魔法少女まどか☆マギカ ポータブル

【まほうしょうじょまどかまぎか ぽーたぶる】

ジャンル RPG 通常版
限定版
対応機種 プレイステーション・ポータブル
メディア UMD 1枚
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 バンダイナムコゲームス
ニトロプラス(開発協力)
発売日 2012年3月15日
価格 通常版:6,400円
限定版:11,990円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12才以上対象)
コンテンツアイコン セクシャル、暴力、犯罪、言葉・その他
判定 なし
ポイント 概ね原作重視のシナリオは及第点
バランスは高難度ながら程よい
一部オススメできないシナリオ、調整不足で評価を落とす
魔法少女まどか☆マギカシリーズ
ポータブル / The Battle Pentagram / MAGICARD BATTLE


WARNING!!!!!!!
本項には随所で原作アニメ・ゲーム共々のネタバレを多々含むので要注意。


概要

  • ひだまりスケッチ』の蒼樹うめが原案を努める可愛らしいキャラクターと、
    沙耶の唄』などのダークな作風で知られるニトロプラス(Nitro+)の虚淵玄による脚本という異色のタッグと先の読めない展開で、
    2011年の話題台風の目となったアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の初ゲーム化作品。通称『まどマギ(まどか)ポータブル』『まどポ』。
    • キャラクターの詳細などの作品概要は外部サイトも参照。
  • ゲームはADVパートとローグライクなダンジョンRPGパートの2面構成。

ゲームシステム

ADVパート

  • ルートによって、少女を魔法少女へ契約させる「キュゥべえ」、または魔法少女の1人である「暁美ほむら」を操る。
    • 「日」と「時間帯」が決まっており、マップ上に散らばった少女たちから1人を選んで会話を進めていく。
  • 魔法少女でないキャラクターには「因果値」、魔法少女には「感情値」「ソウルジェム」のパラメータが設定されている。
    • 因果値が高いと(下がることはない)魔法少女になった後の「MP」が高くなり、強力な魔法少女になる。
    • 感情値の高低はRPGパートに影響する。一応下げることはできるが、高くなるイベントの方が多い。
    • ルート後半から「ソウルジェムが穢れる」イベントが発生することがある。詳細はRPGパートで後述。
  • 特定のタイミングで、キュゥべえは「Qボタン」、ほむらは「ほむボタン」を使用して、会話に介入することができる。
    • 使用を強制させられる箇所では、重要な選択を迫られることもある。
    • 使用を強制されない場面では隠されており、原作をよく見ていれば気付く・突っ込みたくなるもの、隠されていることに普通は気付かないであろうものまで様々。
  • 特定の日・時間帯を迎えると、RPGパートへ突入する。

RPGパート

  • 「不思議なダンジョン」などに見られる、ローグライクのダンジョンRPG。ダンジョン最深部の魔女を倒すため、魔法少女たちを操る。
    • マップの移動・攻撃はスクエア型(四方)。行動は敵味方同時に1歩=1ターン単位で進行。
  • 魔法少女の「魔法」は、「格闘攻撃」「射撃攻撃」「補助」「自動」に分けられる。「格闘」の中で最も威力の低いもの、常に発動する「自動」以外の魔法は、全てMPを消費し、一部の魔法には1ターンの「チャージ」も要求される。
    • 「スペルブック」というアイテムを道中で拾い、条件を満たしてから使用することで、新しい魔法を習得できる。
      • レベル上げ・アイテム使用による一定以上のステータスの上昇と、特定の魔法の事前習得が条件となっている。これを「マジックツリー」というシステムで管理する。
    • キャラクターと攻撃魔法には「斬」「衝」「貫」「無」の4属性が設定されている。
      • 斬は衝に強く、衝は貫に強く、貫は斬に強い…という3すくみの関係。キャラクターの弱点を突くと大ダメージを与え*1、チャージが解除される。無属性はどれでもない。敵の属性はもちろん、自分の属性も重要になる。
      • 攻撃魔法には感情値に比例した倍率補正もかかる。
  • HP/MPはターン経過と同時に自動で回復するが、その度に「ソウルジェム」が感情値に比例して穢れていく。他ローグライクゲームにおける「空腹度」のような存在であり、プレイヤーはソウルジェムの管理にも気を配らねばならない。
    • 魔女を倒すと手に入る「グリーフシード」を使用することで、ソウルジェムの穢れを取ることができる。
      • ソウルジェムが穢れを完全に貯めこんでしまうと「HP/MP以外の基礎ステータスの低下」「MP消費魔法の使用不可」というデメリットを課される。更にルート次第では「グリーフシード使用不可」「魔法少女の魔女化(BAD寄りエンド)」が確定する。

魔法少女

  • 鹿目まどか (貫)
    • 射撃寄りで、縦4マス貫通攻撃から始まり、広範囲の貫通攻撃を中心に覚える。格闘攻撃のクセも、射撃寄りの他2人と比べれば少ない。
      • 技名も「マジカルアロー」「マジカルスコール」「スターライトアロー」など、格好を付けているがまあまあ普通…と思いきや「パニエロケット」だけは思いっきりネタ*2
    • 補助魔法の中でも回復が凄まじく、蘇生魔法、ソウルジェムの穢れを少し浄化する魔法「天上の祈り」まである。
    • 状態異常に強い自動魔法は無く、油断すると回復力を発揮できないまま力尽きてしまう。
    • 魔法少女にならないままエンディングを迎えることもあり、因果値を上げるイベントは非常に多い=魔法少女になっているルートではMPが多いのだが、初期レベルの低さ、MP以外のステータスの低さから、早期の活躍は見込めない。
  • 巴マミ (衝)
    • 射撃寄りで、高威力・広範囲・要チャージ・大消費の巨砲主義。
      • 技名はおなじみ「ティロ・フィナーレ」に始まりほぼイタリア語で統一、日本語の技名も「黄金の美脚」「無限の魔弾*3」と派手。ファン界隈で散々ネタにされる中二病テイスト満載。
    • 行動を数ターン封じる状態異常「バインド」を補助魔法で敵に付与、自動魔法で攻撃時にも低確率で付与できる。足場への攻撃を5ターン無効化する補助魔法「絶対領域」を覚えさせれば、名実ともに砲台になる。
    • 格闘も含めればチャージ無しで三属性全てを扱えるが、威力の高い格闘攻撃までもが要チャージ。状態異常にも弱く、絶対領域・バインド付与で隙に付け込まれない戦い方を求められる。
    • 高レベルで参入するが、ルートの展開によっては序盤で退場してしまうので、頼りすぎは禁物。退場しないルートでもMP消費後のソウルジェムに注意。
  • 美樹さやか (斬)
    • 格闘寄りで、極めて攻撃力が高いが、ほとんどの射程が1マスで被弾率が高い。
      • 「エッジ」「コラテラルエッジ」などカッコイイ感じのもの、「アレグロ」など音楽用語にちなんだもの、「スクワルタトーレ」「ローレライの旋律」などマミに影響されていそうな中二病チックなもの、技の由来がバラバラなのもノリの良いさやからしい。
    • 3マス先へ突撃する「スティンガー」、2倍行動できる特殊状態「倍速」を付与できる「アレグロ」で機動性を確保できる。
    • 自動回復を強化する自動魔法を覚えれば、生存率は高められる。広範囲射撃も覚えるが、主火力とするには大幅な強化を要する。
    • 因果値を上げるイベントの多さよりも、まどか同様の初期の低レベルと、本作の展開上感情値を上げるイベントの多さが気になる。RPGパートの役割は単純で強力だが、ADVパートも含めて管理するのはやや難しい。
  • 佐倉杏子 (貫)
    • 格闘寄りで、縦2マスの貫通攻撃が最初から使え、威力・範囲ともにまずまず。一方、射撃は普通の4マス単体射撃以外だと「自分から縦3マス先を中心にした×の字5マスを攻撃」だったり、最後に覚える魔法は単発威力だけの自爆特攻*4だったり、大技・広範囲攻撃技には恵まれていない。
      • 序盤こそ「突き」「打突」「飛槍」など普通の技名だが、ドラマCDで明かされた「ロッソ・ファンタズマ」だけでなく、「断罪の磔柱」「浄罪の大炎」と段々カッコつけた感じになってくる。
    • さやかと同じ3マス突撃「打突」が使えるので機動性もあり、自分の前方横3マスに壁を作る補助魔法「縛鎖結界」で敵の流れを変えることもできる。
    • 全体回復の補助魔法「食うかい?」は効果こそランダムだが、どの効果も強力*5。回避力の高さ、状態異常への耐性、自身が付与できる状態異常「幻覚」、敵への攻撃時にランダムでアイテムを奪う自動魔法「盗む」などに恵まれていることもあり、ソロプレイでもパーティの立て直しでも立ち回れる。
    • 総じて高い性能を持ち参入も高レベルだが、参入ルートの開放は後半。
  • 暁美ほむら (衝)
    • 射撃寄りで、無属性が多い。安定したダメージを与えられる反面、チャージ解除はできない。格闘攻撃は1マス攻撃2種の他には広範囲型1種しか持たない。
      • 技名はそのまんま「時間停止」「鈍器」「鈍器そして鈍器」、タンクローリー突撃が「危険物第四類」など、他の魔法少女のような華やかさの無い淡々としたもので、これもこれで笑いを誘う。そんな彼女も最後の最後に「侵食する黒き翼」*6を使う。
      • 他の魔法少女より魔法を一つ多く覚えられる。要求されるステータスの高さに反して派手なものではなく、マジックツリーにも影響しない終端部で、やりこみ要素兼ファンサービス。
    • 5ターンに及ぶ「時間停止」、行動を2倍にする特殊状態「倍速」を付与する「クロックアップ」という2つの強力な補助魔法を扱える。ただし時間停止は消費MPが多く、連発は難しい。
    • 状態異常への耐性も多く安定性はあるが、回復魔法は一切覚えられない。
    • ほぼ高レベルで参入し参入ルートも多いが、使いこなすにはやや時間を要するかもしれない。

次周引継ぎ

  • 各ルートでエンディングを迎えるか、ギブアップすると、リザルト画面「成績表」へ進み、「感情エネルギー」を獲得する。
    • 感情エネルギーは、見たエンディングの種類による上下以外にも、魔法少女の感情値、魔女化した魔法少女の元々の因果値も加算される。
    • 感情エネルギーは「まどか☆マギカショップ」で、イベントCG、ADVパートの隠しQボタン・ほむボタン開放、RPGパートの攻略を助けるアイテムなどと交換できる。
  • 因果値はルート内で上がったもの、魔法少女であればレベルもボーナスとして精算し、次回以降プレイするルートでも引き継ぐ。
  • エンディング次第で新ルートが追加される。

収録ルート

  • 夢の中で逢った、ような…… (まどかルート)
    • 鹿目まどかを主役としたストーリー。強制1周目。
    • ゲーム開始時から選ぶことができ、チュートリアルを兼ねている。
    • 「ほぼ」原作に沿ったストーリーであり、プレイヤーが介入できる部分は少ない。
  • あなたが側にいてくれるなら (マミルート)
    • 巴マミを主役としたストーリー。2周目から解放。
    • シナリオ分岐、魔法少女の魔女化など重要な要素が入り、ここからが本番となる。
    • ほむらによるループが起こる前の時間軸(1周目)であり、BD1巻に付属したドラマCD「メモリーズオブユー」の流れをくんでいる。
    • マミの初心者時代や、まどかとの邂逅が描かれる。まどかが最も活躍するルートでもある。

以下ルートは一定のエンディング後に追加。

  • 私が願った、奇跡(さやかルート)
    • 美樹さやかを主役としたストーリー。マミルートの特定エンド後に解放される。
    • 原作3周目をモチーフにした、ほぼオリジナルのストーリー。ほむらのループが開始された後の時間軸(2周目以降のどこか)における物語。
    • 上条恭介の手を治すべく契約したさやかの戦い、そして葛藤が描かれる。
  • 残された最後の希望だったんだ(杏子ルート)
    • 佐倉杏子を主役としたストーリー。さやかルートの特定エンド後に解放される。
    • 既にほむらがメガネを外し、原作に登場した姿となった時間軸での出来事が描かれる。
    • BD5巻に付属したドラマCD「フェアウェル・ストーリー」を更に掘り下げ、杏子の過去が描かれる。

以下ルートは同じく一定エンディング後に追加。視点がキュゥべぇではなくほむらになるため、「Qボタン」は「ほむボタン」になる。

  • 運命はきっと変えられる (ほむらルート)
    • 暁美ほむらを主役としたストーリー。早ければ3周目から解放される。
      • 一部選択肢の解放、(便宜上の)グッドエンド到達のためには、杏子ルートの特定エンドのクリアが必要。つまり本編は最低4周する必要がある。
    • 他ルートよりも圧倒的に多い分岐を進み様々なエンディングが描かれる、本作の集大成となるルート。
  • 想いは現実を超える」(番外編)
    • (一応)暁美ほむらを主役としたストーリー。ほむらルートのエンドをどれでも1つ見ると解放される。
    • ほむらの思いつきで始まる、原作とは全く異なる悪乗りギャグ全開のルート。

謎の魔女結界

  • まどかルートエンディング後から、RPGパート専用モード「謎の魔女結界」が追加される。
    • 魔法少女は全てレベル1から、魔法は「本編で習得→ショップで購入→結界内でスペルブックを入手→再習得」させなければならない。
      • レベル・習得魔法はモード内で引き継がれる。
    • 各ルートのエンドを見る度にダンジョンが追加されていき、ダンジョン内で複数体の魔女が登場するようになる。ラストダンジョンは50階層にも及ぶ。
    • ダンジョンをクリアすると、こちらでも感情エネルギーが獲得でき、ショップにもアイテムが追加される。

評価点

  • 因果値・感情値のシステム
    • 幾つものルートで因果値を溜め、徐々に強力な魔法少女になっていくのは、原作を再現できているし、周回プレイ前提のゲーム性にもかみ合っている。
    • 感情値が高すぎると、攻撃力の増加というメリットよりも、ソウルジェムを穢し魔女化へ近づけていくデメリットの方が目立ってしまうので、感情値をコントロールする必要が出てくる。
      • しかし、思い切って魔女化させれば感情エネルギーを獲得できて得。と言うより、感情エネルギーの回収こそがインキュベーターの本当の目的である。Qボタン発動中のキュゥべえも、その目的を全く隠していない。
  • ADVパート
    • 原作のシナリオライター・虚淵玄が監修。後述のように手放しには評価できない箇所もあるが、原作の世界観・雰囲気を大きく崩さない範疇で、原作補完や心温まる描写、心をへし折る展開が織り交ぜられている。
    • 魔女デザインを担当していた劇団イヌカレーも、魔法少女全員の魔女化、設定上存在したものを新たに描き起こして協力している。設定協力や監修の程は不明だが、新設定が追加され強敵となった魔女も。
      • 魔法少女になりたてのマミが「銃」を武器に選ぶまでのエピソード、マミ・杏子の馴れ初めから決別など。
    • 恭介の父がバイオリンを捨てないように引き止めるまどか、タツヤ(まどかの弟)を邪険にしつつも放っておけない杏子のように、原作で接点のない組み合わせの違和感も少ない。
    • ADVパートの台詞はフルボイスで、口パク会話の完成度も高い。声優はほぼ全て原作通りのキャスティングで、演技力の低さや違和感に悩まされることは少ない。
      • 本作オリジナルのキャラクターおよびキャスティングは「子供の母親」「町のチンピラ」などモブ数人程度。
      • 代役が当てられているのは「電車のホスト(飛田展男&三木眞一郎)」。印象的な人物だが、1シーンしか登場しないにも関わらず有名どころであるため、代役は仕方ないか。
      • 杏子の父はドラマCDから引き続き銀河万丈が努め、過去編に色を添えている。ホスト以上のビッグネームだが、重要なキャラクター故、代役にならなかったのは幸運。
  • RPGパート
    • 原作のハードな内容のせいか、キャラゲーの割にかなりの高難度で、初見殺しも少なくない。しかし「誰を、どう動かすか」まで考えればクリアできる、理不尽ではない絶妙なバランス。
      • 例えばアニメ第3話に相当する「お菓子の魔女」とほむらの戦闘は、戦闘開始前に「噛み付き攻撃は次の足場にジャンプして回避しろ(意訳)」という原作準拠のアドバイスが出るにもかかわらず、無駄にジャンプせず時間停止して鈍器で殴り続けるという原作無視のプレイの方が簡単にクリアできる。
    • どのキャラにも自分にしかできないことがあり、パーティの役割分担が必要になる。没個性な空気キャラがいない点は評価できる。
      • 「謎の魔女結界」では、感情値とレベル差による優劣といった事情に悩まされることなくRPGのみに没頭でき、やり応えもある。
      • ここでしか見られない魔女・使い魔にはキュゥべえの姿をしたものもいるので、倒せば気分も爽快!
    • 魔法も必見。ゲームということもあり全員の魔法に名前が付いていて、カットインとボイスの挿入も多い。
    • 2Dと3Dを組み合わせて再現された魔女結界も原作のイメージを損なっておらず、なかなかの見ごたえ。
  • 音楽
    • ニトロプラスと縁の深いZIZZ STUDIOが楽曲を製作しており、(梶浦ではない事情や先入観を抜きにすれば)作風と合っていて好評。
      • 本作オリジナルの魔女など、原作曲のないキャラクターにも違和感の無い楽曲が用意されている。
      • タイトル画面曲からして「incipit in prece」(ラテン語を意訳して「祈りから始まる」)など、梶浦にならって曲名もラテン語で名付ける拘りようである。

賛否両論点

  • シナリオの不可解・消化不良な点
    + ゲーム本編ネタバレ
  • まどかルート
    • アニメ第8話から分岐し、ほむらがキュゥべえを蜂の巣にするはずのシーンでそれが間に合わず、まどかが契約してしまう。
      • 明らかなバッドエンドだが、このルートに限って分岐しない。「本編通り進むはずなのでは?」と思ってしまったプレイヤーがいるのも、無理はない。
    • さやかルート
      • このルートの「ソウルジェムを投げ捨てる」流れが少々珍妙。
        • さやか・杏子・マミが魔女と遭遇するが、3人がかりでも苦戦。
          マミはまどか・ほむら到着までの時間稼ぎを提案し、さやか・杏子を逃がそうとする。
          しかし、さやかはマミを放っておけずに戦闘を続行。
          結果、さやか・杏子が口論を始めてしまい、さやかは不注意の隙を突かれて魔女に攻撃された――と思われたその時に、マミがさやかをかばい死亡。
          さやか・杏子の2人で魔女からの逃亡には成功したものの、マミを殺してしまった罪悪感から、さやかは魔法少女をやめると宣言。
          マミへの手向けと謝罪のために、さやかは閉じようとする結界に向けて、自分のソウルジェムを投げ捨てる。そして、結界が閉じると共に意識を失う。
        • 言っていること・やっていること自体はさやからしくないというほどではないが、メインルートにもかかわらず足を引っ張る役になっているのは残念。
      • バッドエンドの1つは「ゾンビ化」という原作以上の鬱展開。
        • 前述の「投げ捨てたソウルジェム」の発見が間に合った場合でも、穢れの有無で魔女化エンドに分岐するが、それ以前の発見が間に合わなかった場合のこのエンディングが一番ひどい。
        • 魔法少女になる事について「ゾンビにされたようなもんじゃないか!」とは本編でも聞ける杏子の弁だが、正真正銘のゾンビ、動く腐乱死体になってしまうとは誰が予想できただろうか。
        • そのさやかと対面した恭介は「く、来るな!化け物!!」「お前はさやかなんかじゃない!」と拒絶し、それを引き金にさやかは絶望し魔女化する。
        • 原作の作風故にこのような展開も評価されていないわけではなく、さやか自身も原作で特に酷い目に遭っていたキャラクターなので、仕方ない役回りとも言える。
      • 仁美が宣戦布告を行う場面近くのQボタンにて、「ここまで裏目を引く魔法少女も珍しい」なる解説が見られる。スタッフのある種の開き直りと受け取れなくもない…?
        • 開発中はこれ以上の鬱展開だったらしく、監修に入った虚淵玄さえも難色を示したらしい。
          上記の展開は虚淵が加減したものであり、「今までこれほどさやかに優しくした事はなかった」との事。これでも十分すぎるが、本来はどれほど凄まじい展開だったのだろうか…。
    • さやか・杏子ルート共通
      • 「ワルプルギスの夜」との戦闘は、ADVパートのイベント数行で強制的に敗北した扱いになっている。
        • こうでなければほむらルートに繋がらないし、ワルプルギスの夜と実際に何度も戦うのも苦行だが、この描写の少なさはいかがなものか。
    • ほむらルート
      • エンディングは4つあるが、その結果から考えると「ワルプルギスの夜」の強さが曖昧。
        • ほむら・杏子・マミ・さやかの4人で勝つ。
        • ほむらと杏子・マミ・さやかのうち3人で挑むが勝てず、まどかが契約する。
        • ほむら・杏子の2人で勝つ。
        • ほむら1人で相打ち。
      • 原作でも時間軸(平行世界)によっては負けていて、強さが曖昧である。「ほむらルート」と銘打ってはいても、時間軸は違う世界なのかもしれない。
        • 「もう誰にも頼らない」という宣言通り、1人での勝利を相打ちながら達成するエンディングは感動的である。
    • 番外編
      • 前述した通りギャグルートであるため、意見が「どうしてこうならなかった」に傾くか「同人臭くて受け付けられない」と転ぶか等存在自体が賛否両論である。
      • 全体的にキャラ崩壊が見られ、特に主人公を務めるほむらは毒舌で押しの強いキャラクターへ大きく変貌している。
        • 本作のほむらと同じく斎藤千和が声優を担当したアニメ『化物語』のヒロイン「戦場ヶ原ひたぎ」を思わせるような性格に成り代わっているため(いわゆる「中の人」ネタのパロディ)、それをもじって「戦場ヶ原ほむら」とも呼ばれる。
      • 当ルートの発案、マミがアイドルになるなどの一部の展開は、虚淵玄の発案による「公式が病気」である。本編の陰鬱な展開の後のガス抜き的なギャグルートだと考えれば多少は受け入れられるだろうか。
      • このルートのみ、原因不明だが「魔女が(これまでほむらが辿ってきた時間軸と比べ)異常なほど大量発生している」という設定が存在するのだが、その理由については最後まで明かされないまま。
    • まどか・ほむら魔女について
      • まどかはあるルートで原作と同じく魔女化するのだが……
        • 魔女化した姿がグリーフシードに手足が生えた珍妙な物体。攻略ガイドによれば「魔女化する中途の姿」とあるが、説明不足である。
      • ほむらの魔女化には厳しい条件を要し、こちらも戦闘も無い。
        • 「ほむらルートのラストダンジョンを最下層まで降りてから敗北する」というもので、ゲームオーバー直前でミニイベントが発生する 特殊なゲームオーバー で魔女が登場する。
        • ワルプルギスの夜を目の前にして敗北する、というほむらの絶望を真に味わうことができるが正直面倒くさい。
        • ゲーム内のギャラリー機能ではこの魔女を見ることができない一方、特典ディスクには「此岸の魔女」という名前付きでイラストが収録されている。
      • どちらの魔女にも戦闘は無い。
        • まどかの魔女は「ワルプルギスの夜を一撃で倒す」「地球を10日ほどで壊滅させる」と非常に強力な上、ほむらの目的は「時間を巻き戻してまどかを救う」ことなので戦う必要は全く無い。
        • ほむらの魔女も、その時点では状況的にほむら1人しか生き残っていないような描写がされているので、そもそも戦える魔法少女がいない。
        • しかし、「全員魔女化」というものが初報とほぼ同時に発表されていたため、この2人の魔女が顔見せ程度で終わってしまった件については肩透かしを食らわされた感はある。謎の魔女結界で遊び要素として出せなかったか。
  • 引継ぎ要素の強制
    • 因果値や謎の魔女結界の引継ぎ要素は、システムデータとして記録されているため、引き継がないことはできない。
    • 開始直後からギブアップしても因果値ボーナスを獲得できるので、どうしてもクリアできる自信がなければ、ギブアップを繰り返して因果値を溜め込んでからスタートすることもできる。
      • しかし、この救済措置を過剰に使用したり、やり込んだ結果これに等しい因果値を溜め込んでしまうと、やり込めばやり込むほどヌルくなっていくと感じさせかねない。
      • 「謎の魔女結界」はやりこみ系のダンジョンであるという事もあり、因果値やレベルのリセットがあればもっと長く遊べたのでは…という声もある。

問題点

  • バグ
    • 「さやかルートで特定の選択肢を選ばないとフリーズする*7」「ほむらルート、ワルプルギス戦で一度に大量のダメージを与えるとフリーズする*8というバグがあった。
      • この2点については再現性が非常に高かったが、発売1ヶ月後のアップデートにより回避された。
    • 結界内での戦闘中にオーバーフローを起こしフリーズする事がある。特に佐倉杏子が「盗む」「幻覚」を同時に習得している時に顕著。
      • 「一度も起こった事がない」という報告もあり、本体との相性によるものではないかという話もある。
    • Qボタン、ほむボタンを開示するアイテムをショップで買えるが、たまに購入してないのに開示されることがある。 これらのバグの存在を「凍結の魔女 その性質は空転」「納期の魔女」などと揶揄される事もあった。
  • 不親切・不自然な仕様
    • Qボタン・ほむボタンは重要な分岐で強制的に出現して取りこぼさない仕様になっているのだが、逆に「使用を強制されないボタンは重要ではない」ということも言えてしまう。
      • ショップでは隠しボタンを開示するアイテムを購入できるが、開示しても背景が僅かに明滅するだけで、スキップも止まらない。
    • アドベンチャーパートに「既読スキップ」が無い。
      • 使えるのは「オートモード」「ボタン押してる間スキップ」「クリア済みシナリオの最速スキップ(既読・未読問わず)」。クリア済みシナリオの別エンディングを見ようとしてもスキップされてしまう。
      • スキップ起動中でもテキスト送りのSEが鳴り続けるため、耳障り。
      • 「ムービーのスキップ」に最速スキップと同じボタン(START)が割り当てられている上、手動テキスト送り→ムービースキップするとスキップと見なされてしまう。
    • 感情値≒ソウルジェムは絶望によって穢される…はずなのだが、割とどうでもいい一喜一憂の勢いで上下したり、悲しんで下がったりと不自然な点がある。
  • シナリオの不自然な点
    • マミルートでキャストを無闇に節約していて、演出が不自然になってしまっている箇所が見受けられる。
      • 冒頭に「マミの両親」が登場するが、立ち絵もボイスも、文字としての台詞すらもないエア両親。見方を間違えるとホラーのようでもある。
    • ほむら過去編1周目もこのルートに含まれているのは先述の通りで、ほむらは「芸術家の魔女」の声に同調して結界に引き寄せられるのだが…
      • 本作では魔女の声は無く、ほむらが自分で自分に魔女の台詞を語りかけていく。1人でつぶやき続けるだけなので、一人芝居のようでもある。(参考動画)
  • ソウルジェムのシビアな仕様
    • ADVパートのイベントは感情値を上げるものがほとんどで、お気に入りのキャラのイベントを読みたくても読めないジレンマに悩まされやすい。計画的に濁りを管理しないと、必要以上に厳しいプレイを強いられる。
      • 複数の敵を同時に倒すと感情値を下げられるのだが、減少値は「敵の数マイナス1」。ADVパートでは20程度の上昇が当たり前なので焼け石に水。杏子の回復能力が評価できるのは、これに起因するところもある。
    • ソウルジェムが穢れきった時のデメリットは先にも述べたが、中でも致命的なのは「攻撃力の大幅低下」「MP消費魔法の使用不能による単調化」。
      • マミは魔女化寸前だとリボンで殴り続けるしかない。キャラの戦闘特性は活かせていないし、キャラ再現としても微妙。
      • 魔女化の回避が確定した時点で感情値が大幅に低下するイベントが挟まれるが、意図的に魔女化させたい場合、当然この恩恵は受けられない。
    • マミ・杏子ルートの回想シーンでは、レベル下げ・技忘れという制約がある一方で、ソウルジェムの状態も過去・未来でそのまま引き継がれてしまう。
      • 回想シーンで上げた分の能力値は能力値増強アイテムで払い戻されるので、救済が全くない訳ではない。
    • 重ねて言うが、これらの条件が重なってもクリア不能なほどの難易度ではない。しかし、プレイヤーの感情に釈然としない物は残る。
  • OPの「コネクト」とEDの「Magia」を除くと原作曲が一切ない。
    • 原作で高い評価を得ていた梶浦由記の楽曲がゲームで聴けない、という点には少なからぬ批評が見受けられる。
      • 数々のキャラゲー同様、著作権をクリアするための使用料による制作費の高騰を避ける、という事情は容易に推察できる。

総評

キュゥべぇの正体や魔法少女と魔女の関係など「本編の核心まで網羅している事」を前提に作られているので、原作未見の人にはまずついていけず、お勧めはできない。
マミの生死、さやか魔法少女契約、ソウルジェムの真実発覚、魔女化(回避あり)、ワルプルギスの夜襲来など、結果は異なる場合があるものの、大まかな流れはアニメと同様のシナリオが多い。
RPGという原作ファン層からやや離れたジャンルと、原作ファンでもつらい重いシナリオ…と二重に人を選ぶが、それを苦としなければファン向けゲームとしては概ね及第点の出来だろう。
しかしバグの発生やバランスの調整不足など、荒削りすぎる部分で評価を落としてしまっている部分もあるのが惜しまれる。


その後の展開

  • 劇場版新作アニメ『[新編]叛逆の物語』の公開が差し迫る中、PSVitaにて待望のアクションゲーム『まどか☆マギカ The Battle Pentagram』が発表されるが、こちらもバランス・シナリオともやや難のある作品であった。
  • 本作オリジナルのある魔女が『新編』にも登場するが、本作とはシナリオ展開が大きく違うため、同一人物でも姿が変わっている。