【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず つーさうざんどわん】
ジャンル | 対戦格闘 | |
対応機種 | アーケード(MVS)、ネオジオ | |
販売元 |
【AC】サン・アミューズメント 【NG】プレイモア |
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開発元 |
ブレッツァソフト イオリス |
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稼動開始日 | 2001年11月15日 | |
判定 | ゲームバランスが不安定 | |
ポイント |
従来のシリーズから全体的な品質の低下 投げっぱなしのストーリー 公式黒歴史キャラ「K9999」 キャライメージ崩壊のイラスト 調整不足を通り越して穴だらけのバランス 格ゲーの歴史に残る凶悪キャラ「フォクシー」 本作から後継会社へ。むしろ出たこと自体が奇跡 |
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THE KING OF FIGHTERSシリーズ |
『ザ・キング・オブ・ファイターズ2000』開催中、衛星兵器ゼロ・キャノンにより1つの街が消失した。
これは人工衛星の落下事故と報じられ、各国の新聞の一面を飾った。
何らかの事故がつきもののK.O.F.は中止の声も少なからずあったが、皮肉なことにこのいわくつきの格闘大会は再び人気を取り戻していく。
それは、97年の大会と同等かそれ以上に過熱していった。
世界規模で行われるこの大会だったが、懸念すべき事実もあった。大会にエントリーした、ネスツチームの存在だ!
大会主催の真の目的は?今年も、あの惨劇が繰り返されないという保証はなにもない…
SNKの対戦格闘ゲーム『KOF』シリーズ8作目にして、ネスツ編完結編。
本作は旧SNK倒産後でその年の年内に、その旧SNKの版権(知的財産権)が、プレイモアを始めとする後継会社(企業や版権周辺について詳しくは「余談」の項目にて)に受け継がれた後に発売された、その後継会社における新規ゲームの第一弾。
本来なら旧SNK倒産直後という時期もあって出るはずが無かったKOFの続編であるが、韓国のイオリス社が旧SNKスタッフのいる会社ブレッツァソフトに出資することで実現した(*1)。以上のような事情や状況下に短期間で開発、発売されたこともあり、前作までは一貫して夏に発売・稼働開始していたが、本作はシリーズで初めて秋に稼働開始したことで伝統が途切れ、以降は作品ごとに稼働開始の時期が異なるようになる。
なお8作目ではあるが、OPではこれまでのネスツ編同様、ドリームマッチの『KOF'98』を除いて「EPISODE 7」と銘打たれている。
キャラクターイラストは前作までの森気楼氏が前作『2000』を最後にカプコンへ移籍したため、新たにノナ氏が担当している。
新キャラには * マークを、復活キャラには * をつけている。
旧SNKが倒産し後継会社発足直後という体制すら整っていない中でしかも納期(年号通りの年内)以内の発売・稼働に無理にでも間に合わせる急ピッチでの開発だったせいで、対戦バランスが調整に時間をまともに割く余裕すらなかったことがあからさまに解る出来となっている。以下に本作のバランスを壊しているキャラクターや永久コンボの代表例を紹介する。
ボスに辿り着くまでは「難しすぎず易しすぎない」楽しませるためのバランスとなっており特に問題ないのだが、ボスが凶悪すぎる。
+ | その他バグ一覧 |
KOFシリーズは元々対戦ツールとしてよりも(これまでのうち、バランス面でも非常に優れた『'98』は例外とする)、キャラクターやストーリー、サウンドなど演出面の魅力によってファンに愛されたシリーズである。
本作は、主要な問題点であるバランスの悪さに加え、そういった良質なBGMやドット絵の表現力などが失われ、多くのファンの反感を買う結果となった。
本編シリーズ中で最低クラスの評価を受けることが多い本作だが、最低限のものは受け継ぎ、独自の光るものも確かに存在する。
バランス・ビジュアル・ストーリーどれもが問題だらけだが、一部の新キャラクターや必殺技・新システムなど、本作で生まれた新要素の中には確実にファンの心を掴み、その中には現在の最新作にも採用されているものもある。名作シリーズの後継作としては大問題だが、何もかもが否定されたわけではない…そんな表現がピッタリだろう。
だからこそ当時のKOFプレイヤー達は本作を「KOF」の新作として受け入れ、今後の作品展開に期待と不安を抱いていた。
会社やスタッフの当時の状況はもはや窺い知れないが、ここまでの完成度にもっていくだけでも並々ならぬ苦節があったのだろう。
低レベルとなってしまったが、紛れも無いKOFの正統シリーズ…それがKOF2001であった。
+ | 長いので畳み |
【DC】THE KING OF FIGHTERS 2001(2002年12月26日 発売元:プレイモア)
【PS2】THE KING OF FIGHTERS 2001 (2003年10月23日 発売元:SNKプレイモア)
【PS2】ザ・キング・オブ・ファイターズ~ネスツ編~(2007年4月19日 発売元:SNKプレイモア)
【PS4/Switch/One/Win】アケアカNEOGEO ザ・キング・オブ・ファイターズ 2001(2018年9月27日 配信元:ハムスター)
*1 未だにこの件から「SNKは倒産後韓国の会社に買収された」、「プレイモア(SNKプレイモア)は韓国企業」、「KOF2001の発売元はイオリス」などという間違った認識を平気で記述している内容がWebで多数散見されているが、前述の通りイオリスはあくまでKOF2001と2002のスポンサーとして出資をしたことと開発者を派遣しただけに過ぎず、公式にも否定されている。
*2 続編『2002』以降では隠し及びタイムリリース/追加DLCと形態が異なる場合があれどエディット専用枠が復活している。
*3 タクマの「MAX版龍虎乱舞」や、イグニスの「ブルータルゴッドプロジェクト」など、技の演出としての喰らっている側の気絶モーション自体は存在している。
*4 小足は発生直後は普通にガードできるが何故か持続部分がガード不能になっており、相手の起き上がりに持続を重ねる等の方法でガード不能部分を当てられる。更に小足を出してから特殊な操作を行うと通常は単発技の小足が何故か2段技に変化し、この2段目が前述のガード不能部分になってしまっているため普通に小足を当てるような状況でもガード不能にできてしまう。
*5 シリーズ過去作では『'96』の鎮元斎やマチュア、『'97』のテリー・ボガードなどが主に該当。
*6 特にガード不能バグやそれを絡めた連続技・連係は強力だがタイミングが問われる為、真価を発揮するにはある程度練習が必要。
*7 ネスツ編総集編でもある『2002UM』(『2002』のリメイク)でも、従来のタメキャラ仕様に戻されている。
*8 ストライカーはいないものの、戦闘メンバー本人一人だけのためか最大ストック数は4本。
*9 『'97』のオロチや『2000』のクローンゼロのようにそもそも「弱い」という例は除く
*10 もっともこのような誤記・誤植や設定への矛盾は、これまでの旧SNKの頃から、初代『餓狼伝説』の作中デモの「許"る"さーん!!!」や、『餓狼伝説スペシャル』においてリョウの必殺技である虎煌拳(飛び道具)の模様を「虎の模様」にしてしまったりなど、本作に始まったことではない事を注意されたし
*11 KOFの派生作である『KOFマキシマムインパクト』には韓国人女性キャラのチェ・リムが出ているが、言動やモーションから「キムの女性版」に近く、オリジナリティに乏しい面が見られた。
*12 外伝の『マキシマムインパクト2』のみ『2000』の衣装と髪型のアレンジ。本編では『XV』で実に本作以来約21年ぶりに髪型が変更され、『'99』を彷彿とさせるボブカットに変更された。こちらは多少賛否がありながらも独自の衣装と相まって評価はそこそこ高い。
*13 彼女は有名声優でありながら、滅多に格闘ゲームに声を当てない。本作が出るまで、格闘ゲームで出演した例はセガの『ラストブロンクス』の草波リサぐらいしかなかった。また、SNK系列のゲーム出演はこれが初ではなく、ジャンルは変わるが、旧SNK時代にPS版『メタルスラッグ』のオリジナルモードにてソフィア教官を演じてる。
*14 タイムリリース/追加DLCキャラクターの数を除き、最初のバージョンの時点で本作を凌駕している。
*15 当初はサンアミューズメントがネオジオやMVSの販売とメンテナンス、プレイモアは版権の管理、ブレッツァソフトが開発という体制で再興の足場固めを進めていくこととなった。
*16 旧SNKの破産宣告と同日
*17 ただし、京がネスツから脱出した後に生み出されたため「劣化コピー」となっており、能力・性格ともほとんど失われている。なお、クローン人間自体はネスツ編全体に登場するもので突飛なものではない。
*18 テンキー表記で「1632143」
*19 発動すると画面中央で派手に攻撃演出が展開される。効果は「一定時間相手フィールドのブロックを見えなくする」「自フィールドの底を1段階下げて戻す」「自分のネクストブロックの自然落下を防ぐ」等さまざま。
*20 内訳は、10人:STグルガン → 20人:ST龍 → 30人:STクリザリッド → 40人:AC韓国ステージ → 50人:AC日本ステージ → 60人:AC中国ステージ → 70人:ACアメリカステージ → 80人:ACブラジルステージ → 90人:ACイタリアステージ → 100人:ACメキシコステージ → 110人:ACゼロステージ → 120人:ACイグニスステージ → 150人:ゼロ → 200人:イグニス