大航海時代IV PORTO ESTADO

【だいこうかいじだいふぉー ぽると えしゅたーど】

ジャンル リコエイションゲーム(ロールプレイングゲーム)
対応機種 Windows 95/98
発売・開発元 コーエー
発売日 1999年2月26日
廉価版 ソースネクストコレクション:2005年7月8日発売(XPまで対応)
判定 なし
ポイント 大航海?
大航海時代シリーズリンク

概要

同名の年代を舞台にしたコーエーの「大航海時代」シリーズ4作目。サブタイトルの「PORTO ESTADO」とはポルトガル語で「港湾国家」の意。今作も複数の主人公が存在するが、おおよその最終目的は皆「覇者の証を集め七つの海を制覇する」というところで一致している。

  • システムやUIは前シリーズまでと比べてガラリと変わり、本作独自のものとなった。

特徴

  • 地中海・北海・アフリカ・インド洋・東南アジア・東アジア・新大陸、それぞれ7つの海域に所属する形で複数の港が存在する。その海域で特定の勢力を滅ぼす・最大勢力になる等の条件を満たせば「覇者の証」の場所を示す地図が手に入る。最終的に全ての海域の「覇者の証」を集めればEDである。
    • 本作の主人公は航海士だが同時に組織の長でもあり、港ごとにパーセンテージで示される「シェア*1」を獲得して勢力を広げていく。
      • シェアは空きさえあれば「契約」「投資」で広げられるが、これが最低でも1%無いとその港での交易品売買が出来ない。また、シェアが大きいほど仕入れられる量も多いが、こちらから売る際は1%でもあれば無制限で売れる。
      • 全ての港のシェアを失うと、その勢力は滅亡する。
    • 仲間のレベルが一定値を超えると、シェアを得た海域では「地方艦隊」を作ることでプレイヤーの作業を委任することができる。COM仲間が自動で交易や攻撃をして利益を得られるので、大変便利な存在。
  • 船によるマップ移動は、前作までのようにマウスで針路を決定する方式だが、今作では船の向きとは別にマストの向きがある。船の向きが順風でも、マストも風を受けられるように適切な向きにしなければ速度が出ない。
    • この操作は慣れるまでかなり難しく、自動移動を使ってCOMに任せる方が断然効率がいい。なお、1%でもシェアのある港同士でないと自動移動は出来ないため、これを使えるようにするためにシェアを拡大するのも重要である。
      • しかし、経験値が早く溜まる、航路以外も航行できる等メリットはある。
    • 海戦も同じ航海マップ上でそのまま行われる。大砲は自動で撃たれ白兵戦も接近すれば自動で行われるので、プレイヤーがすることは針路とマストの向きを操って適切な位置取りをすることだけである。ただ、それが難しいのだが。
  • イベントで敵対することになったり、宣戦布告をして敵対すると他勢力との争いが始まる。この状態になると、敵のシェアを直接「投資」で買収して奪える。また、敵対勢力の艦隊と海上で遭遇するとその場で上記の海戦に移行する。
  • キャラクターグラフィックは高クオリティだが、皆一様に少女漫画か何かの様な「耽美系」になった。
    • 当初の仲間航海士には筋骨隆々の男や太った男も企画されていたのだが、他スタッフの要望等により大半が美青年に替えられた。
    • 絵柄の方向性を受け付けないという人もいて、賛否が別れている。

評価点

  • 本作の支持者は、シナリオの強化をよく挙げる。
    • 前作が基本的にかなりリアル志向のSLG路線だったことと比べると「大航海時代を舞台にした架空の物語」として見れば本作はよく出来ている。
      • これまで冒険を強調してぼかされていたとも思われる利益の奪い合いや各勢力の思惑といった面がより繊細になっており、コーエーお得意の地域制圧SLGを思わせる展開となっている。
    • 各主人公達は、選択しなかったキャラも登場してメインストーリーに影響を与えることが多い。
      • 但し、シナリオの都合上、ゲーム内時間で何年掛けようと登場人物は年を取らない。いわゆる、サザエさん時空である。
  • BGMは、前作に続き高木庸旬が担当。いずれもその地域の特色を見事に表現しており高評価。
  • これまでのシリーズの各要素を取り入れて昇華させている。
    • これまでは隠し船舶や名声以外で価値が薄かった投資がシェアや専属契約による上納金によって目に見えやすい形でメリットが強調された。
    • 海戦に関しても拿捕すればその勢力の軍資金を奪い取れるので一回で交易数回以上の金貨を獲得できるのもザラである。
    • 冒険要素も薄れたとはいえ残っており、遺跡探索やアイテム獲得のための探索要素はある。アイテムには財宝のほか、戦闘や航海に便利なものが多い。一定数のアイテム収集を行ってから他海域に進出するのも手。

問題点

  • これまでの大航海時代シリーズと異なった世界観になった事とグラフィックのせいでシリーズファンからは拒絶反応が出やすい。
    • 交易や海戦の醍醐味、各勢力とのシェア争いなどコーエーの地域制圧SLGとリコエイションゲームの自由度を組み合わせており決して駄作とはいいがたいゲームであるが、これまでの作品と乖離して見える為に食わず嫌いであまりプレイされずに批判されているという事も多い。
  • 過去作の売りであった冒険要素が薄くなった感がある。僻地の村を発見すればその箇所の地図が埋まるようにはなっているが、シナリオにも一部の必須イベントを除き、全く影響は無い。
    • 本作が、既に新大陸・東南アジアが植民地となっている大航海時代後期を舞台にしているせいでもある。登場人物の台詞やイベントから推測すると1580年頃~1600年代前半くらいだが、サザエ時空の関係もありぼかされている。
      • ただしアイテムコンプリートを目指す場合、遠洋では村に寄港し補給しないとほぼゲームオーバーになる。
      • また各キャラの目的が「覇者の証」の入手であり、アイテムの大半が情報と探索をしなければ発見できないので冒険の要素が皆無という訳ではない。
    • 自分以外の艦隊といえば、既存の勢力の艦隊がその勢力の範囲内の航路を走っているだけ。基本的に海賊には襲われないし、こちらから戦闘を仕掛れば勢力同士の戦争になる。片っ端から船を襲うような海賊プレイは出来なくなった。
  • 本来のメインストーリーに即した展開にするのが難しい。メインのイベントを進めるためには、大体ある条件を満たしたうえで、ある場所に寄港する必要があるのだが、その条件を満たせなくなってしまうことも多い。
    • ちなみにその状態になった場合、過去作にあった詰みを防止するため、汎用のイベントによって海域制覇条件を満たすことになる。
  • 交易が簡単過ぎる。港の品揃えは一部以外固有な上に最大5つまでしか取り扱っていない(種類自体がシリーズ最多のため隣接の港と丸被りしたりしない)。その上、ラインナップは全種が特産品扱いのため、隣の港へ被っていない特産品を運ぶだけでかなりの利益が出る。1、2海域を制覇するころには金が余っていることもある。
  • 主人公勢力の目的は全海域の制覇だが、他の勢力はほぼ決められた範囲内でしか勢力を拡げないため展開はいつも同じようになる。余程のことがないと、他勢力に宣戦したり本拠のある海域を出るなどして積極的に勢力を拡げたりはしない。
  • 謀略の意味が薄い。
    • 偽文書で敵勢力同士を争わせたり、覇者の証獲得後は弱小勢力を威圧で傘下におさめたりできるが、自分から抗争を仕掛けて金と艦隊戦力で解決した方が早い。
  • CPU勢力間の落差が激しい。オスマン帝国勢力のパシャ軍に押されて風前の灯のイタリア勢力・チェントリオネ商会はお約束としても、北アフリカがテリトリーのハイレディン一家が哀れ。設定上は人間離れした戦闘力を持っている触れ込みなのだが、資金力に圧倒的な差があるので、実際にはどの主人公でもパシャ軍とすぐ開戦しては追い詰められる傾向にある。本拠地のアレキサンドリアすら喪うことも珍しくない。
  • 勢力同士の衝突が激しいのは地中海のみであり、他の海域はほとんどの場合2~3勢力しかおらず物寂しい。
    • もっとも、勢力が多すぎても中盤で中弛みするので妥当とも言えなくもない。

総評

結果として沖合を安全に自動航行しながらひたすら勢力を拡大するのが常になり、今までの過去作の様な、危険と自由が隣り合わせの状況とは全く毛色の違う、緊張感の無いものになってしまった。ただ、多くの人物が登場しシナリオ・イベントも豊富になったので、受け入れられれば気にならず楽しめるだろう。

  • 過去には、この本体版が公式サイトGAMECITY及びソースネクストでダウンロード販売されていた。ただし、後述のパワーアップキットの適用は出来なかった。

PS版

PSに移植された際、かなりの変更が加えられた。主なものは以下の通り。

  • 補給などのシステム周りが改善され、プレイしやすくなった。
  • 一部の航海士のイラストが変更された。特にオカマのように見えたアンジェロと、無愛想過ぎるように見えたホドラムはイメージ自体が変わっている。
  • 各アイテムが情報を得ないと入手できなくなった。
    • また、覇者の証の地図が2つに分かれたため、イベントが大幅に増えた。
  • 橈漕船(どうそうせん、ガレーなどの櫂を漕ぐ船舶)が購入できるようになった。
  • 各主人公に固有の「街作り」ができるようになった。
    • 特定のイベントを進めると新たな街が建設され、初期は寄港と補給ができる港しかない状態から主人公の手で発展させていくこととなる。

大航海時代IV PORTO ESTADO パワーアップキット

【だいこうかいじだいふぉー ぽると えしゅたーど ぱわーあっぷきっと】

ジャンル リコエイションゲーム(ロールプレイングゲーム)
※本体同梱版
対応機種 Windows 95/98
発売・開発元 コーエー
発売日 2000年3月31日
備考 ソースネクスト版:2008年6月5日発売(XPまで対応)
判定 なし
大航海時代シリーズリンク

概要 (パワーアップキット)

大航海時代IVのいわばバージョンアップディスク。これ単体では起動せず、本ゲームにインストールする必要がある。

追加点 (パワーアップキット)

本作はPS版の追加要素に加え、さらなるボリュームアップがされている。

  • 主人公が既存の4人から更に3人増えた。
    • 新主人公達のシナリオは、既存の主人公達のシナリオよりも過去の時代を舞台にしているため、仲間の加入条件やイベントが変わったものとなっている。
  • ギルドで様々な「依頼」を受けられるようになった。達成すると報酬が貰え、勢力値が上昇する。
  • 一部の主人公で、海戦の際に拿捕した敵船を曳航できるようになった。
  • 1年に1度、その年の「ブランド品」が決まるようになった。
    • 自勢力範囲の1等品からランダムで選ばれ、最高の高値が付くほか贈り物(賄賂?)にも使えるようになる。
  • アイテムの種類が大幅に増えた。
    • ただし、PS版同様以降と同じく、酒場等でアイテムの噂を聞かないと入手できないように変更されている。これは無印で序盤から強力アイテムを集めまくって無双することができたための対策である。
    • アイテムの噂を聞き、探索して入手し、再度噂を聞き……といちいち街に戻る必要がある。またイベントで情報が入手できるアイテムは酒場の噂に優先されるので、何かの情報を入手して探索しないまま忘れてしまうと次の噂が聞けず面倒なことになる。メモしておくか、酒場娘に聞いてみよう。

その後の展開

  • Win本体からの追加要素がかなりの量になりもはや全く別のゲームのようになってしまったためか、コーエー作品初のパワーアップキット単独を扱った攻略本が発売された。
  • 2006年には、PS版のPSP、DS向け移植作『大航海時代IV ROTA NOVA』が発売された。追加要素はあるものの、あくまでPS版の移植に過ぎずPK版主人公は使えないために批判を受けてしまった。また『大航海時代Online』との連動要素がある。
  • 2011年2月には、携帯電話向けに移植されたアプリ『Mobile 大航海時代4』が配信されている。
  • ソースネクスト版は一応Win7でも動作するが、BGMなどに不具合が出ることがある。