PICTIONARY
【ぴくしょなりー】
| ジャンル | テーブルゲーム |  | 
| 対応機種 | Nintendo Entertainment System (NES) | 
| 発売元 | Ljn | 
| 開発元 | Software Creations | 
| 発売日 | 1990年7月 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 元は生かされず しょぼいミニゲームの集まり
 原作通りのお絵かきゲームは修練が必須
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概要
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『ピクショナリー』とは、すごろくの一種。マスに到達すると、指示に従いカードを引く。カード内容に沿った絵を描きチームメイトに、一分以内にカード内容が何かを当ててもらうボードゲーム。
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カードの内容は様々。絵心と表現力、チームメイトとの呼吸が要求されるが、時間内に必死になって描く「それっぽくない絵」でより盛り上がるパーティーゲームである。
 
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本作はなぜかそんなボードゲームをビデオゲーム化したもの。
システム
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ゲームは"REGULAR GAME"と"ALTERNATIVE GAME"の二つに分かれる。
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どちらも基本システムはすごろくで、ダイスを振って駒を動かしていく。
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最大5チームまでプレイ可能。
 
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"REGULAR GAME"は本作のメイン。
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マスに到達するとミニゲームが開始される。画面が左右に分割され、左画面でミニゲームが行われる。右画面には表示される絵があるのだが、6×8=48枚の黒いボードで覆われプレイ開始時は何も見えない。ノルマをこなしていくとボードが開かれ、絵が少しずつ表示されていく。ゲームには全て制限時間があり、ミスすると時間が減っていく。
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ミニゲームは四種類。
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The Warehouse Shuffle:配達員が左から右へ荷物を運んでいく。邪魔する物体が宙を飛んでおり、これをかわしながら運ぶ。
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Leapin' Energy Capsules!:宇宙飛行士が突如現れる青いボールを収集していく。台座の上に現れた場合、ジャンプして取りに行く。台座と台座の間には物体が飛び跳ねており、これを避けつつ取に行く。
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Four Alarm Rescue:消防士が火事となったビルから、人々を救出するゲーム。人々はビルから飛び降りてくるので、それをマットで拾う。
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Attack of the Paint Zombies:上下の反転したインベーダーゲーム。動きもインベーダーと同じ。ただし防壁はない。
 
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ミニゲームの制限時間が終わると、表示された絵が何か当てるモードとなる。制限時間内に当てると、チームの順番が続く。失敗すると次のチームへ順番が移る。
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最終的にゴールに早く到達したチームの勝ちになる。
 
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"ALTERNATIVE GAME"は原作のボードゲーム近いシステム。
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ゲーム上で絵を描き、当ててもらう。自分のチームが当てると続けてできるが、他のチームが当てると順番が交代する。
 
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他に、"ALTERNATIVE GAME"の練習のため、"DRAWIMG PRACTIC"というお絵かきモードがある。
問題点
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単純にミニゲームがつまらない。
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順番にゲームをする構成になっているので、1プレイを短くする必要があったのだろうが、淡泊すぎてプレイしても見ててもそう面白くないもの。
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しかも種類はわずか四つ。半分ほど進めば、ほぼ全てのゲームを経験できる。
 
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順番待ちが辛い。
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ミニゲームは長いと1分半以上ある。さらに回答制限時間が45秒。見ていても面白くもないので、他のチームは待つのがつらくなってくる。
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用意されてる絵に限りがあるため、何度もやっていると見慣れたものばかりになってしまい、正答が簡単になってくる。すると他のチームは、いつまで経っても順番が回ってこない事に。
 
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"ALTERNATIVE GAME"の描画ツールが、あまりよくない。
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かなり使いづらく思った通りの絵を描けるようになるには、相当慣れが必要。慣れてないプレイヤーだと思い通りの絵をなかなか描けず、問題が問題として成立しない。
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左右キーでカーソルを回転。前後キーでその場に大小の円を描く。Aでカーソルを前進しつつラインを引き、Bでただの前進となっている。こんな操作なため、カーソルを回転させようとして誤って円を描いてしまうというミスが発生しやすい。さらに、失敗した線や円を消す方法がないので、一旦描き損なうと取り返しがつかない。
 
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まともに操作できても、原作のようなテーマ指定がないため、出題者がテーマを決めないといけない。面白さが出題者に左右される。
 
評価点
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BGMがよい。特にオープニングは、ボードゲームに使うのが惜しいほど。
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BGMをソルスティスなどで有名なTim Follinが手がけている。
 
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デザインやコマの動きなど、グラフィックは悪くない。
総評
ボードゲームとしても、純粋なゲームとしても、つまらない。
そもそも素早く絵を描くという要素を持つボードゲームを、どうしてファミコンで実現しようと思ったのか。原作のシステムに近い"ALTERNATIVE GAME"は、ツールの悪さからまともにプレイできるようになるまで、かなり練習が必要となる。使いこなせてもゲーム性が乏しいため、やはりつまらない。一方、独自システムの"REGULAR GAME"の方は、ミニゲームが単純で種類も少ないため、面白みがない。
本作をやるくらいなら、素直に原作のボードゲームをやった方がいいだろう。
Ljn製作ゲームの多くが「原作つき」「原作を上手く生かせていない」事を考えると、本作もLjnらしい一作だと言える。
Tim Follin氏が作曲をしているBGMのおかげでネットで名前が出てくる程度のゲームである。
最終更新:2021年05月25日 11:01