鬼神降臨伝ONI

【きじんこうりんでんおに】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 12MbitROMカートリッジ
発売元 バンプレスト
開発元 パンドラボックス
発売日 1994年8月4日
定価 10,290円
判定 なし
ONIシリーズ


概要

SFC版ONIシリーズの第1作目。
GBからプラットフォームが変わったことにより、表現力が強化され、迫力あるバトルが展開。
歴史的にも人気がある鎌倉時代を舞台にしており、人間と妖怪達の物語が繰り広げられる。

ストーリー

由比ヶ浜で拾われた赤ん坊・北斗丸はある日、頼朝の息子・頼遠に呼び出された。
彼らを呼びだしたのは時の権力者である源 頼朝。彼は2人に妖怪達を討てと命じられる。
旅をしていく中で自らの身体の秘密や天下五剣と呼ばれる刀、仲間達と出会う。
そして、彼らは人間と妖怪達の争いの中で源 義経が黒幕であることを知る……。

登場人物

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北斗丸
本編の主人公。由比ヶ浜で拾われ、源家に育てられた少年。
神道系の神降ろしを使う。主人公だけあって習得する神降ろしはどれも強力。
バランス良く育てるもよし、物理攻撃タイプや神降ろし(魔法)タイプに偏らせるも良し
ゲーム開始からエンディングまで常にパーティにいるおかげで、プレイヤーの方針次第でオールマイティーに育てられるキャラ。

源 頼遠
北斗丸の兄貴的存在。素早さが低いパワーファイター。
密・仏教系の神降ろしを使う。全ての属性を扱えるのでどんな状況でも対応出来る。
北斗丸と同じくオールマイティーに育てられる素質を持っている…はずなのだが
本作の成長システムが頼遠にとって凄まじく不利なモノとなっている為、パーティの中で最も煽りを受けてしまっている。(理由は後述の短所の項目参照)

法輪
飲んだくれ坊主。パーティの生命線。
頼遠と同じ密・仏教系を扱うがこちらは全て回復・補助。術での蘇生が出来るのも法輪だけ。

阿古耶
子供達の為にスリを働いていた少女。最初から素早さが高いので敵より先に行動出来る。
召喚系の神降ろしを使い、全員の体力を200固定回復する鳳凰が便利。 様々な特性を持った装備品が多いので物理攻撃、神降ろしを問わずに活躍出来る。

火鷹
天下五剣を求めて旅をする剣士。プレイヤーからはたまに「飛」鷹に間違われる。
魔力が0なので神降ろしは使えず、イベント時以外では常に転身していることが多い。 選択できる攻撃手段が物理攻撃のみである都合上、グングン腕力の格が伸びていく。


特徴

  • ゲームには具体的な「キャラのレベル」が存在せず、『腕力』『耐久力』『素早さ』『信仰心』といったステータスにそれぞれ格(レベル)が割り振られており
    戦闘中に選択した行動によって各能力に経験値がより多く入り、該当する能力が上昇し易くなるというシステムになっている。
    『攻撃』を選択すれば腕力により多く経験値が入り与ダメージがアップしたり、『逃走』を選択して成功すれば瞬発力に経験値が入り早く行動出来るようになるなど。
    これによって時間さえかければ序盤でも圧倒的な戦力を手に入れることが出来る。
    • 戦闘で入手出来る経験値を内部的に見ると『敵の基本経験値』+『選択した行動に+αの経験値』となっている為、弱い敵を相手にひたすら戦闘を重ねるよりもさっさと次の地域の敵と戦った方が効率は遥かに良い。
  • 天下五剣による転身で主人公達は隠忍(おに)へと転身することが可能。
    隠忍は圧倒的な攻撃力を持ち、人間状態による攻撃が効かない敵に大ダメージを与える力を持つ。
    だが、逆に神降ろしと呼ばれる術が使えなくなるので誰を転身させて、誰に術を使わせるかという分担が必要になる。
  • 道中では「仲間」と呼ばれるNPCが存在。戦闘中に手助けしてくれる仲間もいれば、マップでの移動速度を上げてくれる仲間もいる。
  • 明確に時代の背景が設定されたためか、実在の人物や実在の人物をモデルにしたキャラも多数登場するようになった。

評価点

  • キャラの移動速度や戦闘のテンポなどはかなり速いので、ストレスを感じさせない造りになっている。
  • SFCに移行したことで画面が色鮮やかになり、敵も味方もアニメーションする戦闘画面は見もの。
    • 武器にはそれぞれの種類により固有のモーションが用意されており、一定確率で発生する『連続攻撃』が発動すると小気味良いSEと共に、中々に凝ったアクションを見せてくれる。(刀なら流れるような三連斬り、槍ならダイナミックに得物を回してから大振りで叩き切るなど)
  • 神降ろし使用時の派手さは従来のGBと比べると迫力満点。
  • NPC含めた個性豊かな仲間達や史実の人物達との掛け合い、徐々に明かされていく真相などストーリーは良く練られている。
  • フィールドなどでSELECTボタンを押せば仲間と相談する事が可能なので、今からどこに行けばわからなくなった場合も安心。

問題点

  • レベルに相当する「格」が無くなった為、具体的な強さを体感し難い。
    • 逆に時間さえかければ格段に強くなれるのでバランスが取れていると言えば取れている。
    • その行動を選択して成長が早まるシステムのため、素早さの遅いキャラの成長が遅れることがある。
      • この影響をモロに受けるのがパーティの中で素早さが最も遅い頼遠である。あえて変な育て方でもしない限りパーティの行動順は火鷹→阿古耶→法輪→北斗丸→頼遠の順番で完全固定される。阿古耶と北斗丸が全体攻撃の神降ろしを覚えたら、雑魚戦では頼遠に順番が回る前に戦闘終了してしまう。
        結果として頼遠のステータスはロクに成長せず、物理攻撃面では火鷹に劣り、神降ろしは北斗丸と阿古耶に劣るという悪循環を最後まで繰り返すハメになる。パーティの中で唯一、全属性の神降ろしを習得出来るなどポテンシャルで言えば主人公の北斗丸よりも強くなれるはずなのだが、素早さが遅いというただ一つの欠点が常に足を引っ張り、弱キャラになってしまっているのである。
  • 習得できる神降ろしによっては隠忍にはならない方が良いキャラクターがいる。
    • 法輪と阿古耶は全体回復や蘇生の神降ろしを持っている為、攻撃が激しくなる終盤では転身させていると解除に時間を食い、被害が広がってしまう恐れがある。
  • ラスボスに挑める状態になると鎌倉の街から出られなくなってしまう為、サブイベントを起こす事が出来なくなる。(正確にはその前のダンジョンに入った時点でアウト)
    ラスボスも普通に戦うとかなりの強敵だが、レベル上げと道具の購入は可能なのでクリア出来なくなって最初からやり直す羽目になるといったことはない。
    • ただし神降ろしの習得なども不可能となる為、回復系の神降ろしを入手し忘れているとかなりキツイ。特に阿古耶の『鳳凰』は本作で 唯一の全体回復手段 なので(一応、法輪がパーティ全体をまとめて蘇生する神降ろしを覚えられる)、これを入手し忘れているとラスボス戦はほぼ無理ゲーと化す。
    • とあるイベント時に、戦闘中手助けをしてくれるNPCが全員外れてしまうが、鎌倉の街から出られなくなると、それらNPCを仲間にすることが出来なくなってしまう。
  • 神降ろしのエフェクトと属性が一致してない術が複数あったり、装備の特性が間違っているなどミスが少なくない。例を挙げれば阿古耶が初期から所持している『ふるいおまもり』は「連続攻撃が出やすい」とアイテム欄で解説されているが、TAS動画の解析によると「 一切何の効果もない 」とのこと。

総評

SFCに於いて革新を試みた意欲的な作品。
だが、SFCでは本作と『幕末降臨伝』のみであり、GB版程の発展性が無かったのが悔やまれる。


余談

  • 主人公の北斗丸が持つ初期装備の『ぼくとう』を終盤まで売らずにある所に持って行くと最強の武器である『ふうりんかざん』に変化させる事が出来るのだが、この作品のせいで他のゲームでも「初期装備を持っておけば何かあるかも知れない」という強迫観念に囚われたプレイヤーは結構多い。
  • よく間違えられるがタイトルの読み方は『きしんこうりんでん』ではなく『きんこうりんでん』である。実際にこの記事も間違っていた。
最終更新:2021年09月14日 16:29