コリン・マクレー ザ・ラリー
【こりん・まくれー ざ・らりー】
ジャンル
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ラリーゲーム
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対応機種
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プレイステーション
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メディア
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CD-ROM 1枚
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発売元
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スパイク
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開発元
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Codemasters(コードマスターズ)
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発売日
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1999年3月11日
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定価
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5,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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コリン・マクレー監修のラリーゲーム 難点こそ多いがリアルで革新的な作品
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概要
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1998年当時のWRCで活躍していたラリードライバー、コリン・マクレーが監修したラリーゲーム。
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PS版とPC版で発売されており、PC版は「コリン・マクレー ラリー」という名でイマジニアから発売されている。
特徴
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コントローラは、アナログコントローラ(DUALSHOCK)とネジコンにも対応している。
ゲームモード
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ゲームモードは全部で4種類用意されている。
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このゲームモードのメインモード、「チャンピオンシップ(CHAMPIONSHIP)」は、8つの開催国の全52コースを走破し、ワールドチャンピオンを目指すというもの。
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このモードでは、ある一定の順位までに入らなければ次の開催国のステージに進むことができない。
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「ラリー(RALLY)」は、8つの開催国から1つを選び、その国でのチャンピオンを目指すというもの。
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「タイムトライアル(TIME-TRIAL)」では、任意のステージを選択し、タイムアタックに挑戦する事ができる。
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「ラリースクール(RALLY SCHOOL)」では、車の操作方法を学習する事ができ、難易度によって学習内容が異なっている。「グランツーリスモ」シリーズにおけるライセンスと同じようなもの。
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ただし、「これを受けなければラリーは受けられない」という訳ではない。
コース内容
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コースは前述の通り、全部で52コース存在し、開催国はニュージーランド、ギリシャ、モンテカルロ(モナコ)、オーストラリア、スウェーデン、コルシカ(フランス)、インドネシア、イギリスの8ヶ国が収録されている。
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ラリーモードでは、最初はニュージーランドのコースしか走れないが、チャンピオンシップモードでコースを走破していくと、ラリーモードで走れるコースが増えていく。
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説明書にはコースマップの紹介とそのステージの攻略が載っているので、それを参考にしてみるのも良いだろう。
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ただし、各開催国の最後に存在するSSS(スーパー・スペシャル・ステージ)は載っていないので、自分で攻略法を見つけるしかない。
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SSS(スーパー・スペシャル・ステージ)とは、通常のラリーに存在する一般公道を使ってタイムを競うSS(スペシャル・ステージ)とは異なり、同じコースを2台のマシンが同時にスタートし順位を競うルールとなっている。
コ・ドライバーとナビゲーションアローについて
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「コ・ドライバー」とは、ラリーにおけるナビゲーターのこと。このゲームにもコ・ドライバーが存在し、走行の際にアドバイスをしてくれる。
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ただし、英語で喋っているので英語が解らない人には何を言っているのかが解らない。
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「コ・ドライバー」の音声は、当時のWRCでコリン・マクレーと共に活躍していたニッキー・グリストを起用している。
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また、このゲーム独自の機能として「ナビゲーションアロー」という機能が存在する。
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この機能は、走行中にカーブに差し掛かる際に表示されるもので、カーブの角度によって表示されるアイコンが異なる。
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こういった機能は、視界の悪いコースなどでは大変重要な物となる。
収録されているマシン
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このゲームに収録されているマシンは全部で7種類存在し、隠しマシンも4種類存在する。
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4WDのマシンは4台、2WDのマシンは3台収録されており、それぞれのマシンには様々な特性が存在する。
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例を挙げるとすれば、「スピードの伸びは最高だがブレーキングが弱い」というマシンもあれば、「スピードは他のマシンと比べてやや劣るが、加速とブレーキングに優れている」といったマシンも存在する。
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なお、これらの収録されているマシンはもちろん全て実在するマシン。コリン・マクレーが実際にラリーで使用していたマシン「スバル インプレッサ WRC(SUBARU IMPREZA WRC)」も収録されている。
セッティング
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「セットアップ(SETUP)」では、2ステージごとにコースの状況に応じてマシンのパーツを変更する事が可能。
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これを行うと、画面左上にあるタイマーが減っていく。このタイマーはリアルタイムでは減らず、セッティングをしていくと減っていく。このタイマーをオーバーしたセッティングはできない。
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「リペア(REPAIR)」では、レース中に受けたマシンのダメージを修理する事が可能。
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ただし、これもセッティングと同じく、タイマーをオーバーすると修理ができない。
評価点
コースのバリエーションと再現度
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前述の通り、全52コース、8ヶ国のコースが存在するが、国によってコースのバリエーションが様々で、山岳地帯やサバンナ、市街地、ジャングルなどのコースが存在する。
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また、コースによってアクセサリーや障害物が異なり、木々や山の斜面、柵、住宅、さらにはヘリや自動車、鉄道の貨車なども作りこまれている。
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それだけでなく、コースによって天候や地形、路面の状態が違い、これらも忠実に再現されている。
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例を挙げるとするなら、夜のコースなどでは視界が悪くなり、雪路や悪路などではマシンが動きにくくなる。
マシンの挙動、ダメージの再現
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マシンの挙動や排気音が忠実に再現されている。ラリーにおけるドリフト走行も可能。
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マシンのダメージや汚れも再現されており、障害物にぶつかるとマシンの窓ガラスが割れたり、マシンのボディに傷や凹みがついたり、ライトが点灯しなくなったりする。場合によっては横転する事もある。
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マシンの故障は操作性や挙動にも影響する。マシンの故障は前述のリペアで修理できる。
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なお、ライトやボディは次のラリーでは元通りになる。
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ラリーにおけるスピード感も再現されており、ラリー特有のスリルを味わう事が出来る。
グラフィック
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今の目で見ると少々粗が目立ってしまうが、グラフィックは当時としては素晴らしい程リアルなものであった。
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テレビの画質や映像出力によってはグラフィックのリアルさが実感できない場合もあるが、ハイビジョンテレビで映像出力をHDMIにしてPS3でプレイしてみると、グラフィックのリアルさ、作り込みの高さが驚くほど実感できるはずだろう。
難点
ロード
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ロードの回数が少々多い。ただし、ロードの長さは数十秒程度であり、さほど苦痛にはならない。
BGM
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BGMはOP・メニュー画面・ラリー結果発表などでしか流れず、ラリー中には流れない。しかも流れるBGMの数はたったの一つしかない。
難易度の高さ
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このゲームはリアルさ故に初心者にとって難易度が少々高い箇所が存在する。
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例えば、天候や時間帯により視界が悪いコースや、カーブや障害物の多いコースなどが存在し、操作ミスをしがちな箇所が多く、操縦に慣れていないと大きくタイムロスしてしまう場合もある。
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また、セッティングに関してもコース状況によってどのように合わせれば良いのか初心者にとって解りにくい部分が多い。
登場マシンの数
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登場マシンの数が若干少なく、最初は4台(隠しマシン含まず)しかない。
総評
難点は多いものの、当時としては最高のラリーゲームであり、リアルで革新的なゲームでもあった。
そして、このゲームの登場は多くのラリーファンを喜ばせ、このゲームから後に「コリン・マクレー・ラリー」シリーズが誕生する事となった。
余談
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2007年9月15日、コリン・マクレーは自家用ヘリの墜落事故で帰らぬ人となった。彼の死は多くのモータースポーツ関係者に衝撃を与えた。
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この影響で当時発売間近だった「Colin McRae Rally 2005」のMac移植版は急遽発売延期となった。また、死後に発売されたシリーズ作品のほとんどは2011年に発売された「DiRT3」をはじめコリン・マクレーの名前が入っておらず、入っているのは2009年11月5日に発売された「Colin McRae: DiRT 2(コリン・マクレー:ダート2)」と2013年に発売された本作と同名の作品のみである。
最終更新:2021年11月11日 15:39