飛距離を欲張ってダウンスイングに入るポイントを外してしまうと「MISS」と出て、飛距離が充分に出ないばかりか左右にブレたりもする。
  • バッテリーバックアップによるプレイヤー登録制を採用しており、2人まで記録を作ることができる。

ゲームモード

1P

  • トーナメントモード
    • その名の通り公式戦で4ラウンドのトータルスコアでCPUプレイヤーと競い合う。
    • まずはマスターコースから始まり、1ホール終わるごとに、その途中経過が発表される。
  • プラクティス
    • 練習モードで、好きなホール(2コースどちらでも)を選んで練習できる。
    • このモードではセレクトボタンを押して強制終了が可能。
  • レコード
    • 「ホールインワン」→「ドラコン(ロングドライブ)・ニアピン」→「トータルスコア」→「ベストスコア」の順番で表示。
    • ホールインワン
      • 過去にホールインワンを達成したホールと、そのプレイヤー。
    • ドラコン(ロングドライブ)・ニアピン。
      • 対象のホールでのドラコンとニアピンの最高記録。
    • トータルスコア
      • 現状プレイしているトーナメントモードのトータルスコア(前のラウンドのも見ることができる)。
    • ベストスコア
      • 上記の中で最も良かったラウンドのスコアをホール単位で見ることができる。

2P

  • プレイヤー2人で対戦するモード。
    • ストロークプレイとマッチプレイが選択できる。
    • マスター、チャンプ2つのコースから好きな方を選択でき、フルラウンド(ALL)、ハーフラウンド(OUT・IN)の選択も可能。
      • ハーフラウンドの場合「OUT」は1~9ホール、「IN」は10~18ホールで行う。

評価点

  • 『ナムコクラシック』同様のシステムのため安定して真っ直ぐのショットがしやすい。
    • 上記に加えてフックやスライスボールの調整もしやすいのでプロ感覚が味わえる。
    • 加えて各クラブに飛距離の期待値が表示されているので、どれを使うかの判断もしやすい。
      • 更に残り距離との整合性を考えて、何が現状に適したクラブなのかを自動でデフォルト表示してくれる。
    • これらにより、やり込まなくても最初からそこそこのスコアはキープしやすい。ゴルフゲームは慣れるまで50オーバーあたりのボロボロのスコアはザラだが、ショットのシステムさえ飲み込めればそこまでひどいスコアになりにくく、プレイのモチベーションも保ちやすい。
  • 最初にプレイすることになる「マスターコース」の絶妙なホール構成。
    • 序盤は正攻法のみの構成から徐々に、ショートカットなどの応用技がきくようなホールが出始める。
      • 少しずつ慣れてきたころに様々な攻め方でスコアを伸ばしていくという感覚をつかみやすい。
  • ゲームボーイながら豊富なコース。
    • 2つのコース(36ホール)を収録し、いずれも特徴的なホールばかり。
  • ドラコン、ニアピンなどのコンテストもあり、まさしくプロトーナメントの感覚。
    • しかも、ドラコンならフェアウェイキープ、ニアピンならばグリーンオンが条件だったりなど、本格的なプロルールに則っているため一層プロ気分を味わえる。
    • そしてこれらの記録も事細かに記録されるので、より高みを目指す気持ちを後押ししてくれる。
  • 対戦も幅広い。
    • ストロークプレイとマッチプレイだけでなくハーフラウンドまで対応している。
    • 加えて通信ケーブルを用いないので、1本のソフトと本体で対戦が可能。頻繁に相手と本体を受け渡し合う手間があるのが欠点だが。
  • 長丁場に備えてバックアップまで完備されている。
    • しかもホール単位で記録されている。
  • コナミックサウンドは相変わらずのハイクオリティ。
    • BGMもゴルフらしい雄大な景色を想像させるものでショットのSEも既存のゴルフゲームとはまた一味違ったリアルなショット音。

賛否両論点

  • ライによるクラブの縛りがない。
    • ショットシステムこそ『ナムコクラシック』と同等とはいえ、左記作品はライによって特定のクラブが使えなくなるが本作ではその点でも自由。
    • ただ、だからといってバンカーの目玉状態でドライバーを使っても全然飛ばないので、その点では特性を知ってクラブを選ばなければならないため判断がより難しいと言えるかもしれない。
  • スイングの上限がなく、バックスイングを取りすぎるとミスショットになる。
    • 『ナムコクラシック』は上限に達すると、もう一度スイングを起こすところからのやり直しだが本作はショットのパワーが落ちコントロールがブレてしまうのでバックスイング上限一杯を狙いすぎると思った通りのショットができずヘタをすればOBにつながってしまう。
      • とはいえゴルフゲーム自体が元々玄人好みな一面が強いのでより本格的だし狙いすぎなければ未然に防げる。また対戦プレイではそれによって何度もスイングしなおしが発生したりしないので進行をスムーズにしている。

問題点

  • 常にトップビューのみでプレイヤーのリアル視点でのグラフィックがないため、ちょっと淡白な印象を受けやすい。
    • リアルなゴルファーが打ったボールがリアルなアングルの景色の中に飛んでいくアクションビューもこのようなゲームの魅力であるだけに少々残念に思える部分。
  • クラブが固定。
    • 直後に発売されたゲームボーイ版の『ナムコクラシック』はファミコン版同様に、それができるだけに少々不満に感じられる。
    • 少なくとも当時のゲームボーイは2~3年前のファミコンレベルなゲーム性は再現できており、この当時にはクラブ選択ができるゴルフゲームは標準だっただけに物足りなく感じられるし、個性を反映できた方が面白みが広がったことだろう。
    • 一応ティグランド以外でもドライバーが使えるので2Wがないことへの不満は多少軽減されているが。
  • キャディなどのアドバイス要素は一切ない。
    • 一応、ピンまでの距離などは常に表示され、大まかながらクラブ選択を自動でしてくれるとはいえ少々淡白に思える部分。
  • 対戦ではハンディキャップが設定できない。
    • せっかく初心者でもそこそこ馴染みやすいシステムなので、それがあった方が上級者との対戦も無理なくできて、より面白くなっただけに勿体ない部分。

総評

大多数のゴルフゲームは元々難しく、最初はボロボロのスコアに耐えながら練習プレイを相当重ねてホール特性なども知り尽くしてからやっと勝負できるレベルになり、そこから面白くなるのが定番ながら本作は、そこまでに至るのが早い。
既存の王道のゴルフゲームともショットシステムが同等なので他のゴルフゲームへも応用が利くので「ゴルフ好きで現実のゴルフができない少年層」や「ゴルフゲームの難しさに挫折したようなプレイヤーのカムバック層」などエントリー用ソフトとしても丁度よい。
ゲームボーイという限られた小容量のソフトの中に2コース36ホールと充実した内容が入れられている時点で驚きだが、それ以上に当時ファミコンのゴルフゲームでも満足に取り入れられていなかったニアピンやドラコンまでしっかり完備している。
ホール単位の練習環境もバッチリ整って練習して上手くなる意欲にも応えたシステムで、更に手広い対戦もできると至れり尽くせり。
飾りっ気がなく地味な見た目ではあるものの、入門層からやり込み層まで幅広く楽しめることだろう。


その後の展開


余談

  • 元々『コナミックシリーズ』とは『エキサイティングシリーズ』の流れを汲んだスポーツシリーズではあるのだが1988年に発売された3作品のみで上記『ソウル』を最後に以後はまったくリリースされていなかった。
    • 実際このシリーズは前身シリーズ同様、ナムコの『ファミリーシリーズ』のような確固たる人気は得られず一度は終わったはずのシリーズだった。その後も『モトクロスチャンピオン』(1989年1月発売)『がんばれペナントレース!』(1989年2月発売)などレースやスポーツのゲームは出しているものの『コナミック』とは冠していない。
    • しかし翌年のバルセロナオリンピックを模したゲームの発売を見据えた布石としてシリーズを復活させることとなった。また時代の主役はスーパーファミコンに移行しゲームボーイはお手軽路線を押し出してきた一面もあり、その点においてスポーツ系ゲームは相性が良いこともあるだろう。
最終更新:2026年08月22日 08:57

*1 講談社の『週刊少年マガジン』でこの年の6月まで10年以上にわたり連載されていた人気ゴルフ漫画『あした天気になあれ』(作:ちばてつや)の主人公、向太陽がスイングのリズムを取るために唱えていた。